2018年1月16日 (火)

浅草歌舞伎第一部

112日 浅草歌舞伎第一部(浅草公会堂)
1年ぶりの浅草かしら。正月の賑いも落ち着いたのか、11時前の浅草は朝の静かな空気がまだ漂っていた。それでもやっぱり浅草に来るとウキウキする。
「お年玉ご挨拶」
去年と同じ松也さん(振り返ったら3年連続で松也さんに当たっていた)。第二部も去年と同じ巳之助クン。嬉しくないわけじゃないけど、他の人のも聞きたかった。と言ってスケジュールが出てからのリピートは無理なのよ。ま、さすが松也さん、慣れた口調で客席を和ませた。
一通りの口上を述べるとマイクを取り出し、「おはようございます」とやったから客席は笑い。このやり方は松也さんだけでなく、去年の巳之助クンもそうだったから定番かも。それはともかく、松也さん、初めのうちちょっと声がガラガラしていて、喉を痛めているのかしらと心配になった。だんだんきれいな声に戻っていったから大丈夫かな。
浅草は今年で4年目、昨年は人数が少なめだったが、今年は初演の時の出演者も戻ってきたので華やかにお送りする。浅草では大役を初めて頂く。その中での初日は緊張する。その緊張を力に換えるのはお客様。拍手が力になる。まだまだ若い出演者―私も若いんです、と自負しています―、広いお心で、カッコよく決まった時は拍手、屋号をいただくとテンションが上がる。
この後ご覧いただく吉野山じゃない―吉野山は去年やった、ごっちゃになっちゃう―、ことしは鳥居前。出るのは播磨屋、大和や、萬屋。屋号がわからなかったら「むにゃむにゃやっ」と「屋」だけ強調してくれればいい。タイミングがわからなければプロの大向こうがかけた時に「音羽屋っ」とか「屋っ」とかければいい。
物語の説明の時間がなくなった。「鳥居前」は忠信が静を助けにくる話。狐六方が見どころ。「御浜御殿」は綱豊と助右衛門の探り合いが見どころ。わからない人はプログラムを買って。ストーリーはほぼオチまで出ているし、出演者がアイドルみたいに写真を撮ってある。
居住まいを直し、口上口調で「隅から隅までずい~と」と言ったところで「音羽屋っ」の掛け声。客席が笑う。すると松也さん、「今のです」で再び客席笑い。「請い願いあげ奉りまする」で終わり。
浅草歌舞伎って、毎年拍手や掛け声を奨励するけど、拍手は当然としても(そういえば、亀治郎さんたちがやっていた時は拍手の練習があったっけ)掛け声はどうなんだろう。ヘタに素人や女性が掛けたら芝居がこわれちゃうんじゃないかしら。役者さんがあまり掛け声かけてと言わないほうがいいような気がする。それとも浅草歌舞伎は別なのかな。

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2018年1月13日 (土)

初春大歌舞伎夜の部

18日 初春大歌舞伎夜の部(歌舞伎座)
2018年の歌舞伎初めは夜の部から。
「角力場」
久しぶりだったせいか、角力小屋の混雑ぶりが格別な感じがした。見物客が入った後、木戸番も与五郎も押し出されるようでなかなか中に入れない。そんなところが、濡髪対放駒の人気、話題性を強調していた。聞こえてくる行司の声が本物みたいでうまい。
愛之助さんの与五郎と放駒2役は、これまでの印象とは違った。まず与五郎だが、今までで一番つっころばし感が薄かった。というより、つっころばしではあるが、なよなよしていないと言ったほうがいいだろうか。なよなよしていれば、それなりに面白いし笑いも大きくなるが、吾妻(七之助)はこんななよなよ男に惚れたのか、というちょっと解せないところが今まではあった。今回の愛之助さんの与五郎ならわかる気がする。もっとも遊女というのはなよなよさんが好きなのかも。与五郎のぼんぼんぶりもそんなにバカっぽくはなく、濡髪大好きさからくる自然な感じを受けた。
もう1役の放駒、素人青二才的な元気さはあまり感じられず、濡髪と対等に渡り合える落ち着きがあるように見えた。通しで見ると、悪い仲間と通じて姉を困らせる不良であるし、濡髪との対比という意味ではやんちゃなほうがいいのかもしれないが、この放駒も悪くはないと思った。最後に、力の差が明らかになるのだし。
芝翫さんの濡髪は存在感が大きくて、この世代でこの役をできるのは芝翫さんを措いていないのではないか。体も大きいから(小屋から出てくる時の貫録というか威容というか)、関取感がより一層強かった。こうしてみると、芝翫さんも貴重な存在だなあと思う。
「口上」
22
人がずら~っと並んでいる壮観‼
まず、藤十郎さんが一通りの挨拶の後、例のごとく懐紙を出して読み上げた。以下、ざっと。聞き違いがあったらごめんなさい。
魁春:先代白鸚さんには初舞台以来お世話になった。新白鸚さんともたびたびご一緒している。
歌六:前回の三代襲名と同時に自分も歌六を襲名した。あれから37年経つ。
扇雀:新白鸚さんは私たち後輩に丁寧に教えてくれる優しい兄さん(この前見たキンスマ獅童さんの復活でも、権太を丁寧に優しく教えている幸四郎さんの姿が見られた)。長男が新幸四郎さんと同じ誕生日で他人ではない感じ。今日がその誕生日である。新染五郎さんは会うたび男っぷりが上がっている。
愛之助:新白鸚さんには小学生の時より可愛がってもらっている。新幸四郎さんとは同世代で、話せること話せないこと、色々あり。

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2018年1月12日 (金)

黒蜥蜴が帰ってくる、って

Kurotokage 新派の黒蜥蜴、六月に再演だそうです。
好評だったからね。
楽しみ。
取り急ぎ(去年のうちから発表になってたらしいけど、気がつかなかった。なんか、今さらで間が抜けてしまったわ。こんなチラシが浅草に置いてあったものだから…。ま、いいや、自分のために)。
ちなみに今回は全美版だそうです。

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2018年1月11日 (木)

楽しみな七之助与三郎×梅枝お富

今日は1日中、目の回るような忙しさで、今やっとパソコンを開いたら、コクーン歌舞伎の情報が載った歌舞伎美人のメルマガが来ていた。本当は11日で記事はお休みのつもりだったのだけど、この公演情報はスルーできないので、ブログを開いたら、うかれ坊主様からもコクーンの情報をいただいていた。
今回は勘九郎さんは出ないで、七之助さんが与三郎、そしてコクーン初の梅枝さんがお富ですと。ちょっとインパクト弱い気もするけれど、個人的にはとても楽しみ。

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2018年1月 9日 (火)

北斎の面白さを知る:北斎とジャポニズム

17日 「北斎とジャポニズム」(国立西洋美術館)
180108 日曜美術館やぶらぶら美術館でも取り上げたし、CMも流れているから混んでいるんだろうなあと予想。そしてやはり事前の混雑情報では待ち30分、でももうこの日しか取れない。ということで、今年の始動は美術展。通常の正面出入り口からは入れず、建物脇からの入館になっていた。30分弱でやっと会場へ。
「第1章 北斎の浸透」、「第2章 北斎と人物」、「第3章 北斎と動物」、「第4章 北斎と植物」、「第5章 北斎と風景」、「第6章 波と富士」という分け方でもわかるように、北斎の作品は多彩なジャンルに亘るのだと改めて感心した。
どの展覧会でもそうだが、最初の部屋の最初の展示は格別に混む。この展覧会では最初の展示が書物で、ケースの前に立たないと見ることができない。そのため何重にも人垣ができていて、それだけでかなり挫けた。真ん前にはなかなか行かれないので、背伸びして何とかざっと眺めるだけ眺めて移動。
とにかく展示作品数が多い。
北斎の影響を受けた(あるいは受けたと考えられる)西欧の作品が220点、その元となった北斎の作品が約80点、書籍や小さい作品も多く(小さい作品は壁に展示されているのでけっこうちゃんと見られる)、じっくり見たら大変な時間がかかるが、人の多さにその気力をなくし、比較的流してしまった。それでも後で日曜美術館を見たら、取り上げている作品は全部覚えていた。ぶらぶらは後日見て復習しようと思う。
今回はそういうわけでメモをしないで回ったので、一つ一つの作品についての感想はパス。全体として、北斎の影響が素人目にもあきらかに見える作品もあれば、言われてみると確かにそうかもという作品、解説されてもよくわからんという作品、様々であった。言われてみると確かにそうかも、という作品では、本当にそうなのかな、たまたま同じようなオリジナリティで描かれたのではないのかしら、などと首をひねってみたり…。よくわからんという作品では、色々な角度からその影響を探してみたり…。でも彼らはきっと北斎を見ていただろうし、やっぱりインスピレーションは受けたに違いない。その影響がどこに現れているのかということを知るのは大変面白かったし(お相撲さんの後姿→踊り子、なんて面白いよね~)、北斎を見た西欧の人の衝撃がどれだけ大きかったかということをあらためて認識した。さらに、この展覧会からは北斎の奥深さ、面白さを教えてもらった(北斎って第一人者すぎて、ちょっと敬遠というのではないが不勉強にもその価値をあまり知らなかったような気がする)。今後は、まだ足を運んでいない北斎美術館にぜひ行ってみたい。

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2018年1月 7日 (日)

青春はますます遠く

フランス・ギャルさんが亡くなった。
あの愛らしいシャンソン人形も70歳。自分の年齢を考えれば何の不思議もないが、青春時代に目にした彼女(もちろん写真)しか目に浮かばないから変な気持ちだ。
フランス語をわからない当時、なんかそう聞こえるという出鱈目フランス語で歌っていたが、今でもその言葉で時々口ずさむフレンチポップス。
ご冥福をお祈りします。

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2018年1月 1日 (月)

年初

あけましておめでとうございます。
昨年は滞りがちなこのブログを応援してくださって本当にありがとうございました。
しばらくは軌道に乗れない日々が続くかと思いますが(最初からそんなことではしょうがないけれど…)、どうぞよろしくお願いいたします。

今年も無事に1年の始まりを迎えることができたことに感謝です。

歌舞伎初めは、ちょっと遅いけれど第2週です。

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2017年12月29日 (金)

歌舞伎納め:十二月歌舞伎座第三部

1226日 十二月大歌舞伎千穐楽第三部(歌舞伎座)
やっと第三部を見ることができました。今年の歌舞伎納めです。感想、年内に間に合ったぁ。
「瞼の母」
2011
年巡業、13年明治座と、獅童さんで2度見ている(いずれもおはまは秀太郎さん)。初見こそ、有名な話の割によく知らないで見たが、今はもう話の内容はよくわかっている。それでもこういう芝居を見ると昂揚する。
玉三郎さんのおはまは、気持ちが非常にわかりやすかった。明治座では母親の気持ちを考えながら見た、と自分の感想に書いてあったが(すっかり忘れていた)、今回はおはまの気持ちが表情に如実に表れるため、気がついたら、私の心は完全におはまの心の中に入っていき、反発するという選択もあるのにそうはしなくて、同化していた。訪ねてきた男が忠太郎であることはすぐにわかったに違いないし、使用人に忠太郎の後を追わせるのも自分で探しに行くのも、お登世(梅枝:見知らぬ男を見て、もしやにいさん?と勘づくあたりが自然だし、素直に育っている感じが窺えた)の説得はすでに胸のどこかにあったことを表に出させるきっかけに過ぎなかったのではないか、と思えた。
中車さんは任侠のきっぱりした部分、孤独、母親恋しさ、母親と同年代の女性へのやさしさの表現がとてもうまく、どれもびんびん伝わってきたし、泣かされたものの、おはまとの再会で私のほうがおはま側に立ってしまったのが我ながらなんとも複雑な気分だ。忠太郎の必死に訴える言葉の一つ一つは、中車さんの実体験と重なるものでもあり、切々と胸を打ち、それに応えないおはまがもどかしいのではあるが、おはまの心がわかるだけにおはまの方に涙してしまった。自分を探しに来たおはまに顔を見せればいいのにとつい思ってしまった一方で、会おうとしない忠太郎の心もわかるような気がした(「嫌だ、いやだ~」「上と下の瞼を~」のセリフが、ね)。金五郎(権十郎)を斬る直前に親も子もないことを確認するところでは胸が詰まった。

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2017年12月25日 (月)

再演希望、「隅田春妓女容性」

1219日 「今様三番三」「隅田春妓女容性」(国立劇場)
空席が目立つという噂を聞いていたが、たしかに…。こんな面白い演目なのにもったいない。
「今様三番三」
浅葱幕の前で、歌昇・種之助兄弟が白旗詮議の話をしている。何となくではあるが、兄・歌昇クンに貫録を感じた。
大薩摩の後、浅葱幕が振り落されると長唄囃子連中が正面に現れた。鳴物、三味線に合わせ、如月姫(雀右衛門)、佐々木行氏(種之助)、結城貞光(歌昇)の3人が中央からセリ上がってきた。セリ上がりはやっぱりわくわくする。
小気味のよい播磨屋兄弟の動き、構えは種之助クンのほうが低い。
初めて見るような気がしていたが、如月姫の扱う白旗が新体操のリボンのようで、そういえば去年の夏巡業東コースで壱太郎クンがやったのを見たんだっけと思い出した(この時の外題は「晒三番叟」)。終盤、やや眠くなったがなんとか持ちこたえた。短い時間に引き抜きあり、立ち回りあり、白旗あり、変化に富んで、なかなか面白かった。
それにしても、三番叟を三番三とも表記するとは知らなかった。
「隅田春妓女容性―御存梅の由兵衛」
カギは百両、盗まれた重宝、元主人への恩義のための腐心、横恋慕、付け文と盗みの詮議、身内殺し、縁切り等々、歌舞伎の面白いエッセンスが詰め込まれていた。
序幕、妙見堂の参詣人の中に菊十郎さんがいて、ちょっとびっくりした。そうだよね、播磨屋、京屋だけじゃなく音羽屋の舞台でもあるんだものね。一言だが声も聞けたし、どなたかに手を引かれながらもお元気に歩いていたのが嬉しかった。
きれいな芸者衆(種之助クンとてもきれい。最初誰だかわからなかった。声で、ああそうか…と)が去ると、ばっち~い姿の土手のどび六(又五郎)登場。又五郎さん、チャリ敵がうまい。丸い体と合って憎めず、なんとなく和む。同じくチャリの吉之丞さん(医者三里久庵)と息が合って面白い。橋本入口塀外の場では、吉右衛門さんが吉之丞さんにムチャ振りをして困らせていた。久庵が松の木にのぼって由兵衛から身を隠したつもりだったのに、由兵衛はとっくに見抜いていて、ありゃ烏だ、いやとんびだ、などと言えば、その都度久庵は「かあかあ」「ぴーひょろろ」。しかし最後に「ありゃ薮だ」とやられて吉之丞さんはめちゃ困っていた。そうかやぶ医者だもんな。後に出てくるもう1人のチャリ敵・歌昇クン(濡髪ならぬ延紙長五郎)が良い味を出していて、芸の幅が広がったなと思った。でもこの長五郎、相撲取りを目指しているわりには弱い。そこがまた面白い。
錦之助さん(金谷金五郎)が一見つっころばし風で、実は元武士であるから強い。10月の「霊験亀山鉾」の源之丞といい、錦之助さんのニンに合ってとてもよかった。

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2017年12月20日 (水)

三月歌舞伎座演目・配役発表

今日はやっと日中にパソコンを開くことができた。そうしたら、三月歌舞伎座の演目・配役が発表になっていた。詳細は→ココ
昼の部は
国性爺合戦、男女道成寺、芝浜革財布
夜の部は
於染久松色読販、お祭り、滝の白糸

男女道成寺は四世中村雀右衛門七回忌追善とあるが、もうそんなに経つのか…。
2月に続いて仁左玉様が見られる‼
「滝の白糸」は新派で見たことがあるけれど、歌舞伎では初めて。どんな風になるんだろう。

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