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2008年9月10日 (水)

2度見ても大笑い:赤坂歌舞伎

99日 赤坂大歌舞伎ACTシアター)
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度目の赤坂歌舞伎で、あまり気が進まなかったのだけど、行ってよかった。こちらの体調も整っていたためか、芝居のほうも進化したためか、その両方なんだろう、今日は思い切り楽しめた。
「狐狸狐狸ばなし」
やっぱり勘三郎さんは愛嬌が勝つけれど、松村雄基のねちっこさとは違うしつこさ、怖さも滲んでいた(案外、腹に一物ありそうなの)。だけど何より勘三郎さんの優れているところは、とにかく客を楽しませようという努力。細かいアドリブ的なセリフから、大きな動きまで、お客の喜ぶツボを心得ている。あっちこっちから笑い転げる声が聞こえる。手を打って笑う人、あはははと大声で笑う人、くっくっくっくっ笑う人、みんな笑いで幸せそう。私も、時々、恥ずかしくなるくらいの声を出して笑ってしまった(おばさん笑いだぁ、と自分で思った)。
段治郎さんがとてもよくなっていた。二枚目半というか、めっちゃ色男なのに、けっこう体張ってドタバタやっていて喜劇にしっかり溶け込んでいて、それでもやっぱりとても二枚目でステキ。法印がオレってどうしてこう女にモテるんだろうとにんまりする場面なんか、その気障ぶりがイヤミでなくただただ可笑しい。段治郎さんの法印ならもう一度見てもいいなと思うくらい。
そして亀蔵さんの牛娘が可愛い。必死で法印に注ぐ愛情がとっても可愛いのだ。だけどちょっと気持ち悪くて、今思い出しても、笑ってしまう。らくだといい、亀蔵さんの異才ぶりは絶好調。
彌十郎さんの又市は前半のアホぶりがちょっと作りすぎなような気がする。後半とのギャップをはっきりさせるためなのかもしれないが、もう少し普通にしても伝わるのではないかしら。本当の又市に戻ってからは彌十郎さんの持ち味が出てとてもいいだけに、ちょっと惜しい。
扇雀さんは、最後の気が触れたと見せる場面の表情がかなり強烈なので、それが印象に残るが、それまではけっこう可愛い女なんである。見た目は本物の女性である山本陽子にはかなわないけれど、伊之助が手放したがらない、法印がなんだかんだ言って別れられない、それが十分納得できる女の魅力はあったと思う。
前回触れなかったことをいくつか。
①小山三さんが弔問客のおばちゃんとして出てくるが、ホント味があるよねえ。小山三さんを見ると嬉しくなる。
②山左衛門さんが、閻魔堂の縁側に腰掛けた姿勢から、降ろした足をひょいと上げて部屋にあがる姿がいかにも江戸の下町風でいい感じだった。
③おきわが「えてわかちょうに行っておいで」と又市を使いに出す場面がある。猿若町のことだろうか。あの時代、そういう言い方をしていたのかしら。
④幕の後ろで場面を変えている間に、酔っ払いの男が通路から現れ、客をいじりながら舞台へあがって上手へ去って行く。ほんの少しの間なんだけど、この酔っ払いぶりがなかなかうまくて感心した。多分扇一朗さん。
⑤来年の金丸座、中村屋さんの出演らしい。伊之助が死んだと安心して2人でどこかへ行こうよと相談し合うおきわと法印が言っていた。
⑥この芝居の主な舞台は伊之助の自宅と閻魔堂である。幕開きは伊之助自宅で、次の閻魔堂の場にするときは、舞台を暗くして伊之助の自宅を上手側に移動させ、舞台奥から閻魔堂を前に押し出すという居所代わりとなる。再び伊之助の自宅にするときはその逆の手順となる。後半は幕を閉めての場面転換であった。前回見たときは伊之助自宅庭に設えられた物干しの竿が、2度ほど落ちて大きな音を立てた。今日はそうならなかったところを見ると、前回はミスだったのだろう。本当に落ちなくてはならない場面があるのだから、ちょっと痛いミスだったかも。
⑦近所の女たちがみんな男過ぎ。白塗りじゃないから余計そうなのかもしれないけど。とくに菊三呂さん、強烈な表情するし、コワイよ。

おきわが三味線を弾きながら歌う「こんぴらふねふね」が未だに頭の中でリフレインしています。
「棒しばり」
勘太郎クンの棒使いが若々しくメリハリがあって小気味良かった。勘太郎クン、かなり早いうちから顔中汗だく。途中からは汗がぽたぽた滴り落ちる。歌舞伎役者さんって、あんなに化粧していて目に汗が入っても痛くないのかしら。私なんか、化粧していなくたってしみてしみて耐えられないのに。
亀蔵さんの殿様が、出てきただけでおかしい。七之助さんの太郎冠者、勘太郎さんの次郎冠者、もうたまらん。2人の一挙手一投足に力が入ったり笑ったり、楽しくて、私バカみたいににたにたして見ていた。
七之助クンって、ちょっと声張り上げると、女方のときみたいになるんだな。
ああ、面白かった。
ナゾ:4日の「棒しばり」の囃子方に傳左衛門さんがいらした。あら、と思って筋書きを見ると、傳左衛門さんのお名前はない。そう思うと、ちょっとお顔が違うような気もする。だいたいからして、6日に歌舞伎座に行ったら岩長姫で傳左衛門さんが鼓を打っておられた。ってことは時間的に考えても掛け持ちはあり得ないし、今日は傳左衛門さんはいらっしゃらなかった。私、いったいどなたを傳左衛門さんと思ったのだろう。それとも4日だけワープした? いや、絶対、別の方だな。
attention pleaseACTシアターは最前列がA列なのだが、I列のチケットをお持ちの方が1列と間違えて最前列に座り、後から来たA列の方が戸惑うという状況をこの前も今回も見た。劇場の人に案内されて最前列に座ったというI列の方もいらっしゃって、そりゃお気の毒だわ。
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歌舞伎ミーハー観劇記」カテゴリの記事

コメント

おはようございます♪

本日は10月歌舞伎座の発売開始で・・先ほどまで悪戦苦闘しておりました (^^ゞ
17分にやっと繋がって 一安心です♪
これから 赤坂歌舞伎へ参ります。Swinging Fujisan さんの
2度のエントリーを拝見して観劇気分が一層高揚してきました!
有難うございます 
それでは、行って参りま~す♪

投稿: ミッチ | 2008年9月10日 (水) 10時42分

ミッチ様
おはようございますsun
やはり、10時直後は入れなかったのですね~。ミッチ様の悪戦苦闘ぶり、手に取るようにわかりますわ。繋がってよかったですねgood 
というのも、ああ私ときたら、昨夜張り切って予定を確認したというのに、一晩寝たらすっかり忘れ、気が付いたのが40分も過ぎてからshock。うわぁぁと慌ててアクセス。さすがにこの時間はすんなり入れ、何とか無事に取ることもできましたが。こんな時間でもそこそこ希望の席が取れるんだ、と思うと、最初の15~20分の混雑を避けて入ればいいようなものですが、やはりわざわざ冒険はできません…。

赤坂では大いに笑っていらっしゃいませhappy01

投稿: SwingingFujisan | 2008年9月10日 (水) 11時05分

ミッチ様
コメントのお返しを公開したつもりでおりましたが(10日11時05分)、先ほど管理画面にアクセスしましたら、非公開になっていました。もし、上記時点からずっと非公開状態になっていたのでしたら、本当にごめんなさい。
赤坂歌舞伎はいかがでしたか。ご感想をお聞かせいただければ嬉しいです。

投稿: SwingingFujisan | 2008年9月11日 (木) 23時18分

おはようございます♪

ご丁寧なご連絡ありがとうございます 
まったく問題なく公開されていましたよhappy01

赤坂歌舞伎は、私もたっぷり!「おばさん笑い」してきました。
「狐狸狐狸ばなし」で、寺男の役をしていた方は歌舞伎の役者さんではないようですが、どういう方かしら? なかなか良い味でしたね~
「棒しばり」の勘太郎・七之助さんの踊り、楽しかったです。頼もしい後継者を2人も持って 勘三郎さんも幸せな役者さんですね!  
最近の勘太郎さんは「お父さんそっくり!」度が増していますね~特に声が! 

投稿: ミッチ | 2008年9月12日 (金) 07時53分

ミッチ様
おはようございます。公開されていたとのこと、安心いたしました。
早速ご感想をお聞かせくださってありがとうございます。勘三郎さんがこの演目を選んだのは歌舞伎の敷居を低くしたいというお考えからのようですが、そういう意味では大成功ですよね。
勘太郎さん、本当に声が勘三郎さんにそっくり。愛嬌の含ませ方などもよく似ていらっしゃるなあと思います。これからも兄弟仲良く中村屋を盛り立てていってほしいですね。

寺男役の役者さんは井之上隆志さんといって、勘三郎さんとはこれまでに「殿のちょんまげを切る女」「わらしべ夫婦双六旅」で共演なさっています(私が見たものだけですけど)。「○○屋っ」と掛け声がかかっていたように思うのですが、2日とも聞き取れませんでした(聞き違いかしら)。中村座常連の笹野高史さん(あ、両方とも「たかし」だcoldsweats01)は淡路屋という屋号をもっていらっしゃいますよね。

投稿: SwingingFujisan | 2008年9月12日 (金) 08時36分

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