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2008年9月 5日 (金)

赤坂初歌舞伎

94日 赤坂大歌舞伎ACTシアター)
08090501akasakakabuki 

仕事の都合で徹夜明け。演目がいかにも面白そうだから何とかもつだろうと出かけたが、さすがにところどころ落ちてしまった。今月は実に変な取り方をして、この赤坂歌舞伎もなぜか来週もう一度行くことになっている。だからいいか、というだらけた気持ちがあったのも否めない。以下の感想は、ところどころ意識を失っていたということを差し引いてお読みくださいねcoldsweats02
08090502akasakakabuki_2 地下鉄赤坂駅を降りると、サカスへ直結する階段のデジタル画像が赤坂歌舞伎になっていて、おお!とこの時点でちょっと盛り上がる。ただ、ずっと歌舞伎の画像になっているわけではなく、何パターンかのうちの1つ。一度見逃して次に出てくるのを待っていると長く感じる。
ACT
シアターの周辺も歌舞伎ムードで、いつもは出ていない木の小屋風の売店が2軒出て、筋書きやグッズを売っている。中のACTカフェにも定式幕に「赤坂茶屋」(だったと思う)と書いた小さな看板が下がっていた。
「狐狸狐狸ばなし」
初めて歌舞伎を見る人にはとても面白い芝居だったと思う。勘三郎さんのコンセプトがそういう人向けに選んだ演目だというのだから、そういう意味では成功だろう。ただ、問題は、こういう大劇場でやる芝居かどうかということ。私は杮落としの「トゥーランドット」は1階最後列、「かもめ」は中ほどの列で見たが、やはり大掛かりな芝居のほうが絶対適している。2階席から下をちょっと覗いてみたら、1階で感じる以上の広さを実感したし、2階の上のほうからちまちました芝居を見ても面白くなさそうだ。それも勘三郎さんは考慮したんだと思う。下で見ているとやや大味な印象を受けたのはそういうことなのだろう。それでも、勘三郎さんの「お客様を楽しませたい」という気持ちは十分伝わってきた。
扇雀さんのおきわが意外と(と言っては失礼だが)よかった。生活のだらしのなさが出ていたし、前半は女の可愛らしさも感じられた。勘三郎さんがアドリブ(セリフとして固定化しているかもしれない)で「あんた、肥えたんじゃない? 今倒れたとき、家が揺れたよ」とか扇雀さんを色々いじるのだが、よく吹き出さないものだ。
段治郎さんの法印重善はさわやかで、見た目の立派さ・きれいさと小心ぶりとのギャップが可笑しいとまではいかないが、これはだんだんよくなっていきそうだと期待できた。
亀蔵さんのおそめ。6月に見た三越劇場「狐狸狐狸ばなし」のおそめは、すでにメークが笑いを湧かせたが、亀蔵さんのはふつうの女方の顔。考えるに、嘉島典俊は元が女顔なので、ああいうメークにしたのだろう。おそめは「牛娘」と言われ、男の体じゅうを舐め回す性癖があってイヤがられているのだが、亀蔵さんのおそめは案外可愛らしくて、好きで好きでしょうがないから舐めるのだという気持ちがよく感じられた。亀蔵さんでこの役を見ると、おそめは決して顔で勝負する三枚目役ではないと思うのである。
さて、肝心の勘三郎さんの伊之助。蛇のようなしつこさが女から嫌われる男ということなのだが、そういういやらしさがあまり感じられない。松村雄基にはねっとりしたしつこさ、いやらしさ、怖さがあったが、勘三郎さんがこういう役をやるとどうしても愛嬌が勝ってしまうように思う。いや、勘三郎さんの伊之助にもそういう面はあるのだろうけど、生来の明るさが、むしろ可愛い男じゃない、と思わせる。ただ、もしかしたら、表向きの面の裏に、怖い本性が隠れているのかもしれないな。
次回はちゃんと起きて見るつもりだから、感想が変わるかも。
おまけ1屋台の蕎麦屋の場面、本物のお蕎麦を食べていた。空腹の身にはおつゆのいい匂いが…
おまけ2段治郎さんがでるのでひょっとしたら、と思っていたら、やっぱり猿琉さん、こちらにいました。博奕打ちでちょこっとだけ。
おまけ3下手側通路が花道がわりによく使われ、たまたま通路側だった私はまさに、目の前の役者さんを見上げる形。段治郎さんをあんなに間近で見たのは初めて。
「棒しばり」
文句なく楽しめた。どちらかというと、私の目的はこっち。まだ、勘太郎・七之助コンビの「棒しばり」は見たことがないのだもの。亀蔵さんの大名はちょっと貫禄に欠けるが、大らかさ、愛敬があって、私は好きだ。太郎冠者・次郎冠者はさすがに息もぴったり。以前に見た三津五郎・勘三郎コンビに比べ柔らかさとかしたたかさは少し足りないものの、若々しく生き生きとして、本人たちも楽しそう。勘太郎クンは先月の更科姫で扇使いに固さがみられたが、次郎冠者の扇はバッチリ。前者は舞の流れの中で、後者は一応気合を入れてという違いはあるけれど、棒で縛られたまま、扇を左手から右手へ投げるという技は容易なものではないだろう(これ、百発百中なのかなあ)。勘太郎クン、やっぱり声や喋り方がおとうさんそっくり。
<上演時間>「狐狸狐狸ばなし」90分、休憩20分、「棒しばり」40
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歌舞伎ミーハー観劇記」カテゴリの記事

コメント

劇場周辺も歌舞伎notesという感じで、いい雰囲気ですね。素敵な写真をありがとうございます。
実は昨日、話がパタパタとまとまりまして、2階席の後方を2枚入手しました。行くのは私ではなくて姪たちなんですが。「いつもおばあちゃんの所へ行ってくれてありがとうね」、という気持ちで、2階席でも私としては奮発。一度、歌舞伎を見たい、ということだったので、チャンス、と。

伊之助のいやらしさといえば、篠井英介・おきわの時の、ラサール石井は相当でしたよ。段治郎さんの重善は見てみたいなー。

投稿: きびだんご | 2008年9月 5日 (金) 23時23分

きびだんご様
おはようございます。
新しい町に降り立った途端、歌舞伎的空気が流れるようにするなんて、勘三郎さんらしいですよね。それを味わうだけでも楽しいですよ~。
姪御さんたち、歌舞伎に目覚められるかもしれませんねhappy01 「面白かったねえ」「楽しかったねえ」という声があちこちから聞こえてきましたもの。私だって色々書きましたけれど、とても楽しかったんですよ。
篠井・おきわ、ラサール・伊之助って、私には異色の組み合わせのように感じられますが、イメージはまさに狐と狸ですねsmile 機会があれば、見てみたいものですわ。
あの素敵な二枚目の段治郎さんが大仰にドタバタするのが面白かったですよ。ご本人は無垢で純真な役が続いたので、そういうイメージを覆したいのだそうです。

投稿: SwingingFujisan | 2008年9月 6日 (土) 07時28分

赤坂は(三越も…)、お財布とスケジュールの都合でパスしましたので、レポ、ありがたいです! 赤坂は劇場自体、まだ上陸したことがございませんの。いつになりますやら…。

それにしても、Newテンプレート、お月見バージョンで、とっても可愛いです! ウサちゃんが、かっわいい~!!

投稿: はなみずき | 2008年9月 6日 (土) 07時52分

はなみずき様
ありがとうございます。私も三越はパスしました。でもこんな取り方をして、芝居貧乏になるわけですcoldsweats02

赤坂歌舞伎もコクーンのように恒例化されるのでしょうかしらね。今回の公演が大成功のうちに終わればその可能性もあるかもしれませんね。歌舞伎を見る機会が増えるのは嬉しいのですが、お財布もカレンダーも悲鳴をあげますよねえ。

テンプレートはあまりピンとくるものがないのですが、このお月見はウサギが可愛いと私も思ったので選んでみました。気に入っていただけて、嬉しいです。衣替えをすると、自分も気分が変わって浮き浮きしますnotes

投稿: SwingingFujisan | 2008年9月 6日 (土) 08時57分

赤坂歌舞伎、私は後半に参りますhappy01
先日、勘太郎くんが「はなまる」に出ていて(多分赤坂歌舞伎初日だったと思います)サカス周辺の露店で、彫刻とか色紙とか、その場で職人さんがつくって販売しているのを紹介していました。
サカスじゅうが歌舞伎の雰囲気なのかと楽しみにしていましたが、SwinginFjisanさんのレポでさらに様子がよくわかりましたnotes

私も「棒しばり」がおめあてなんですよ。そして、お席は真ん中より後ろのほうですが下手通路側。どなたか来てくれるでしょうか。今から楽しみです。
レポありがとうございました!お忙しそうですが、しっかり寝てくださいね〜sleepy

投稿: mami | 2008年9月 7日 (日) 09時47分

mami様
「はなまる」、見逃しちゃったんですよcrying もうだいぶ時間が過ぎてから新聞のTV欄を見て、シマッタ~!!と。mami様、ご覧になれてよかったわgood

「狐狸狐狸ばなし」は、後方席のほうへも1~2度、役者さんが行っていたように思います。通路使いの場合は、座席が切れるところまでは必ず行きますから、十分楽しめるのではないでしょうか(逆に前のほうの席だと、すぐ後姿を見送るようになってしまいますのsad
後半になると、みんなこなれてきて、面白さ倍増かもしれませんね。

ご心配ありがとうございます。この日は2日分寝ましたcoldsweats01 

投稿: SwingingFujisan | 2008年9月 7日 (日) 10時08分

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