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2008年9月 7日 (日)

森・森・森:竜馬がゆく

96日 秀山祭大歌舞伎昼の部(歌舞伎座)
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早くも今月
3回目の歌舞伎。やっと亀ちゃんの顔を見られる。まずは、本日最大のお目当てから(秀山祭だっていうのに)。
08090702ryouma 「竜馬がゆく・風雲篇」
去年の「立志篇」で大いに胸を熱くしたから(当時の感想はSwing part1 99に。大したこと書いてないけど)、亀ちゃんが出なくたって、期待が大きいのに、チラシのおりょうさんがあんまり可愛くて、ますます期待が膨らむというもの。
ただ、先に言っておくと、今回は竜馬の恋愛が絡むせいかどうか、「立志篇」ほどの緊迫感はなく、全体に甘さ(恋の甘さってことでなく)が漂っているかもしれない。それはそれで、私はかなりアツくなりました。
幕開きは、元治元年6月、京の夜。池田屋が新撰組に襲われ、土佐藩や長州藩の多くの浪士が命を落とした。きっと夜の京都はこんなふうに真っ暗で、恐怖がはびこっていたんだろうな、と思いは一気に幕末へ。
この事件を桂小五郎からの手紙で知り肩を震わせる竜馬。私、もうウルウルし始める。竜馬は、やっぱりつかこうへいより司馬遼太郎がいい。竜馬の人間的魅力、なぜ竜馬が日本人に愛されるかが本当によくわかる。
勝海舟の一番弟子として、今は海軍操練所塾頭になっている竜馬のもとを中岡慎太郎(松緑)が訪れる。喜んだ竜馬は自分が海軍を作るからお前は陸軍を作れ、陸と海で幕府を倒そうと思いを語る。竜馬の、日本という国を思う心に、私の胸から熱いものが飛び出しそうになる。いつの間にか握りしめていた手に力が入る。長州藩を救わねばならぬと力説する中岡の言葉に同調し、武士の本懐を遂げるためなら死んでもいいと昂揚する塾生たちへ「絶対死ぬな」と言葉を絞り出す竜馬。染五郎さんの清潔さが、こういうときの竜馬の大きな魅力、大きな力になっているheart04 そして、竜馬の運命を知る故に、その言葉がストレートに胸に突き刺さる。
翌月、いよいよおりょうの登場である。戦火に町を焼かれ、家を焼かれ、生きることに精一杯のおりょうが竜馬と出会うことによって、自分の夢を竜馬の夢を重ねる。亀治郎さんのおりょうのなんとおきゃんで愛らしいこと。最初に舞台に現れたとき、あまりの可愛さに胸が締め付けられ、思わず声にならない声が出そうになった(もう、私の目はlovely)。聡明で気の強いおりょうは竜馬にからかわれながらも自分の意見をまっすぐに述べる。名前も似ている2人は互いの中に同じものをもっているのに恐らく一瞬にして気が付いたのだろう。それが2人の感情を近づけた。このあたり、染五郎さんの明るい清潔さ、亀治郎さんのからっとした気性が気持ちよく、微笑ましい。軍艦に乗りたいと言うおりょうの気持ちに、私はとても共感を覚える。亀ちゃん、なんと生き生きとしているんだろう。竜馬と話しているうちにおりょうの目がキラキラshineしてくるのがわかる。これが、あの「思い切っても凡夫心」の俊寛と同じ役者なのだろうか、あの昏い怨念を漲らせていた花子と同じ役者なのだろうか。亀治郎という役者の非凡さを改めて感じた。
命を賭して新しい時代へ生き抜こうとする2人が愛おしくて、また涙が滲んでくる。染五郎・亀治郎コンビを見たのは「高田馬場」が初めてだった(と思う)が、堀部ほり・小野寺右京 vs 安兵衛といい、「毛谷村」のお園 vs 六助といい、お似合いのコンビだ。「竜馬がゆく」がシリーズ化されるなら、来年も亀ちゃんおりょうを登場させてほしい。2人の<ハニー・ムーン>を見てみたい。
さて、おりょうを離れて、他の人についてもちょっと。なかなかいい味があると思ったのは、竜馬の警護についている三吉慎蔵役の片岡松次郎さん。失礼ながらこれまで知りませんでした。二枚目だし、控えめながら光るものを感じた。要チェック役者さん、又1人増えました。
西郷はなんと錦之助さん。面談に来たはずの竜馬が鈴虫取りに夢中になっている姿に感ずるところあったのだろう、虫籠サービスをしちゃう西郷もまた愛すべき人物だ。声が高いのはやむを得ないか。錦之助さんの真摯な演技で西郷の大きさ、人となりはよく伝わってきた。ただメークがちょっとなあ。西郷さんに無理して似せようとしなくてもよかったのじゃないかしら。いや、西郷だと言われていた写真に似ているというよりは、ちょっと剽軽な感じがしたな。この場面では、竜馬の「間違いは気付いたときに正せばいい」という意味のセリフが心に残った。西郷さんはこの言葉をどう受け止めたのだろうか。
寺田屋の女将・登勢の上村吉弥さん、人情味もあるし、しっとりした京女の味わいと女将としての貫禄がぴったり。

しかし、一国のリーダーたるべき人物が2年も続けて責務を投げ出したこの日本、竜馬が命を賭けた日本の未来はこんなになっちゃった、なんて、どのツラ下げて言えるんだ。

「森・森・森」のタイトルの意味するところは、次回smile

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コメント

あぁぁ~、早く見たくなりましたーーっ!
私はこの日、演舞場におりましたので、ちょっと接近状態でありましたね(笑)。

染丈と亀丈、お似合いのカップル(?)ですよね。どこが、とハッキリ説明はできないのですが、二人が揃うと、良い感じで響きあうような気がします。

松次郎丈。私も好きな役者さんです。お背も高くて、素敵です。昨年はお怪我をされたようですが、復帰されて何よりです。立廻りもお上手な役者さんですよ♪

「次回」の記事、心待ちに致します!

投稿: はなみずき | 2008年9月 7日 (日) 14時55分

はなみずき様
あら、演舞場にいらっしゃったのですか。私、博品館から歌舞伎座へ回りますときに演舞場を横目でちらちら見ながら行ったんですよhappy01

染五郎さんと亀治郎さんは、本当にはなみずき様がおっしゃるように「良い感じで響きあうよう」に、私も思います。気心も知れ合っているのでしょうね。

松次郎さん、お怪我をされていたのですか。爽やかで三吉というお役にピッタリでした。復帰されて見事に大きなお役をこなされているのですね。そう知って、より胸が熱くなりました。

投稿: SwingingFujisan | 2008年9月 7日 (日) 17時11分

私も本日歌舞伎座に行ってきました。
染ちゃん&亀ちゃんカップル、私も大好きです。亀ちゃんもトークイベントで染五郎さんとはやりやすいって言ってました。
おりょうの役は、亀ちゃんのためにあるようなもの(言いすぎですねcoldsweats01
明日は演舞場に行ってきます。海老蔵さんとの絡みはどうなのか、今からドキドキですheart04

投稿: non | 2008年9月 8日 (月) 00時24分

non様
おおお、歌舞伎座にいらしたのですねgood
おりょうの役は亀ちゃんのためにある、って、あのおりょうを見たら、私もそう思いますheart04 本当に生き生きとしていましたよね。染五郎さんも素敵でした。

演舞場のお初も、亀ちゃんのためにある役と言っていいそうですよshine 「かさね」はどんな感じなんでしょうね。しっかり亀ちゃんのお初とかさねを目に焼き付けていらっしゃいませlovely 私は、まだまだ夜の部までには日があるので、じりじりする思いです。

投稿: SwingingFujisan | 2008年9月 8日 (月) 02時20分

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