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2008年9月 8日 (月)

森・森・森2:歌舞伎座昼の部

96日 秀山祭大歌舞伎昼の部(歌舞伎座)
「ひらかな盛衰記・逆櫓」
08090801sakaro 正直なところ、こういう演目はちょっと苦手である。秀山祭なのに、肝心の演目をしっかり見なくてどうする、とは思うのだが、食後のことでもあり、ちょっとつらい。しかも、周囲からけっこうsleepyビームが飛び交っていて…。
だいたい、話が理不尽だ。まあ、歌舞伎には理不尽な話がたくさんあるわけだし、そこに目くじら立てたって仕方ないのだが、私がこの話の内容を摑みきれなかったせいか、その理不尽の必然性がよくわからなかったのだ。樋口兼光が捕われる事情もイマイチ納得できていない。
というわけで、残念ながら思い切りミーハーな見方に徹しました。後半、3人の船頭が登場するや、私の胸はキュン、目はあっちへこっちへと忙しいのなんの。だって、歌昇、錦之助、染五郎って、ご贔屓美形揃いなんですもの。なんて奇麗な3人なの~heart04。この3人に吉右衛門さんを含めた4人の逆櫓はカッコよく小気味がよい。立ち回りも楽しかった。強く印象に残ったのは、歌六さんと富十郎さん。富十郎さんは最後にちょっと出てきただけで、抜群の存在感がある。
ありゃ、肝心の吉右衛門さんが…。大事なところが少し飛んじゃったから…。
こういうセリフを聞かせる芝居をちゃんと見ることができないうちは、まだまだ未熟者(それを自覚して、part2ではカテゴリーを「ミーハー観劇記」に変えましたcoldsweats02)。「竜馬がゆく」をもう一度見たいのとは違った意味で、この芝居ももう一度見てみようか、と迷っている。
おまけ1:今年は木曽イヤーか。「我が魂は輝く水なり」「源平布引滝」、そしてこの「逆櫓」。武士の幼名は代々伝わる故、駒若が義仲であり、その子であっても何の不思議もないのだが、ついこの前<駒若⇒義仲>を見たものだから今回の<駒若=義仲の遺児>という図式がピンとこなかった。混乱してしまった。それはひとえに私の脳がついていけなかっただけですが。この槌松実は駒若役の子役ちゃん(この日は高橋飛和クン)は、最後に兼光に別れの言葉を一言かけるまではじっと舞台に座っているか立っているかのことが多く、大変だなあと思った。
「日本振袖始」
08090802oroti_2 八岐大蛇の生贄にされるべく、稲田姫(福助)が輿に乗せられて運ばれてくる。ごつごつとした岩だらけの谷。そんなところに1人置いてけぼりにされる心細さ。覚悟していたって恐ろしい。で、稲田姫は気を失ってしまう。
やがて岩長姫の姿をした大蛇(玉三郎)がスッポンから登場する。なんて美しい。岩長姫はその醜さから<ににぎのみこと>に嫌われたという話だが、とんでもない、とんでもない。玉三郎さんの岩長姫は、その美しさの陰に怨みと恐ろしさを潜ませており、凄みがある。美しい人の怖い顔は本当に怖い。しかし、岩長姫を見ているうちに、だんだん姫の哀しみが感じられるようになってきた。そう思えば、姫がいたましく、毒酒を飲んで本性を表す姿にも恐怖より哀れみを覚えるweep
玉三郎さんの鬼モノはややもすると線の細さが気になったものだが、分身が7人いたこともあるのだろうか、この大蛇ではそういうことは気にならず、迫力も十分であった。それでいて、立ち回りの玉様の動きには女らしいしなやかさがそこはかとなく感じられ、恐ろしい蛇体であっても本当に美しいと見とれた。
八岐大蛇伝説は河川の氾濫と治水を象徴するという解釈が有名だが、神話の世界を歌舞伎の舞台で見ると、実際にそんなことがあったのではないか、と信じたくなる。
やっぱり、歌舞伎座昼の部はもう一度見たいところだなあ。
おまけ2大蛇退治をする<すさのお>染五郎さん、実にさわやか。今月夜の部は1本だけど、昼の部は3本全部にご出演。やっぱり本数契約?smile
<上演時間>「竜馬がゆく」75分、幕間30分、「逆櫓」109分、幕間20分、「日本振袖始」53

ところで、「森・森・森」の意味。演舞場で海老蔵さんの魅力にくらくらきて、もう亀ちゃんから乗り換えちゃおうかと思うほどだったのに、歌舞伎座でおりょうを見た途端、亀ちゃんの可愛らしさに胸が締め付けられ、三吉役の松次郎さんも素敵、竜馬・漁師・すさのおの染五郎さん、歌昇さん、錦之助さんにキュンとして、最後玉様の美しさに心奪われ。あ~私ってなんて気が多いの~。でも、森・森・森は歌舞伎座だけじゃないのよね、時様・梅枝クン・松也クンのいる演舞場も、なの。
ってわけでした。なんか深い意味があると期待していた方、こんな古いしょうもないオチでごめんなさいっbearing

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歌舞伎ミーハー観劇記」カテゴリの記事

コメント

逆櫓、私は見事に睡魔に襲われてしまいました。
出演者のみなさんゴメンナサイcoldsweats02
イヤホンガイドも借りたのですがイマイチ内容がつかめず、本来ならメインの作品なのにあまり楽しめませんでした。楽にもう一度見に行くので、今度こそちゃんと観ようと思います。起きている自信はないですが・・・。
あと、玉三郎さん本当に凄みのある美しさ、哀しさでしたね。あまりにインパクトが強すぎて、最初に観た亀ちゃんのこと忘れてしまいそうでしたcoldsweats01

投稿: non | 2008年9月 8日 (月) 23時00分

non様
食後にあまり動きのないものがかかると、どうしても眠くなりますよね~coldsweats01 
以前に七之助さんがTVで、けっこう寝ているお客が多いと言っておられました。自分1人でないと思うと気が楽は楽ですが…
「逆櫓」、千穐楽にはぜひリベンジdashしてくださいませ。

投稿: SwingingFujisan | 2008年9月 8日 (月) 23時32分

こんばんは。
明日歌舞伎座昼の部にまいります。SwingingFjisanさんの感想を読んだら急に行きたくなって、急きょチケットを取りました!
おかげさまで、予習ができました♪
お昼はあまりお腹いっぱいにしないようにします(そっちか!)
あーでも無理かも…アイスとか鯛焼きとかまで食べちゃうかも…。
おりょうと岩長姫、しかと見て参ります♪

投稿: mami | 2008年9月 9日 (火) 01時19分

おほほ、そういうことでございましたか。>森×3

私も早く歌舞伎座も拝見したくなりました~。もう少しのガマン、です。竜馬ファンとしては、早く1年ぶりにあの素敵な、アツイ染竜馬さまにお会いしたいですわ♪

大河ドラマといい、来月の国立「大老」といい、今月の歌舞伎座といい、ちょっとした幕末ブームですね。

投稿: はなみずき | 2008年9月 9日 (火) 08時20分

mami様
おはようございます。
生き生きとした青年群像、美しくも悲しい岩長姫、そしてじっくりと味わう義太夫狂言、それぞれ違った趣でお楽しみになれると思います。
それにしても、私の思い切りミーハーな感想でチケットをお取りいただいて、申し訳ないような…coldsweats01

せっかくいらっしゃるのですから、おいしいものも召し上がれ。

投稿: SwingingFujisan | 2008年9月 9日 (火) 08時21分

はなみずき様
おはようございます。
森については、ついつい勢いでタイトルをつけてしまい、まったく面目ないことでしたcoldsweats02
竜馬の視野の広さ、進取の気象、率直さ、稚気、本当に魅力的な人物ですよね。舞台を見ていると、染五郎さんあってこその竜馬だ、という気がします。
幕末は、まさに日本が土台から変わろうという時期でしたから、自ら人々も真剣に国を思わざるを得なかったし、そこから生まれるドラマが今も私たちの心を揺さぶるのでしょうね。今の日本を見たら、彼らはどう思うでしょう。

投稿: SwingingFujisan | 2008年9月 9日 (火) 08時34分

こん♪♪は。

今日早くも二回目の秀山祭の観劇をしてきました。まだ初日の感想をまとめないうちに、機会に恵まれ行ってしまいました(^_^;)。

『竜馬がゆく』は、染五郎さんと亀治郎さんのコンビが鎖国日本を打ち破るような新しい人間像を明快に出していて、よかったですね。二人のハニー・ムーンを描く続編も是非来年観たいと思いました。

『逆櫓』の駒若丸は今月演舞場の『源平布引滝』でも義仲の幼名としても出てくるので、私も混乱しましたね。

『日本振袖始』、初日同様冷静には観ることが出来ず、かえって興奮度が高まってしまいました。玉三郎さんの岩長姫は、恐ろしさが同時にそのまま美しさになるのですから、凄いものです。これでは楽日前にまた幕見に行ってしまいそうです(^^ゞ。

投稿: 六条亭 | 2008年9月 9日 (火) 23時24分

六条亭様
先ほど、六条亭様のブログを拝見しましたら、2度目の秀山祭昼の部観劇とのこと、それも「日本振袖始」の絵の写真を出していらっしゃったので、六条亭様のこの演目に対するお気持ちの強さがよくわかりましたhappy01
岩長姫、まさに玉三郎さんのためにあるようなお役ではありませんか。
六条亭様の興奮が伝わって、私ももう一度見たいという気持ちが高まってきましたup。「逆櫓」のリベンジもしたいですしね。

投稿: SwingingFujisan | 2008年9月10日 (水) 00時15分

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