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2008年10月10日 (金)

桜席は超特別席:「仮名手本忠臣蔵」劇場篇

109日 仮名手本忠臣蔵Bプログラム(平成中村座)
はじめての中村座だから、興味津々。座席は桜席。コクーンの平場席みたいに、入口で渡されたポリ袋に靴を入れて中にあがる(休憩時間、用意された下駄やサンダルがあいていれば、それで外へ出られる)。
トイレtoilet
いきなりトイレの話で恐縮だが、とくに女性にとっては切実な問題だから。ネットで集めたいろいろな情報によれば、トイレは1カ所にしかなく、休憩時間が短いから延々行列ができるとか。それで、座席に着く前に、偵察がてら寄ってみた。
場所は1階左側。女性用は4室あって、それぞれに個室が5つある。4室の入口前にはそれぞれ白線で囲まれたスペースがあって、そこにスリッパが脱がれたら、行列先頭の人が入れる。スリッパの数=個室の数だそうで、次々脱がれるスリッパを見ていると、案外回転はいいようだ。とはいえ、私の席はトイレから一番遠かったため、休憩のたび、廊下をダッシュしdash、階段を駆け下りた。おかげで早く並べたが、出てみると、まだまだものすごい行列で驚いたshock 2回目の休憩時には、男性も行列ができていたょ。
トイレ案内係のおねえさんたちのガイドが手際よく、めざとくスリッパのアキをみつけては「次のかた、四番へどうぞ」などと教えてくれる。「皆様が思っていらっしゃるより早く入れますよ~、ご安心くださ~い」「中には皆様のお美しい姿を写す鏡がありますが、それはちらっと覗くだけにして、お化粧のお直しは廊下のなんちゃって鏡でお願いいたします~」なんてユーモアたっぷりの案内は場の空気を和ませるsmile
食事
木戸を入った先、小屋の入口の手前に売店があり、お弁当を売っている。歌舞伎座で売っているようなお弁当のほかに、のりまきカツサンドなどがあった。座席で食べられるが、休憩時間によっては、トイレに並んだらお弁当を食べているヒマはないかもしれない。Bプロは20分、15分と休憩時間は短い。
さて、ここからは桜席の醍醐味について。

桜席
舞台と同じ位置にあり、上手下手の両側から舞台を見下ろす座席である。歌舞伎座や演舞場の2階東西の席が舞台上まで延長されていると考えたらいいかしら。あるいは、義太夫さんが演奏する二階の床あたりが座席になったという感じかしら。いや~、実に面白い席でしたgood あんまり面白くて、時にそっちに気を取られてしまったりもして。
開演前、もちろん舞台には定式幕が引かれているでしょ。ところが、桜席は定式幕の内側にあるわけだから、幕裏の舞台がまるまる見えるのですよ(時々、目の前に黒い幕がおりてきて、舞台が隠されることもある。これは、事前に座席に置かれていたメッセージに、了承を求める旨が書かれてあった)。五段目の始まる前、定式幕の内側には浅葱幕が掛かっていて、その後ろには勘三郎さんが集中を高めるかのようにじっと控えていた。
十一段目は出だしだけ黒い幕がおりていて舞台を遮り、浅葱幕が落とされるのと同時にそれが上がる。あとは全部見せてくれた。死んだ小林平八郎が立ち上がってソデに消えるところ、次の出の役者さんたちが舞台に揃うところ、大道具を入れ替えるところ。そしてそして、四十七士が花道を引っ込み、馬に乗った勘三郎さんがそれを見送るところでチョンチョンチョンチョン、定式幕が閉じられる。当然、私たちの目の前の黒い幕も降りてくるものと思ったら、なんと、目の前はひらけたまま。嬉しくって拍手を続ける私たち。すると勘三郎さんは馬を下り、こちらを見上げ、ちらっと目礼してくれたheart04 それでまた一段と嬉しくなって、今舞台に残っている人すべてに大きな拍手を送った。
少し高さがあるだけで舞台と同じ位置なのだから、役者さんの顔がとても近く見える(せっかくオペラグラスをもっていったので、覗いてみたら、超ドアップになった)。横顔になることが多いのは仕方ないが、七段目のおかるなんて、まさに目の前って感じ。
大道具の位置によっては視野からはずれる部分も出てきてしまうし、胸の高さくらいにある手摺が視界を遮るのが気になったが、私の席からはおおむねよく見えたと言っていいだろう。花道も全部よく見えるし。ただ、奥のほうの座席からはかなり見えないところがあったのではないかしら。
ひょっとして桜席が平場だったらと、お行儀悪い足を隠せるよう、珍しくもフレアーのたっぷり入った長めのスカートを穿いていったのだが、座席の形態はベンチ式の椅子席だった。表面はいぐさ風(?)で、各人用に厚手の座布団が2枚重なっている。背もたれは1列目は腰あたりまでの低いもの、2列目は背中を全部預けられる。お尻はかなり痛くなったものの、予想したよりずっと座りやすかった。

役者さんにしてみれば、上演中に舞台裏を客に見せるなど、あってはならないことなのかもしれない。客の中にも興ざめだと思う人がいるだろう。でも、見せたくなければ黒い幕を降ろせばいいのであって、実際、ドラマ性の高い場面ではそうしていたし、最後の討ち入りで見せてくれたのは、大サービスでもあるんだと思う。安いからということで取った席だけど、とにかく役者さんと同じ舞台にいると思ったら強い一体感を覚えて、ミーハーな私にしてみれば超VIP席に思えちゃった。Cプロは桜席が取れなくて、それなら1階で見てみようと竹席にしちゃったのだけど、Cプロこそ桜席がいいらしいよぉ~weep

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歌舞伎ミーハー観劇記」カテゴリの記事

コメント

Aプロのみ桜席で見ます。情報ありがとうございます。そうですかー♪平成中村座ならではの席ですね。
トイレのこと、すごく気になっていたので、非常に助かります( ..)φメモメモ

投稿: urasimaru | 2008年10月10日 (金) 12時12分

urasimaru様
女性の場合、どこでもトイレは行列ですから、心配ですよね。以前の中村座での経験を踏まえて、この数で足りると判断したのでしょうし、劇場側も心得ていてテキパキと誘導しているのだと思います。でも、やっぱり早めに並んだほうが安心かも。
桜席については、料金との兼ね合いも含めて色々意見が分かれるでしょうが、私はけっこうお得だったかなと思っています。
Aプロ、私はurasimaruさんの記事を拝見して、見ることを決めたんですよcoldsweats01 幸い、私も桜席が取れましたし。

投稿: SwingingFujisan | 2008年10月10日 (金) 13時17分

楽しい記事を、ありがとうございます~! 中村座は行かれませんで、小屋のなかはどうなっているのだろう~…っと興味津々でしたから、SwingingFujisan様のカバンの中に入った気分で、楽しませて頂きました♪ ワクワク感たっぷりのお席で楽しまれたようですね。その鼓動が伝わって参りました~。この記事が<劇場篇>ということは…! 次の記事を今から期待してしまいます(笑)。
それにしても、この一つ前の記事、<平成中村座>のトップのお写真。気持ちよいくらいお空が真っ青ですね! 心が晴れました。色々、ありがとうございました!

投稿: はなみずき | 2008年10月10日 (金) 21時05分

こんばんは~♪

私は8日のBプロを桜席で拝見しましたっ!
7段目のおかるが目の前ということは、右側の桜席ですね♪
私は左側でしたので、おかるさんは舞台正面にくるまで見えませんでしたが・・・
それでも 私のミーハー心を充分満足させてくれるお席でした。
やみつきになりそうで・・ヤバイです ( ̄○ ̄;)! 

投稿: ミッチ | 2008年10月10日 (金) 22時15分

はなみずき様
ありがとうございます。
自分の席を見つけ、そこから幕の中の舞台が見えると知ったときには思わず興奮してしまいましたwave はなみずき様に楽しんでいただけて嬉しく存じます。
自分でも写真を見てちょっとびっくりしましたが、昨日の空はこんなに青かったのですね。お天気のいい日に芝居を見るといつも、役者さんはなかなか陽の光を浴びることがないんだなあ、と思います。

<鑑賞篇>、明日の朝までには仕上げたいと思っておりますsweat01

投稿: SwingingFujisan | 2008年10月10日 (金) 22時39分

ミッチ様
コメント、ありがとうございます。
今回は1日違いでしたのねsmile
はい、右側の席でした。左側のお席からはおかるさん、見えなかったのですか。ポイントになる場面でしたから、それはちょっと残念でしたねwobbly
本当に私もヤミツキになりそうです。でも席数が少ないのと、お値段を考えると、気軽にもう一度行こうというわけにはいきませんよねぇcoldsweats02

投稿: SwingingFujisan | 2008年10月10日 (金) 22時58分

>SwingingFujisanさま
確かに幕が目の前に溜まってみづらいこともありますが、まか不思議な空間ですね。江戸時代の錦絵にはとんでもないところにまで客席があったようです。
雨の日は音がつらいですね。雷なったらどうなるんでしょう。

投稿: とみ | 2008年10月10日 (金) 23時53分

とみ様
コメントありがとうございます。
少なくとも今のところ、平成中村座でしか味わえないであろう雰囲気の中に身を置くことができたのは幸せでした。
鑑賞篇のほうで触れますが、たしかに外界の音は問題ですね。雨に雷…屋根の音対策はどうしているのでしょうね。せっかくの観劇をそういう音でジャマされたくはありませんが、どんな様子なのか、知りたい気もします。

投稿: SwingingFujisan | 2008年10月11日 (土) 01時18分

おはようございます。11月の法界坊、見に行くのは諦めていたのに、まだ桜席が買えるのを知って悩み始めました。これがまたちょうどいい日なんですよ。もう少し安ければ、こんなに悩まないものを・・・。
しかーしsign03やっぱ来月は音羽屋さんだもーん(どうして歌舞伎座と演舞場に分かれちゃうのcoldsweats01)と、今は思ってます。web松竹を覗いちゃいけないですね。
さて、私は今日、浅草へ行ってきますね。唯一見るBプロですscissors

投稿: きびだんご | 2008年10月11日 (土) 10時27分

きびだんご様
今頃ちょうど、勘平最期の場面でしょうか。真面目で愚かで哀れな勘平の姿が目に浮かんできますweep
11月の「法界坊」のお悩み、よくわかります。私はNYバージョンを取ったのですが、桜席ってないんですね。取ったときはわからなかった桜席の面白みを知ってしまった今、じゃあと言ってもう1日取る余裕はないし…。きびだんご様もいっそご都合が悪ければ諦めがつきますのにね。
それに、おっしゃるとおり、11月は歌舞伎座、演舞場がありますし~(ホント、どうして二手に分かれちゃったの~)。
覗くまいと思っても、私もついつい毎日のように除いてしまうWeb松竹ですねぇcoldsweats01

投稿: SwingingFujisan | 2008年10月11日 (土) 18時23分

たびたび失礼します。中村座は中に入れないので、度々、SwingingFujisan様の記事を拝読して、何度も行った気分になっております。ありがとうございます。「ありがとうございます」ついでに申し訳ありませんが、勝手ながら、本日の拙ブログの記事に、こちらの記事をリンクさせて頂きました。あの空間で、密度の濃いお芝居が繰り広げられているのですね~。う~ん、羨ましい…!

投稿: はなみずき | 2008年10月13日 (月) 20時22分

はなみずき様
リンクありがとうございます。
気持ちのいい空の下で浅草を楽しまれたようで、よかったですね。私もはなみずき様のガイドで浅草を歩き、うきうきしましたnotes

投稿: SwingingFujisan | 2008年10月13日 (月) 22時27分

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