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2008年10月20日 (月)

シェイクスピア満喫

1020日 「から騒ぎ」(彩の国さいたま芸術劇場)
08102101karasawagi 彩の国シェイクスピア・シリーズの第20弾、そして出演者全員男性というオールメールシリーズ第4弾、私にとってはシェイクスピア・シリーズとしては6本目、オールメールシリーズとしては「間違いの喜劇」「恋の骨折り損」に続く3本目になる。
今日はたまたまアフタートークがあり、帰宅時間を気にしつつも、こんなチャンスめったにないから、居残った。アフタートークについては後述するけれど、芝居の感想にも時々その話が混じります。
主な出演は美形4人(長谷川博己:クローディオ、月川悠貴:ヒアロー、小出恵介:ベネディックス、高橋一生:ビアトリス)にベテラン2人(瑳川哲朗:レオナート、吉田鋼太郎:ドン・ペドロ)。

プロット、セリフ、人物造型、すべてにシェイクスピアを堪能した。面白くて声をあげて笑った。これも歌舞伎で見てみたい気がする。帰り道、好き勝手に配役も考えちゃった。
シェイクスピアを何本か見てくると(と言えるほど見ているわけでもないけれど)、ところどころ似ているものがあるなあ、と思う。ドン・ペドロの弟はイアゴー的だし、いわれのない侮辱を受けたヒアローを死んだことにしようなんていうのはジュリエットを思い出したし。
恋の仕掛け人ドン・ペドロの吉田さんのこんなはじけぶりは初めて。吉田さんというとこれまで重厚な役しか見たことなかったから、びっくりした。終わりのほうで2組のカップルがダンスをすることになったら、1人ひがんで、客席の女性を舞台に引っ張り上げようと躍起になっていた。あんまり熱心に手を差し伸べているものだから、小出クンがぽんと鋼太郎さんの頭をたたいて、やめさせていた。アフタートークで松岡和子さんに「鋼太郎さん、今日はちょっとやり過ぎていましたけど」なんて言われていたところをみると、その女性、よほど鋼太郎さんのタイプだったのかな。
瑳川さんは「エレンディラ」のおばあさん以来。セリフがたくさんあって、瑳川さんだとわかるから嬉しかった(昔、時代劇で活躍していたって知らない人が多いだろうなあ)。娘に対する愛情と名誉との葛藤は切なかった。
月川さんの美しさは既に見ているから驚かないけれど、今回は美しさに優雅と強さが加わり、あらぬ疑いをかけられたときには、思わず涙ぐんでしまいました。
長谷川さんは見るたび素敵になっていくheart04 でもヒアローが死んだ後(実際は死んでいない)、そのヒアローにそっくりな女性がいるから結婚しろと言われて、「はい、します」っていうクローディオって、なんなのと突っ込みたくなった。アフタートークで松岡さんが「クローディオって単細胞よね」。長谷川さんの顔を見て慌てて「いい意味のね」って。私も松岡さんに同感です。つまらん策略にひっかかり、愛する人を信じてあげられず罵詈雑言を浴びせ、挙句の果てに似ている人と結婚、だもんね(最後、もつれた糸はほどけます)。
驚いたのは一生クン。ついこの前、「ゴンゾウ」で見たあの一生クンの女役のなんて可愛いこと。頭の回転が早くて気が強くて、とってもキュート。私は4人の中で一番好きな人物だと思った。
小出恵介クンにはある思い入れがある。それは別として、「キサラギ」では変なニイチャンだった恵介クンがこんなにいい男とは思わなかった。まだ24歳というから長谷川さんみたいな深みや味には欠けるけれど、トークを聞いていると、これからどんどん成長しそうな予感がした。
今回の席は、相当後ろのほうだったが、ちょうど通路の前で、役者さんがすぐ目の前を通ったから、まあいいか。長谷川さんを間近に見ることができてlovely でも、オペラグラスのいらない席で見たかったな。
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上演時間>175分、休憩15分、第285
おまけ1久しぶりに楽隊が入ったのではないかしら。楽隊が入ると、シェイクスピア気分がより盛り上がるように思う。
おまけ2カーテンコールは4回くらいだったろうか。立ち上がる人が3分の1ほどいて、前に立たれると見えないよ~とか内心言いながら、かろうじて見えたから、私は座っていた。すっごくよかったけれど、立つほどでもないかなぁと思っちゃったのよね。
おまけ3終演後すぐ、松岡和子さんが私の前の通路を通った。アフタートークに行くんだな、と何となく感じた。松岡さんのお顔は「私生活」のプログラムで見知っていてよかった。

アフタートーク
予定では若い主演4人のトークだったようだが、月川悠貴さんはヒアロー(女性)のイメージをこわしたくないので、と欠席。それを客席に伝えにきたのが、誰あろう、御大・蜷川さん。最初に蜷川さん登場とあって、トークショーにも出られるのかと思ったら、なんとゼイタクな伝令sign03 そしてトークは、翻訳の松岡和子さんを司会にして、長谷川、小出、高橋の3美形で行われた。途中、座席に吉田鋼太郎さんが現れ、客と一緒に話を聞いていた。目敏く吉田さんを発見した私の周囲の方々は「かっこいいnotes」と小さく大はしゃぎ。私もつられてそちらを見て、うん、かっこいいと思いました。
松岡さんは、初日以来の観劇だそうで、舞台の進歩に驚いていた。一生クンは小出クンと互いにキャッチボールできるようになったのが大きいようだ。初舞台の小出クンは自分にできることしかしないと決めているのだそうだが、一生クンに言わせると、恵介は毎日違う、のだと。初シェイクスピアの2人に比べて長谷川さんはやっぱりちょっと貫禄が違うかな。
観客席に吉田さんがいるのを知ってか知らでか、鋼太郎さんの話になった。鋼太郎さんは、若い役者さんたちをすべて受け止めてくれる安心できる存在なのだそうだ。とくに小出クンは初舞台だし、一生クンもシェークスピアは初めて、しかも女役(女役と言われてやってみたいと思ったそうだが、今は「男役やりたいです」と訴えていた)。舞台に鋼太郎さんがいるだけで、彼らは安心するらしい。
3
人とも役の姿のままトークに出てきたのだが、一生クンは座っていても実に女らしい。慎ましやかに膝に揃えた手、話す顔もはにかむ女の子のようだ。声だけは地声で(本当はこんな低いんです、って)、はじめ笑いを取ったけれど。そういえば、オールメンシリーズでは、歌舞伎の女方のような声はつくらない。かなり地声に近いと思うが、それでもやや高い声は出しているんだろうな、というのは芝居の直後に一生クンの地声を聞いて、あらためてわかった。はじめ、おや?という気もするが、聞き慣れてくると違和感はほとんどない。
女性役をやりたいかと問われ、恵介クンは「いや、いいです」。ヒールを履いて歩くだけでも大変そうで、と言う恵介クンに対し一生クンは「もう慣れました。今も履いています。ヒール履いてないと気持ち悪いくらい」ってsmile 長谷川さんは、話はあったんだけど、背が高いから(立ち消えになった)ということでした。

松岡さんが面白いことを言っておられた。シェイクスピアの喜劇ではたいがいカップルが2組できるが、カップルのサイズが違う。しかし「から騒ぎ」はサイズが同じだ。というのは、クローディオとヒアローは主筋だが、セリフがあまり多くない。それに対してベネディックスとビアトリスは従だけれどもセリフが多くて面白い。だからサイズが同じなんだと。そして役者もそのとおりの4人だ、と。
実は私、この4人は同等に主役だと思っていた(カップルと個人では多少違うのかもしれないけど)。ところが、カーテンコールでは小出恵介クンが主役扱いだった。あれ~?という気分でいたところへ、2組は同じサイズという松岡さんの言葉を聞いて、もしかしたらカーテンコールの登場の仕方は日替わりなのかもしれないな、なんて勝手に想像したのでした。
おまけ:小出クンに、ものすごい絶叫の掛け声が2度かかった。悲鳴に近く、一瞬場内が凍りついたような感じがした。
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トーク時間>16451715

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コメント

おはようございます。
「から騒ぎ」、小出くんの初舞台なので観たかったのですが、チケットまで取っていながら都合がつかず諦めたので、SwingingFjisan
さんの感想が拝読できて嬉しいですnotesそれに、アフタートークの日だったなんて、素晴らしい!ありがとうございます。

オールメール、というのがシェイクスピア作品をやるのに意味が深いし面白いですよね。
小出くんは、とっても頭のいい役者さんなので、今回はそれが吉と出るか否か…?と思っていましたが、よかったみたいですねちょっと安心…(って私が安心してどうする!って感じですねcoldsweats01

アフタートークのレポまで、ありがとうございましたheart02

投稿: mami | 2008年10月21日 (火) 07時16分

mami様
おはようございます。コメントありがとうございます。
チケット取っていたのにいらっしゃれなかったって、それは残念!!
小出クン、とっても素敵でしたよ。よく考えて演じているようですし、自分にできることしかしないようにしようという心構えも、なかなかなものだなあ、と感心しました。
これからも蜷川さんの芝居に出てほしいし、シェイクスピアをもっともっとやってほしいものだと強く思いました。

投稿: SwingingFujisan | 2008年10月21日 (火) 07時27分

いろいろ思い出しながらレポを読みました。アフタートークの日だなんて、羨ましい! 月川さんが出られなかったこと、「なるほど」と頷けます。
ほんとに長谷川さんって素敵ですよねheart04 舞台で輝く、というタイプかしら(写真を見ただけでは、それほどカッコイイとは思わないのに・・・bleah)。

小出くんへの絶叫的かけ声は、お芝居の最中ですか? うーむcoldsweats02 私が見た時もカーテンコールでは小出くんが中心でした。なので、単純にそういう扱いなんだ、と思ったのでした。

投稿: きびだんご | 2008年10月21日 (火) 22時09分

きびだんご様
コメント、ありがとうございます。
月川さんは、ちょっとミステリアスというか、イメージを大切にしそうな感じですよね。
長谷川さんは、ホント、写真より動いている実物のほうが遙かに遙かに素敵ですshine
小出クンへの掛け声はトークショーのときだったと思います。あんな絶叫されちゃって、小出クン自身が気の毒な気がしましたsad 

投稿: SwingingFujisan | 2008年10月22日 (水) 00時35分

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