美しい!! シネマ歌舞伎「二人道成寺」
10月13日 シネマ歌舞伎「京鹿子娘二人道成寺」
玉三郎さんと菊之助さんの美しい踊りをたっぷり楽しんだのに、見終わってすぐ、また巻き戻して見たくなる、そんなシネマだった。
この演目は歌舞伎座では初演再演あわせて50回しか上演されていないんですって。そのうちの1回を見ることができた幸せに感謝するとともに、こうしてシネマ歌舞伎として再現されたこの作品に再び会うことができて、本当に嬉しく思いった。
菊之助さんの初々しさ(やっぱり、白い色だった)、玉三郎さんの流れるような動き(すべての動きが滑らかで美しい)。まさに1人の花子から2つの魂が出てじわじわと怨念をぶつけていくように見えて、そのあまりの美しさに、ただただ感動しっぱなしの約1時間でした。
シネマ歌舞伎は臨場感が命。花道から出てくる所化さんたちの「聞いたか聞いたか」と、揚幕のチャリンという音は耳の後ろのほうから聞こえてきて、まさに歌舞伎座にいる気分。所化さん(猿弥さん)の<まい尽くし>ではあちこちから笑いも起こっていたし。これまでに見た2本(「野田版鼠小僧」と「鷺娘/日高川入相花王」)でも、思わず拍手したくなるほどの臨場感だったが、今回もつい手を叩いてしまいそうになった。
シネマの「二人道成寺」は、映像ならではの趣向を凝らしていたのが、これまでの作品とは少し違う。面白いには面白いが、私はこれはなくてもいいのではないかなぁと思わないでもなかった(内容は畳んでおきます)。
今日は、仕事をしなくちゃならないので、ただこの作品を見るためだけに東銀座に出かけたのだが、大満足。ああ、でももう一度見たい。
舞台をご覧になった方もなっていない方も、是非このシネマを!!
<上映時間>71分
おまけ1:シネマ歌舞伎の最新作「連獅子」は「らくだ」との併映らしい。私はまだ「ふるあめりか」も見ていないし、「文七元結」もこれからだし、どうやってスケジュール入れよう~
おまけ2:本編の前に、浅草の平成中村座の様子がちょこっと入っていました。それを見ただけで、気持ちが熱くなってくるから、歌舞伎って不思議。
シネマならではの趣向とは
花子が所化と問答をする場面。ここは菊之助さんが1人で出てきて問答するのだが、シネマでは、おやおやっ。気がついたら菊ちゃんではなくて玉様が。そのほかにも、1度か2度、1人が2人に、2人が1人に。
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コメント
とうとう、「二人道成寺」、ご覧になったのですね~! お疲れさまでした。私も、所化さん方が花道から出てくる「チャリン」のときには、分かっていながら、ついつい下手後ろを振り向いてみたくなります(笑)。臨場感ありますよね~。
シネマ歌舞伎は、舞台を見ていると興奮して見逃してしまうところも改めて見る(聞く)ことができるので、本当に好きです。「二人道成寺」の映像効果は、玉三郎丈が目指されていた世界なのかなぁ、という感じで…、二人の花子が重なるんですよねぇ。それを、ナマの舞台で体験できたのも、今更ながら、感謝です。
投稿: はなみずき | 2008年10月14日 (火) 19時13分
はなみずき様
シネマの「二人道成寺」が見られたのも、はなみずき様のおかげです。はなみずき様の記事を拝読しなかったら、見たい気持ちはあっても、行動にはなかなか移さなかったと思います。ありがとうございました。
玉三郎さんは、2人=1人=2人のような世界をよりわかりやすく見せたかったのでしょうか。舞台を見ていなかったら、ああそういうことか、と感心したかもしれません。いずれにしても、美しく素晴らしい世界に溜息が出ます。
投稿: SwingingFujisan | 2008年10月14日 (火) 22時08分
13日、私は歌舞伎座で玉様&菊之助くんを見ていました~ニアミスですね
)
「二人道成寺」ソニービルでやっていた予告編を見て、その美しさに圧倒されました(どっちがどっちか一瞬分からなくなったりも
見に行きたかったけど、今週で終わっちゃうんですね。うーん間に合うかしら。
投稿: non | 2008年10月15日 (水) 00時56分
non様
ああ、早く見たいですぅ。
まあ、13日は歌舞伎座でいらっしゃいましたか。玉様と菊ちゃんは、「二人道成寺」でも「加賀見山旧錦絵」でも美しい姉妹のような感じを受けましたが、今度は恋人どうしなんですよね
シネマ歌舞伎は、またやってくれるといいのですが。私ももう一度見たいと思っています。何ともいえない不思議で美しい世界です。
投稿: SwingingFujisan | 2008年10月15日 (水) 01時17分