玉さま、好きだ~っ:ふるあめりか
11月30日 シネマ歌舞伎「ふるあめりかに袖はぬらさじ」
風邪の症状が気持ちを後ろ向きにしたものの、今日の会場は近場だし、何しろシネマとはいえ歌舞伎だから、と体に鞭打って出かけた。
出かけてよかった
主催者の方か松竹の方かわからないが、ご挨拶で「15分の休憩を挟んで3時間、決して長くはありません。あら、もう時間がたったの、という感じです」とおっしゃっていた、まったくそのとおり。
舞台を見て、筋を知っているにもかかわらず、わくわくはらはらと、どんどん話の展開に引き込まれていった。
七之助さんも玉三郎さんも、アップになるとやや男性的な面差しだったけれど、それを除けばすべてのディテールが、心の襞まで女性であった。舞台と違ってしっかりと役者さんの表情が映るだけに、すぐに感情移入してしまい、亀遊(七之助)の気持ちになって身動きの取れない人生を嘆き、お園(玉三郎)になりきって亀遊と藤吉(獅童)のはかない恋をほほえましく見守り、哀れな亀遊のために泣いたり啖呵を切ったり。また藤吉の心の動きもよくわかる。獅童さんの目がそれをよく表現している。遊郭・岩亀楼主人、勘三郎さんがいかにもそれらしく、また玉三郎さんとの掛け合いも息がぴったり。亀遊の死を商売にしてしまう主人の計算高さが悲しく可笑しい。
玉三郎さんは今まで好きとか嫌いとか、そういった感情を超越した存在だったのが、このお園の人間くささ、険しい人生を送ってきた女の孤独としたたかさ、そういうものがどぉ~っと押し寄せてきて、お園という女性をとても愛おしく感じると同時に「玉さま、好きだ~っ
」という思いが胸に溢れてしまった(
という<好き>とはちょっと違う。なんと言っていいのかわからないのだけれど、とにかく「好きだ~っ
」っていう気持ち)。
去年の12月千穐楽、歌舞伎座では珍しいカーテンコールで舞台中央に正座して手をついていた玉三郎さんの姿が今でも目に焼きついている。
あのときの感動が、まさにこのシネマで甦り、時に声をあげて笑い
(お客さん、みんなよく笑っていました)、時に涙にくれ
、それでも拍手しそうになる手はやっぱり途中で止まり、心の中で思いっきり拍手して「大和屋~っ」と声をかけ、ああ、歌舞伎公演の谷間にこれが見られて幸せ
、と満足の11月を終えたのでした。
11月の「見ました」、アップしました→Swing part1
















































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