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2008年11月 8日 (土)

法界坊NYバージョン、その1

あっ、写真撮ってくるの忘れた。ライトアップがあんまりきれいで見とれた五重塔でご勘弁。
081108gojunoto

勘三郎さんの「法界坊」は3年前の夏、歌舞伎座で2回見ているし(うち1回は宮里藍ちゃんが私の少し後ろの席で見ていたscissors)、「法界坊」という演目で括れば吉右衛門さんのも見ているし、チケットは高いし、パスしようかなぁと思ったのだけど、NYバージョンがあると聞いては、物見高い私、予約せぬわけにはいきませぬ。
ところが、梅と竹しか売っていなくてガッカリ。一番安い梅席を買ったら、お大尽さまよりもっと後ろの最後列。まあ実際に座ったら、前に席がない分(私の前だけ、ない)、見やすかったけれど、小屋とは言えなんせ遠いし、最後列上手の一部は視界に入ってこなかった。でも、この席、意外に舞台の裏が見えちゃったりもしたbleah
松席はおそらく外国人のお客様専用(桜席が日本人のお客さんで埋まっていたのはどういうわけだろ)。イヤホンガイドは英語版のみ。興味津々借りようかと思ったが、英語の聞き取りに神経がいってしまうといけないから、やめにした。
開幕は、歌舞伎にしては珍しく5分遅れた。外国人客が時間ギリギリになっても次々やってくるからだ。日本人客ももちろんたくさんいる。補助椅子、立ち見の人も出る大盛況(「忠臣蔵」でもそうだった)。
黒衣さんの英語口上
さて、幕があくと、黒衣さんが1人現れた。あらら、何と彼の口から出たのは英語じゃないの。オペラグラスでよく見ると、黒衣はさん口パクで、そういえば音声は別のところから聞こえてくるのだった(舞台から遠い私は、はじめ黒衣さんが喋っているのかと思ったよ)。しかも、顔にかぶさる黒い布を透してかすかに見える顔は、どうやら串田和美さんらしい(串田黒衣はたぶん、序幕でも出てくる)。英語に合わせた仕草はちょっとぎこちなさもあったけれど、それが逆に「大序」の口上人形を思い出させる。その黒衣さんが何を喋っていたかというと、「法界坊」の登場人物紹介(「大序」のバリエーションかsmile)。主要人物がそれぞれ舞台に出てきて、英語の説明に合わせそれらしい仕草をちょこっとしては引っ込む。おおNYバージョンだわい。そういえば、法界坊だけ、ここに出てこなかったな。
笹野高史さん、お組の扇雀さんを前にして、ちょっと下品なネタをやったかと思うと、見事な側転sign03を披露して奥に消えて行った。
正攻法で可笑しい要助と高齢化した山崎屋勘十郎
歌舞伎座では、要助(実は吉田家の御曹司松若)は福助さんだったが、今回は勘太郎クン。そして歌舞伎座で勘太郎クンがやった山崎屋勘十郎を笹野高史さん。勘十郎は一挙に高齢化だ。それと同時に、勘十郎という人がただ笑わせるだけの存在ではなく、そのしつこさや不気味さのようなものが浮き彫りにされた。要助は、手代に身をやつしているとはいえ、やっぱりお坊ちゃん。福助さんはかなりデフォルメさせて笑いを取っていたように思うが(記憶違いだったらごめんなさい)、勘太郎クンは正攻法でやっているからこそ可笑しい、という感じを受けた。
序幕「深川宮本の場」で、要助が番頭正八(亀蔵)に百両の証文を書く場面がある。このとき、お坊ちゃまで何をしていいかわからない要助に、黒衣が①墨と硯を差し出す。それでもおっとりと動かない要助に苛立った黒衣は、②墨をするように促し→③自分ですり、④証文用の紙も用意したけれど→⑤既に文字が書いてある証文を渡す。この黒衣さんがまた串田さんだったと思うのよね。
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ナンセンスツッコミ>また、吉田家だよ~。「桜姫」も「隅田川」も吉田家。これって、同じ吉田家なのぉ? それにしても、家宝を盗まれるお家の多いことよwobbly

KY姫とモテモテ町娘
薄倖のKY野分姫(七之助)は、とにかく綺麗。公家のお嬢様らしく、すべてのテンポがおっとり遅い遅いcoldsweats02、その割に積極的な赤姫。そのマイペースぶりがすっとぼけていて可笑しい。勘太郎クンもそうだが、ほかの人物が客席をどんなに笑わせても、自分たちが可笑しい空気を作っても、当人たちは笑ってはいけないのがつらいだろうと思ったら、案外笑わずにいられるらしい(そのヒミツは筋書きを読むとわかる)。
モテモテお組の扇雀さんは遠目で見たら、いやオペラグラスで覗いても、とても綺麗だった。七之助の野分姫を振って、扇雀のお組をとるかぁ、と思ったこともあったけど……ごめんなさい……まあ、あの野分姫のキャラでは確かについていけないわなcoldsweats01 歌舞伎座では扇雀さんは勘三郎さんや亀蔵さんのあまりの可笑しさに笑い転げていて(2度ともそうだったから、毎日笑い転げていたのだろう)、地が少し出てしまったんだと思う。今回はほとんど笑わず、可愛らしいお組であった。
不気味な番頭・正八
亀蔵さん、まさに怪演happy02 これを見たくて「法界坊」を見る、っていう部分も私にはある。「待ってました」の声が掛かったから、そういう人は私だけじゃないんだな、とちょっと嬉しかった。亀蔵さん、意外と(失礼)が体が柔らかくて、お組に言い寄る場面では、タコのように身をくねらせたり、腕をお尻の下から回して足首をつかんで歩いてみせたり、ひどく複雑な体勢になって…happy01、そして百両のカラクリがばれると、口をいっぱいにふくらませたまま息を止めてみせたり(血管切れないかって、心配になるcoldsweats02)。やってることは3年前と変わらないのに、でもそこから感じられるのは笑わせようという意図ではなく、正八という人間の不気味さを表そうとしたらそうなっちゃったという…。その証拠に目が笑っていない(そう、見えた)。これは歌舞伎座からの進化か。
形なし甚三郎
橋之助さんは、さわやかなヤツだとか、子供が3人いるとか、さかんに勘三郎さんにいじられていたsmile とくに、勘三郎さんが途中から英語のセリフを入れ始めるとチンプンカンプン顔で、かっこいい道具屋甚三郎も、英語ぺらぺらの法界坊にバカにされっぱなしの形無しcoldsweats01 このギャップがまた可笑しくて。でも、橋之助さんって、こういう役やると、ほんとカッコいいわ。
よくわからないキャラの権左衛門
お組の父親権左衛門(彌十郎)は、いつもよくわからない人だ。可愛い娘のはずなのに、松若のためにという大儀名分で娘を山崎屋勘十郎に売るわけじゃない。それも、あんな変テコな勘十郎に嫁入りさせるというのに、娘への同情が感じられない。要助(=松若)と恋仲なのに、「お前の気持ちはよ~くわかる。でも、どうか聞き分けておくれ」という気持ちが伝わってこないのよ。決して冷たい父親じゃないし、お組を可愛がっている様子はわかるんだけど。う~ん、私がニブいのかもcoldsweats02
ところで、彌十郎さんって、いつから弥→彌になったの、と調べてみたらeye、かぶき手帖2006年版は「弥十郎」、2007年版は「彌十郎」でした。

長くなるので、しばし幕間coldsweats01

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