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2008年11月22日 (土)

悲・男の純情

1121日 顔見世大歌舞伎昼の部(歌舞伎座)
「盟三五大切」再見です。
今週は2度見週間になってしまった。三五は一度きりにしておくつもりだったのが、まだ一度も見ていない友人に同行を懇願され、私自身も<仁左・時・菊>の顔合わせという弱みに負け、ここに入れたら先月の上をいく5連チャンsign01をものともせず、出かけたのでした。
081121hanamiti 結果、よかった~~coldsweats01 1度目よりずっとよかった。座席は昨日とは逆に花道がまったく見えない場所。無理して覗き込めば、高所恐怖症の私は膝ががくがくする。だから花道は、序幕の船の出だけでほとんど我慢しました。
しかし、前回と違って、舞台と距離を置いた場所で見たせいか、仁左様や時様に見とれるということがあまりなく、物語全体を見ることが多分できたからか、源五兵衛の男の純情がストレートに伝わってきた。これに何度泣かされたか。小万の甘い言葉に見せる嬉しそうな表情、百両を小万のために差し出す苦渋の選択、だまされたと知った悔しさと屈辱と怒り、忠実な家来に罪を着せる苦しさ、渾身の刀で小万の首を切り落とした気合、その首をいとおしそうに懐に抱く姿、すべてが明らかになった時の悔い、そのたびに涙が滲むweep 源五兵衛はどれほど小万を好きだったのだろう、男の純情が踏みにじられたことによる<狂い>の怖さを強く感じた。そして、前回は小万も源五兵衛を好きなんじゃないかしらと思ったけれど、今回は、もしかしたら源五の奥に潜むそんな怖さを予感して、だますことを渋ったのかもしれない、なんて考えがちらっと頭を過った。
だからって、あの赤ん坊殺しはむごすぎる…憎い三五の子供だという気持ちはわかるけれど、あれは許されるべきではない。ここだけが、ひっかかる。
三五は小万をどう思っていたのだろう。百両せしめるまでは、と耐えていたのだろうか。たしかに百両を手にした後は解放感のようなものが感じられて、小万との睦まじさも微笑ましくみられた…菊五郎さんって、今さらながら、一つ一つの動きがとてもきれいで粋で品格があると思った。上方の仁左様も江戸っ子を演じればとても粋でステキなのだけど、仁左様のとは違う、菊五郎さん特有の粋がある。私の力ではうまく表現できないのが残念。
忠義の歌昇さんにはやっぱり同じところで泣かされた。
前回触れなかったが、菊十郎さん、松之助さんの、しっかり煮含められたような味わいが江戸の市井を生き生きとさせていて、貴重な役者さんだなあと改めて思った。
ま、そういうわけで、2度見てよかった。
ところで、この芝居にはユーモラスな場面も多々あって、客席はよく笑っていたのだが、最後に三五の声が大樽の中から聞こえた時にも笑いが起きて、「なんで~think?」と不思議だった。さすがに包丁を腹につきたてた三五の姿が現れたら、し~んとなったけど。

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