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2009年1月18日 (日)

ダイナミック弁天

115日 初春花形歌舞伎夜の部(新橋演舞場)
3
日もたって、やっと「弁天小僧」にたどりつきました。え~と、今度は12月と間違ってないよなcoldsweats01
さて、海老蔵さんの弁天は、これまで見たどの弁天とも違う感じがした。まず、体がデカいということがある(言葉が悪くて申し訳ないけれど、海老ちゃんは「大きい」んじゃなくて「デカいsign01」んですもの)。海老ちゃんが大きな体を縮めて娘役をやると、どうしても「藤娘」を思い出してしまう。可愛かったな、あの藤娘。弁天の化けた武家娘、何とか声もそこそこに作っているところに海老ちゃんの愛敬を感じて、微笑ましかった。
男とバレてからの伸びもデカい。ダイナミックだ。それがとても痛快。
このダイナミック弁天を受ける南郷力丸は、弁天よりさらに大きい器をもっているべきなんだろうけれど、そういう意味で獅童さんはもう少しかな。本人にそのつもりはないんだろうけれど、海老ちゃんの大きさにちょっと遠慮しているような、そうでもないような…。でも、海老蔵弁天を受け止めるのは獅童さんしかいない、とう気もした。私の大好きな花道での仲の良い引っ込みだけど、2人とも体が大きいせいか、何となく大作りで、もうちょっと細やかさがほしかったような気もする。
稲瀬川勢揃いの場は、やはりいつ見てもぞくぞくする。日本駄右衛門の左團次さんがさすがに大物ぶりを発揮して、若い一味をしっかりまとめている。そういえば去年の通しは、菊五郎さんの弁天、左團次さんの南郷だったんだわねえ。そうそう、あの時は海老ちゃんが浜松屋の息子だったんだ。おお、海老ちゃんは店先で繰り広げられる南郷と弁天の強請りぶりをじっと勉強しながら、自分の役作りを練っていたのかもしれないsmile
海老ちゃんの弁天はここでもセリフが型破りな感じでダイナミック。段治郎さんの忠信利平はスッキリと美しい。春猿さんの赤星十三郎は私としてはイマイチ。春猿さんは女方のほうが断然いい。しかしこの5人、みんな身長があるし、華もあって見得がきれいに決まっていた。
昼の部を2回も見ているくせに夜の部の予備知識を何ももっていなかった私は、大詰があるのを知らなかった。この大詰は去年の通しで初めて見て興奮したので、思いがけずこれを海老ちゃんで見られるのかと嬉しかった。ただ、今回の上演は浜松屋の店先からなので、話の流れとしてわかりにくかったかもしれない。
大勢の捕り手に囲まれた極楽寺屋根での立ち回りは見ごたえあった(猿琉さんも大活躍)。最後の立腹の海老ちゃんのかっこよく美しいことsign03 菊五郎さんの弁天は、潔さの中に哀しみと諦めがあって静かな死だったように記憶しているが、海老ちゃん弁天の死にはもっと活動的な、火山の噴火のような、激しいものを感じた。どっちが好きかって言われたら…どっちも好きだsmile
篠田家の家宝・胡蝶の香合が裏切り者の仲間の手で滑川に落とされ、無念のうちに死んだ弁天であるが(なぜ無念かは説明すると長くなるから省略)、大詰第三場で青砥左衛門がそれを拾い上げる。その青砥左衛門が海老蔵さんの二役だから、おかげで弁天の無念が晴れたような気がしてほっとしたのでしたconfident
ところで、鳶頭の清次って、何か損な役回りな気がする。万引きだっていうんで店先に出てきてなんだかんだ高飛車に言ったら、実は万引きじゃないことがわかってバツの悪そうなこと。そのあとの騒ぎの仲裁に入ってこれも失敗する。本来ならカッコいいはずの鳶頭が思いきりカッコ悪いのよね。これは誰がやってもそうなんだから、右近さんのせいじゃない。この鳶頭が手拭いを投げつけるという場面があるんだけど、私必ず見逃している。今回も気がついたらもう手拭いがそこにあったweep

<上演時間>「七つ面」20分(16301650)、幕間20分、「封印切」90分(17101840)、幕間30分、「弁天娘女男白浪・序幕」70分(19102020)、幕間10分、「弁天娘女男白浪・大詰」(20302055

おまけ:舞台写真を4枚も買ってしまったcoldsweats02 浅草では亀ちゃん1枚、亀鶴さん1枚、松也クン1枚と、亀ちゃんは1枚しか買わなかった私(裏切り者と言うなかれ)。だって亀ちゃんheart04のは目移りしちゃうんだもの。全部買うお金はないし(1500円)…。
その点、海老ちゃんheart04のはうまく絞れて、最後の幕間に大急ぎで選んだ割にはバッチリだった。でも、演舞場・浅草計7枚かmoneybag

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コメント

おはようございます♪

ダイナミック弁天!!
益々たのしみで~す♡
今から行って来ま~すっ♪

投稿: ミッチ | 2009年1月19日 (月) 08時52分

ミッチ様
おはようございます。
お出かけ前のお忙しい時間にコメントをいただいて、ありがとうございます。
「封印切」は評価が分かれるかもしれませんが、弁天は文句なく楽しめると思います♪
行ってらっしゃいませ~っ♪

投稿: SwingingFujisan | 2009年1月19日 (月) 09時41分

初日に見たっきりなんですが、
そう言えば、他の役者さんの弁天小僧だと
兄貴分の力丸にちょっと甘えているような
ところがありますけど、海老弁天は力丸と
五分五分っていう感じがしました(^^;

しかし、あの二人に店先で居直られちゃぁ
商売あがったりですね(笑)


投稿: kirigirisu | 2009年1月19日 (月) 16時07分

kirigirisu様
何年か後に又このコンビで上演されることがあったら、そのときはどうなっているでしょうね。やっぱり五分五分かしら。獅童さんの成長を期待する気持ちと、五分五分っていうのもちょっと面白いかなという気持ちがあります。

>しかし、あの二人に店先で居直られちゃぁ
商売あがったりですね(笑)

まったくおっしゃるとおりと、思わず吹き出してしまいましたhappy01 

投稿: SwingingFujisan | 2009年1月19日 (月) 16時57分

やっぱり荒事の本家だから「でっけえ」んでしょうか。脱いでもダイナマイトバディ(ある意味)ですしね。(失礼!)
>鳶頭の清次
そうそう、引き立て役みたいですね。

封印切、あれはあれで「あり」だと思ってるんですよ。^^

投稿: urasimaru | 2009年1月20日 (火) 00時26分

urasimaru様
コメント、ありがとうございます!!
ダイナマイトバディ、ですね、確かにsmile あの、何をやっても「でっけえ」感じがたまりませんね。ええ、荒事の本家らしく、これからもでっかさを失わないでいてほしいなぁと思います(失いそうもないけど)。

「封印切」は、藤十郎さんがやっぱり上手なんだろうなあとはわかるのですが、忠兵衛をどこか受け入れられないのです。今回の獅童さんはそれがすんなり入ってきちゃったので…coldsweats01

投稿: SwingingFujisan | 2009年1月20日 (火) 00時59分

おはようございますhappy01

行って来ましたっ☆
おかげさまで、浅草→新橋演舞場と花形の初芝居を存分に楽しんできました。
亀ちゃん、勘太郎君の大人を唸らせる大蔵卿と土蜘蛛、美しい七之助君の胡蝶と常盤、声も良いですね~♪ 初参加の松也君の健闘も嬉しいことでした♪ 2部が楽しみです。

演舞場は七つ面も華やかで楽しい舞台でしたし、獅童さんの封印切もアリだと思います♪藤十郎さんの こってりした忠兵衛も好きですが、とても清新な印象をもちました。 
レッドクリフの獅童さんも素敵でしたが・・・彼には もっと・もっと歌舞伎で頑張って貰いたいです♪

海老ちゃんの弁天はまさにダイナミック弁天でした。五人男のバランスも良く左團次さんの大きさ・存在感に唸りました。

Swinging Fujisan 様のおかげで楽しい一日を過ごしました。 
でも疲れた~なにせ齢なので coldsweats01

投稿: ミッチ | 2009年1月20日 (火) 07時51分

ミッチ様
ご報告、ありがとうございますsign03 
お疲れ様でした。同じ劇場の昼夜通しでもけっこう疲れますから、ハシゴはさぞとお察しいたしますが、まさに花形を満喫されたようで、私も嬉しいですnotes
花形といわれる若い役者さんたちは、味わいなどベテランたちにかなわない面も多々ありますが、真摯に役に取り組んでいる姿勢はとても好感がもてるし、時にはベテラン顔負けの見事な舞台を見せてくれるし、何より華があるし(花形ですものねhappy01)、そういうお芝居が見られる私たちは幸せですよね~shine
「レッドクリフ」は見ていないのですが、獅童さんには歌舞伎をもっとやってほしいという声も高いようですし、本当に少なくとも当分は歌舞伎に専念してほしいものですゎ。
そんな中で、左團次さんの大きさは抜群でしたね。

投稿: SwingingFujisan | 2009年1月20日 (火) 08時41分

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