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2009年1月11日 (日)

演舞場昼の部・その2

19日 初春花形歌舞伎昼の部(新橋演舞場)
「木の実・小金吾討死・すし屋」
まず、海老蔵さんがいがみの権太というこの役に真摯に取り組んでいることにとても好感が持てる。この役はこうでなければいけないとか、ここの動きはこうあるべきとかいうことは私にはまだまだわからない。そういう私でも海老蔵さんの権太の完成度が高いとは思わないけれど、仁左様には仁左様の魅力があるように、海老ちゃんには海老ちゃんにしかない魅力があって、それがもうたまらないのよ。浅黒い肌、ぎょろっとした凄みのある目。この目ヂカラは他の誰にもない、と思う。それでいてちょっと小心なところもあるチンピラワル。胸筋が美しい、脚が美しい(若さの美でもある)。
「木の実」で荷物を取り違えたのがあまりに自然で、わざとという印象を受けなかった。このとき客席から「ああ~っ(それ、違うよ)」という声が上がったのも、あんまり自然だったからかもしれない。
小金吾の段治郎さんは前髪立ちの若者にしては大柄だけれど、さすがに立ち回りは見事。権太とのやりとりは、黒と白の美(肌の色も心の色も)がせめぎ合う。
若葉の内侍(笑也)は、私にはいつも情が薄いように見えてしまう。誰が演じてもそういう印象を受けるから、そういう役どころなのかもしれない。
すし屋の娘・お里は今回の春猿さんが一番ぴったりきた。かなり色気が濃いような気はしたが、したたかで純情な娘ぶりが愛らしかった。
素晴らしくよかったのが左團次さんと門之助さん。お里の父親が事情を知っていながらなぜお里をけしかけるのかといつも納得いかなかったのが、今回の左團次さんによって、はじめて父心がわかったような気がしたのだ。権太の真情を知ったあとの嘆きにも泣かされた。門之助さんはこういう役を見ると、貴公子役がよく似合うと思うし、これまで見たどの弥助(維盛)よりも、平家の武将としての骨太な部分を感じた。
獅童さんの梶原景時、大きくて、こういう役好きだ。
「お祭り」
正月らしく華やかな踊りを楽しめた。海老蔵、獅童、右近、猿弥、段治郎、春猿、笑三郎、笑也、門之助。目移りしちゃうでしょう。全員を見るには3階席は最適。手拭いまきがあった。
<上演時間>「二人三番叟」45分(11:00~11:45)、幕間5分、「口上」5分(11:50~11:55)、幕間30分、「木の実・小金吾討死」60分(12:25~13:25)、幕間5分、「すし屋」100分(13:30~15:10)、幕間25分、「お祭り」10分(15:35~15:45)

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コメント

海老さまの権太とても評判がよいようですね。
私も駅に貼ってあるポスターを見るたびうっとりしています。おみ足とか美しすぎるし。
演舞場は夜の部に行こうかなと思っていたのですが、SwingingFujisan様のレポを読んで、昼の部にもかなり行きたくなってきました。
それにしても1月は見たい演目がたくさんあってお財布泣かせですcoldsweats01

投稿: non | 2009年1月12日 (月) 23時15分

non様
コメント、ありがとうございます。
ね、胸筋といい、おみ足といい、美しいですよね~。あのポスター、ほしいです~。
今日、権太を間近で再見しましたが、顔だけでなく体が美しいこともとても大事だと思いました。ワルの魅力に取り込まれちゃいました。
1月はさすがにどこも決めてきている感じでしょうか。2月の松竹座行きを考えると少しは控えねば、と思いながら抑制がききません。歌舞伎座昼の部もとてもいいですよ(夜の部は未見)sign03 

投稿: SwingingFujisan | 2009年1月12日 (月) 23時42分

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