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2009年1月

2009年1月31日 (土)

お宝花道

先日、はなみずき様が浅草歌舞伎を育てる会発行の「花道」をご紹介されていた。幸い、その後まもなく第一部を見る機会を得た私、早速育てる会のブースへ飛んで行きrun、長島さんのフグよろしく、置いてあった号(8号から最新27号まで、間はかなり抜けている)を隅から隅までずい~っと滑らかして「おばちゃん、これ全部いただくよっdash」。
は、ウソcoldsweats01 本年号(300円)よりバックナンバーのほうが高い(500円)ことにビビリながら、ちらっと手にとって見るうちに、脳内催眠状態…全部、これ全部ほし~と抑制がきかなくなりbearing1部ずついただいてきたのでした。
忙しくて、まだ中身はほとんど見ていないのだが、記事は充実しているし、モノクロとはいえ貴重な写真がたっぷりあって、ミーハー心も沸き立つ。手元に揃ったものだけでいえば、今のメンバーでの公演が始まった翌年(2001年)の第22号からは、それ以前の号に比べ若い人を意識した内容やデザインになっている。
92
年、93年は時蔵、八十助(現・三津五郎)、歌昇、橋之助、秀調、孝太郎、染五郎さんなどによる花形歌舞伎heart0494年には猿之助一座が「千本桜」の忠信編通し上演をしている(写真のみ~んな、若~い)ことを思えば、確かに1020代の若い役者を中心とした公演には、ビジュアル的編集は合っているのかもしれない。
さて、94年の「花道」16号、「自即売林」というエッセイ(森 直行著)に、歌舞伎の子役のことについて書かれた部分がある。この年、梅枝、萬太郎、種太郎、竹松クンが初舞台を踏んだそうで、萬屋の幼い3人が可愛らしく首を傾げている「道行旅路の嫁入」、竹松クンが小三郎役でお父さんの萬次郎さん(早瀬)と共演している「盛綱陣屋」の写真など、「おお、かっわいいcatface」と思わず目を細めてしまう。
でも、その嬉しさはもっとボルテージが上がるのup
な、な、なんと森氏は「今もっとも頑張っているのが尾上松助の長男・松也くん(9)でしょう。現在青山学院初等部4年。今年9月は、ちょうど来年の大河ドラマ『吉宗』の収録が重なり、月1週間ほどしか学校に行けず、学業との両立が悩みの種だそうです」と書いておられるのだ。「盛綱陣屋」の小四郎役で後ろ手に縛られている松也クン、凛々しくも儚げで哀れを誘うweep お顔はお父さまソックリ。今の松也クンはあまりお父さまの面影がないように思うけれど、やっぱり歌舞伎の親子って激似なのね。
しかし、大河「吉宗」ってなんだsign02 知らないぞeye 松也クン、何の役だったの? アーカイブで見たいぞよ。

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2009年1月30日 (金)

女優がよかったリチャード3世

129日 「リチャード3」(赤坂ACTシアター)
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舞台左右の壁(?)に数台ずつ設えられたモニター画面に赤坂サカスの町が写っている。開演時間になると、画面が変わり、バラ戦争終結後のイングランドの複雑な状況を手際よく解説し始め、正面のセットにも大きくそれが映し出される。そして映画のようなタイトルロールがあり、大音響の映像が終わると、舞台中央奥に古田新太がいる。古田は立ち上がり、手にしたマイクを口に近づけ、しゃべり始める。するとそのモノローグが一言一言モニターに現れて、あら、まさかこのまますべてのセリフがモニターに出るわけじゃないでしょうねsign02なんて思っていたら、そうではなかった。
「リチャード3世」ははじめて。シェイクスピアを蜷川以外で見るのは3回目かしら(他の2回は、松緑さんがパックを演じた「夏の夜の夢」、寺島しのぶがポーシャを演じた「ヴェニスの商人」)。いのうえひでのりのシェイクスピアは、蜷川を含めて、これまでのいずれとも異なる料理の仕方だった。
複雑な人間関係(まずは名前がね、おんなじっていうのが多いのよwobbly ヘンリーもリチャードもエドワードも何人もいるの)もよくわかったし、テンポも速くて面白かったのだけれど、何となく深い味といったものを感じなかった。女優陣がいい割に、クセの強い男優陣が意外にもアクが薄いように見えたからだろうか(そういう問題とは全然関係ないけど、榎木孝明の髪型はナニbleah)。現代の利器(ミニノート~これ、今一番ほしい~coldsweats01、携帯電話、モニターなど)を使っていたのは面白い趣向ながら、頻用しすぎな気もした。こういうのも味を薄めてしまうのかも。
血で血を洗う歴史を経て統一されていく国は多かろうが、イングランドはとくにその風土気候、そして悪名高いロンドン塔の存在から、歴史の陰惨さを強く感じる。さらにはリチャードの醜い容貌、おそらくはコンプレックスの裏返しの権力欲と残忍さ。それでも暗さの底に引き込まれずに見られたことが、味に深みがないと感じたことにつながるのかもしれない。
興味深かったのは女の心理。醜い悪党(自分の夫や子供を殺した、という意味で)でも愛を訴えられ、あるいは懇願されると、一時的にせよ墜ちる。リチャード3世はとにかく押しまくる。押して押して、ついには女の心をこちらへ向けさせる。女の側は、男の真実に負けるのだろうが、その実男は腹の中で赤い舌を出しているのである。台詞は機関銃のように相手を打ちまくり、相手から打たれまくり、そのエネルギーたるや、半端なものではないdash そこは、やっぱりシェイクスピアなんであるなぁ。
女優陣、復帰第1作目の安田成美TV出身とは思えないほど女の性(さが)と哀しみを表現していたし、個性的な銀粉蝶の恨みは地の底から這い上がってくるような響きがあった。悪魔のような子を生んでしまった母の業を嘆くベテラン三田和代の存在感は抜群。そして私のイチオシはエリザベス役の久世星佳sign03 毅然とした誇りと激しさ、それに女性のたおやかなしたたかさ(折れそうで折れない)を併せ持って、とても魅力的。彼女の台詞が図抜けて厖大なわけではないのに、「なんてすごい量の台詞を打ちまくっているんだ」と一番感心したのは、なぜかこの人だった。なぜかついでにもう一つ。全然違うのに、なぜか「わが魂は輝く水なり」の秋山菜津子さんを思い出してしまった。
ところで、プログラムが2000shockもして、うへっと思ったけれど、私はいのうえひでのりの芝居は1本か2本くらいしか見ていなくて、演出に対する考え方とかよく知らないので、買いましたmoneybagweep
なお、詳しくはきびだんご様のレポを。
<上演時間>第1部115分(13:30~15:25)、休憩20分、第2部70分(15:45~16:55)

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2009年1月29日 (木)

「十二夜」凱旋公演日程

「十二夜」の凱旋公演の日程が決まったようです。自分の記憶のためにもメモっておきます。新しいビジュアルチラシが2月各劇場で手に入るそうですよhappy01

演舞場 6月7日(日)~6月28日(日)
松竹座 75日(日)~727日(月)


もちろん演舞場は行くけれど、松竹座の千穐楽も大いに心惹かれる。とはいえ、2月松竹座、5月中日劇場と遠征を予定しているから、資金的に苦しくて、まあムリだろうなbearing 

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浅草千穐楽 2:鑑賞編

「一本刀土俵入」
序幕、お蔦と腹ペコ茂兵衛の遣り取りがしみじみとよかった。2人の台詞の間がお芝居の間ではなくて、リアルなのだ。ちょっとあきすぎじゃないの、という瞬間に台詞が入る(といって芝居としての間延びは感じない)。そこに私はリアルさを感じた。
茂兵衛の去っていく姿を見送るお蔦が「あれ、あんなところでまだおじぎしてるよ」と言って涙ぐみ背中を見せる場面、亀ちゃんがぱっと後ろを向いたその間が絶妙。じ~んときた。お蔦は後になって娘と2人慎ましく夫を待つ生活を送ることを思えば、ここはあまり身を持ち崩した感じを受けたくない。亀治郎さんのお蔦にはそういう意味での清潔感があって、私は好感をもった。
大詰第一場「布施の川」。老船頭(澤村由次郎)、清大工(大谷桂三)、若船頭(澤村宗之助)のとぼけたような、ゆったりしたテンポの会話。この場面って何気ないようでいて、そこに住む人々の生活がもわ~っと浮き上がり、また渡世人となった茂兵衛の人柄がくっきりと浮き上がり、なかなか優れていると思う。由次郎、桂三、宗之助さんの3人がそれぞれの持ち味で、鄙びた村のつましい生活ぶりを感じさせてくれた。
前回も触れた第二場「お蔦の家」で、お蔦が茂兵衛を思い出す瞬間。今回は頭突きを見てから「思い出したっ」と言うまでに前回以上の間があったような気がした。ところが、これがまたリアルな間なのよね。前回コメントを寄せてくださったはなみずき様が玉三郎さんの演技の過程について教えてくださったが、ああこれがそれなんだろう、と納得するような間であった。こっちは次の台詞を待ち構えて、ついついフライングしてしまうのですなcoldsweats02
茂兵衛が戦う相手の一家の1人、堀下根吉(亀鶴)。この人って染五郎さんがやったとき、妙に存在感があって、かっこよくて強そうで、ところが実にあっけなく茂兵衛にやっつけられてしまうという点でインパクトが強かったのだが、亀鶴さんはフツーな感じがした。
序幕では感謝しながら去る腹ペコ茂兵衛を見送ったお蔦が今度は立場を変えて、親分の風格さえ感じさせる茂兵衛に見送られる。いつまでもいつまでもお礼の言葉を口にしながら。うまいつくりだ。
さて、締めは茂兵衛の名台詞。実は前回観劇の際、私の「思い出したっ」みたいにフライングしちゃったオジサンがいたのね。私は声に出さなかったけれど、オジサンはひょっとしたら舞台にも聞こえたんじゃないというくらいの声でやっちゃったのshock 「これが十年前、櫛、簪、巾着ぐるみ意見をもらった姐さんに、せめて見てもらう駒形の」と一息あったところで「しがねえ」って。オジサン、好きな台詞なんだろうな、そこ一緒に言いたい気持ちはよくわかる。だって私も今回言いたくなってしまったもの。でも、もうちょっと声が小さいとよかったわね。私、思わず前につんのめりそうになりましたわよcoldsweats02
勘太郎ちゃんの大きな演技に感動したところで幕。
「京鹿子娘道成寺」
やっぱり不思議感漂う花子だった。でも、七之助さんのきれいさにはますます磨きがかかっているようだ。
居並ぶ所化の中で唯一(もう1人いたかも)花子の踊りを見つめていたのが亀ちゃんeye 他の芝居でもそうだが、こうやって台詞もなく並んでいるときって、どこを見るともなく視線を据えていると、以前に何かで読んだように記憶している。たしかに、今回の所化さんでもそういう人が多かった(松也クンとはオペラグラスの中で視線が合ったな)。亀ちゃんは七クンがどんな踊りをするか見極めてやろうという感じかしら(もちろん、いい意味で、です)。
手拭は私のほうへ向かって軌道を描いていたのに、なぜか後ろから手が伸びて、私の膝に落ちる前にその手の中に入ってしまったわんcrying この前いただいたからいいんだけど…
踊りの感想でなくてすみません。

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浅草千穐楽 1:お年玉ご挨拶編

127日 浅草歌舞伎第二部千穐楽(浅草公会堂)
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度目の第二部。演目はもちろんだけど、実はお目当ては松也クンheart04のお年玉ご挨拶(チケットを取ったときはまだ誰に当たるかわからなかったのですけど。お~ほっほっほbleah)と、終演後の千穐楽特別編(興奮冷めやらぬ昨日、本編より先にご報告してしまいましたぁsmile)。ああ、不純だ、演目が二の次だなんてcoldsweats02
お年玉ご挨拶
松也クン、やや緊張の面持ちで口上。「本日千穐楽でござりまする」(中略)「御願いあげ奉ります~」(だっけ。やたら敬語が入るようで、自分で言ってみたらワケわからなくなった)と客席を見渡し、美しい声を張り上げる(ほんと、声がいいよね~)。
こちらもちょっと緊張してその声を受け止めた途端、松也クンがガラッと変わったhappy02 思い切りリラックスして立ち上がり、とんっと舞台を飛び降り、「僕が大トリをつとめるなんて思いませんでした」。
お年玉ご挨拶
6人制覇した人は特別ポスターがいただけるそうで、え、そんなご褒美があったのぉ? 私も頑張ればよかった(私は、亀鶴さんとオメッティーをはずしている)。
何人かいらした制覇組のお1人が松也クンのインタビューを受ける。「誰の挨拶が一番よかったですか?」「松也さん」。お約束だよね~smile
なんて遣り取りをしているとき、突然黒衣姿の怪しき男がライトセーバーみたいな刀(みたいじゃなくてライトセーバーか。この辺の事情はnon様がご存知)を手に襲いかかってきたではないかsign03 おお何者、姫、お守りします、とばかりに松也君(クンではない。「ぎみ」と読む。「まつやぎみ」ね)が男と戦う。
実は松也クン、さっき立ち上がったときにすでにライトセーバーを手にしていたのね。「はは、これは気にしないでください」なんてさりげなく誤魔化していたのが気にはなっていたのだけど、そっか、ここでこれが活躍かsmile 
ライトセーバーのチャンバラは子供じみていたけれど、さすがに歌舞伎の立ち回り、動きが美しい。松也君、見事に男を撃退して姫をお守りしました。「今の曲者は亀鶴さんでした」に場内さらに大沸き。お年玉ご挨拶も千穐楽バージョンの大サービスだった。

それからお定まりの携帯注意。電源を切っていてもアラームが解除されていないと自然に電源が入る、そういうことがあっても音が鳴らないようにマナーにしてから切ってくださいね。鳴るとお客様にもご迷惑ですし、出演者も気が散るんですって。(だよねえ)
松也クン、ふたたび身軽に(?)舞台に飛び乗り、中央へ直って、気合を込めて美しい声で「~~御願いあげた~てまつりまする~」で締めた。そして定式幕の裾から引っ込む瞬間、平伏したままの松也クンがひょいっと顔を上げ、バイバイと手を振ったのだ。場内きゃぁ~の歓声に包まれた。おっ茶目~lovely 
初日はかちかちに緊張していたという松也クン、千穐楽は客も自分も楽しんじゃおう、というご挨拶だった。

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2009年1月28日 (水)

歌舞伎チャンネル存亡の危機か

もう何人かのブロガーさんのところで情報がアップされていますが、株式会社伝統文化放送の解散が決まったそうです。暢気に浅草から帰り、暢気に大阪行きを考えていた頭に冷水を浴びせられた思いがしました。もう歌舞伎チャンネルは見られないのかshock 
…その後、歌舞伎放送は継続されるとわかり、ひとまず安心しました。
しかし、100年に一度というこの不況の波が伝統芸能界にも押し寄せていることは間違いなく、歌舞伎座建替えもどうなってしまうのかしらと気になります。
六条亭さまHineMosNotariさまから情報をいただきました。
伝統文化放送のHPはこちら。「視聴者の皆様へのお知らせ」に放送継続の旨が書かれています。

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本年浅草最後のお楽しみ

127日 浅草歌舞伎千穐楽特別編(浅草公会堂)
時系列を逆にして、終演後の話から。短期記憶が蓄積されると古いものがどんどん海馬から消えていってしまうので、直後でないと忘れていることがたくさんある。間違って覚えていることもきっとたくさんある。メモっておけばよかったけど、自分がしっかり楽しんじゃったからcoldsweats02お許しを(その辺はmami様non様のところでご確認をcoldsweats01)。
これまでの3回は終演後にいわゆる浅草メンバーによる楽しいトークがあったが(去年はなかったかも)、今回はまたがらっと趣向を変えて驚かせてくれたup
七之助さんが鐘の上に巻きついて定式幕がしまる。しばらくして(七クン化粧落として衣裳着替えているのかな、っていうくらいの時間)定式幕が再びあく。吊り下がった鐘、紅白の幔幕と舞台は道成寺のまま。あらっと思っていると、花道から所化さんたちがぞろぞろ。先頭は松也クン(かっわゆ~いheart04 もう今日は最初のお年玉ご挨拶から松也クンにめろめろlovely)。手拭を2階に投げあげ、花道脇にも撒いて歩く(う、うらやまし…。私、実はカーテンコールで手拭撒きがあるって予感してたのよねwink)。
「聞いたか聞いたか」で道成寺そのままに始まる聞いたか坊主たちのセリフ、時間が戻ったわけではない。今日が浅草千穐楽であると聞いたか、ってなことで、まずはお客へのお礼。そして道成寺の台詞をパロって、「来月松竹座で歌舞伎があるよ」、「で、その演目は?」と続く。すると徳松さんがチラシをコピーしてきたんだとか言って懐からモノクロコピーの紙bleahを取り出し、読み上げる。松也クンの台詞にしても徳松さんの読み上げにしても、終演後に急いで覚えたって感じで、時々トチるのが微笑ましいhappy01 徳松さんは「さねもりものがたり」をトチって、「普段女方なもんですから立役は慣れなくて…」って言うからウケた(私も、女方以外の徳松さんって初めてかもeye)。
松竹座には出演しない松也クンは、「来月は木挽町におりまして、再び道成寺で鐘を守ります(だったかな?)」。ここも道成寺の台詞のパロディー。「歌舞伎座の演目を知っている賢い僧は?」…澤五郎さん(だと思う→松五郎さんだそうです。失礼しました)が「師のご坊と木挽町に行った折にチラシをもらってまいりました」と歌舞伎座の写真入りチラシ(こっちはコピーじゃないからカラーbleah)を手に、浄瑠璃ぶれよろしく演目を読み上げた。このとき、澤五郎さんの後ろで亀ちゃんらしきプロンプターの声が聞こえたゾcoldsweats01
で、今月の「土蜘」と来月の「蜘蛛絲梓弦月」はどう違うのか。これは松也クン調べ(何しろ、今月の頼光だからね)→ともに頼光モノの一つであるということ(「土蜘」は能の要素が強い)。それだけかいっbearing
と、ここまでは今日本当にやりたかったことのフリだったのね。松也クン以外の主要メンバーが1人も登場していないし、付け打ちさんが舞台に控えたので、ん、これは蜘蛛が出そうだな、と期待していると、なんと頼光(勘太郎heart04 今月は蜘蛛、来月は頼光)を先頭に四天王が花道から現れた。七之助、亀鶴、男女蔵の面々(四天王には1人足りないか)。オメッティーは女方で、「わたなべのつま~」と名乗りを上げる。うまいっgood(でも、空気を読めないヤツにされていたなsmile)。
そして最後に幔幕があき、蜘蛛こと亀ちゃん現るheart01 迫力ある声は段四郎さんに似ている(勘太郎ちゃんに向かって、浅草で討ち取られた悔しさ恨み大阪で晴らす、みたいなことを言った以外は、何言ったか忘れちゃった)。激しくツケが打たれる中、蜘蛛の糸が4回飛び、場内の盛り上がりは最高。蜘蛛の精と頼光主従がにらみ合い、所化の松也クンが1人舞台上手でそれを見つめ、幕。
松竹座のCMも多分にあるかもしれないけれど、それだけではない、客を喜ばせようというサービス精神なくしては、終演後のわずか十数分のために、これほど気合の入った芝居を計画できはしまい(ちょっと俳優祭気分、って思ってたgood。ありがとうsign03happy01 所化としてその他のメンバーが終演後の舞台に立ったのも、浅草歌舞伎の結束を感じるようで好もしかった。願わくは、松也クンが来年も浅草出演を果たし、さらには浅草メンバーの1人として、地方公演にも参加せんことをsign03

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2009年1月27日 (火)

浅草第一部再見

124日 浅草歌舞伎第一部(浅草公会堂)
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階後方席で見たのだけれど、花道七三がかろうじて見えたし、声もよく届き、なかなかいい席だと思った。それに、ロビーにはソファがいくつもあって、ゆっくりお弁当を食べられるし、トイレ行列も1階席と違ってはるかに短い。2000円では申し訳ないみたい。
もう今日は千穐楽だし、早く感想書かなくちゃ、とすごく焦っているので、取り急ぎ。
お年玉ご挨拶
勘太郎クン狙いでこの日を取ったのlovely 勘太郎クンのご挨拶は真面目であまり面白味はないのだけど、人柄がよく現れていて好きなのだ。ところが、今回の挨拶にはけっこう笑いが起こっていたし、今までよりやわらかくなったな、という気がした。だからって人柄の真面目さは変わらず、大好きだ。
これまでの亀ちゃん、七クンと同様、勘太郎クンも、今年9年目であることに触れていた。「9年前当時の私は10代のぴちぴち、今はアラサーの仲間入りです」smile「亀治郎・勘太郎・七之助・獅童さんの4人で始めたが、獅童さんは今年まさかの演舞場、愛之助さんは大阪に帰っちゃった。かわりに若い松也クンが入り、フル出演。若いからできるんですね~」って。
ここからは、宣伝マン・勘太郎クンに変身。①演目については、口下手な私がべらべら喋るより、筋書きをどうぞ。②またイヤホンガイドも出演者が質問に答えるインタビューがありますから(トイレタイムにも聞こえるようにしてくれ~っbearing)。③第二部を見た方は手を挙げて…と客席を見渡し、「挙げなかった方はまだ日があるので、ぜひ見て」。④夢がかない、2月に松竹座で公演できることになった。こちらへもぜひ(行く、行く、多分coldsweats02)。
「松竹座初日まであと1週間(sign03 今日の時点ではもう1週間もないのね)。頭がパニックになっております」。ほんと、歌舞伎役者さんって、超人的だわ。
「芝居は魂のキャッチボール(と勘三郎さんがよく言っているそうだ)だから、お客様もパワーを投げ返してください」。客席も気合入ってるから大丈夫。
「携帯ですが、間がいいときによく鳴るんですよね。電源は切らなくていいですから、マナーにしてくださいね」という勘太郎クン。劇場の人は立場上、マナーもダメで電源を切るようにと言うけれど、この勘太郎クンの優しいことばが効を奏したか、携帯は一度も鳴らなかった(ように思う)。
「一條大蔵卿譚」
前回見たときは、阿呆ぶりに注意がいっていたのかもしれない。今回は本来の大蔵卿の場面がとてもよくて、重厚さとか格のようなものを感じた。また、大蔵卿の思いがひしひしと伝わってくるような台詞まわしであった。
踊りは常と同じく軽やか、まろやか。本当に楽しい。踊る前、鳴瀬(京蔵)とお京(松也)の顔を覗き込む場面、前回は松也クンに悪ふざけを仕掛けているような雰囲気を感じたが、今回は京蔵さんをじぃっと覗き込み、松也クンの顔はちょっと見つめる程度だった(京蔵さんには別に何も仕掛けなかったみたい)。
亀鶴さんは前回は悪人としてのアクが弱いように思ったが、今回は十分ワルく見えた。男女蔵さんはこのメンバーでは貴重な存在だなあとつくづく思う。
「土蜘」
中村屋密着見たら、この土蜘だって、勘太郎クン相当厳しい稽古を重ねてきたんだろうなと思った。後半、立った姿勢から(少しジャンプもしたかも)そのまま床にストンと腰を落とすところで、一瞬足を滑らせたのではないか、ケガしなかったか、と心配したが、私の思い過ごしだったみたい。しかし、勘太郎クンは一度骨折しているし、ああいう激しい動きが多いから、どうしても心配になっちゃう(腰に絶対響きそうだもの)。
勘太郎クンの土蜘は、メリハリある動きと表情で不気味さに大きささえ感じさせて、何度も見たい気分。
松也クンの頼光に品格と大きさが出てきて、成長したなぁと思った。松也クンは大蔵卿のお京でも忠義の女を落ち着いた雰囲気で演じているし、実にいい。この浅草が松也クンをどれだけ成長させることか(もうすでに成長が見えてるし)、応援がますます楽しみ。

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2009年1月26日 (月)

冷かしの楽しみ

息子がじいさまの動線に手摺を作ってくれると言うので(まったく役に立つ息子でありがたいsmile)、久~しぶりにホームセンターに買い物に行った(雑貨売り場には何回か行っている。DIY系売り場は久しぶり)。私は思い切りぶきっちょだから、工作なんてしないけれど、釘や金具や道具を見ていると、とっても楽しい(不思議と板系にはあまり惹かれない)。こんな材料があるんだぁとか、必要なところには必要な材料・道具があるものだとか、こりゃあ一体何に使うんだろとか感心しきり。
多分、多くの人にご同意いただけると思うけれど、私の三大冷かし楽しみは文房具屋、電気屋、本屋(順位はつけ難い)。ここに百円ショップとホームセンターを加えれば五大冷かし楽しみになる。もちろん、冷かしているうちにほいっと何か買ってしまうこともあり、時に後悔したりもする…。
今日は必要な物だけ買ってさっさと帰ってきた。最近、ゆっくり冷かす時間があまりないのですweep

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2009年1月25日 (日)

小庭の春

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バックシャン
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 ↑
斜め美人

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とんだ日曜日

6時前、父の「まいったな、まいったな」と繰り返す声で目が覚めた。しばらく放っておいたのだが、あんまり同じことを繰り返しているので様子を見に行ったら、トイレで血だらけになっているではないかshock
小用に起きた際、寝ぼけ半分、寝室で転んだのだという。見ると、右手の人差し指と中指の間から鮮血がどくどく噴き出している。手をついた拍子に高齢で弱っている皮膚が深く裂けたのだろう。本人は枕元にあった手拭で出血を押さえているのだが、そんなものすぐに絞るほどの血液を吸ってしまって役に立たない。
トイレにいつまでもいるわけにいかないから、新たにガーゼを当てて下へ連れて行き、手の血液を水道水で洗い流し(きれいには落ちなかった)、血止めのホルム散を傷口にふりかけ、洗面所に父を置いたまま(暖房は入れたが、寒がって風邪のほうが心配になったwobbly)、私はあちこちの病院に連絡を取り始めた。よほど救急車を呼ぼうかと思ったのだが、命にかかわるわけでなし、そこまでするケガかどうか見極めがつかず、ためらってしまったのだ(タクシーがわりに使える神経は、さすがの私にもない)。時々行く病院は、担当医がいないと言って救急医療情報センターを紹介してくれた。しかしセンターで教えてもらった病院・医院も担当医がいなかったり外科といっても消化器外科だったりして、全部ダメdown たらい回し気分を味わった。
そこでネットで救急病院を探しているうち、休日当番医制度を思い出し、幸い整形外科が1軒あったので電話をすると、時間外メッセージになっていた。なんだ、使えね~bearingと諦め、とにかくホルム散をやたらふりかけラップで傷口を覆い、動かすと傷口が開いて出血量が増えるので親指を除いた4本の指をくっつけて固定し、血の出にくい高さに腕を吊り、「このままでいい」と言い張る父の血まみれの衣類を全部着替えさせ、明日、私が絶大な信頼を置いている先生の診療を受けることにした。
大量に出血したにもかかわらず、幸い父の食欲は衰えておらず、私が用意した朝食を平らげたのにはほっとした。だって、転倒現場を見たら血の海で、父の動いたところは全部ぽたぽた血がたまっていて、まるで傷害の犯罪現場っていうくらいすごかったんだもの。こんな大量の血を見たのは初めてだshock
そこらじゅうを掃除して、少し落ち着いた頃様子を見ると、また出血が始まっており、とてもじゃないが一晩放置しておける傷ではない。父も今晩は寝ないと言い出すし(布団を汚すのが心配だからって。もう~っ)。そこで当番医にもう一度電話してみると、今度はちゃんとつながって、しかも縫ってくれると言う(朝は、当番医とはいえ、時間外だったのね)。

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2009年1月24日 (土)

北の桜と駒形茂兵衛

09012401signature←はい、これ誰のサインでしょう?
わかりっこないよねcoldsweats01
実は今日、浅草第一部を再見してきたんだけど、そのあと今ホットなスポーツが行われているところ付近をうろついてきたの。それで、先にその話題を。だって明日が過ぎたらホットじゃなくなっちゃうんだもの。と言えば、おわかりですよね~happy01
浅草と両国は近いし、一度場所中に両国の町を歩いてみたかったの。
国技館の前には大勢の人がいて、私も物珍しげにキョロキョロしていたら、期せずして出待ち状態になっちゃった。次々出てくるお相撲さんたち。その中に1人、見たことがあるような力士がいた。と思うと、その人はすぐに人々に囲まれ、ツーショット写真やサインをせがまれている。誰?誰?誰? 周囲の声を聞くと、それは「北桜」関なのであった。
09012402kokugikan 普段は相撲は全然見ないのに、たまたま今場所のある1日だけ、十両から結びまで延々、相撲好きの息子の解説を聞きながらTVを見たことがあった。おかげで「北桜」の名前も頭に残っていたし、顔も何となく覚えていたというわけ。ミーハーな私、北桜関がまだファンにとっつかまってるのをいいことに、そばへ寄ってサインをいただいた。ペンはいつも持ち歩いているんだけど、紙がない。そうだ、浅草の筋書きsign03 駒形茂兵衛がピッタリじゃないの。ってわけで、上のサインがそれ。残念ながら「駒形茂兵衛みたいなお相撲さんになってくださいね」とは言えないから「ありがとうございました。これから応援します」ってお礼を言った。本当は「これから」なんだけどね。はい、こうやってサインをいただいた以上、ちゃんと応援しますよ。
北桜関はいかついお顔に似合わず、ビーズ手芸がお得意で(いずれスイーツ親方・芝田山=元横綱・大乃国に次ぐ第二の名物親方になるかな)、ソルトシェーカー(時間いっぱいになると塩をい~っぱい撒く人)なんだそうだ。子供にも大人にも人気があるらしい。茂兵衛みたいに「気は優しくて力持ち」なのね。
09012403nobori 09012404nobori

で、北桜関の次に「おお~っsign03」と叫びそうになったのは、「オリンピックおじさん」。どのオリンピックでもきんきらの帽子と衣裳でTVに写っている、あのおじさん。相撲でも、東京場所は毎日TVでお目にかかれるそうだ(先日のTV観戦で息子から仕入れた情報。観客ウォッチングなんてのも面白いらしい)。そして極め付きは「北の湖親方」。国技館前で見かけた後、なんと、お茶しに行ったカフェで案内された席の隣にいたscissors 意外と体は大き09012405tegata くなく、膝に置いた手も小さかった。後で知ったことだが、北桜関は北の湖部屋のお相撲さんなのでした。
今日のこの出来事をサイン、写真とともに息子に見せて自慢したのはもちろんのことですsmile

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中村屋密着

この前、團十郎さんの復活を見そびれ録画しそびれて大変悔しい思いをしたので、今日の中村屋密着は絶対見逃すまいと頑張った。2時間TVの前にはりついていることはできないので、一応録画はしたんだけど、あっちで用事をすませ、こっちで用事をすませながら、歌舞伎愛が胸の中でふくらんで…heart02
中村屋密着番組、前回は源左衛門さんのことを中心に構成されていて、涙・涙、とくに仁左様の口上に泣いたことを記憶している。
今回は「夏祭」の海外公演と松本公演、平成中村座「仮名手本」を中心にしていた。
すさまじかった。役者が心血を注いだ舞台を見て寝たらいかんcoldsweats02と思った。
「仮名手本」のほんの一部が映されただけで、あの感動が甦ってきて涙がにじんだ。Dプロ見なかったのは失敗だったと後悔した。
そして仁左様に再び泣かされた。もちろん、Aプロの、死の際の主君に「委細」と振り絞るように言う大星、断腸の思いで花道を引っ込む大星にも再び涙したのだけれど、仁左様の役者根性みたいなものに泣いた。
鶴松クン、勘三郎さんに一生ついていく、好きだからって。この一言が中村屋のお弟子さんの気持ちを代弁しているんだと思った。
勘三郎さんが歌舞伎のスーパースターの1人であることは間違いないだろう。客の心の摑み方もよく知っている。というか、歌舞伎に対する熱意が客の心を摑むのだ。でも、他の役者さんも歌舞伎を愛する気持ちに差はなく、それぞれのお家でもこうやって厳しい稽古をして、固く結ばれているに違いない。歌舞伎を思う私の胸もますますアツくなったheart02

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2009年1月23日 (金)

素敵な歌舞伎ファン

とても素敵な歌舞伎ファンに出会った。
先日の歌舞伎座夜の部、運良く東側ソファに空きを見つけお弁当を食べていたら、杖をついて不自由そうに通り過ぎる高齢のご婦人(敬意を込めて「おばあちゃま」と呼ばせていただく)がいた。そこは少し傾斜になっており、ソファに座っていても体が傾くほど。そのおばあちゃまは杖に寄りかかりながらやっとの思いで傾斜を上っている。そしてたまたま空いた私の隣に腰を下ろした。
なんとなくお喋りが始まり、勘三郎さんの弥生、綺麗だったわねえ、先代よりいい男ねcoldsweats01とか、さっき踊ったのは仁左衛門と東蔵の孫なのね、先が楽しみねとか、海老蔵さんの輝きは群を抜いているとか話しているうち、話題が亀治郎さんに及んだ。ついつい熱弁をふるいそうになった私に気を遣って下さったのかどうか、おばあちゃま、「亀治郎の踊りは一番だわね」と。「前は富十郎だったけど、最近足を悪くしちゃったしね。うん、亀治郎は本当に踊りがいいわ」。嬉しくなった私はにっこにこ!
このおばあちゃまがすごいと思うのは、「昔はこういう役者がいて、よかったのよ~」という昔話をしないこと(私でさえ、知ったかぶりして昔の役者のことをちょっと言いたくなることがある)。話が勘太郎ちゃんのロマンス*に及ぶほど、今の歌舞伎を愛しておられる。
「大変失礼ですが、おみ足がお悪いのに、こうしていらっしゃるのは、よほど歌舞伎がお好きなんですねえ」と感心する私に、「目と耳はいいから」と。毎月歌舞伎を見に来られ、この日は昼夜通しだったそうだ。
このおばあちゃま、なんとおん年97sign03とのことである。

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2009年1月22日 (木)

こわ~い嫉妬:冬物語

121日 「冬物語」(さいたま芸術劇場)
090122wintertale
ず~っと初めて知る話だと思って見てきたのに、最後のお妃の胸像の場面になってから、「あれ、この話知ってる」と落ち着かない気持ちになった。シェイクスピアで読むわけないから、どこかで芝居を見たのだろうか。デジャヴュか。

それはともかく、シェイクスピアを見ると、人間の感情で一番恐ろしいのは「嫉妬」ではないかと思う。嫉妬が憎しみを生まれさせ、嫉妬のエスカレートが罪のない者に対しての取り返しのつかない行為を起こさせる(「嫉妬」とは愛情にまつわるものとは限らない)。
シチリア王レオンティーズ(唐沢寿明)も、最愛の王妃ハーマイオニ田中裕子)と弟のように可愛がっていたボヘミア王ポリクシニーズ(横田栄司)との間を疑い、嫉妬に駆られる。ふと湧いた小さな疑惑それを自らどんどん膨らませていく様は、まさに人が狂気の世界に入り込む様を見せているようで、戦慄を覚えた。それも、この嫉妬は不倫を疑っていると見えて、その実2人の間に漂う濃密な空気に自分が入っていけない、自分だけ仲間はずれにされた、そういう嫉妬が裏にあるようにも思える(つまり、自分の中で自分の存在を否定しちゃったような)。このあたりの唐沢寿明の感情は見事だった。唐沢寿明ってあまり好きでないのだけれど、芝居はうまいなあと思う。
神をも恐れぬ嵐のようなその狂気に、昂然と「命などなんであろう」と立ち向かうハーマイオニは、名誉を傷つけられたことを重んじる誇り高い女性である。これを演じる田中裕子がとてもきれい。その後二役目として演じるハーアマイオニの娘・パーディタとしてもとても可愛らしい。王妃の高潔さ、そしてパーディタの愛らしさ・純粋さ・いじらしさに私は時々泣けてしまった。王妃のときは仕草も落ち着いて、声も少し低く抑えた感じで風格を表す。田中裕子って大変失礼ながら地味で貧乏くさいイメージがあるのだけど(「おしん」のイメージが強すぎるのだわ)、若く美しい娘の役を演じるに十分な華やかさがあって、さすが女優だわと感心した。
田中裕子が母と娘の二役をやるから、私はてっきりこの親子は瓜二つなんだと思っていた。ところが、王妃の顔をよく知っているポリクシニーズレオンティーズも誰も、パーディタの顔を見て驚いたりしない。なんで?と不思議に思っていたが、偶然にも同じ日に観劇なさったきびだんご様によれば、この二役は珍しいのだそうだ。それで納得。ところが、やはりきびだんご様情報では、唐沢さんも横田さんも「似ている」ことを意識して演じているのだとか。そこは私、感じ取れずsad

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2009年1月21日 (水)

笑顔で帰る:歌舞伎座夜の部

120日 初春大歌舞伎夜の部(歌舞伎座)
09012101yorunobu

同じ3階ながら昼は下手寄り、夜は舞台向かって右へ移動して思いっきり上手側。といっても正面席の上手側で、1列目とはいえ案外見え方がよくなかった。それに体を傾けるせいか、お尻だけでなく、珍しく腰まで痛くなった。
09012102taimen 「寿曽我対面」
理屈なし、馬鹿馬鹿しいほど大仰な祝祭劇。大好き。幕があくと、大名たちの渡り台詞が始まるが、どうも幕開きっていうのは客席がざわついて、声がよく聞き取れない。
そうそう、昨日書くのを忘れたが、「十六夜清心」でも橘太郎さん、菊十郎さんの台詞がざわつきのために聞き取れず、配役読み上げでもまだわさわさしていて、とても残念だった。だいたい、どの芝居でも幕開きからしばらくは客席に落ち着きがないのは歌舞伎の特徴だろうか。とくに幕があいてしばらくの間音楽演奏のみというときには、お喋りがとても多い。眉を吊り上げ、「もう始まってるんですけどannoy」って言いたくなるのをいつもガマンしている。
話が逸れましたcoldsweats02 渡り台詞が終わって、中から工藤祐経の声が聞こえると市松障子がぱっと開き、おお何と華やかな!! この瞬間が好きである。3階から見ても一度には全員を見渡せないほどの豪華な並び。お母様をふっくらさせるとこういうお顔かも、という菊之助さん(化粧坂の少将)の綺麗なこと 魁春さんはうなじが細いから小林妹舞鶴のような男勝りの役は合わないかと思っていたら、意外にも独特の美しさがあって、いい感じであった。
私にとっての祐経は富十郎さん。そういう目で見るせいか、幸四郎さんの祐経はひどく陰気な感じで、馴染めなかった。第一、台詞がもごもごしているのも陰気さを増す(口をあまりあけないで喋っているのかなぁ。とても聞き取りづらい)。あまり見たくないと思っていた俊寛のほうがよほどよかったのは皮肉なものだ。
菊五郎さんの十郎、吉右衛門さんの五郎(「雨の五郎」がすぐに思い出される)。吉右衛門さん、なんて声が高いんだ。血気にはやる若者役だから普段よりなお高くしているのだろうか。その弟を必死で宥める兄・菊五郎さんがやわらかくかつ風格があって大きく、いい兄弟だなあという気がした。
09012103kagamijisi 「春興鏡獅子」
まずは、吉之丞さんと歌江さんの揃い踏み、それだけで嬉しくなる。前回の揃い踏みは国立の「井伊大老」で敵対関係にあったが、今回は協力して弥生を引っ張り出そうという共犯者的ムードが楽しいsmile
勘三郎さんの弥生は愛らしく、一段とまろやかさが増したようだ。いかにも油ののったという感じだ。後ジテの獅子は勢いとメリハリがあって、動きが美しい。「当代一っ!」との掛け声に客席から笑いが湧いたが、確かに当代一かもしれん、と思ったことでした。
ところでこの演目、勘三郎さんのを見るのは2回目だけれど、梅丸クンと錦政クンが胡蝶を見事に踊ったのを見たなあと記憶が甦り、でもあの時の弥生は誰だったのかしらと肝心の主役を思い出せないでいたら、染五郎さんなのでした。今回の胡蝶は玉太郎クンと千之助クン。ともに8歳という可愛らしい2人が一生懸命踊る姿に客席はなごんだ。千之助クンの踊りが上手なのにびっくりした。子供の成長はなんと早いこと(梅之さんが千之助クンのお手伝いをしていらっしゃいます。2度目のご縁だそうです)。

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2009年1月20日 (火)

歌舞伎座昼の部後半再見

120日 「十六夜清心」「鷺娘」(歌舞伎座)
昼の部再見。ただし後半のみ。
本日は本当は夜の部だけのはずだった。でも「鷺娘」はどうしても、「十六夜清心」はできたら、もう一度見たかった。幕見は平日でも厳しいらしいと知り、早めに出て長時間並ぶか、2演目のために3階席を確保しておくか迷ったが、結局もうこのトシで無茶はできないことを悟り、Web松竹でたまたま出た3階席をクリック(実際のところ、今日は「十六夜清心」から入れば立ち見にはならなそうだった)。
開演時間過ぎても切符引取りに行かなかったせいかcoldsweats02、切符は引取機で引き取ってくださいね~というメールが届いてしまった。本当は「三番叟」も見たかったんだけど、朝早いのは苦手だから…。
「十六夜清心」
時さまが草履(下駄じゃなかったよね?)の鼻緒を挿げ替えるためにこよりを撚っている時、すっごく色っぽくてドキドキした。あんな何気ない動作なのに、指先からうなじから、色気が匂い立つ感じ。しかしせっかく挿げ替えた鼻緒なのにすぐにまた切れてしまう。切れるようにこよりを結ぶっていう技術もあるのかな、なんてつまらないことを考えた。
稲瀬川の川端で出会った十六夜と清心の動きは滑らかで美しく、まるで舞踊を見るよう(これって舞踊劇ではないでしょう?)。殺しの場面にしてもちょっと幻想的な美しさがあるんだけど、3階から見ているから、心中で川に飛び込んだ清心が浮き上がってくる場面や、清心が殺した寺小姓(梅枝)を川に蹴落とす場面では、川布の下にせりの穴があいているのがモロにわかっちゃって、現実に引き戻される。
殺すつもりがなく寺小姓を殺してしまった清心は、その罪の大きさに切腹して果てようとする。やっと腹に刀を突き立てたはいいが、「あいたたたた」と飛び上がる。教育って怖いと思った。だって、武士はそれが当たり前の教育を受けるわけでしょ。武士だって痛くないわけないし、怖くないわけないと思うんだけど、小さい時から「腹を切るものだ」と教え込まれれば、それができるんだ、きっと。武士ってすごい。清心は所化だからね。
で、死に切れなかった清心が、悪の道で生きていこう、キッと変化させる表情が決意のすさまじさを感じさせて、この後の話も見たいと思った。
しかし、最後のだんまりで、ちょっとでも光が差していたら、ちょっとでも十六夜の手にでも触れていたら(肩には触れたような気がするけど、お互いわからないのかなぁ)、2人の運命はまた変わったのだろうか。
梅枝君、雰囲気たっぷり。
歌昇さん、もったいないwobbly
「鷺娘」
2度見てよかった。上から見ると、より幻想的。
引き抜きのたびに客席がどよめく。よく考えられた踊りだ。
前回もそうだったが、幕が下りたあとも拍手がやまず、ひょっとしてカーテンコール?と期待しちゃった。無情にも場内が明るくなると、やっとみんな諦めがついて帰り支度を始める。きっと毎日同じ光景がみられるのだろうな。
夜の部の感想は後ほど。

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2009年1月19日 (月)

真の革命家ゲバラ

119日 映画「チェ 28歳の革命」
今日は昼間ちょっと時間ができたので国立のリベンジをしようかと思わないでもなかったのだが、歌舞伎を差し置いても見たい映画があったので、そちらを取った。それが「チェ 28歳の革命」。
8年以上も前から、私が一番行きたい国、それがキューバなんである。たまたま見た「サルサ」という映画で、それまではそんなに関心のなかったサルサにモーレツに魅せられ、その後読んだ佐々木譲の「冒険者カストロ」で、今度はキューバという国に関心をもった。
なぜか「ゲバラ選集1」は持っているけど、読んでないし、特別に革命や政治思想に興味があるわけでもない(学生時代は超ノンポリ)。ところがキューバ革命がいかにしてなされたかを「冒険者カストロ」でハラハラドキドキしながら読むうちに、私はカストロに、ゲバラに魅せられた。アメリカに抵抗し、ソ連(ロシア)とも一線を画し、独自の社会主義路線を貫く中南米の小国が識字率も高く医療なども高度であるという、そういう国を一度見てみたい。できたらカストロが生きているうちにキューバに行きたい。第一線を退き衰えたとはいえ、カストロのいるいないでキューバは変わりそうな気がするのだ。でも、まあその望みはムリだろうな。
さて、映画は、ドキュメンタリー風なタッチで、カストロとゲバラの出会い、革命の計画、ゲリラ戦の様子などが淡々と描かれていく。間に女性記者のゲバラに対するインタビュー、国連でのゲバラの演説などがモノクロで入ったりして、ちょっとややこしい感じがする。キューバ革命に関する予備知識がないとむずかしいかもしれないなと思った。私が「冒険者カストロ」を読んだのは3年ほど前で、忘れている部分もかなりあるが、革命成功までの経過を大まかに摑んでいたおかげで、混乱しながらもこの映画にどうにかついていくことができた。本当はカストロは計画の未熟さから何度も失敗して同志の尊い命を犠牲にもしているそうだが、その辺は映画ではセリフに出てくるくらいで詳しくは描かれていなかった。また、バティスタ政権に逮捕されたカストロは法廷で自らを弁護し(カストロは弁護士であった)、「歴史が私に無罪を宣告するであろう」と言ったというエピソードも映画では誰かのセリフに出てくる程度であった。その辺を見たかったなと思う私はちょっと残念。
しかし、ゲバラが喘息だったとは知らなかった。しょっちゅう喘息の発作に襲われ、ぜいぜいはーはーいいながら険しい山やジャングルを歩いてゲリラ戦を戦うのだ。見ているだけで切なくなるが、あんなに葉巻を吸うってどういうこと?とツッコミたくなる。あんた医者でしょう。医者の不養生どころか、体に悪いことしてるんじゃないのよ(葉巻は虫除けにもなるらしい…けど)wobbly
ところで、ゲバラの顔って、あの帽子をかぶった有名な写真くらいしか知らないが、ゲバラ役の俳優は時々古谷一行に似ていて、おかしかったsmile カストロ役は本人にとてもよく似ていた。
この映画を見ると、ゲバラは真の革命家(ってものがどういうものかという定義はさておいて、私利私欲のない、本当に人民を解放することに命をかけている。「祖国か死か」。また、識字ということをとても重要視していて、革命は戦うことばかりではないと、規律を重んじる軍事教育のみならず、貧しい農民出身の兵士に読み書きの教育を施したりもした。これが識字率の高いキューバの原点なのかなぁ、なんてちょっと思ったことでした)で、カストロは革命家+政治家なんだなと思った。この2人がうまく噛み合って、革命は成功したのだろう。
私は戦いを肯定するものでもないし、革命が成功するまでには多くの兵士や一般人民の命が奪われた(市街戦では鉄砲の乾いた音がするたびに飛び上がるような恐怖を覚えた)ことを考えるとそうそう喜んでばかりもいられないとは思う。しかし、中南米という地の、あの当時の政治状況等ではああいう戦いしかなかったのかもしれないとも思う。この映画の続編「チェ 39歳の別れ」ではどういう感情をもつだろう。エンドロールの後にくっついていた予告編を見ながら、そんなことを考えた。
なお、本編の前に、ゲバラの生涯を簡単に紹介していたのは、ゲバラを知る日本人が少なくなっているということだろうか。
132
分という時間がちっとも長くなく、一瞬たりとも画面から目が離せない緊張感にも疲れを感じることのない映画であった。

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2009年1月18日 (日)

ダイナミック弁天

115日 初春花形歌舞伎夜の部(新橋演舞場)
3
日もたって、やっと「弁天小僧」にたどりつきました。え~と、今度は12月と間違ってないよなcoldsweats01
さて、海老蔵さんの弁天は、これまで見たどの弁天とも違う感じがした。まず、体がデカいということがある(言葉が悪くて申し訳ないけれど、海老ちゃんは「大きい」んじゃなくて「デカいsign01」んですもの)。海老ちゃんが大きな体を縮めて娘役をやると、どうしても「藤娘」を思い出してしまう。可愛かったな、あの藤娘。弁天の化けた武家娘、何とか声もそこそこに作っているところに海老ちゃんの愛敬を感じて、微笑ましかった。
男とバレてからの伸びもデカい。ダイナミックだ。それがとても痛快。
このダイナミック弁天を受ける南郷力丸は、弁天よりさらに大きい器をもっているべきなんだろうけれど、そういう意味で獅童さんはもう少しかな。本人にそのつもりはないんだろうけれど、海老ちゃんの大きさにちょっと遠慮しているような、そうでもないような…。でも、海老蔵弁天を受け止めるのは獅童さんしかいない、とう気もした。私の大好きな花道での仲の良い引っ込みだけど、2人とも体が大きいせいか、何となく大作りで、もうちょっと細やかさがほしかったような気もする。
稲瀬川勢揃いの場は、やはりいつ見てもぞくぞくする。日本駄右衛門の左團次さんがさすがに大物ぶりを発揮して、若い一味をしっかりまとめている。そういえば去年の通しは、菊五郎さんの弁天、左團次さんの南郷だったんだわねえ。そうそう、あの時は海老ちゃんが浜松屋の息子だったんだ。おお、海老ちゃんは店先で繰り広げられる南郷と弁天の強請りぶりをじっと勉強しながら、自分の役作りを練っていたのかもしれないsmile
海老ちゃんの弁天はここでもセリフが型破りな感じでダイナミック。段治郎さんの忠信利平はスッキリと美しい。春猿さんの赤星十三郎は私としてはイマイチ。春猿さんは女方のほうが断然いい。しかしこの5人、みんな身長があるし、華もあって見得がきれいに決まっていた。
昼の部を2回も見ているくせに夜の部の予備知識を何ももっていなかった私は、大詰があるのを知らなかった。この大詰は去年の通しで初めて見て興奮したので、思いがけずこれを海老ちゃんで見られるのかと嬉しかった。ただ、今回の上演は浜松屋の店先からなので、話の流れとしてわかりにくかったかもしれない。
大勢の捕り手に囲まれた極楽寺屋根での立ち回りは見ごたえあった(猿琉さんも大活躍)。最後の立腹の海老ちゃんのかっこよく美しいことsign03 菊五郎さんの弁天は、潔さの中に哀しみと諦めがあって静かな死だったように記憶しているが、海老ちゃん弁天の死にはもっと活動的な、火山の噴火のような、激しいものを感じた。どっちが好きかって言われたら…どっちも好きだsmile
篠田家の家宝・胡蝶の香合が裏切り者の仲間の手で滑川に落とされ、無念のうちに死んだ弁天であるが(なぜ無念かは説明すると長くなるから省略)、大詰第三場で青砥左衛門がそれを拾い上げる。その青砥左衛門が海老蔵さんの二役だから、おかげで弁天の無念が晴れたような気がしてほっとしたのでしたconfident
ところで、鳶頭の清次って、何か損な役回りな気がする。万引きだっていうんで店先に出てきてなんだかんだ高飛車に言ったら、実は万引きじゃないことがわかってバツの悪そうなこと。そのあとの騒ぎの仲裁に入ってこれも失敗する。本来ならカッコいいはずの鳶頭が思いきりカッコ悪いのよね。これは誰がやってもそうなんだから、右近さんのせいじゃない。この鳶頭が手拭いを投げつけるという場面があるんだけど、私必ず見逃している。今回も気がついたらもう手拭いがそこにあったweep

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2009年1月17日 (土)

はじめて泣けた「封印切」:演舞場夜の部

12115日 初春花形歌舞伎夜の部(新橋演舞場)
「七つ面」
昭和581月以来の上演となれば、もちろん初見。たった20分、それも大半面をつけての踊りでも、海老ちゃんの魅力をたっぷり感じ取った。翁の面をつけて登場した海老ちゃん、その面を取れば錦絵から飛び出してきたような美しさ。サルの面では愛敬のある踊りを見せてくれて、脇をぽりぽり。荒事の若衆の面をつけると「暫く~暫く~」、公家荒の面と取っかえひっかえ大福帳を引き合う様子が面白い。とにかくここは後見との息が合わないとリズムが崩れる。後見の新十郎さんの緊張が伝わってくるようだ。新十郎さんはでも、引き締まった表情で手際よく忙しいお仕事をこなしていた。
次は関羽の面でしばらく舞ったかと思うと、般若の面に変わり、これも交互にめまぐるしく入れ替わる。最後は恵比寿。海老ちゃんの踊りは、面をつけたらその面の人物にちゃんと見えた。
恵比寿で踊るうちに、澤瀉屋の面々が登場して一緒に舞う。なんて華やか。私の目の前では笑也さんが微笑みながら踊っていた。きれい~。かなり胸がどきどきしてしまいましたわ~。
「封印切」
こういう心中モノは苦手。とくにぐじぐじした男がぐじぐじと心中に追い込まれていく様はどうも好きになれない。忠兵衛って男も、なんてバカなヤツなんだといつも思っていた。八右衛門のほうがよっぽどカッコいいじゃないか。
ところが、だ。この「封印切」は初めて「いい」と思った。演技の巧拙はわからないが、伝わるものがあって、初めて忠兵衛に共感を覚えた、というか忠兵衛が追い込まれていく必然性がわかるような気がした。
それはある意味、猿弥さんの八右衛門がとてもよかったからだと思う。この八右衛門ときたら、これまでの仁左様や三津五郎さんとは違って、すっきりしたいい男ではない。しつっこくてイヤな男だった。でも猿弥さんだから、ぎりぎり愛敬が残る。八右衛門と忠兵衛(獅童)との250両をめぐるやりとりはまるでガキのけんか。執拗な意地悪なんか無視すりゃいいのにいちいち相手になるから、八右衛門はますます面白がっていじめる。
それに乗ってやっきになる忠兵衛はやっぱりバカなんだけど、獅童さんだとなよなよ男がためてためて爆発したというよりは、やんちゃ坊主が挑発にのっているうちにのっぴきならなくなっちゃったという感じだ。懐の中で封印が切れているのに気がつき、ぶっと息を吹き出すようにして驚いたところなど、表現がわかりやすい。その後、次々に封印を切っていく様も、ここまできたら250両全部あけるしかないというその気持ちが痛ましくもよく伝わってくる。
獅童さんの忠兵衛は、花道の出のじゃらじゃらしたところなんか、「きもかわいい」と言おうか。恋に自信があったりなかったり、その葛藤にしても藤十郎さんとは全然違う面白い味がある。その能天気な忠兵衛が死を決意して梅川と落ちていく時には、思わず涙が出そうになった(何度も言うようだけど、こんなこと初めてsign03)。
ところで、これを見るたびにツッコミたくなることがある。井筒屋のおえんにしても槌屋治右衛門にしても、忠兵衛に肩入れしているわけでしょう。どうして誰もけんかを止めないの? 金包まで見せている忠兵衛なんだから、誰かが割って入ったってよさそうなものなのに。ま、どっちにしたって、その金がなくちゃ梅川を見受けできないんだから同じことだけど。
それと、もうひとつ。2人はめでたく結ばれるのに様子が変だ、と誰も気づかないの? 青ざめた様子でよろよろと立ち上がることもままならず、梅川は自分の簪などをまるで形見分けのようにして置いて行くのに(「私の形見として」とまで言っている)、普段あんなによく2人のことに注意を払っているおえんがどうして気づかないの? 
以上、ナンセンスつっこみでした。

「弁天小僧」の感想はまた後ほど。
ところで、今日は仕事以外の何もしなかったというほど、よく仕事をしたcoldsweats01(家事も基本的なものはした)。

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2009年1月16日 (金)

やっぱり初春は浅草歌舞伎・第2部

113日 浅草歌舞伎第2(浅草公会堂)
09010604part2 1
2部を見て、私、亀ちゃんの歌舞伎に飢えていた、と激しく思った。そりゃ、ミーハーですから、亀治郎がTVに出るといえばバラエティーでもクイズでもドラマでも見る(さすがに「おんな太閤記」は早送りでところどころちょこっと見ただけ)。でも、私が見たいのはそういう亀ちゃんではない。歌舞伎の亀治郎なのだ。この飢餓感って、なんなんだろう。いくら海老ちゃんだ菊ちゃんだ勘太ちゃんだ獅童だといってもそうそう湧くものではない。こと亀ちゃんに関しては無性にその歌舞伎が見たくなる。ほんと、浅草、待ってたよhappy02
お年玉ご挨拶は七之助さん。9年前、七之助さんはまだ16歳。舞台からふと2階を見るとお客が20人くらい。3年目からは上演時間やポスターを工夫し、だんだん客が入るようになった。このメンバーで地方へ行きたいという願いがかない、今年松竹座へ行くことになった(松也クンもお忘れなく)。
昼の亀ちゃんは、大蔵卿の化粧で出てきたが、七之助さんは素顔。あら、勘三郎さんにお顔が似ているわ、とは新発見。
09011605mohee 「一本刀土俵入」
勘太郎クン(勘太郎って、クンまたはちゃん付けで呼びたくなっちゃうのよね。今さら勘九郎襲名なんてしなくていいんじゃないgawk)が茂兵衛をやるとなれば、どうしたって勘三郎さんと福助さんのコンビが思い出されるが、私、勘太郎・亀治郎コンビのほうが好きかも。勘太郎クンにはハラをすかせた取的はこんな感じかもしれないというリアルな存在感があったし、女は女でこうやって生きていくしかないのよねという諦めと哀しみのすれっからしと、でもどこかに希望の混じった、日常の小さなことにも喜びを見出せるような感性を亀ちゃんのお蔦に感じた。亀ちゃんの三味線を弾きながら口ずさむ「小原節」が嬉しい。
そして10年たった後半、茂兵衛のなんとカッコいいこと、スッキリと毅然として真面目で、相撲とは別の、渡世人という裏街道で成長してきた男の真情。茂兵衛が何をやっても、ステキと目が輝いてしまうlovely 勘太郎クンの端正な(それでいて楷書的つまらなさはない)演技はいつ見ても好もしい。
お蔦も前半のすれっからしが抜けて、地道に子育てしている様子がいじらしい。「おきみちゃん、おきみちゃん」。あら、どこかで聞いた呼び声。「竜馬がゆく」のおりょうscissors あっちのおきみちゃん(君江っていうのね)も可愛かったけれど、こっちのおきみちゃんもとても可愛い。両方とも谷口可純ちゃんが出ているけれど、私が見たのは可純ちゃんだったのかしら(確信がもてません)。
茂兵衛が恩人として10年の間忘れずにいたお蔦は、そういう温かい心を当たり前のようにもっていたのだろう。だから覚えていない。お蔦が茂兵衛を思い出すのは、茂兵衛が頭突きをした瞬間で、これが後半の大きなポイントになっている。「思い出したっ!!」このタイミング、私のと亀ちゃんのとでちょっとズレていたな(私のほうが1秒早かったcoldsweats01)。
松也クンの辰三郎、若いからどうしても年齢的に大丈夫かと心配になるのだけれど、全然違和感なかった。 妻子への愛情、気持ちの弱い自分を責める根は真面目なこの人には、親子3人幸せにつつましく暮らしてほしいと、ついつい思い入れる。亀ちゃんにしても松也クンにしても、子を持つ親の気持ちがよく表現されていて感心した。
ちなみに松也クン、今日の「必殺」にゲスト出演するそうですから、どうぞお見逃しなくねsign03

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やっぱり初春は浅草歌舞伎・第1部

113日 浅草歌舞伎第1(浅草公会堂)
09011601part1TX浅草駅に着いたとたん、浅草の町に来た喜びと、「ああ、今年も浅草歌舞伎を見られる」という嬉しさとで、気持ちが浮き立ったnotes やっぱり正月は浅草よねえ(もう正月気分じゃないけど)。
通しで見たその第
1部。最初に言っておくと、12部、2つずつの演目、そのどれもが素晴らしい出来であった。
さて、開演前のイヤホンご挨拶は、もう既に始まっていた。開演前はいろいろ慌しくて、あんまりじっくり聞いていられない。
亀ちゃんは「昨日が今日になっただけ。正月、へってなもんです。意気込みなしということにしておきましょう」と、いかにもな感じbleah でも、「昨日が今日になっただけ」っていうのはわかる。わかるけど、やっぱり正月はちょっと違う、って思いたい。亀鶴さんは、去年年男だったのにいいことは一つもなかった、そうです。
幕間の「出演者がファンの質問に答えるコーナー」でもそうだったけど、勘太郎→七之助と渡すのね。そのとき勘太郎クン、必ず「次は中村七之助さんです。隆行さん、どうぞ」って言うのが可笑しくて。そういえば、亀治郎→勘太郎でも亀ちゃんが「次はなんとあの、勘太郎さんが登場します」と妙に強調していたが、勘太郎クンの熱愛報道が出たのはイヤホンの録音より後のことでしょう。あの「なんとあの」にはどんな意味があるの?
お年玉ご挨拶
この日は亀ちゃんでした。話の内容を大まかにご紹介します(記憶違いから、「そんなこと言ってないよ」という細部があったらごめんなさい)。
空席の目立つ当初から、継続は力なりで9年がたった。今年は獅童さんが「離党届」を出して(ここで場内大笑い)、愛之助さんは大阪に帰ってしまった。しかし松也さんが入り、その松也さんはフル出場、化粧や衣裳をとっかえひっかえしている。何年か前の自分がそうだった。
今回の「一條大蔵譚」は檜垣のかわりに曲舞(くせまい)を上演する。このことによって、一條と常盤の生き方がより明確になるのではないか。
浅草は12部合わせても歌舞伎座と同じ値段で見られる。それが浅草の魅力でもある。
演劇の「劇」は劇薬の「劇」。演劇は激しくなければならぬ。役者と観客、役者と役者の気のキャッチボールは映画・TVにはない醍醐味である(これ、去年もどこかで聞いた記憶がある)。TVに出ている自分がそう思うのだ。
浅草メンバーで大阪公演をするから見に来てと宣伝していたが、あんまり浅草メンバーと言うと、松也クンがいかにもピンチヒッターめいて(実際そうなのかもしれないけど)、ちょっとかわいそう。松也クンも早く「浅草メンバー」の中にきちんと入れてもらえるといいのに、と思った。
09011602okura 「一條大蔵譚」
私は、勘三郎さんの大蔵卿がいかにも愛敬が内部から滲み出て好きなのであるけれど、亀ちゃんの大蔵卿も素晴らしくよかった。装ったうつけの中に時々眼光鋭く、大蔵卿の本来の資質をしのばせる。本心を表す場面とのメリハリもよく、この人がこの時代にあって、こういう生き方をせざるを得なかったことがよくわかる。
そして、私は今回常盤の気持ちがとてもよく理解できた。これまでこの芝居の常盤がわからなかったのだ。もしかしたら常盤の心情吐露の場面になると寝ていたのかもしれない。七之助さんの常盤はおっとりしているようでいて自分をしっかりもっており、それだけにやはりそういう生き方をせざるを得なかった女性の哀しみと強さが胸に迫ってきた。この常盤なら、私、好きである。
松也クンのお京も大奮闘。年齢的に苦しいかしらと心配したが、落ち着いた女の雰囲気がきちんとあったように思う。夫・鬼次郎(勘太郎)とともに源氏の行く末を案じる思いがよく伝わってきたし、スパイ的存在としての緊迫感もあった。
「曲舞」で、大蔵卿が舞を始める前に、ともに舞うお京と鳴瀬(京蔵)の顔を覗き込む場面があるのだが、きっと亀ちゃん、客に背を向けて面白い顔でもしたのだろう、松也クンが笑いをこらえていた様子であった。この舞の楽しさはたとえようもない。亀ちゃんの力みのない滑らかな踊りはいつまでも見ていたい。切りかかろうとする平家側の2人(亀鶴・男女蔵)を舞いながら巧みに躱すのも見ものだし、力強い足踏みがリズミックで本当に楽しい。「曲舞」は初めて見たが、とても新鮮。これをもう一度見たいがために、3階席を取ってしまった。「檜垣」も一緒に上演されると、なおわかりやすくなるかもしれない(お京が大蔵卿の館に入りこんだ経緯があったほうがいいんじゃない?)。

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2009年1月15日 (木)

遡って、演舞場昼の部再見感想

112日 初春花形歌舞伎昼の部(新橋演舞場)
もう15日になってしまった。早く感想を、と思いながらだんだん立て込んできた仕事と立て込ませている歌舞伎との板ばさみにあって、気持ちが焦るばかり。演舞場は2度目だけど、自分の記憶のためにも簡単ながらここらで感想を書いておかなくては。
そもそも9日に見たばかりの昼の部をなぜ2日あけただけで見たか。海老ちゃんを近くで見たかったlovely それも花道そばならなおよろしい。ということで、毎日こまめにこまめにWeb松竹をチェックしていたら、12日の2列目花道そばsign01が突然出てきたのね。本当は19日以降がよかったのに。でもこんな席がまた出てくるかどうかわからないし、3日連続歌舞伎がきついのを覚悟のうえで、思い切ってぽち。
う~む、しかし意外にも、座席としてさほどどうということはなかった。9日の3階席で見て満足した以上の満足はほとんど得られなかったと言おうか。つまり、あそこの席のグレードがかなり高かったことになる。
まあでも一応、前回とは別の感想を。
「二人三番叟」は、11日歌舞伎座の三番叟に関連して書いているのでここでは省略。
「木の実、小金吾討死」
海老ちゃんのチンピラワルぶりはやっぱり素敵heart04 大きな目が小狡さや凄みを見せている。さらにこういう役の海老ちゃんの目にはそこはかとない昏さが湛えられている。これが魅力なのよねえ。キャラは全然違うけど、「江戸の夕映え」本田小六で見せたあの目の昏さを思い出してぞくぞくっときた。先代松緑さん(辰之助)の「暗闇の丑松」の目もたまらなく昏かったなぁ。話が逸れましたcoldsweats02
子供に対する情は、「実盛物語」のほうが濃かったように思う。実子とはいえ、この時点ではまだそういう情を出すものじゃないということだろうか(演じている海老ちゃんが、ではなく、権太が)。自分がガキみたいな権太である。でも、店じまいをするときに、意外にも片付けを手伝っていたのがじ~んときたconfident 親子3人で家路につくときの笑三郎さんが嬉しそうで、ああこの愛情が後の自己犠牲につながるのだなあと胸を打ったweep この場面は、束の間の親子の平穏が感じられて好き。
やがて、同じ花道を悄然と鎌倉へ向かう権太の女房と倅、断腸の思いでそれを見送る権太。花道の使い方がうまく、よくできた芝居だ。
小金吾には、今回初めて共感を覚えた。これまでは、簡単にだまされる世間知らずとちょっとバカにしているところがあった。ところが、3度目にして初めて小金吾の悔しさが自分のことのようによくわかり、追手との戦いにも力が入った。花道での飛び越し(段治郎さんを飛び越したのはどなたでしょう)はスリルある。
段治郎さんの立ち回りは本当にカッコいい。小金吾の死はそれが後に主人を救うことになるにしても、いかにも哀れである。六代が悲しげだったのが印象的。
「お祭り」
笑三郎さんと春猿さんの膝の折り方が大きくて、大変だなぁと思った。背の高い女方さんは、将来膝を悪くするんじゃないかと心配です。
とまあ、こんなところでしょうか。
久しぶりにおまけ:売店で、例の文藝春秋(ポニョと海老ちゃんの記事が載っている号)を売っていた!! あと海老ちゃんグッズがいくつかあって、Tシャツに惹かれないでもなかったけど、いいトシしたおばが海老T…ちょっと着られないよなぁ。亀治郎Tシャツは着てるんだけどねsmile

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2009年1月14日 (水)

初浅草

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三連続歌舞伎の最後は本年初浅草、一部二部通し。感想は後日。
夜の部は千穐楽にもう一度見る予定だけど、昼の部は1回しか入れていない。でもあんまりよかったから、何とかスケジュールに組み込みたい。できるかなぁ。
宿題になっていたからつぎ様からのご質問。大変遅くなりましたが、確認してきました(もうご自身で答えを得られたかしら、すみません)。
浅草は、3階はすべて3等席(比較的見やすそうな印象を受けたhappy01)、2階の後ろ2列のみが2等席(もしかしたら、この2列のうちの前列真ん中ブロック一番左が1席だけ1等席かも。確信はもてませんcoldsweats02)、残りはすべて1等席だそうです。1等席の範囲が広すぎる気がします…

イヤホンガイドのファンからの質問に出演者が答えるというコーナー。質問者として、このブログに時々コメントを下さる方と同じお名前が2人も登場したけれど、ご本人たちかしらconfident お名前が出た時、あらっと思って、どきどきしてしまいました。

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2009年1月13日 (火)

再生物語?の1月

111日歌舞伎座昼の部感想の続きを。
09011303kabukiza 09011304kabukiza

09011305syunkan 「俊寛」
幸四郎俊寛にアレルギーがあるのか、かなりの部分、沈没してしまった。でも記憶に残っている範囲で言うと、わりとわかりやすい俊寛じゃなかったかなあと思う。たとえば、瀬尾(彦三郎)が俊寛と戦う時に丹左衛門(梅玉)に助けを求めようとすると、丹左衛門が、助太刀はしない、「これにて見物いたす」と言う。すると客席が大いに沸いて笑いと拍手が起こったけれど、そんなこと今までの俊寛であったかなあ。瀬尾は役人として理屈を通しているとか、そういうことは関係なく、憎らしいヤツをやっつけるという図式ができていて、客にわかりやすかったのではないだろうか。
歌六さんの康頼が情があって、船での別れなど、芯から俊寛のことを思っているようで胸に迫るものを感じた。
寝てたくせに何を言うかと言われそうだけど、私にとってそう悪くはない「俊寛」だったような気がする(最大の問題は、最後の俊寛の表情なのよね。幸四郎俊寛のあれが苦手なんだわ)。
ところで、1階席はかなり寒かった。コートをコインロッカーに預けてしまった私は寒いぐらいのほうが眠くならなくていいと開き直っていたのだけど、人間、寒くても寝られるものだ。
09011306izayoi 「十六夜清心」
頭巾をかぶって登場した菊五郎さん(清心)があんまり若々しくて菊之助さんかと思った。顔だってソックリなんだもの。恋しい人に会いたくて月明かりの中を駆けつける時さま(十六夜)。2人はやがて川に飛び込んで心中するけれど、2人とも死にそこなう。となれば、まさに先月国立のおわかと小三郎じゃないの。癪を起こした寺小姓の恋塚求女(梅枝)を助けようとして懐の金に手が触れた清心、「これはなんだ?」「金でございます」。って求女クン、ここも先月国立の萬太郎演じる尾花屋番頭みたいに見知らぬ人にそんなこと教えちゃダメじゃないの。兄弟そろって、しっかりして、とツッコミたくなる。
以上、先月国立「金さん」との共通点だが、十六夜と清心が飛び込む川が鎌倉の稲瀬川だっていうのがまた面白い。今月演舞場で白浪五人男がかかっているわけだから。
時さまはめちゃくちゃきれいだし、菊五郎さんははっとするような色気があるし、吉右衛門さんはワルの大きさを感じさせて堂々たる押し出しだし(駆け出しワルの清心といい対照)、暗い内容の割には楽しめた。
芝居のはじめに、中間・市助(菊十郎)と酒屋・呑助(橘太郎)が借金のことでもめて、町人・次郎兵衛(松太郎)が間に入り、すると借金の証文が配役を書いた紙になっており、仮名手本・大序の口上人形みたいに次郎兵衛が配役読み上げをする(浄瑠璃ぶれ:これも梅之さんのところをご参照あれ)、という趣向も面白かった。
09011307sagimusume 「鷺娘」
これはもう、白い世界の玉三郎さんの美しさにただただ目を瞠っておりました。幕見でもう一度見たいけれど、今週に歌舞伎を集中させちゃったら、さすがにややくたびれてきて、思案中。

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歌舞伎座で歌舞伎を見る喜び

111日 初春大歌舞伎昼の部(歌舞伎座)
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人・人・人の大盛況。食堂は満席だし、売店はラッシュの電車並み。目出度い。
私はといえば、俊寛があるのになぜか前方席を取ってしまい、失敗したかなと思ったが、やはり間近で見る舞台は素晴らしく、しかも「歌舞伎座!!はやっぱり違う」、歌舞伎座で歌舞伎を見る喜びに浸ったのでした。
ところで、なぜ正月から「俊寛」なのか、とそればかりが強調されがちであったけれど、考えてみれば「十六夜清心」も心中を扱っているし、「鷺娘」だって最後は死でしょう。なんだ、三番叟以外は全部あんまり正月らしくないな、なんて思いながら、でも死は再生に結びつくものでもある(心中しそこないの2人はいい道へ再生したわけではないけれど)と、自分の中で無理やり理屈をつけて納得させたわけ。
09011302sanbaso 「祝初春式三番叟」
富十郎さん(翁)が「とうとうたら~り」と発したとたん、感動がぐっと押し寄せてきて、思わず涙が出てきた。富十郎さん、平伏から立ち上がるときの足がちょっと心配な感じだったけれど、舞は大きく清々しく、格調高く美しかった。でも、富十郎さんが舞いに入るとほぼ同時に三番叟の梅玉さんの烏帽子かけかえが始まり、梅之さんのブログでこの作業が後見さんにとってどれだけ気を使うかを読んでいた私は、そっちがかなり気になって、翁と三番叟を交互に見ていた。たしかに烏帽子かけかえは相当の時間をかけて慎重に慎重に行われていた。
その甲斐あって、三番叟の烏帽子もほどけることなく、これまた格調高くリズミカルで清々しい舞が繰り広げられた。翁の舞が終わると、背景の松が上に上がって、5羽の鶴が現れるのも見事であった。
記憶に間違いがなければ、この演目は、まず後見(錦之助・松江)が出てきて、客席に向かって礼をし(本当は神様へのご挨拶らしい)、そのあと、千歳(菊之助)、翁、千歳(松緑)、三番叟と次々登場するのだが、11人出てくるたびに大向こうがかかる。それを合図のように拍手が起こる。このタイミングは面白かった。
これ、もう一度見たいけれど、昼の部は今のところ完売だし、幕見するには朝早すぎる…

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2009年1月12日 (月)

ラブ歌舞伎座・5(軒わらび実用篇:成人の日)

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軒わらびと意識して、実際に利用されているのを見るのは初めて。感激した。そうしたら、こちらにも↓。
09011203nokiwarabi
09011204nokiwarabi_2
どれが軒わらびだかわかりますよね。
軒わらび使用実例については、てぬぐい…様のところに珍しい映像がありますので、ぜひご覧を。
私が今日見たのは演舞場昼の部(2度目)。昨日は歌舞伎座昼の部だったのだけど、今アップアップで感想がアップできませぬ(お寒いオヤジギャグで失礼)wobbly

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2009年1月11日 (日)

演舞場昼の部・その2

19日 初春花形歌舞伎昼の部(新橋演舞場)
「木の実・小金吾討死・すし屋」
まず、海老蔵さんがいがみの権太というこの役に真摯に取り組んでいることにとても好感が持てる。この役はこうでなければいけないとか、ここの動きはこうあるべきとかいうことは私にはまだまだわからない。そういう私でも海老蔵さんの権太の完成度が高いとは思わないけれど、仁左様には仁左様の魅力があるように、海老ちゃんには海老ちゃんにしかない魅力があって、それがもうたまらないのよ。浅黒い肌、ぎょろっとした凄みのある目。この目ヂカラは他の誰にもない、と思う。それでいてちょっと小心なところもあるチンピラワル。胸筋が美しい、脚が美しい(若さの美でもある)。
「木の実」で荷物を取り違えたのがあまりに自然で、わざとという印象を受けなかった。このとき客席から「ああ~っ(それ、違うよ)」という声が上がったのも、あんまり自然だったからかもしれない。
小金吾の段治郎さんは前髪立ちの若者にしては大柄だけれど、さすがに立ち回りは見事。権太とのやりとりは、黒と白の美(肌の色も心の色も)がせめぎ合う。
若葉の内侍(笑也)は、私にはいつも情が薄いように見えてしまう。誰が演じてもそういう印象を受けるから、そういう役どころなのかもしれない。
すし屋の娘・お里は今回の春猿さんが一番ぴったりきた。かなり色気が濃いような気はしたが、したたかで純情な娘ぶりが愛らしかった。
素晴らしくよかったのが左團次さんと門之助さん。お里の父親が事情を知っていながらなぜお里をけしかけるのかといつも納得いかなかったのが、今回の左團次さんによって、はじめて父心がわかったような気がしたのだ。権太の真情を知ったあとの嘆きにも泣かされた。門之助さんはこういう役を見ると、貴公子役がよく似合うと思うし、これまで見たどの弥助(維盛)よりも、平家の武将としての骨太な部分を感じた。
獅童さんの梶原景時、大きくて、こういう役好きだ。
「お祭り」
正月らしく華やかな踊りを楽しめた。海老蔵、獅童、右近、猿弥、段治郎、春猿、笑三郎、笑也、門之助。目移りしちゃうでしょう。全員を見るには3階席は最適。手拭いまきがあった。
<上演時間>「二人三番叟」45分(11:00~11:45)、幕間5分、「口上」5分(11:50~11:55)、幕間30分、「木の実・小金吾討死」60分(12:25~13:25)、幕間5分、「すし屋」100分(13:30~15:10)、幕間25分、「お祭り」10分(15:35~15:45)

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演舞場昼の部・その1

19日 初春花形歌舞伎昼の部(新橋演舞場)
09011101enbujo いよいよ本格的に歌舞伎モードに突入してきたので、仕事とのやりくりで感想アップが遅くなりました。
この演舞場、海老蔵・獅童・澤瀉屋とくれば、heart04のごひいき多々、私の見方に独断と偏見があっても、そこは大目にみてね。
「二人三番叟」
前半は能仕立てだから私には苦手なのだが、案外見ることができた。笑也さんの千歳は上品でおっとりと美しい。段治郎さんの翁は見目姿も麗しいのだけれど、動きとしてこなれていないような…でも綺麗。三番叟の2人(右近・猿弥)は息もぴったり、ドンドンドン(いや、トントントンかな)の足拍子、激しい踊りを軽やかに。あれだけの動きをするから、右近さんのほうが疲れきっちゃって、何度も踊りをサボろうとする(もちろん、踊りの上での演技です。でも実際にも相当疲れるだろうと思う)。へたり込んだり、橋懸かりにもたれたり、あげくに幕内に引っ込もうとさえする。そのたびに猿弥さんが引っ張り上げ、連れ戻し、と笑わせてくれる。やっぱり「三番叟」は、三番叟の踊りになってからが面白いな。附千歳の弘太郎さんは、静々と格調高く翁の面箱をささげ持ち、三番叟に鈴を渡し、と仕切り役みたいな感じで、舞という舞はないのでちょっと残念だった。
「口上」
成田屋さんの三升の紋に囲まれた(?)舞台に海老蔵さんが登場すると、まばゆいようなオーラが発せられる。後見の右之助さんがもってきた三方にかかった赤い布を海老ちゃんがとると、そこには白ぬきで「大入」の文字が。客席からちょっと笑いが起こった。三方に載せられた巻物には今月の演目が書かれており、それを海老ちゃんが読み上げる。座頭としての若々しい貫禄十分である。そして待望のにらみ。襲名披露のときはまだ歌舞伎会会員になって日が浅く、2階の後ろのほうで人々の頭の間から小さく見えるにらみを拝むしかなかったし(これをきっかけとして、翌年の勘三郎襲名に向けて特別会員の資格を得るべく頑張ったのに、その年からゴールド会員の制度ができてガクっときた)、オペラ座でも席が遠かったから、3階とはいえ最前列*の今回は期待していた。
しっかりにらんでいただきました。まさに浮世絵の世界。美しく、迫力あって、海老蔵さんのオーラにすっかり取り込まれました。
長くなるから、「義経千本桜」は別記します。

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2009年1月10日 (土)

大変こみあっています

チケットWeb松竹になかなか入れませんshock
2月歌舞伎座は20分も前からスタンバイして、運よく2回目に入れたhappy01(1回目は絶対まだ販売画面になっていないの、いつも。私の入り方に問題があるのかしら)。で、チケットも取れたgood
でも、次に松竹座のチケットがほしいのに、込み合っていて入れない。正直なところ、松竹座にはまだ迷いがあって(家庭の事情が許すかどうかわからないので)、そんな気持ちでいるから入れないのかもしれない。
それにしても、この混雑って、歌舞伎座のせい? ってことは、これから毎月、うまく入れないかもしれないってことぉ? bearing 「しばらく後に再入店してください」って、「しばらく」はどれくらい後なのよぉ??
 ↓
先ほどやっと入店でき、松竹座もゲットしました。30分かかったwobbly

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2009年1月 9日 (金)

寒波

目が覚めたら一面真っ白snow、なんて予報が出ていたからびびって(演舞場なんです、今日)うんと早起きしたらぜ~んぜん。安心して二度寝しちゃった。昨夜早いうちは星が出ていたのよ。これで雪なんて降るのかしら、と疑わしく思ってはいたんだけど、雨にはなったのね。
娘のいるパリは大寒波だそうで、娘も帰ったとたん、その洗礼を受けた。5日のメール、「あさっては最低気温マイナス15度、最高気温マイナス7度だって!!! どうしよう。怖い」
実際どこまで下がったかは聞いていないが、それでも経験したことのない寒さに私はマジで心配した。凍りついた道で滑って骨折でもして動けなくなり、東洋の小さな女の子(体が小さい)がひっくり返っているのに誰も気づかず放置されて…なんてねweep

写真は夕方5時頃のルーヴル。
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2009年1月 8日 (木)

めでたさも中くらいなり

17日 「象引」「十返りの松」「誧競艶仲町」(国立劇場大劇場)
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去年
1227日に国立で1年の千穐楽を迎え、今日17日に同じ国立で今年最初の歌舞伎を見た。7日までなら獅子舞があるということだったし、初日には行かれないけれどお正月気分を味わいたいと、国立を最初に選んだのである。
獅子舞は3年目なので、3階から眺めた。めでたい。

09010802sisimai_2 
「象引」
あんまりばかばかしくて大らかで、なんて楽しいんだ。これを見たら1年間縁起がいいんだそうだ。わかるわかるhappy01
團十郎さんが出てきたとたん、それまでの雰囲気が一変して、元々変な話なんだけど、馬鹿馬鹿しさが急上昇して、それに加えて團十郎さんの思いっきり大らかなオーラが劇場じゅうを包んだ。「半年ぶりのお目見えにござりますけれど」「大江戸歌舞伎荒事の本家本店(だな)、随市川の暖簾にかけてこの俺が、猛象退治しようじゃまで」って、あの團十郎調を聞いたら、嬉しくて泣きそうになってしまった。
「十二代目っsign03」「成田屋っ」「團十郎っ」そこらじゅうからひっきりなしに(と言っていいくらい)声がかかる。
肝心の象引きの場面は意外と迫力がなくて、ちょっと物足りなくはあったけれど、もうお元気な團十郎さんの華のある箕田源二猛(みたのげんじたける)を見ただけで、感激、満足。大きな象をもらった猛、水汲みや畑仕事を象にやらせて五穀豊穣なんだそうだ。團十郎さんがそう言うと、妙に違和感なく、その姿がリアルに目に浮かんでほほえましかったsmile
くすっとウケる場面がある。象を巡っていがみ合う猛と大伴褐麿(かちまろ)を見た葵丸(巳之助)が褐麿に「もし、おとっつぁん、ここは成田屋のおじさんに花を持たせて引くものじゃと、見物の皆様がおっしゃってでござりまする」。そのおとっつぁんこと褐麿は三津五郎さんだから(お芝居のうえで、褐麿と葵丸は親子じゃないよ)wink

亀三郎・亀寿兄弟、2人の素敵な声を楽しんだけれど、もったいないよ~bearing
3
階上方だから、手ぬぐいまきはどの辺まで飛ぶのかなあなんて、他人事として見ていた。亀ブラザーズや若い巳之助クンが投げれば3階まで届くかしらなんて思ったけど、残念ながら3人は投げなかった。
さて、私の初日は「象引」に尽きる。次の「十返りの松」は、成駒屋一族勢ぞろいで天皇陛下御即位二十年記念をめでたく舞う。国生クン、ますます育ち盛りね。 宜生クンが成長したなと驚いた。初舞台(初お目見えだったかしら?)ではな~んにもしないでただ舞台の上に突っ立っていただけのおちびちゃんが、しっかり踊っていたんだもの。大したもんだ。
「誧競艶仲町」。いきじくらべはでななかちょう、と読む。これ、ごめんなさい、感想書けない。私、はじめ自分の体調がそうとう悪いんじゃないかと思った(ちょっと風邪気味&消化器系がなんとなく)。途中から起きていられないの。ところどころ目覚めれば、それなりに面白そうだから、ちょっと引き込まれるんだけど、気がつくと寝ている。でも、ふと周囲を見渡せば、大半の人の首が落ちているsleepy 私だけじゃない、ってことは体調のせいばかりではないんだ。そもそも3階席、暑すぎる。いや、眠気を誘うにほどよい暖かさと言おうか。まさに客席の暖かい空気がすべて上にあがってきた、という感じ。どう頑張っても、その空気に負ける。でも、歌舞伎でこんなに寝たの、初めてshock
南方与兵衛と鳶頭の与五郎が腕に「都命」と彫ってあるのは「三五」を思い出した。それに南方与兵衛といえば「引窓」でしょ。現にこの芝居は「双蝶々曲輪日記」の書き替えだというんだけど、その辺をじっくり比べることができなかった。福助さんの二役も妙に若作りな女(お早という名は、「引窓」じゃ与兵衛の奥さんだよね)と粋な芸者っていうのはわかったけど、ストーリーを摑んでいないからなんのことやら。

というわけで、初日を見た喜び、めでたさは中ぐらいなり。これは、しっかりリベンジせにゃあならんでしょうdash
<上演時間>「象引」65分(11:30~12:35)、幕間30分、「十返りの松」25分(13:05~13:30)、幕間20分、「誧競艶仲町」序幕・第二幕75分(13:50~15:05)、幕間10分、第三幕・大詰40分(15:15~15:55)

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2009年1月 7日 (水)

95歳掻痒顛末

11月頃からだったろうか、じいさま(父のこと)が体じゅうを痒がり始めたのは。例年、冬の乾燥した時期になると、これが始まるので、とりあえず、市販の痒みを抑える成分の入ったボディミルクやアルカリの弱い石鹸などで対応してきた。
しかしその程度ではおさまらず、しょっちゅう掻きむしるために、上半身はいつも血だらけ(どういうわけか、痒いのは上半身だけ)。下着のシャツはおろか、シーツにも血のしみがつく。「そんなに掻いちゃダメ」と言っても「痛いより痒いほうがつらい」と掻きむしるのをやめない。しまいには、「生きているのがつらくなった、死にたくなってきた」と弱音をはくdespair とくに食事をして体が温まると耐えられなくなるようで、「つらいつらい」と繰り返すから、いい加減こっちもウンザリしてきたwobbly
そこでついに重い腰を上げ、風邪とインフルエンザの院内感染を恐れながら近所の医者に連れて行った。医師は首のあたりをさっと見て、痒み止めの飲み薬と塗り薬を出してくれた。さあ、これで治るぞと喜んだのも束の間、痒みはぜ~んぜんおさまらない。
暮れからじいさまの薬塗り係り*をやってくれていた息子が「これ、ダニじゃないの?」と言い出したのが数日前。言われて見れば、確かに小さなポッツリポッツリが上半身無数にある。布団は毎日干しているから大丈夫だろう。そうか、痩せている父の部屋は私など汗をかくほど暑く、また普段父が寛ぐ(ほとんどsleepy用)肘掛け椅子は布が張ってあって、しかも薄汚いクッションがのっている。時にはここで食事をしたりもするから、食べこぼしも椅子にしみているに違いない。こいつが元凶だな。
そこで、ダニ殺隊・Swingの登場impact 前に買ってあったダニアースを手に突撃bomb 父の部屋中に撒布する、注入する、撒布する、注入する…こっちがむせて中毒を起こしそうだ。そして、汚いクッションはとりあえず日に当てるか捨てるかするように、部屋の空気も時々は入れ替えるように、と<指導>した(掃除でも何でも私がやってもいいのだが、自分でできることは極力自分でやってもらうようにしている。ボケ防止を掲げて、その実、私が楽をしたいだけなんだけどsmile)。
さあ、するとどうでしょう。夕食の最中も食後も平気でいる。「今日は痒くないの?」ときくと、「痒くない」と。古い刺され跡はまだ多少痒みを残しているようだが、新たに刺されなくなったから。
こんなことならもっと早く気づいてあげるべきだったと思うのだが、男親に対して娘は案外冷たいのですcoldsweats02 息子がいなかったら、父はもっと苦しんでいただろうな。
若いばかりがダニの好みではないらしい。みなさま、ダニにはご用心sign03 

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2009年1月 6日 (火)

抜け出せ、プチ鬱

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あんまり太陽が気持ちよくて、ぼ~っと空を眺めたら、雲(ヒコーキ雲かしら)が×を描いていた。午後1時半ごろ。
買い物したり家のことやったりして、再び空を見上げたら、もう月が出ていた(午後3時半ごろ。写真、わかるかな)。雲は今度は虹のようにアーチを描いていたけれど、どんどん流れて、やがて形をなさなくなった。
空を見ていると、気分が変わるねhappy01
ところで、red-blood-11様のところ(1月3日)にとっても素晴らしい富士山の写真があります。気持ちも雄大になる。一見の価値あり、です。

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2009年1月 5日 (月)

ぼやき:プチ鬱か

な~んか、仕事が捗らなくて憂鬱。昨日から仕事広げるとすぐ眠くなる。それで予定より1日遅れてる。
部屋の中がぐっちゃぐちゃで憂鬱。書類の整理が2カ月分もたまっているから、その辺にひっちらかっていて、探し物ばかりしている。余計仕事が遅れる。
何にもしたくない。あんまり憂鬱で、歌舞伎のこと考えても元気が出ない。プチ鬱気分。新年早々こんなことじゃいけないね。私の歌舞伎始めは7日だからね…。
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 ↑
娘の憂鬱はコレ。12時間半たったら、別世界だもの。ああ、お日様sunは本当にありがたい。Swing、鬱を晴らせ。

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2009年1月 4日 (日)

1月4日の空港で

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三が日が終わるとともに、我が家の楽しく賑やかな生活も終わった。12時間の長旅を前に、「あっという間だったなぁ」と娘。
空港ではアジア系のカップルがガラス越しに別れを惜しんでいた。やっと男性がゲートへ向かうためガラスを離れると、残された女性は思いを断ち切るように足早に立ち去った。その目にはハンカチが当てられていた。空港とはそういう場でもあるweep
私は娘の搭乗ゲートを見たいと、インフォメーションで場所を訊いた。見学デッキからはきわめて見えづらい場所だと言う。では、離陸の瞬間を見たいのだけど、飛行機の見分けはつくのかどうかと問うと(同じ時刻の出発便がほかにあったので)、同時刻出発の便はANAではないので大丈夫だという。そしてその時間帯のANAの便を調べてくれて、ロンドン行きが娘の飛行機より先にあるけれど、機種が違うからと、子供向けのパンフレットで飛行機の形を説明してくれた。なんという親切な成田マンsign03 感激ですhappy02 もう一つ、出発時刻とは飛行機がゲートを離れる瞬間だと教わった。
それらの知識を頭に、展望デッキで待機。風がぼうぼう吹いていた去年とは違って今年は暖かく、展望デッキには大勢の人が飛行機を眺めたり、それぞれの離陸の瞬間を待ったりしていた。
鉄格子のところどころに、レンズを差し入れられる程度に格子が切られた箇所がある。そこに陣取った。先ほどの親切のおかげで、娘の飛行機はゲートをバックで出るところから見え(尾翼が動くのがわかった)、一時視界から消えはするものの、その動きをずっと追うことができた。12時19分離陸、空にairplaneが吸い込まれたのを見届けて、帰路についた。
09010402flying_2 

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2009年1月 3日 (土)

三が日総括:初詣と箱根駅伝

元日は何をしたかしら、2日前のことでしかないのに、もうほとんど覚えていない。午前1時ごろ、息子と娘と3人で近所の寺へ初詣。いつもなら長蛇の列に鐘を撞くのを諦めるところだが、今年は珍しく人の出が少なく、皆でゴ~ンとやってきた。鐘楼は周囲に囲いがないから高所恐怖症の私にはよけい怖く、上って順番を待つ間に膝ががくがくした。この人の少なさはなんだろうと不審に思いながらやや離れた神社へ足を伸ばすと、こちらは反対に善男善女で溢れ返っている。「明日で直すから」と、神様には遥拝で勘弁していただく。その近所にある鯖大師というところへ初めてお参りした。ここは神社のような寺のような、結局よくわからなかった。
全然関係ないけど、U字工事のSYDはけっこう私の中でウケている(SYD=佐野厄除大師)。
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日:午後、家族みんなで、元日お参りしそこなった神社へ初詣に。神社は砂利や石畳で車椅子が通りにくい。階段上でのお参りも母にはムリ(去年は息子が抱えて上ったのだったが、今年は自分の力で立つことがまったくできなくなっている)。だけど、そばにあった小さなお社で、母は手を合わせ、お賽銭もあげることができた。甘酒をほんの少しいただいて「おいしい」と顔をほころばせる母にみんながなごんだ。父は、私が貸してあげたレッズのダウンコートに甘酒をだらだらこぼした(ちゃんと口で飲み物を受け止めることができないのだ。多分、本人は気づいていない)coldsweats01 
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日:一昨年、昨年と3日は国立劇場初日観劇だったが、今年は娘が明日パリに戻るので、最後の1日をどこへも出かけず、ゆっくり過ごした。昨日と同様、箱根駅伝をところどころ見た。ここ数年、箱根はほとんど見ることがなかった。それが久しぶりに見始めたら、やめられなくなった。マラソンもそうだが、人の走る姿になぜひきつけられるのだろう。何もなくても画面に見入るのにごぼう抜き、バトルがあればなお面白く、「いかん、これじゃ何もできない」と、しばらく見ては家事や仕事のために中断し、また気になってTVをつけ、の繰り返し。かつてランナーとして活躍した選手が監督となってチームを率いていることに、感慨を覚える。自分の出身大学が箱根にはご縁がないのが少々寂しいが、今年はとくに上武大学を応援した(本当は、どの選手にも「頑張れ」と声援を送っている)。
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2009年1月 2日 (金)

年賀状譚

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年賀状をいただくのは嬉しい。自分が嬉しいから、きっと私の年賀状でも受け取った方は嬉しく思ってくださっているかな、との思いで遅れても書く。絵柄も宛名も印刷だけど、私は必ず一言を手書きする。だから徹夜になっちゃうのよね。もっとも、出す枚数は全盛期の半分くらいに減ったかな。お付き合いのない方とのやりとりは遠慮しようと書かないでいるとあちらからいただいて後出しになり、申し訳なかったと翌年出すと今度はあちらが後出しになり、そんなすれ違いの連続が何年かあった末に自然消滅、っていうのが多い。
そんな中で
よく続いているなと思うのは、大学卒業以来何十年も会っていない友人や、中学時代の教育実習生のお兄さん。清純で美しい彼女はオバサンになり、憧れの先生はもうおじいさんになっているだろう。青春の思い出を胸に、年に1度、元気な様子を知るのは本当に嬉しいことだ。
自分でも不思議な関係だと思うのは、15年くらい前だろうか、一緒に仕事をした人。仕事をしたのに、一度も会ったことはない。私のいる業界はそれですんじゃうこと自体が不思議だが、この男性とは電話で話すたび、どういうわけか盛り上がり、30分以上喋らないことはまずなかった。そして会ったことがないまま年賀状だけは毎年やりとりしている。
去年いただいた年賀状を読み返しながら、今年の一言を書いていて、ああそうだ、高校の担任の先生にはもう二度と出すことはないのだと、少し寂しく思ったweep
ところで、秀吉、ホントに長いsign03 TVつけたらまだやっているshock(当たり前か)あ、秀吉じゃなくて寧々ですね。
「手打式」は後で録画を見ます→はなみずき様の速報
、興奮しちゃいました。
写真は初日の出。見えるところを探して走った車の中からなので、その瞬間+数分っていう時間だし、うまく撮れなかったけれど、せっかくなので。

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2009年1月 1日 (木)

1月1日に

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今年もよろしくお願いいたします。
徹夜で年賀状を仕上げ、郵便局に出しに行こうと思っている矢先、多くの方からのお賀状が届き、とても後ろめたい気持ちになりました。せめて年内に投函すべきでした。
090102motiami さて、我が家では、お正月のお餅に備えて、こんなもの←を買いました。レンジ用の蒸し器(というほど大げさなものではなく、プラスチックの小さな容器)だって構わないんじゃないかと試したところ、しっかりくっついてしまい、それではと、購入したのです。
確かに全然くっつきません。優れモノです。ただ、レンジでお餅を加熱する以上、表面のカリっとした味わいは出せません。そこで、オーブントースターで焼き目をつけた後、これにのせて、レンジを始動させ、ぷくっとふくらんだ瞬間にレンジを止める。するととてもおいしい仕上がりになりましたdelicious お餅大好きな私は食べすぎに警戒中ですbearing
なお、このレンジ用くっつかないモチアミでもう一つ気に入っている点があります。それは、商品に「レンジ モチアミ」と銘記されていること(文字を抜いてある)。もし、それがなかったら私のようなだらしのない人間は、時期が過ぎてコレをその辺に放置しておく、あるいはしまい込む→何カ月後にコレを見つけて、「これ何だっけ??」とどうしても思い出せなくなる。あるいは来シーズンに「確か去年買ったのに」と探しまくり、目の前にあっても気づかない。となることはまず間違いありません。だから、と~っても助かるのですcoldsweats01

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