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2009年2月11日 (水)

二月歌舞伎座夜の部・1:立ち回りは舞踊だ

210日 二月大歌舞伎夜の部(歌舞伎座)
09021101yorunobu

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時に歌舞伎座について、待つこと10分、人波の後ろについて、中に入るのに数分かかり、さらにまたイヤホンガイド前の行列を掻き分け掻き分け3階に上がるのに一苦労(ラッシュの電車かshock)。というほどの大入り。休憩時間もどこ行ったって人人人。松竹さんの収益が少しでも上がってまともな建て替えが出来るよう願う身としては嬉しいことだ。
09021102ranpei 「蘭平物狂」
三津五郎さんの蘭平を見て、その立ち回りの凄さに度肝を抜かれたのが4年半前(平成168月)、そして2度目の蘭平を松緑さんで見てやっぱり立ち回りに感動したのが2年前のちょうど2月(当時の興奮の記録はココ)。3度目の蘭平は再び三津五郎さん。
題名の「物狂」は前半、刃物を見て乱心する蘭平の様子からきているのだし、前半部分がとても大切なのは重々承知。だけどやっぱり後半の大立ち回りを目的に見てしまうのは否定できない(がんどう返しのような大掛かりな仕掛けはないけれど、命がけ、一つ間違えれば大怪我につながる息の詰まるようなワザの連続、今でも蘭平の立ち回りが一番ダイナミックで、一番面白いと思っている)。
その大立ち回りを見てしみじみ思ったのは、「立ち回りは舞踊である」こと。歌舞伎の立ち回りというものがそもそも動きの美しさを追求しているのは間違いないだろうけれど、ここまで「舞踊」を意識したのは初めてだ。洗練されたという感じじゃなくて、それほどに三津五郎さんの動きが美しく、また蘭平に絡む捕手たちもそれぞれの動きが見事に連動して、躍動感に溢れ、群舞を見るような感じであった。立ち回りも終わりのほうで、30人(30人全員だったかどうかは自信ない)が舞台に仰向けにひっくり返る様(蘭平にやられた、という表現)は実に壮観。
とにかく感動のあまり、思い切りの拍手をしながら涙も湧いて、興奮した。
捕手さんたちは、双眼鏡なしでお顔を見てすぐ「○○さん」とわかる方が45人しかいないので、初めのうち一生懸命双眼鏡を覗いていたのだが、それではせっかくのダイナミズムを味わえなくなると、途中からは全体の動きを楽しむことにした。立ち回りの詳しい様子ははなみずき様の見事なレポにお任せしちゃいますcoldsweats01
孤軍奮闘、暴れまわった蘭平がやがて息子の行方を気にかける。「繁蔵、しげぞう~、しげぞう~」と探し回る父親の姿は悲しくて切ない。見せ場の一つである父と子の愛情と葛藤には、子役の力量も重要である。宜生クンは動きがしっかりしていて、声が大きいのがよい。
橋之助さんも福助さん(おりく、実は大江音人妻明石)も、私は「菅原伝授手習鑑」よりずっとよかった。とくに橋之助さんはこういう押し出しのいい役(壬生与茂作、実は大江音人)がとても合っていて、好きである。
翫雀さん(在原行平)が人間くささが出ていて面白かった。
ところで、この物語に出てくる在原行平と村雨(実はおりくがなりすましている)って、「松風」の2人だったということを、迂闊にも気づいていなくて、後でああ、そうだったのかと頷いたのでした。<村雨を思うあまり病に伏せる行平を思う奥方が村雨を探させる>というのは現代人の感覚ではツッコミたくなるところですなsmile
人それぞれ好みがあるから、あまりこれがお勧めとか言わないようにしているつもりだけれど(言ってるかなcoldsweats01)、これは必見sign03

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コメント

本当に、おっしゃるとおり、手に力が入ってオペラグラスは揺れてしまいますし、美しいフォーメーションも見たいし、技の数々や美しいキマリで思い切り拍手したいし…で、結局オペラグラスをはずしてしまうのですよね。兎に角、舞台の「気」が熱くて(余程の集中力がなければ、なされないでしょうね)、そのエネルギーにただただ感動でございました。

三津五郎丈の「物狂い」、とても素敵でした。心が、ウキウキいたしました。

お粗末な記事ですのに、リンク、恐縮でございます。ありがとうございます!

投稿: はなみずき | 2009年2月11日 (水) 19時38分

はなみずき様
オペラグラスで細かいところまで追いたいのですが、そうすると全体を見るわけにいかないし、拍手もすぐにはできないし…

あれだけの立ち回りになりますと、全員の集中力、呼吸の一致がないと歯車が狂ってしまいますものね、それだけに舞台に「気」が漲っていましたね。

お粗末な記事だなんて!! 素晴らしい、感動に溢れる記事でしたよ。これからもあの舞台を思い出したくなったときには、はなみずき様のあの記事を何度も読み返して感動に浸ることでしょうhappy01

投稿: SwingingFujisan | 2009年2月11日 (水) 21時14分

どもども。今回もニアミスだったようでございますねcoldsweats01
気が付いていれば、蘭平を見終わったときにあれこれとお話ができたのに。残念です。これからはもうちょっとキョロキョロすることにいたします(^^;

>「立ち回りは舞踊である」
そうそう、そうなんですよね(^^)
元々立ち廻り好きですので、これまではどうしてもそちらにばかり眼目が行ってしまったのでが、三津五郎さんの蘭平を見て、この演目の舞踊の要素の重要性を再認識しましたし、改めてこの演目の面白さを発見しました。

投稿: kirigirisu | 2009年2月11日 (水) 21時33分

kirigirisu様
私も立ち回り大好きなので、これまでは舞踊的要素に気づかなかったのですが、三津五郎さんの蘭平で、そこに目を開かされました。
しかし人間の演じるお芝居で、あそこまでできるって、スゴいことだなあとしみじみ感動しました。
3階ならどこかですれ違ってもよさそうなものですが、意外とそういうことがないものですねぇ。残念です。でも、kirigirisu様とはきっとまたニアミスしそうな気がしますので、それを楽しみにhappy01

投稿: SwingingFujisan | 2009年2月11日 (水) 22時32分

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