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2009年2月 5日 (木)

2月歌舞伎昼の部・1

23日 二月大歌舞伎昼の部(歌舞伎座)
09020501hirunobu
長くなるので、まずは「菅原伝授手習鑑」から。
09020502sugawara 「加茂堤」
「賀の祝」の前にこんな面白い(といっては語弊があるかしら)段があったのね、というのがこのたび初めて「加茂堤」を見た感想。
人目を忍ぶ斎世親王と苅屋姫の恋、それも菅丞相を流罪におとすような危険な恋の手引きをするのであるから、本来はらはらどきどきな場面だと思うのに、案外のどかでユーモラスで微笑ましさが先に立つ。
桜丸は「車引」や「賀の祝」から私の中に作られている人物像とは違って、陽気で率直で気のいい青年(本当は少年?)だった。それだけに、「賀の祝」における桜丸の悲劇がよりくっきりと浮き上がり、「寺子屋」の松王の嘆き(「桜丸が不憫だ」と言って泣く)がより切実味を増す気がした。
桜丸ったら、やっと会えた斎世親王と苅屋姫なのに恥ずかしがってばかりいるから「下々の者とは違ってすぐに飛びつかない」とか、2人の逢瀬のために「闇にしてあげたい」とか言ってじりじりしたり、牛車の中のアツアツの2人を見て自分もついつい奥さんの八重に抱きついたり(いいムードになってきたところで、牛が「もぅsign04」と鳴く)。ほら、ちょっとイメージ違うでしょsmile
でも橋之助さんの桜丸は、イメージの違いを差し引いても、なおちょっとつらいかな~bearing 多分、高く作った声に無理を感じるんじゃないか、と自分では思う。その姿にはなぜか「菊畑」虎蔵の芝翫さんを思い出してしまった。
梅枝クンの苅屋姫、かつぎを取って出した顔の可憐で美しいこと。斎世親王(高麗蔵)を見る目が初々しく切なげで、桜丸ならずとも初恋を応援してあげたくなる。
三善清行(松江)の3枚目のワルぶりが楽しかった。
ナンセンスつっこみ1駆け落ちしちゃった斎世親王と苅屋姫を桜丸が追いかけるため、妻八重が牛車を引いて帰ることになる。その際、女のままでは怪しまれるからと、桜丸の白張を着て、桜丸になりすますことにする。って、ア~タ、いくら白張着たからって、思いっきり八重さんのまんまなんですけどcoldsweats02(ガンバレ八重さん)

「賀の祝」
これ見るの3回目だとばかり思っていたけれど、上演記録を辿ったら過去に1度しか見ていなかった。それでもまだ、もう1回見ているような気がしてならない(配役の記憶はないのだけれどねcoldsweats02)。
この段の桜丸って私はまだきちんと摑みきれていない。前に時さまで見たときでさえぴんとこなかった。わかるんだけど、何か伝わってこない…。今回もイマイチではあったものの、「加茂堤」のおかげであんな陽気だった子の悲運をいたましく思う気持ちは増大した。
染五郎さんの松王は大きく見せているけれど、私にはどうしても線が細く見えてしまう。でもここの松王は「寺子屋」の松王と同一人物とは思えない稚気を見せて面白い。松緑さんの梅王はニンも合うし、稚気も自然に出ていて、気持よい。まったく大きな子供が2人して~というケンカの場面は思わず頬がゆるむのだけれど、実は桜丸の悲劇の伏線になっているという作りは、これまた悲劇を盛り上げてうまいなあと思う。
芝雀さん、扇雀さんの奥方連は松王・梅王をやさしく包む母親のように見えるいっぽうで、それぞれの夫との相性はぴったりのように思えた。
左團次さんの白太夫には3人の子それぞれに対する愛情、父親としてのつらさが感じられた。桜丸の命運を神仏に問うて切腹やむなしと知るこの父親を見ていると、自らの軽率が招いたこととはいえ、やっぱり桜丸は哀れである。そして子を先立たせる父親もまた哀れであるweep
ナンセンスつっこみ270のじいさまが菅丞相の世話をしに大宰府へ下るなんて、あんまりだ、と私はいつも辛くなるのです。当時の70と今の70は違うでしょ。道中ご無事でと祈らずにいられない。

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歌舞伎ミーハー観劇記」カテゴリの記事

コメント

「待ってましたぁ!」、SwingingFujisan様の「ナンセンスつっこみ」シリーズhappy01! 気分がスカっとしました(笑)。私も、どーかんデス(2つとも)!!

芝雀丈、扇雀丈のそれぞれのお嫁さんは、本当に母性が感じられて…、特に芝雀丈は、そのまま「寺子屋」につながる素敵な千代さんでございました。

投稿: はなみずき | 2009年2月 5日 (木) 19時38分

はなみずき様
ありがとうございます。
歌舞伎って何でもあり、理屈の合わないことでも強引に合わせてしまう。そういうところが好きなんですけど、やっぱりツッコミたくなってしまいますsmile
千代さん--そうでした!!「寺子屋」の千代さんでした。松王が寺子屋のイメージとあまりにかけ離れていたものだから、千代さんがあの千代さんだということに全然思いが至りませんでしたcoldsweats02 ええ、そう言われてみれば、芝雀さんはそのまま寺子屋の千代さんのイメージにつながる素敵な千代さんでした。

投稿: SwingingFujisan | 2009年2月 5日 (木) 21時58分

こんにちは。
はなみずきさまと同じく「ナンセンスつっこみ」ファンのからつぎです(^-^)。ひとつめ、激しく同感です(笑)。ふたつめ、あれ、記憶にない(^_^;。撃沈してたかも。。。。
あと、橋之助さんの無理っぽい高く作った声、けっこう気になりました。でもって、今まではちょっと気になっていた福助さんの声、今回はまるで気になりませんでした。
染五郎さんの松王は確かに線は細かったけれどものすごぉくおとうさまに似てらしたなぁ、と感じながら見ておりました。
今日は歌舞伎座と演舞場のはしごだったからつぎでした。

投稿: からつぎ | 2009年2月 5日 (木) 23時41分

からつぎ様
ありがとうございますcoldsweats01
まだ他にもツッコミどころがあったように思うのですが、とりあえず記憶に残ったところだけsmile
福助さんは、私は声もなんですが、時々作りすぎる表情のほうが気になります。でも今回はそんなこともなく、可愛らしい八重さんでした。
そうそう、染五郎さん、幸四郎さんにすごく似ている、と私も思いましたsign03 こんなに似ているって思ったの初めてかも。
演舞場とのハシゴ、お疲れ様でした。私は演舞場、まだまだ先です。美波があの芸達者の中にどう絡んでくるか、楽しみです。

投稿: SwingingFujisan | 2009年2月 6日 (金) 02時06分

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