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2009年2月 6日 (金)

2月歌舞伎昼の部・2

23日 二月大歌舞伎昼の部(歌舞伎座)
09020601dojoji 「京鹿子娘二人道成寺」
シネマ歌舞伎でもつい去年見ているし、初めて見たとき(H182月の再演)ほどの新鮮な衝撃はない。だけどいつの間にか、2人が1人、1人が2人の世界に引き込まれている。映像でつくられた世界も素晴らしかったけれど、やはり人間の目で見る舞台に敵うものではあるまい。
菊之助がさんが花道をしゃなりしゃなりと進み、玉三郎さんがスッポンからす~っと出てくるだけで、もうそこには不思議な世界がつくられている。
で正直言って、冷静に記憶にとどめようという脳の機能が働かず、ただただ2人の美しく滑らかな動き(激しい動きもすべてす~っとなめらかになめらかに見えた)に夢見心地で、いろんなことを覚えていないのです(寝てた、って意味じゃない。別世界に連れて行かれ、そこでの時間を楽しんで、この世界に戻ってきたら、残っているのは楽しい記憶だけ、ってそういう感じなの)。
道行を踊り終えると、玉さまはスッポンに姿を消す。そして中啓の舞いになると、どこからともなくといった感じで玉さまが再び現れ、1人が2人になる。玉さまは成駒屋の型で烏帽子を鐘の綱にかけ(ここ、烏帽子が落ちはしないかしらと心配になったら、初日に実際落ちてしまうハプニングがあったのね)、菊ちゃんは中啓に載せる音羽屋型というのが面白い。
鞠唄、菊ちゃんの振り出し笠(いとも簡単そうに扱っているけれど、これって、とてもむずかしそう)+所化さんの花傘踊り(所化の総踊りではなく、松也・梅枝・巳之助・新悟…他にもいたかも)、手拭、鞨鼓、手踊り、鈴太鼓。一つ一つの踊りを美しく盛り上げ、かつ鐘入りに向けて全体を徐々に徐々に盛り上げていく。本当に2人が重なって1人の花子のように見えることもあるし、それぞれの持ち味で1人の花子の多面性を見ているようなときもある。
時折見せる玉さまの怨念のこもった目。だけどその目は深い哀しみを湛えていて、どきっとする。いっぽうの菊ちゃんは淡々としたと言ってもいいような表情の中に透明感のある目が印象的で、この対比が2人で1人、1人で2人の花子の世界を作り上げているように思った(菊ちゃんって、私はよく白い色にたとえるが、最近透明感が強くなってきた)。
にしても、なぜ玉さま・菊ちゃんはあんなに美しいのhappy02

ここでちょっと冷静になって、聞いたか坊主の舞尽くしを。担当は松也クンlovely 「先日下山して歌舞伎座さよなら公演を見た折に聞いた話でござる」と舞の起源を語る。それによれば…アメノウズメノミコトが舞の最初。客がすべて神様だったことから「お客さまは神様です」となったとか。危ないことは致すまい、北海道はとまこまい、などと調子をあげていくうち、松也クンが突然倒れた。えっと思ったら「これはめまい」「このようにめまいが起きても愚僧はめげまい」「Yes, I can.」そして最後はお定まりの「愚僧の話はこれでおしまい
あ、私は昨日、確定申告に向けて1年分の領収書の整理にきりきりまい(ただただ溜めてあった領収書を日付順に紙に貼ったら、スティック糊2本を丸々使いきったsmile)。
昼の部はもう一度見に行く予定であるけれど、もっともっと見たい。でも現時点で昼の部はほとんど完売(3階は全部×)。幕見もかなりきびしそうだなぁ。
PS 道成寺の感想、こんなに長くなるつもりじゃなかったcoldsweats02 「文七元結」はまた後で。

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歌舞伎ミーハー観劇記」カテゴリの記事

コメント

わたしも再演を見たのが初めてでした。そのときの舞台からはちょっと張りつめたような空気が舞台から伝わってきたような感じがしました。それはそれで気持ちのよい緊張感でしたけれど、今回は舞台から暖かく包み込まれているような心地よさを感じました。もう一度なんとか見たいものですね。

確定申告の時期ですねぇ。わたしはまだなにも手つかずcoldsweats01 この時期になると来年こそは毎月少しずつ整理しようと心に誓うのですが...(--;

投稿: kirigirisu | 2009年2月 6日 (金) 14時42分

kirigirisu様
コメントありがとうございます。
初演は菊之助さんが玉三郎さんについていくのがやっとだったと言われていましたから、再演時にも緊張感が漲っていたのでしょうね。再演の菊之助さんは目を瞠るような成長ぶりだったという評判でしたね。初演を見ていない私たちには比較のしようがありませんが、あの舞台には本当に衝撃を受けました。
今回は確かに、あの時の緊張感とは少し違う、何かが流れているように感じました。
毎年2月になると、ああ確定申告確定申告と、徐々に焦りが出てきます。毎年少しずつ…と心に誓うのは私も同様でしてcoldsweats01

投稿: SwingingFujisan | 2009年2月 6日 (金) 16時05分

SwingingFujisanさまぁ~! SwingingFujisan様の記事を読んでいて、またまたすぐにでもW花子さんに会いにゆきたくなってしまいましたぁ~!

>時折見せる玉さまの怨念のこもった目。だけどその目は深い哀しみを湛えていて、どきっとする。

そうそう、それです、そうです! 玉さまの目には「怨念」があるんですけれども、嫌いな人を呪うのではなくって、愛する人を、愛するがゆえに追い求めていく「念」なんですよね~。すごく深い眼差しです…。SwingingFujisan様、感動を再び、ありがとうございました。

投稿: はなみずき | 2009年2月 6日 (金) 20時18分

はなみずきさま~
ありがとうございます!!
私も感想を書きながら、またすぐに歌舞伎座に飛んでいきたくなってしまいました。
玉さまの眼差しは、私たちに愛の深さ、悲しさを教えてくれますね。目にこれだけの感情を籠められるというのは、本当に花子になりきっているからなんでしょうね。私はそんな強い思いを誰かに対してもったことあるかなぁ…coldsweats02

投稿: SwingingFujisan | 2009年2月 6日 (金) 21時31分

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