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2009年2月 6日 (金)

2月歌舞伎昼の部・3

23日 二月大歌舞伎昼の部(歌舞伎座)
「人情噺文七元結」(画像失敗御免)
まるで落語を見ているようだった。
そういえば右近クンが「尾上右近」を襲名して、菊五郎さんの下、本格的に歌舞伎の道に進むことになった最初の役の一つがこのお久だった。以来、私にとっては4回目の「文七元結」。右近クン、あのときはふっくらしていてまだ幼いお久がだったが、4年たったらずいぶん大人になって、恥らう仕草に若い娘らしい喜びと色香が感じられるものだと感心した。
長兵衛は菊五郎さんが一番しっくりくる。菊五郎さんも時蔵さんもこういう江戸の市井の人をやると、実に生き生きしており、長兵衛さん一家がおろおろしたり、派手な喧嘩をしたりするのがとてもリアル。昨年暮れに見学してきた江戸博常設展の江戸庶民の家を見て私が思い描いたのはまさに長兵衛とお兼のような日常。それが思い出され、ここでもまた江戸時代にタイムスリップして、2人の隣人にでもなったような気がした。
悪い人が1人も出てこないのも嬉しい。角海老女房お駒(芝翫)も商売人としてのしたたかさだけでなく人の気持ちのわかる大きさをもち(芝翫さん、プロンプターがついていたけれど、それをあまり気にさせない巧みな間で喋っていた。さすが、と感心した)、家主甚八(左團次)も話をうまくまとめようという計算高さではなく親身な気持ちに溢れていたし、手代藤助(團蔵)の気のよさもほかっとする。五十両をめぐる遣り取りも、いかにも江戸っ子らしくて好きだ。
それにしても、文七(菊之助)って、なんてドジなの。そんなそそっかしいのに店一軒もたせようなんて大丈夫かいっ、っていうのがここのナンセンスツッコミ。さっきまで一心に花子になりきっていた菊ちゃんが、ここではそういうおっちょこちょいな、でも真面目で清々しい若者(顔もいいけど、声がいいよね~)を好演。一つのお芝居で1人何役も演じることは多々あるけれど、同じ日に全然違う演目で別の人間を演じるっていう芝居は、世界のことはよく知らないけど歌舞伎だけなんじゃないだろうか。歌舞伎ってスゲェと感動する要素のひとつだ。
しかし、これまで会ったこともない2人の結婚がその場でとんとんと決まっちゃっていいのかぁ(これもナンセンスツッコミ)。現代の感覚とは違うから、いいっか。
三津五郎さんの和泉屋主人、吉右衛門さんの鳶頭、贅沢な配役です。
<上演時間>「加茂堤」30分(11001130)、幕間10分、「賀の祝」70分(11401250)、幕間25分、「二人道成寺」67分(13151422)、幕間20分、「文七元結」75分(14421557

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コメント

Swinging Fujisan 様
連日のコメント、失礼つかまつりますm(_ _)m
文七元結へのナンセンスつっこみ、まったくごもっとも!でもあの文七だと許せちゃうんですよねぇ(^_^)
で、今回私いっちばんのお気に入りは居並ぶ豪華なちょい役のみなさまをもさしおいて(と言っては失礼かしら)團蔵さん。角海老の場で、廊下(?)を奥にひっこんでいく後姿にやられてしまいました。何度かありましたが、そのたんびに惚れ惚れ~でした。かっこよかったぁ~。
昔から「男の背中」に弱いからつぎでした。

投稿: からつぎ | 2009年2月 6日 (金) 14時44分

からつぎ様
コメント、ありがとうございます。嬉しく存じます。
文七さんは根が真面目だし、しっかりモノの奥さんがいれば、安心ですねhappy01
團蔵さんもあのようなお役だと、とても粋でイナセで素敵ですよね。
「男の背中」には男の気持ち、人柄が表れていますね。そこに魅かれるからつぎ様のお気持ち、よくわかります。私は「男の背中」というと、何となく「ウ~ン、マンダム」のチャールズ・ブロンソンが浮かびますsmile

投稿: SwingingFujisan | 2009年2月 6日 (金) 16時13分

Swinging Fujisan 様、再びこんにちは。
「歌舞伎俳優名鑑」をつらつらと見ていて、あらっ!右近くんって、あの岡村研佑君だったんですね。そうかぁ、上手なわけだわ。
独り言で申し訳ないm(_ _)mのからつぎでした。

投稿: からつぎ | 2009年2月 6日 (金) 23時59分

からつぎ様
こんばんわ。
そうなんですよ~。あの岡村研佑クンなんですよ。研佑クンも歌舞伎が好きだったんですね。だから歌舞伎の道を歩むと決めて。若いのに、独特のいい味をもっているなあと思います。

投稿: SwingingFujisan | 2009年2月 7日 (土) 00時39分

こんにちは。やっと、明日見にいけますcoldsweats01 チケットがなかなか入手できず、冷や汗ものでした。
職場のほど近くに「貝坂」という看板のあるちっちゃな坂道があって、それを見るたびに「文七~!」と思うんですが、貝坂なんて地名が出てくるのは落語の方でしたっけ。
私も右近くんのお久には記憶があります。もう4年も前になるんですね。ああいう節目の舞台を拝見していると、よけい応援するゾという気になります。

投稿: きびだんご | 2009年2月 7日 (土) 18時27分

きびだんご様
コメントありがとうございます。
初旬は色々大変でしたのね。明日から歌舞伎観劇始動とのこと、嬉しく存じます。
今月、とくに昼の部はチケット入手困難のようですね。「二人道成寺」効果なんでしょうか。
貝坂は、文七とお久が元結屋を開くところですね。歌舞伎では出てきたかどうか…
4年前の右近クンはまだ幼さをのこしていただけに、おとっつぁんに意見するところがいじらしくてけなげでした。今は、若い娘として父親を心配する、といった感じで、やはり少し大人になったんだなあと思います。
ね、節目の舞台を見ると、その名前がしっかり頭に刻み付けられるし、その時の芝居も記憶に残り、応援したくなりますよね。

投稿: SwingingFujisan | 2009年2月 7日 (土) 20時49分

海老ちゃんに続き連投でございます。(あちらを書いてた時に本日の歌舞伎座発売をコロっと忘れていて、しばらーく入れませんでしたbearing 今月見るのにエネルギーを注ぎすぎてて気が抜けてるってことでしょうか)

さて、昨日たまたま落語で「文七元結」を聞くことができました。落語では、大団円の後、後日の事としてナレーション的に「後に二人は恋仲になり、麹町貝坂下に・・・」と語られて終わってました。たしかにねー、お芝居だとそこで完結しなきゃいけないから、すぐに二人をくっつけちゃうわ、元結の工夫のことを言い始めるわ(あれもツッコミどころですよね)・・・ですけれど。それにしても意図せずして、歌舞伎を見た翌日に落語で聞けて、とても幸せでした。ちょっと自慢bleah

投稿: きびだんご | 2009年2月10日 (火) 10時53分

きびだんご様
こちらにもありがとうございます。
歌舞伎の翌日落語の「文七」!! それは自慢できますよぉ~sign03
私はまだ「文七」も「らくだ」も落語で聞いたことがなく、一度聞いて歌舞伎との違いを確かめたいものだと思っています。
歌舞伎はツッコミどころ満載ですが、落語はその辺、ちゃんと筋が通っているんですねsmile
貝坂って、今度国立に行ったら歩いてみようっとhappy01
今日のチケット、エライ目にあいましたweep きびだんご様はうまく取れましたか?

投稿: SwingingFujisan | 2009年2月10日 (火) 11時15分

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