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2009年3月30日 (月)

3月締めは元禄夜の部

326日 「元禄忠臣蔵」千穐楽夜の部(歌舞伎座)
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まる3日もたっちゃったので、書きづらくなってしまったけれど、自分の記憶のためにも、少しなりとも記録を残しておきます。国立からのハシゴで身も心も急いていたため、「本日千穐楽」の看板あるいは垂れ幕に頭がいかず、写真を撮り損ねたweep
09033001nanbuzaka 「南部坂雪の別れ」
最後の最後になって、ああ、この物語って本当はすごく感動的なんだ、と気がついた。ここの大石(團十郎、姿がとてもいい)は、雪の中で羽倉の罵声に耐え、瑤泉院のところで落合の責めと瑤泉院の不興に耐え、とにかく苦しい大石なのだ。羽倉なんて生意気な若僧(我當さん、若々しく演じているけれど、さすがに若僧ではないだろう。<我當さんの味>が感じられる)はどうでもいいが、瑤泉院(芝翫)には気持ちを黙ったままわかってほしかっただろう。大石自身が落合(東蔵)に手渡した東下りの旅日記(筋書きには討入同志の誓詞血判が認められていた、とあるが、そうなの? 瑤泉院のセリフからはわからなかったが、状況的にはそうであってもおかしくないのかも)が落合と瑤泉院の目を開き、涙の<目出度し>の別れになる。
幕切れ直前になって、急に感動が押し寄せてきたのはなぜだろう。
ちなみに、先年国立劇場の通しでは第一幕の「芝高輪泉岳寺境内」は演じられなかった。羽倉はここでも怒っており、最初から最後まで苛立っているのが仇討ちへの期待が裏切られているからだとはわかるが、思慮が浅いことだ。深い雪の中、裸足にわらじを履いている人物もいたが、こっちまで冷えてくるようだった。
09033002sengoku 「千石屋敷」
夜の部のお目当て。期待に違わず感動した。いや、先ほど国立の時の自分の感想を読んだら、ほとんど感動もしていないし、大石に共感も覚えていない。それがどうだ、仁左様の大石の一言一言がしみじみ響いて、胸が熱くなった。やっぱりこうした理路整然としたセリフは仁左様によく似合う。綱豊卿とは違って、声もトーンも低く抑え、噛み締めるような感じが大石の気持ちを如実に表していて、時に切なくなるほどであった。
梅玉さんの千石伯耆守も情に溢れていて、よかった~。ただ、浪士たちへの質問で「~しましたか?」という口調が一部あったのにはちょっと違和感を覚えた(脚本がそうだから仕方ないんだろうけど)。無念の内匠頭が、その無念が晴らされたことを喜んでいる、と安堵を覚えるのは、内匠頭と伯耆守を同じ梅玉さんが演じているからsmile
巳之助クンの大石主税、大人と子供の間を行き来する若者の姿がとても瑞々しく演じられていて感銘を受けた。

09033003saigo 「大石最後の一日」
これも国立であまりピンとこなかったのだが、今回は意外にも面白く見られたし、幸四郎さんの泣きが生きる芝居だと思った。ただ、私はこういう物語はあまり好みではない。おみの(福助)の気持ちは今回もよく摑めなかった(福助さんの演技がどうこうではない。私がこういう女性の心を理解できないだけ)。
そういうわけで、自害したおみのに白装束の磯貝(染五郎)が駆け寄ったとき、「ああ、白装束が真っ赤に染まるぅ」と思わずツッコミを入れてしまった。
多分、とてもいいお話なんだろうし、2度目の今回は初回に比べてそれが少しはわかったように思うし、いつの日か、ちゃんと登場人物の心を理解して感動を覚えたいものである。
<上演時間>「南部坂」77分(16301747)、幕間30分、「千石屋敷」78分(18171935)、幕間15分、「最後の一日」80分(19502110

おまけ:娘の知り合いのフランス人がせっかく日本に来たから歌舞伎を観ておこうといって、幕見で観劇したそうだ。周囲の日本人が笑っていたかと思うと泣いていたりして、不思議だったらしい。「元禄忠臣蔵」は思い切りセリフ劇だし、外国人が歌舞伎にもつ印象とはかけ離れていると思うし、そのフランス人がさっぱりわからなかったのも無理はないだろう。初めて歌舞伎を見る外国人には不向きな演目かもしれない。ちょっと残念。「元禄」の中のどれを見たのかは聞きそびれたが、笑ったり泣いたりというと「御浜御殿」かしら。

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