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2009年4月14日 (火)

消えゆく伝統技術

また東京新聞の記事11日夕刊)の話で恐縮だけれど、お能で使われる白足袋を作ってきたお店が3月末をもって、224年の歴史に幕を閉じたそうだ。江戸は天明期創業の「いせや足袋店」(神田小川町)。
多くの能楽師がいせやさんの足袋を使っているということで、廃業は少なからぬ影響を与えそうだ。足袋の原材料の不足と職人の高齢化がその理由だという。
それで思い出したのは瀬戸内寂聴「一筋の道」と水上勉「失われゆくものの記」だ。10年以上も前に読んだのであまりよくは覚えていないが、職人がいなくなっていること、材料が手に入らなくなっていること、伝統技術の世界におけるダブルパンチの深刻さに胸打たれたものだ。技術の面については、受け継ごうという若い人が出てくる可能性もなくはない。しかし質のいい材料は一度なくなったら、もう二度と手に入れることはできないのだ。私たち一般人の普段の生活には関係ないかもしれないけれど、貴重な日本の財産が失われていくのはなんとも歯がゆいものである。
と、なんだかやりきれない思いでいたら、今朝の「ズームイン」で、大阪の会社が両手でお好み焼きを焼くロボットを開発したと言っていた。何となくぎこちなさはあるものの、ボールに入った粉をできるだけ残さずに鉄板に流したり、上手に裏返したり、なかなかのものである。将来的にこの技術はどんなことに応用されるのかという問いに、レポーターは「危険な作業に」と答えた後すぐ「伝統技術なんかに」と付け加えた。ように思う。何しろまだ脳がしっかり目覚め切っていなかったのであやふやなんだけど、消え行く伝統技術っていうことがインプットされた頭にはそう聞こえたのである。
技能はロボットにも可能かもしれないけれど、技術となるとどうなんだろう。職人さんのカンとか加減というのは、人だからこそ、のものではないのかしら。

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コメント

こんばんは。
いせやさん、廃業しちゃったんですか・・・。ぜんぜん知りませんでした。ショックです。

お能関係の方たち、今後どうされるのか、気になるところです。

きものを着る人が多少増えたからといって、毎日みんなが着ていた時代とは、需要が比べ物にならないぐらい少ないでしょうからねぇ。
商売としての将来が見えなければ、なかなか技術を受け継いで行く人も出て来ないでしょうしね。

投稿: みつひめ | 2009年4月15日 (水) 01時43分

みつひめ様
おはようございます(になっちゃって、ごめんなさい)。コメント、ありがとうございます。
色々な老舗が消えていっていると思いますが、知っているお店、親近感をもっているお店がなくなるのはとてもショックですよね。
いせやさんの廃業については、私も新聞記事程度のことしか知りませんが、お店側のやむにやまれぬ苦しい事情と、いせやさんの足袋を愛用していた方々の困惑は、察するに余りあります。
おっしゃるとおり、商売としての将来もまた大事。若い人が技術を受け継ごうという意欲をもてるよう、国が真剣に保護すべきではないかと思います。

投稿: SwingingFujisan | 2009年4月15日 (水) 08時16分

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