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2009年5月 6日 (水)

ルーヴル17世紀展

55日 ルーヴル美術館展 17世紀ヨーロッパ絵画(国立西洋美術館)
090506luvre
前日早朝行く予定がポシャり、娘と
2人で行かれる日も限られてきたので、歌舞伎の後に行った。展覧会のHPを見ても、夕方のほうがすいているようであり、また歌舞伎座を出たら思いもかけぬ激しい雨(予報は出ていたけれど、意外に強い雨だった)、これは案外チャンスかも。
ところが、小さい折り畳み傘1つに身を寄せ合って到着した西洋美術館には「只今の待ち時間30分」の表示が。仕方ない、テントの下、行列の最後尾に付く。皆がテントの中で待てるように、係りの人が「少しずつお詰めくださ~い」と声を嗄らしていた。
実際に30分も待ったかどうか、計らなかったが、ともかく少しずつ行列は動き、やがて無事中へ。
中も相当に混んでいるにはいるが、私は要領よく、フェルメール「レースを編む女」もラ・トゥール「大工ヨセフ」も、ドロスト「バテシバ」も、しっかり間近まん前で見ることができた。美術館の人も声を大にして言っていたけれど、中で並ぶ必要はないのだ。好きな絵のところへ行って、好きなように見ればいいのだ。そうすれば、人の頭ばかり見て帰るというようなことにはならない。
「レースを編む女」は、意外と早く現れた。日本人って、ほんっとにフェルメール好きだから、17世紀展の目玉の中でも最大のものかなと思うこの作品が第Iブロックに展示されていたのを発見した時はちょっと興奮した。やっぱりフェルメールは何度見てもいい。この小さな作品は、何時間見ていても飽きない気がする。
目玉作品は他にもたくさんあるが、その一つ「大工ヨセフ」。燃える蝋燭を手にして、錐を木に打ち込むヨセフをじっと見つめる幼いキリスト。蝋燭の放つ光がその顔を白く浮き上がらせている。キリストは自らの運命をこのとき悟っているのだろうか(錐を木に打ち込むことが十字架を暗示している)。この作品で見事なのは、蝋燭の光が透けて見えるキリストの指である。無骨なヨセフの腕と拳である。蝋燭の火というわずかな光の効果は素晴らしい。宗教画はどうも馴染まないが、きわめて宗教的なこの絵に心打たれるのは、この蝋燭の光が浮かび上がらせる2人の人物の静かな生活感と、2人の距離による緊張感によるものなんだろうか。
他の絵についても色々感想はあるけれど、長くなるので、個々の絵についてはこの2点のみにしようと思う。

私たちはこの展覧会をかなりのスピードでまわった。見たい絵だけをある程度じっくり見て、そのほかはさっと流した。子ども展と違って、全体に暗い雰囲気なのは、光と影のオランダ絵画が中心だからだろうか。全体に絵が迫ってくる感じもあった。サイズの大きな宗教画はちょっとゴメンでもある。<I.「黄金の世紀]とその陰の領域><.旅行と「科学革命」><.「聖人の世紀」、古代の継承者?>という分け方もよくわからなかった。展示されている作品は素晴らしいものばかりなのに、「子ども展のほうがよかったね」という感想なのである。
それなのに、あとで図録を見れば、どの作品もちゃんと覚えている。71点という作品数の故かもしれない。しかし、たいてい、「こんなのあったっけ?」という作品がいくつかあるものなのに、今回はそれが全然ない。それだけ作品が見事だったのだろう。
ふとパソコンの脇を見上げると、天使の絵を集めたフランスの小さなカレンダーの5月はカルロ・ドルチ「受胎告知 天使」であった。「受胎告知 聖母」と対になっている作品で、両手を組んでいる聖母に対し、天使は「ウイッシュup」の手をしているbleah これも、17世紀展で発見したことである。

さて、見終わって外へ出たら、もう行列はすっかり解消されていた。GW期間中は開館時間も延長されていることであり、5時過ぎは狙い目かもしれない。混雑状況は国立西洋美術館HPの開催概要→開場の状況についてをご参照に。
先日、国立博物館での「紅葉狩」のDVD放映情報をお寄せくださった「とおりすがり」さま。予定が変わったために、17世紀展の後に行くことができなくなりました。もう10日までの間には行かれそうもありません。残念至極。せっかく貴重な情報をくださったのに、本当にごめんなさい。

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コメント

いえいえ。
また、上映される機会があるといいですね。

投稿: とおりすがり | 2009年5月 7日 (木) 11時20分

とおりすがり様
ありがとうございます。
一番見に行きやすい上映会ですのに、残念でなりません。
また、なにか情報がありましたら、教えてくださいませね。

投稿: SwingingFujisan | 2009年5月 7日 (木) 11時33分

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