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2009年6月15日 (月)

小山三さんの芸談を聴く3:役者心得

613日 中村小山三丈の芸談を聴く会(慶應義塾大学三田キャンパス第1校舎111番教室)
⑧犬丸氏がリストアップした小山三さんの得意な役その1「籠釣瓶」の下女
吉原芸者は他の芸者と違ってむずかしいそうだ(どこがどう違うのかは不明)。で、明かりを持ってくる下女だが、佐野次郎左衛門に斬られるとき、八ツ橋と一緒に倒れては失礼だと言われ、自分は柱にすがってゆっくり倒れる形を作った。
⑨犬丸氏がリストアップした小山三さんの得意な役その2「髪結新三」の白子屋下女お菊
お菊とおくまは同年代(齢?)で、「五歳の時から一緒に育ち」というおくまの母のセリフがある。現勘三郎さんの襲名公演で、おくまを菊之助さんが、お菊を小山三さんがやったが、さすがにそれは口に出せずsmile、「幼い頃から引き取りましたが」とセリフを変えたそうだ。
ここで顔の話。最近は何の役でも同じように白塗りをするが、みんな同じではいけない。その役その役に合った白塗りがあるのだ。シネマ歌舞伎にもなった「文七元結」で禿役の鶴松クンが白塗りをして「そんなに白くしちゃダメ」と芝翫さんに叱られた。小山三さんがあとでシネマ歌舞伎を見たら、「そういう芝翫さん自身が真っ白塗りなのよ」coldsweats01。小山三さんはパンケーキを使っているそうだ(「自信もっちゃった」)。
化粧話のついでに、去年の「法界坊」での松若の勘太郎さん。小山三さんの目から見たら化粧が全然違う。勘三郎さんと勘太郎さんの楽屋は幕1枚で仕切られているだけだから、「親に聞こえるような大きな声で『なに、その顔』って言ってやったのよ」。すると23日後には顔が直っていたんだとか。
また眼の縁の紅は指を使って差したものだが、今の役者は筆を使う。「だから真っ赤っかになっちゃうwobbly
これはもっと後になっての話だったが、化粧のことだからここでまとめました。
⑩犬丸氏がリストアップした小山三さんの得意な役その3「四谷怪談」のおいろ
宇野信夫演出で一字一句違っても怒られた。師匠には、歌舞伎も新劇も同じ、どんな役でもその役になりきればよい、と言われた。
おいろと「一本刀」の酔っ払い酌婦(「酌婦です、女郎じゃありません」)は渡辺保氏に人間国宝だと褒められた。「でも俳優同士はそう言ってくれないんですよ」coldsweats02
ここで故永山会長の話が出た。永山さんの曽祖父は男爵で、「男爵イモ」は永山男爵に由来するのだとか(あとで調べたら、諸説のうちの1つらしい)。永山会長は、東劇の夜警から身を立てたのだそうだ。苦労しているからああいうことができたのだと、小山三さんは永山さんをとても尊敬しているようだった。
⑪役者には華がないとだめ。しかし華があることと、味を出すことはむずかしい。現勘三郎さんは勘九郎時代、永山さんに「子供なのに華がある」と褒められた(小山三さんも華のある方ですよね)。
⑫「連獅子」を勘三郎親子が最初に踊ったのは昭和44年。当時の勘九郎さんは能の稽古をしていたから腰が入りすぎて子供らしくない。そこを注意して直させた(ただし、能の稽古は大事)。当代はとてもうまくて先代よりうまいことさえあるが、先代にはがあった。「三人連獅子」は先代が勘太郎クンとやりたくて、「3人でやろうね」と言っていたんだそうだ。そう聞くと、これから「三人連獅子」を見るときの感慨が違ってくるだろうなぁ。
⑬初役のときは先輩に教わったとおりやるが、3回目くらいから自分の型にしてもよい。でも当代は自分のものにし過ぎ、ですってbleah

⑭たとえば「大蔵卿」で、ここはこうするんですよと教えても、若い人は「そんなくさいことできない」と言う。テレくさくてできないだけなんだけど、時代ものはくさくやらないとダメ。海外ではこのくささがウケるんだそうだ。
⑮歌舞伎座に対する思いは、今の歌舞伎座より焼けた歌舞伎座に対するほうが強いそうだ。当時は楽屋は走ってはいけなかった。そしてなんと女人禁制だった(言われてみれば、わからないでもない気がする)。

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