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2009年6月30日 (火)

6月歌舞伎鑑賞の〆は巡業中央コース

630日 歌舞伎巡業中央コース(北とぴあ)
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日の歌舞伎座千穐楽から間を2日おいただけの巡業初日。東コースの仁左様たちもそうだけれど、中央コースでも座頭の吉右衛門さんをはじめ、歌六・歌昇・芝雀・染五郎と、みんなハードなスケジュール。ほんと、皆さん、お体に気をつけてくださいね。
「伊賀越道中双六 沼津」
この演目は、まったく初めて。先日NHKのこんぴら歌舞伎特集でストーリーや見どころはわかっちゃったのだけど、実際に見るのは初めて。
前半は呉服屋十兵衛(吉右衛門)と雲助・平作(歌六)のコミカルな道中が楽しめる。十兵衛の重い振り分け荷物を担ごうとする歌六さんの動きが絶妙に滑稽で、でもこの平作という人の生活が垣間見られて、そして十兵衛のやさしさもよくわかり、とても暖かい気持ちになった。平作の家への近道だからと、2人は舞台を降りて、客席の間を歩く。周囲のお客さんは大喜び。私は道中からは逸れていたが、でもそんなに遠くなく、お2人の顔がちゃんと肉眼でよく見えた。
2場、平作住居での一番大事な場面(これからご覧になる方のために、内容は伏せておきます)、寝てしまったsleepy 今日は朝起きたときからかなり眠気の残る日で、ついにここでダウン。芝雀さんのクドキはまったく聞いていなかった。じつにもったいないことをしたsad
しかし第3場千本松原はたっぷり泣いた。歌六さんは最近老け役が多く、ついこの間までの与兵衛の父親でも泣かされたが、平作にはもっと泣ける。初日ということもあって、吉右衛門さんは一部セリフが入っていなかったりもしたが(第2場)、とにかく芸のうまさとニンで押し切った感じ。
歌昇さんが第2場の終わりあたりから登場する。少ない出番ながら生真面目な忠義の士としての存在感がある。この巡業、歌昇さんの出演はこれだけなのがもったいない。贅沢な配役だ。
<
家系の妙>
平作の役は、三代目歌六の当たり役だったそうだ。そしてまた十兵衛は初代吉右衛門が何度も演じたとのこと。この2人、親子であり、大正5年に平作・十兵衛を共演しているという。三代目歌六にとって実のひ孫である二代目吉右衛門さんと五代目歌六さんの共演に、知らなかったそんな歴史を思えば感慨も一入。

<ハプニング>
1場、茶屋で荷物持ちの安兵衛と一休みしていた十兵衛、ふと用事を思い出し安兵衛を使いに出す。安兵衛を見送ろうとして吉右衛門さんが床机から立ち上がると、どういうわけか茶碗が転がり落ちて割れてしまったshock オペラグラスで吉之助さんの顔を一生懸命見ていた私coldsweats01は、その瞬間を見逃した。さすが吉右衛門さん、慌てず騒がず演技を続け、もう一杯茶を所望したところで茶屋の娘(京紫)に「茶碗を割ってしまってすまんことでした」とか小さな声で言っていた。割れた茶碗は、すぐに茶屋の娘が片付けに来たが、破片が落ちていはしないかと心配だった。だって、吉右衛門さんも京紫さんも確か薄いわらじを履いていたから。
茶屋を発つ十兵衛が、お茶のお代のほかに「さっきの茶碗代」と言って別にお金を出すと、客席がほんのりした笑いに包まれた。
茶碗は恐らく十兵衛の着ている道中合羽で払われて落ちたのだと思うけれど、舞台の床がすべるのか、床机に立てかけた旅人の杖も十兵衛の杖も安定せず転がって落ちたりしていた。
おまけ1:山台が狭く、出だしは太夫さん1人に三味線2人できちきち。三味線の方は斜めに座っていて気の毒な感じがした。
おまけ2:歌六さんってとても脚がきれいだって知ってる? いつだったか、脚の露出度の高い芝居が続いたことがあって、そのときにそう思った。今日もきれいな脚がよく見えたsmile
「奴道成寺」
何となく、本当に何となくで気のせいかもしれないけれど、「伊賀越」の時よりお客の数が増えたような…。
この巡業には口上がないから、聞いたか坊主のせりふにご当地ネタがさりげなく組み込まれているかと思ったけれど、多分入っていなかった。花四天の「とお(う?)尽くし」もご当地ネタはなし。「スクワットぉ」「初日おめでとう」「全国色々なところへスタートぉ」「ご覧いただきありがとう」(もう一つあったけれど聞き取れなかった)。
染五郎さんの左近は勢いがあって、キレもスピードもあったけれど……。でも、変化があって面白かった。見せ場の一つは、遊女・お大尽・ひょっとこ(たいこもち)の3つのお面を使った痴話喧嘩の模様。後見の錦弥さんとの息がぴったりで拍手喝采。
狭い舞台で大変だったと思うが、最後は大きな鐘にのぼり、華やかな雰囲気は十分楽しめた。
<上演時間>「伊賀越」115分(14:00~15:55)、幕間20分、「奴道成寺」45分(16:15~17:00)⇒上演時間は会場により多少異なるかもしれません。一応の目安として。

どちらの演目も日が経つにつれ熟成してくるだろう。もう一度見たい思いが強く押し寄せているが、7月は一杯なのよ~bearing

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コメント

おはようございます。同じ舞台を上から、見ておりました。湯のみ茶碗は道中合羽にあたったようでした。茶屋娘の京紫さん、さすがに落ち着いて布巾で舞台をぬぐっていましたね。
私の好きな長唄の文五郎さん、栄津三郎さん、竹本は葵太夫さんがご出演でとてもうれしくなりました。
それから、ロビーで種太郎さん、川瀬白秋さんをお見かけしました。2階には錦吾さん、三津右衛門さん、勘十郎さん、傳左衛門さんがご覧になっていました。

投稿: とこ | 2009年7月 1日 (水) 09時42分

とこ様
おはようございます。
とこ様もいらしたのですか!! 都内とはいえ巡業で同じ舞台をご覧になった方がいらっしゃるのはとても嬉しいことですhappy01
やはり、道中合羽に当たったのですね。一瞬はっとしましたが、皆さんさりげなく振る舞って普通にお芝居の一部のようになっていたのはさすがでしたね。

そうそう、そうなんです。葵太夫さん、文五郎さん、栄津三郎さんと、豪華な面々ですよね。私も嬉しくて、ちょっとにやにやしてしまいました。プログラムには里長さんのお名前が出ていましたが、実際に出演していらしたのは文五郎さんだったよなあと思いながら、記憶にあまり自信がなくて、本文で触れないでおりました。

昨日はずいぶん色々な方がいらしたんですねえ。きっとどなたかいらっしゃるはずと少しキョロキョロしたのですが、全然気がつきませんでした。とこ様が羨ましいですcoldsweats01 あ、吉右衛門夫人と染五郎さんのお母様(だと思います…)はお見かけしました。

投稿: SwingingFujisan | 2009年7月 1日 (水) 10時02分

連日の観劇、お疲れ様です。
今回の「奴道成寺」の振り付けは藤間流で珍しいものだそうですよ。
歌舞伎座では滅多に掛からないんだそう。
勘十郎さんがいらしてたのはそういうことかと。
染五郎さんはまだまだ段取りめいた踊りでしたね。
つい先日まで歌舞伎座に立たれていたのだから、仕方ないかな。
後半期待します。

投稿: まる | 2009年7月 1日 (水) 10時51分

まる様
まる様も昨日、いらしたのですねhappy01

そうなんですか、「奴道成寺」の振り付けはそんなに珍しいものなのですか。そうお聞きすると、やはりこの巡業、何が何でももう一度見たくなってきました。

歌舞伎座千穐楽から2日あけただけで巡業初日というのは、ちょっときびし過ぎますよね。役者さんだけでなく、演奏者さんも他のスタッフさんもみなさん大変だけれど、タフだなあと感心します。染五郎さんはお若いから、きっとすぐに踊りもこなされることでしょうね。

投稿: SwingingFujisan | 2009年7月 1日 (水) 13時41分

>SwingingFujisanさま
20日、岐阜で拝見しました。
実は、仁左さま、勘三郎丈、玉三郎丈と坂田藤十郎、我當丈、秀太郎丈、文楽と何回か拝見しているのですが、おそらくこれがベストキャストと出かけました。
ほんとにじわーん、ぐわーんと泣けました。最近やっと伊賀上野の仇打ちの全ストーリーが分かったからかと思われますが、それを割り引いてもよかったです。
東コースは行けてないのです。こちらも観たかったな~。

投稿: とみ | 2009年7月24日 (金) 00時00分

とみ様
こちらにもコメント、ありがとうございます。
岐阜までお出かけでしたか。20日ともなると、舞台も熟成して一段とよくなっていたでしょうね。
私は初見でしたが、色々想像すると、たしかに「伊賀越」にこのキャストはベストかもしれないなと思います。体調不十分で途中脱落してしまったのがとてもとても残念です。無理してでもどこかでもう一度見ておけばよかった、とかなり後悔しております。

投稿: SwingingFujisan | 2009年7月24日 (金) 08時01分

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