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2009年6月27日 (土)

忘れられない千穐楽・1

09062701sensyuraku

鳴り止まない拍手。与兵衛が去った花道に向かい、あるいは定式幕が引かれた舞台に向かい、高鳴る拍手。
まったく勢いの衰えない拍手に、とまどうかのように場内が暗くなり、定式幕がずずず~と開けられた。
今は静まり返った惨劇の場に、お吉がまだ倒れている。粛然とした気持ちで舞台に拍手を送り、またいっぽうで仁左様が登場するのではないかという期待で手に力がこもる。
でも、仁左様の美学として、絶対再登場はないよなあ(最近の昼の部は4時までのことが多かった。今月は345分。99厘可能性はないけれど、1厘のミーハー的望みを月初めにはもっていた)。それに与兵衛が現れたら、ミーハー的には嬉しいけれど、芝居の余韻はぶち壊しになる。そういう意味で、このカーテンコールは素晴らしかったと思う。
仁左様が出てこなければ収まらないような客席の拍手もここから、変わったと思う。
定式幕が再び引かれたその後は、ただただ仁左様への感謝、素晴らしい与兵衛をありがとう、という気持ちが仁左様に届くよう、恐らく客席じゅうが心をこめて手を叩き続けたはずだ。
客席の拍手の渦をよそに、ロビーでの場内アナウンスが漏れ聞こえてくる。客席の扉も開けられた。夜の部との入れ替えもあるから従業員さんも戸惑っている様子。私たちは思い切り手を叩いて、何分たっただろう。やっと思いのたけを伝え終わって席を立ったのだった。

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歌舞伎ミーハー観劇記」カテゴリの記事

コメント

終わってしまいましたね。。。。。
孝太郎さん、お疲れさまでした。ず~っと倒れたままでいらしたのかしら。余韻の残る、仁左様らしいカーテンコールでした。ありがとうございました。
今日は2階からの観劇。オペラグラスは意識的に持っていかず、1階ではできない俯瞰(とまではいかないけれど)で舞台を堪能しました。千穐楽にこういう見方ができてよかったと思います。花道への3度の出は肉眼では見えないけれど、はっきりと私には見えました。いつにも増して歌六さんの気持ちが心に沁みました。腕がだるくなって、手も痛くなったけれどいつまでも拍手していたかった。油のあとをご自分のハンカチ等でぬぐっていらっしゃる方も大勢いらっしゃいましたね。
舞台写真もまた買い足してしまいました(^_^;あのポスターを撮っていらっしゃる方もたくさんお見かけしました(ちょっと優越感←やな奴)。当分は今月の余韻で生きていけそうな気がします。
とりとめのないつぶやきで失礼いたしましたm(_ _)m
レッズも勝ったので\(^o^)/のからつぎでした。

投稿: からつぎ | 2009年6月27日 (土) 19時44分

からつぎ様
素晴らしいカーテンコールでしたね。あの場にいられて、本当に幸せでした。一生の思い出になります。孝太郎さん、きっとずっとあのままでいらしたのではないでしょうか。孝太郎さんご自身も余韻の中にいらしたのでは…。

ね、花道が見えなくても、与兵衛の姿ははっきり心の目に見えますよね。私はからつぎ様とは反対に、今日初めて花道がよく見える席におりました。で、私も花道の油を手で触ってみました。ゴマや椿油などを混ぜたものだということですが、ゼリー状で、べとべと感はなく、すぐに手になじみました。用意してきたと思われるコットンに滲ませている方もいらっしゃいましたよ。
ポスターの写真、私も以前に撮りましたcoldsweats01 みすみすチャンスを逃した悔しさが又つのってきました~bearing

そういえば、今日は駒場とぶつかったのでしたね(嬉しい勝ち点3です)。私も友人が取ったというチケットを断って、ひたすら楽しみにしていた千穐楽でした。

投稿: SwingingFujisan | 2009年6月27日 (土) 20時30分

こんばんは。
またおじゃまさせていただきました!
先ほど夜の部最後まで観て帰宅いたしました。

「女殺」終演後、拍手しながら涙が止まらなかったです。
殺しの場面が始まるくらいから
ああ、もうこの人の与兵衛は観られないんだ…
と思うと感極まってしまいました。
こんなに終わってほしくないと思ったのは演目は初めてです。
あのカーテンコールも、みなさんもおっしゃるとおり
仁左衛門さんが出てきてたら感動も半減だったですねsweat01
本当に最高の舞台に立ち会えて、今これを書きながら
また涙がにじんできてしまいました。

わたしもポスターの写真撮りまくりましたよ!

投稿: あねご | 2009年6月27日 (土) 22時47分

あねご様
こんばんは。コメント、ありがとうございます!!
通しの観劇、お疲れ様でした。

ええ、ええ、最高の舞台に立ち会えて涙の出る思いです。こんなにいつまでも鳴り止まない拍手の千穐楽は初めて。感謝、感激、幸福!! 仁左様最後の与兵衛、しっかり頭にも胸にも焼き付けてきました。私たちの拍手もしっかり仁左様の心に届いたと思います。

ポスター、やっぱり写真撮りたくなるのは人情ですよねぇsmile 

投稿: SwingingFujisan | 2009年6月28日 (日) 00時12分

Fujisan様
千秋楽観劇お疲れ様でした。忘れられない観劇となったようですね。その場にいらした方々の感動がじんわりと伝わってきました。(私は、千秋楽の観劇は、大向こうがうるさく感じることが多いのと、なるべく早めに見たいので、避けがちなのです。)ともあれ、歌舞伎座さよなら興行は名舞台が続きますね。来月は、「玉三郎の天守物語」、「海老蔵の夏祭」の二つがとても楽しみです。

投稿: レオン・パパ | 2009年6月28日 (日) 08時58分

レオン・パパ様
おはようございます。コメント、ありがとうございます。
確かに千穐楽は大向こうが張り切っている感じはありますね。でも私はとてもミーハーですので、千穐楽はとくに興味津々なんです(歌舞伎座は通常とほとんど変わらないと思いますが、たまに千穐楽バージョンらしきものがあったりして)。さよなら公演中はなるべく初日と千穐楽は押さえるつもりでいます。でも、そうすると間があいてしまうから、昼夜2回ずつ行きたくなってしまうんですよ。毎月、資金と欲望の板挟み状態が続いています。
来月のこの2つの演目、私もとても期待しています。

投稿: SwingingFujisan | 2009年6月28日 (日) 09時47分

SwingingFujisanさま☆
こんばんは~♪
素晴らしいレポ、どうもありがとうございます!!
千穐楽レポ、楽しみにしておりました!(勝手に)
私まで居合わせた気になれる、素敵なレポで、いつもながら、感謝感謝です♪
私事で申し訳ありませんが、祖母が生前、孝夫ファンで
内孫で一番可愛がられた七子は歌舞伎座に行くたび、祖母が一緒に見てる気がしてしまうのですが、
きっと、昨日は祖母一人で見てたのでは?なんて思ってました
私も最後の仁左サマ与兵衛を今の歌舞伎座で見れて、本当に仁左サマありがとうございました!です
そして、SwingingFujisanさま、素敵なレポをありがとうございました!です♪
(ちょっとお酒入って、お泣き入ってます)

投稿: 七子 | 2009年6月28日 (日) 20時06分

おお、そうだったんですか…。
良い話を聞けて満足です。ありがとうございました。
舞台に倒れたままの孝太郎さん、そして拍手の聞こえるどこかにいらしただろう仁左衛門さん、そして共演者のみなさんを想像して胸が熱くなりました。

投稿: urasimaru | 2009年6月28日 (日) 20時06分

七子様
おばあさまの素敵なお話、ありがとうございます。きっと、昨日はおばあさま、歌舞伎座の客席のどこかでご覧になっていらっしゃいましたよ。
孝夫ファン(あるいは仁左様ファン)の、歌舞伎ファンの、そして出演者の気持ちがたくさん詰まった昨日の舞台っだと思います。

七子さまのおばあさまに対する思いに私もうるうるしております(私もちょっとbeer入っております)。歌舞伎座が新しくなっても、七子さま、おばあさまをお連れになってくださいね。今の歌舞伎座がなくなるのは本当につらいけれど、又新しい歴史が生まれるわけですから。

投稿: SwingingFujisan | 2009年6月28日 (日) 23時14分

urasimaru様
ありがとうございます。
先日のスタパで聞いた仁左様の歌舞伎座に対する思いが最後の与兵衛に集約されているような気がして、胸に込み上げるものを感じながら手を叩いていました。
仁左様の与兵衛を盛り立てた共演者の皆さんにももちろん感謝の念を拍手に籠めて送りました。
あの場にいられたことに感謝です。

投稿: SwingingFujisan | 2009年6月28日 (日) 23時23分

 そうですか、定式幕のカーテンコール、でしたか。幕が開いて空の舞台に拍手をし続けた客席も、立派だと思います。きっと後世語り継がれる、一世一代らしい伝説になりますね。先日どこかで、国立劇場でのカーテンコールが遅いと指摘する感じの意見を目にしたのですが、歌舞伎とカーテンコールという関係を、一体どのように捉えているのかなぁと思わず考え込んでしまいました。
 ラクにも行こうと思っていたのですが、何か切なくなって、結局は家から出られませんでした。孝夫の『女殺油地獄』から始まった歌舞伎ですから、仁左衛門の一世一代を見られただけでも、幸せです。

投稿: 雪姫 | 2009年6月29日 (月) 00時04分

雪姫様
コメントありがとうございます。
長い歌舞伎座の歴史の中で、こうしたカーテンコールがかつてあったかどうかわかりませんが、間違いなく後々までも語り継がれる名舞台、そして名カーテンコールだったと思います。

国立のカーテンコールですが、私もタイミングのずれを感じた1人です。というのは、国立の場合、観客の拍手に応えたというよりは、計画されていたカーテンコールだったと思うからです。拍手も収まりかけ、すでに客席の外へ出てしまった人あり、立ち上がって扉へ向かう人あり、そんな中で幕が再び開いたので、最初から開けるつもりならもう少し早くてもいいのではないかしら、と思ったわけです。
最近は歌舞伎座以外の歌舞伎でカーテンコールがよくありますので、特に千穐楽はつい期待してしまいますが、歌舞伎座のようにさらっと終わるのが本来の歌舞伎なんでしょうね。

舞台はなまもの、毎日違うのでしょうが、仁左衛門さんはじめ出演者の皆さんは毎日が真剣勝負、どの日に見ても素晴らしい舞台だったと思います。

投稿: SwingingFujisan | 2009年6月29日 (月) 02時00分

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