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2009年6月23日 (火)

「華果西遊記」再見:鬱陶しさを吹き飛ばせ

622日 「華果西遊記」(国立劇場大劇場)
往復の交通費のほうが観劇料金より高く、往復の時間のほうが観劇時間より長い。でも、そんなのカンケイない!!
気楽に単純に面白くて、何度も歓声をあげ、たくさん拍手をした。感想は前回と重なるかもしれないけれど、ご容赦。
右近さんの手品
三蔵法師一行は女ばかりの西梁国にやってきた。飲めば懐胎する泉の水を知らずに飲んだがために、どうやら懐胎しちゃったらしい猪八戒。急に腹痛に苦しみだして七転八倒。そこへ馬とともに遅れてやってきた孫悟空、得意の超能力で治療をする。
髪の毛をちょちょいと抜いて、針とメス(いや、小柄)に変える。文字通り右近さんの手品である。袖に仕込んではあるのだろうが、右手に小柄、左手に針を(逆かも)すっと出す。お見事っgood 出した小柄で麻酔もかけずに八戒のおなかを切り開く。痛っbearing そしておなかの中から赤い血の塊を引き出す。ここでも又手品。血の塊(つまり、手品でよく使われる赤い布)を手の中で丸めて。…あららら、ないっsign03 指を開いた右近さんの手には赤い布(いや血の塊。ややこしい)がないではないか。やんややんやgood
糸で腹を縫い合わせるパントマイムが写実的smileかつユーモラス。

3
人の棒術
さて、おなかの痛みも取れて大喜びの八戒、不思議の術に驚く女たち(私も右近さんの見事なマジックにびっくり)。悟空は得意になって、さらなる術を見せる。耳の穴から小さな棒を取り出し、長さを自在に変えてみせる。ここで常盤津と竹本の掛け合いによる棒尽くしに合わせ、悟空・八戒・沙悟浄の3人による楽しい棒術披露。円になった3人が同時に棒を上に投げて前進し隣の人の棒を取る。ぽんと棒を床に突いて手を離し、前進し隣の人の棒を取る(わかるかな?)。とか、バトンワークみたいに棒をまわしたり、今日はちょっとチームワークに乱れがみられたものの大過なく、とにかく目の離せない楽しい棒術であった。
分身の子猿ちゃんたち
悟空の分身の子猿たちのかわいいことかわいいことlovely 悟空が抜いた自分の毛に息を吹きかけると、雲海の描かれた幕が落とされ、子猿ちゃんたちが勢揃いしている。中心に一番小さい子を配し、左右へ順に身長が高くなっていく。右近さんが真ん中に入り、両側のおチビちゃん猿に「よろしく」みたいな感じで微笑みかけると、おチビちゃん猿も首をかしげてにっこり。「きゃぁ、かっわゆ~いheart04」(と言っているに違いない)と客席の女子高生たちの歓声に混じって私も思わず「うわっ、かっわい~い」と呟いてしまった。カッキレ(かっぽれ)の踊りには今日も手拍子で盛り上げた。膝を後ろへ曲げてのジャンプがユーモラスでかわいくて、客席大ウケ。
カッキレは蜘蛛の巣を「掻っ切れ」ということで、子供たちは手に手に鎌を持っているのである。

大立ち回り
この後は、美女実は蜘蛛の精の手下である蜘蛛四天たちとの大立ち回りで、見せ場の連続。したがって拍手の連続。京劇風の鳴り物が雰囲気を高める。四天のトンボに、右近さんの長縄跳び、紐抜けに続く紐上の大の字(正式には何て言うのか知らないのだけど、円陣を組んだ捕手などが対面する方向に紐を投げ、それをうまく組み合わせて人が乗れる台のようにする。右近さんがその上で大の字になっていた)、そして蜘蛛の糸投げは客席にまでかかるから、前のほうのお客さんは大喜び。四天の跳び越しは今日は4人だった。どなたが跳んでいるのか、あの隈ではわからなかった。
役者さんたち他
笑也さん。三蔵法師はこの人を措いていないだろうというくらい適役。清潔な透明感が高潔な僧侶の品格を醸し出している。でもこの三蔵法師、八戒や悟浄が女の匂いがすると言ってヤニ下がっているときにこわ~い顔をして窘めていたくせに、春猿さん扮する芙蓉に自分が迫られたら満更でもない様子だった。悟空が怪しいと言って注意を促しているのに、「控えよ。この姫君は我を見初めしとの切なる心底」なんて言っちゃってbleah
悟空がその正体を見破ると、竹本が「怪しっ」、続いて常盤津が「恐ろし」と入るのだが、竹本の「怪しっ」はちょっとユーモラスな感じがして笑ってしまった。
弘太郎さん。愛敬があってとてもかわいい。沙悟浄役だが、名前を見なければ、誰だか全然わからない。だってすごく小顔になっているんだものcoldsweats01 顔を描いているからだろうかと思ったら、八戒と間違えられるといけないからって10キロも減量したのだそうだ。そうか、10キロ減るとああも変わるのか。いざ、私もdash
右近さん。右近さんも声を出さなかったらわからないほどのお猿ぶり。悟空と行動を共にしている馬もなかなかの演技。後ろへの歩行なんてむずかしそう。
猿弥さん。体形と動きですぐわかる。失礼、あの体形は詰め物を入れているんだそうです。でもやっぱり猿弥さんというと丸い感じがするんだもの。
笑三郎さん、春猿さん2人とも最初の出のときがものすごく綺麗。笑三郎さんは女王としての風格もあり、春猿さんは若さと甘い美しさ(そう、春猿さんの美しさはとてもあま~いのである)で三蔵法師を魅了する。
カーテンコール
前回も感じたことだが、やっぱり幕があくタイミングが遅すぎる。3階では帰りかけた人がずいぶんいて、拍手が高まったことで気づいて舞台を振り返り、その場で立ち止まる。帰っちゃった人もいたかもしれない。みんなで手を振って名残を惜しんだ。
歌舞伎座の素晴らしいけれど重い作品を見た翌日、思い切り気軽に楽しめる「西遊記」で鬱陶しい湿気をも吹き飛ばしたのでした(蒸し暑かった~、今日は。初めて家でエアコンを使った)。

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コメント

今晩は!私も3回観ましたよ!油地獄も十二夜もいいけれど、国立組も熱いで~す。

笑也さんの眉間に輝くスワロフスキーは何色かしら?とか三人の棒術はうまくいくか?(失敗しちゃった時もあり)とか、猿琉さん、バレーボールを私のとこに飛ばしてとか・・・・なんて思いながらの観劇でした。

ところで、10月の乱歩歌舞伎のチラシがありましたね。ご覧になりましたか?今からワクワクしちゃいます、うふふ。陰陽師って、染ちゃんが二役かしら。でも、今回は残念ながら春猿さんは出演しないので、maroon6のテンションは↓下がっちゃっています。

投稿: maroon6 | 2009年6月23日 (火) 20時40分

maroon6様
おお、うわてがいらっしゃいましたかsmile
ええ、油地獄も十二夜もいいけれど、国立組も本当に楽しさを与えてくれます。
笑也さんのスワロフスキーって、日替わりだったのですか。あららぁ、気が付きませんでした。
棒術は昨日もちょっと危なかったです。何とか乗り切りましたが。
乱歩のチラシ、ありましたありました。なのに、私、前回もって帰ったと思い込んで取ってこなかったのです。後で見たら、前回のは仮チラシ。なんてドジなんでしょうsad まったく「私ってcoldsweats02」です。
春猿さん、出演されないんですかぁ。去年は3役の中でもとくに小五郎夫人がよかったので、今回登場なさるかなと思っていたのに。それは残念。
と、ここでふと思い立って国立のHPでチラシを。おお、宙乗りは斜めに飛ぶんですね。陰陽師と恩田学、二役ですね、きっと。楽しみです。
しかし、芙蓉の春猿さん、本当にきれいでしたね~。

投稿: SwingingFujisan | 2009年6月23日 (火) 21時47分

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