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2009年6月22日 (月)

又見ちゃった「女殺油地獄」

621日 女殺油地獄(歌舞伎座)
3
階席を取ったのだけど、午前中仕事があって前3演目は全部パス。幕見にすればよかったかしら(でも、取った時は見るつもりだったのよcoldsweats01)。
ああ、油地獄は何回見ても素晴らしい。3階の後ろのほうだったから花道は全然と言っていいくらい見えないのに、与兵衛の最初の能天気な登場が仁左様が発散する空気で伝わってくるの。駄馬におびえたバツの悪さをフンとカッコつけて花道を引っ込む与兵衛の顔が見えるよう。そして河内屋を飛び出していく与兵衛の、勢いで飛び出しちゃったはいいけど…風な表情が目に浮かぶ。
殺しの場面、刀を振り上げた与兵衛の目が狂気に赤くなっている。レオン・パパ様がご指摘くださったように、竹本の太棹1本が奏でる不協和音のような音が、暗闇の中で繰り広げられる残酷で凄惨で美しい殺しの場面の緊迫感を強める。震える足に力をこめてその場を逃げ出す与兵衛を再び空気で感じながら、私も何だか背中がざわざわと震えてきたのには我ながら驚いた。
孝太郎さんのお吉は見るたびよくなっていく。近所の世話好きのおばさん(おばさんと言っては気の毒かな。まだ若いのだから)の感じがよく出ているし、徐々に与兵衛に違和感を覚え、薄気味悪さへの恐怖が頂点に達するまでの様子も丁寧にうまく表現している。
梅枝クンのおかちが可憐で、兄の家庭内暴力におびえながらも兄を気遣うやさしさが哀れだった。
今回「おや」と思うほどよかったのは新悟クン。小姓頭ってどの程度の地位身分なのか知らないが、少なくとも馬に乗って森右衛門に命令ができる地位にはいるわけだ。声も物言いもそれにふさわしい凛としたものであった。
ところで、さっきふと気づいたことには、私が「女殺油地獄」を歌舞伎座で見るのは初めてだった(最初は三越劇場、次が松竹座)。これはやっぱり歌舞伎座(今の、ね)でなくっちゃ。この先、演舞場でやるっていわれてもちょっとイヤかも(と言いながら、見に行くだろうけど)。空気なんだろうな、きっと。新しい歌舞伎座にいきなりそれを求めるのは無理だろうが、この演目にふさわしい空気が醸成されるまでに何年かかるんだろうか。
見終わったばかりなのに、またすぐ見たくなる気持ちと戦うのは何と大変であることかsmile

追記1前の人の座高で本舞台もかなり見づらかった。ちょうど仁左様と私の目を結ぶラインに前の人の頭がくるの、いつでも。だから、頭を右へやったり左へやったり、隙間から覗き込むようにしたり。だけど、その人も、その前の人の頭をよけて見ようとしていたのだから仕方ない。私は3回目だし、千穐楽はいい席で見るのだから、今日は空気を感じればいいか、と途中で割り切った。
追記220日から筋書きに舞台写真が入ったとのことで、早速買い求めた。

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コメント

おはようございます。
本当に何度見てもまたすぐに見たくなりますね。見えない位置でも見える、空気が伝わってくる、舞台のもつ力が伝わってくる、そう思います。次の観劇はビニールシートが配られる位置のはずなので、また新たな楽しみもございます(^-^)
同一演目5回、の新記録達成予定のからつぎでした。

投稿: からつぎ | 2009年6月22日 (月) 08時11分

からつぎ様
おはようございます。
おお、5回ですか!! 新記録達成予定、おめでとうございますgood 私は千穐楽を含めて4回になりますが、私も自己記録かも。
ビニールシート、最後、あの場を逃げていく仁左様のすべてがよく見えると思うと、楽しみですよね~。

投稿: SwingingFujisan | 2009年6月22日 (月) 08時43分

こんばんは。
4回目、行ってまいりました!残念ながら、油は浴びられませんでした(笑)。どちらかというと、花道外のほうに飛んでいたように見えました。あと今日は油壷(というのかしら?)がひとつまっすぐ客席側に倒れたので、多分1列めの方にはかかったのではないでしょうか。
幕がおりたあと、すっぽんのあたりに何かが落ちている!?それはお金(銭緡(ぜにさし)?)でした。与兵衛が落として行ったのです!急いで携帯で撮ったけれどぼけぼけでした(涙)。ああしまった。ちょっとさわってくればよかった(^_^;
筋書き(花競木挽賑)の歌六さんが錦之助さんにそっくり!と思ったからつぎでした。

投稿: からつぎ | 2009年6月25日 (木) 23時06分

からつぎ様
おお、今日が4回目でしたか。ハプニングが2回もあったのですね。歌舞伎座客席のあの照明の下、急いで写真を撮ると、どうしてもボケてしまいますよね。そして、さわってくればよかった、と思うのは往々にして後になってからなんですよね。残念でしたが、忘れられない思い出になったのではないでしょうか。
歌六さんと錦之助さんって、初代錦之助さんですよね? え?今の錦之助さん? いずれにしても親戚ですから似ていても不思議はないのですが、初代は薄いサングラスをした顔の印象が強くて…。現錦之助さんは、あらためて写真を見比べたら、うん、ちょっと似ているかも。

投稿: SwingingFujisan | 2009年6月26日 (金) 00時38分

おはようございます。
言葉が足らなくて申し訳なく存じますm(_ _)m
初代です>錦之助さん。
たしかにサングラスのイメージ、強いですね。似てらっしゃるのはそれよか下。鼻とかお口のあたりとか。
http://www.raizofan.net/link11/sogi.JPG
夫も同意してくれたので、多分かなり似ているのではないかと。(甥御さんにあたるわけですよね)
千穐楽をひかえて、今からどきどきのからつぎでした。

投稿: からつぎ | 2009年6月26日 (金) 08時07分

からつぎ様
おはようございます。
やはり初代でしたか。「花競木挽賑」を開いた時、初代なら口元が似ていると思ったのです(初代の笑顔の口元は何となく記憶に残っています)が、二代目もどことなく似ているようで…。リンクしていただいた写真(ありがとうございます)を見ますと、お鼻も似ていますね。
萬屋の家系図を初めて見たとき、現時蔵さんがあの小川ひなさんの孫なのかぁ!!とびっくりしたものです(もちろん、歌六さん・歌昇さんも同じ、ひなさんのお孫さんなんですけどね)。
「花競木挽賑」の写真、役者さんの自然な感じがいいですね。

投稿: SwingingFujisan | 2009年6月26日 (金) 10時21分

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