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2009年8月 7日 (金)

第7回亀治郎の会

87日 亀治郎の会初日(国立劇場小劇場)
あんまり色々バラしてしまうと、これからいらっしゃる方の楽しみを奪ってしまうので、速報程度で(千穐楽にもう一度行く予定)。
「お夏狂乱」
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時開演予定で、「まもなく開演です」のアナウンスがあり、場内静まり、柝が入ってもなかなか幕があかない。柝も間隔がひどく長くて、幕の中で一生懸命準備したり誰かが指示を出している声が聞こえてくる。でも客席はじ~っと開幕を待っている。こういう時間帯ってなんとなく気まずい感じだ。どうしちゃったんだろう、と訝る気持ちと、まだ始まらないからとおしゃべりを再開するのも憚られる気持ちと、なんともくすぐったい10分近くがたって、やっと幕があいた。
初見です。「保名」の女性版という感じでしょうか。いや、保名には幻想的な美しさがあったが、お夏には救いのない現実感があった。保名が榊の前の小袖をもって狂乱するなら、お夏は清十郎が似合ったという笠を見ると、清十郎がいるのではないかと狂乱する。
お夏の狂乱には清十郎に対する情念のようなものが溢れているのかと思ったら、全然そういうものはなく、ただただ寂しさ、不安、頼りなさが切々と伝わってくる。この寂寞感は正直、見ているうちにつらくなってくる。
お夏をいじめる子供たちが生意気で、お夏の哀れさが増す。
つらくなってきたところへ、酔っ払いの馬士が登場して、少しほっとした。亀鶴さんが軽妙な動きを丁寧に見せて、なんとも可笑しい。とっくりから酒を飲む時の口の脇の筋肉の動きが実にリアルで、本当に何か飲んでいるんじゃないかと思ってしまった。
「身替座禅」
歌舞伎としての上演回数も多いためか、さすがに初演の初日とは思えない出来の良さだった。亀治郎さんの右京は愛敬たっぷりで、見たことはないものの猿之助さんを彷彿させる。亀治郎さんの一挙手一投足、表情の一つ一つに客席から大きな笑いが起こっていた。
奥方玉の井は亀三郎さん!! これまでに見た玉の井の中で一番美人かも。ちょっとゴツさはあるが、そのほうが玉の井らしくていいだろう。あの凛々しいお声がどうかと思ったが、全然違和感なく、気持ちよく聞くことができた。怒ったときの迫力はすごいが、右京がまだ帰らぬかと心配げに見やるところなど、可愛らしさと愛情の深さが感じられて、この奥さんの本来の性格が現れていると思った。
亀鶴さんは太郎冠者。さっきの馬士といい、軽妙なちょっと三枚目の入った役が持ち味ではあるのかもしれないけれど、二枚目でも見てみたいわ。
傳左衛門さんと傳次郎ご兄弟が同じ舞台に揃われて、「おお豪華」とそちらにもちょっと気をとられました。
秘密の演目
当日発表のお楽しみ演目だから、これについては今回は書かないでおきましょう(亀治郎さんが登場したらすぐに何の演目だかわかります)。
初日のぎこちなさはあったけれど、大変面白かった。
<上演時間>「お夏狂乱」43分(11001143)、幕間30分、「身替座禅」58分(12131311)、秘密の演目53分(13411434

今日はずいぶんおしているなあと思ったが、最終的には10分程度か

追記1常盤津勘寿太夫さん体調不良のため休演、かわって初勢太夫さんがご出演。勘寿太夫さん、くれぐれもお大事に。
追記2亀治郎の会とはどうも座席の相性がよくないようである。去年は特等席であるにもかかわらず、ほとんど舞台の見えない席。今年は2回ともドブ席。せっかく花道のそばでも、表情が全然見えなかったり、舞台が視野に入らないこともある。ただ、花外の客に対する配慮が間々感じられたのは嬉しかった。

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コメント

速報ありがとうございます!高まる期待とはずむココロ!
私は日曜午前に参ります。
今週の激務と明日も出勤で、ちょっと体調が心配ですが、亀様にお目にかかれれば元気100倍でしょう。きっと(*^.^*)

投稿: 八幡屋贔屓 | 2009年8月 7日 (金) 20時27分

八幡屋贔屓様
お仕事、お疲れさまです。
今月亀鶴さんのご出演はこの公演だけですから、しっかりご覧になってくださいませね。端正な亀鶴さんの酔っ払いぶりがなかなかですよ。
激務の中で体調を整えるのは大変でしょうが、十分お気をつけてくださいね。

投稿: SwingingFujisan | 2009年8月 7日 (金) 21時13分

私も日曜の昼の部です。夏休みは5公演観ることにしていますがその先陣になります。「お夏狂乱」は大原麗子さんがかつて舞台でやっていたのですね・・・

投稿: うかれ坊主 | 2009年8月 7日 (金) 22時38分

うかれ坊主様
おはようございます。昨夜はかなり早寝してしまったので、いただいたコメント公開とレスが遅くなってすみません。
日曜日夜の部は後援会限定ですから、会員外の方がご覧になるのに日曜昼というのは舞台が熟して一番いいのではないかと思います。
大原麗子さんもお夏をやっていらしたのですか。存じませんでした。期せずして大原さん追悼になったような…。でも、大原さんもお夏も寂しすぎます。

投稿: SwingingFujisan | 2009年8月 8日 (土) 06時28分

こんにちわ。
チラシの亀ちゃんが非常に美しく、それだけに切なさが際立ちそうですよね。この前の話の続きになってしまいそうですが、お夏の後に座禅の右京さんとはスゴイ演じ分けですねshine秘密の演目も気になりますhappy02
当日券が出ているようで、行きたいなぁ。。。並んじゃおっかなぁ~。
そうそう、亀ちゃんはお父様より猿之助さんに似ていると感じるときが多いです。DNAはもちろんのこと、顔の仕方とかもあるのでしょうね。

投稿: | 2009年8月 8日 (土) 12時36分

SwingingFujisan様
速報楽しみました。千秋楽のレポも、最後のネタバレも含め期待しています。亀治郎の舞踊は見たい演目(昨年の娘道成寺も含め未見です)ばかりで、本興行でも、再演してほしいですね。身替座禅の奥方は段四郎が今の俳優の中では傑作なので親子競演も意表をついてよいかもしれませんね。
今月の各劇場の歌舞伎は初日が遅いので、真面目に仕事をして気を紛らわし、観劇を楽しみにしている日々です。

投稿: レオン・パパ | 2009年8月 8日 (土) 18時19分

こんばんわ。
亀治郎さんは、お夏に右京、そして最後にまた全然違う役を演じられますよ。短時間の間に3人の人間になりきるんですものね!!

亀治郎さんは、段四郎さんにも時々似ていらしてやっぱり親子だなあと思うのですが、最近芸を見ていると猿之助さんを引いているような気がします。チャレンジ精神、性格なども似ているとご自分でもおっしゃっているようですし、いずれ猿之助さんの芸を受け継ぐのは亀治郎さんなのかもしれませんね。ただ、丸ごと受け継ぐのではなく、亀治郎という個性を大切にしながら、になるのではないかしら。

ごめんなさい、どなたからいただいたコメントなのか、お名前がわからなくて(推測はしているのですが、間違えていると失礼ですので)…。

投稿: SwingingFujisan | 2009年8月 8日 (土) 21時02分

レオン・パパ様
コメント、ありがとうございます。
去年の俊寛と瀬尾の親子対決を思い出して、また本公演では見られそうもない組み合わせとして、玉の井は、実はひょっとして段四郎さんなんじゃないか、と私も期待していたんですよ。亀三郎さんとは意外でしたcoldsweats01
亀治郎さん自身は「娘道成寺は嫌いだ」と言っていますが、これはぜひ本公演で再演してほしいと思います。お夏も、もちろん。

月始めの1週間、歌舞伎がないって寂しいですよね。やっと8月もスタートしましたので、これからが楽しみですね。

投稿: SwingingFujisan | 2009年8月 8日 (土) 21時14分

わぁ〜!私ってば名前を入れるのを忘れてしまっていたんですね。「お夏と右京の演じ分けもすごい〜」という内容のコメントは私でございます。大変失礼しました!!coldsweats02

>丸ごと受け継ぐのではなく、亀治郎という個性を大切にしながら

そうですね。亀ちゃんはしっかりと亀治郎ワールドが出来ている方だと思うので、新しい世界を築くスピリットと共にオリジナルな亀ワールドを広げていってくれそうで、カンゲキするこちらとしても非常に楽しみですnote

投稿: 林檎 | 2009年8月 9日 (日) 09時26分

林檎様
おはようございます。
やっぱり林檎様でしたのねhappy01 そうでないかなとは思っていたのですが確信がもてなくて…。私もほかの方へのコメントでしょっちゅう記名を忘れるんですよ、だからと言ってはなんですが、お気になさらずにsmile
亀治郎さんの今後の活動から目が離せませんね。それにしても、亀治郎さんを見るにつけ、猿之助さんをちゃんと見ていないことが残念でたまりません。

投稿: SwingingFujisan | 2009年8月 9日 (日) 10時01分

最終会も始まった今、もういいでしょう。
「秘密の演目」凄かったですね!
これが「亀治郎の会」なんだhappy02
小劇場であの雰囲気。亀様やりたい放題
段四郎様の貫禄には、はっとさせられました。
若い人だけじゃないところ(お父様だけど)も魅力だわ・・・
たった3日じゃもったいないというか、出ずっぱりで3日6公演もよくできるなぁっていうか。。

「お夏狂乱」は宣伝写真で期待しすぎちゃったかな。。恋人を亡くした女のせつなさ苦しさがあんまり伝わってこなかったような。

rain降る前に帰ってこれてよかったです。

投稿: 八幡屋贔屓 | 2009年8月 9日 (日) 16時56分

八幡屋贔屓様
お夏は、せつなさ苦しさよりも、私にはただひたすら寂しい感じがしました。でも、千穐楽の舞台では、それもまた少し違ったような…。

段四郎さん、とても良かったですね!! 私も段四郎さんがあの姿で登場したとき、若々しさと貫禄にはっとしました。それを書きたくて仕方なかったのですが、じっと我慢しておりましたcoldsweats01

とにかく「亀治郎の会」ですからwink

投稿: SwingingFujisan | 2009年8月 9日 (日) 22時17分

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