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2009年8月16日 (日)

納涼歌舞伎第一部再見

815日 納涼大歌舞伎第一部(歌舞伎座)
今日は三階から。前の人の頭がジャスト舞台ど真ん中の視野に入り(とくにその方の座高が高かったわけではない、私の座り方が悪かったのかも)、首を思い切り右へ傾けたり左へ傾けたり。でも、どういうわけか、その遮られた視野の中でのお芝居が多く、くたびれましたwobbly
「天保遊侠録」
二度見ても興奮、感激度は冷めなかった。
宗生クンが初日は台詞と手順で一杯だったのがだいぶ慣れて、その分よけいに泣かされたかも。
橋之助さんは、まさに小吉そのもの(そういえば、橋之助さんの初日のセリフでちょっとひっかかるところがあったが、今日聞いたら、あれはやっぱり初日に間違えたんだというのがわかった。三津之助さんが紋付姿で手拭を頭に巻いたときに、紋付は上様からの拝領物と言うべきところを手拭は拝領物と言っていたのだ。別にそれに対しどうこう言うつもりはなくて、自分の記憶のため)。
橋之助さん、麟太郎との別れでは本当に泣いていた(あれは汗ではない、目に光るものを私は見た)。この後の橋之助さんと扇雀さんが実にいい。昔捨てられた男に怨みつらみもあったのに、会えばまだ惚れている八重次。小吉にしても息子との別れでぽっかり穴のあいた心を癒してくれるのは奥方ではなくて昔の女なんだ、嫌いで捨てたわけじゃない(逢瀬の直前、座敷牢に閉じ込められちゃったのだってshock)八重次こそが気持ちをわかってくれる、そんな男の甘えと女の懐の深さ。7年前より大人になった2人(いや、大人になったのは八重次だけかも)の慣れ親しんだあたたかい空気が漂ってきて、目頭が熱くなった。2人が佇む姿は、そのまま時間が止まって一幅の絵になりそうな感じがした。
一幅の絵といえば、料理茶屋の座敷から舞台がぐるりと回って、江戸城からの迎えの乗物が待つ門外へと変わる場面。阿茶と麟太郎が回る舞台とは逆回転で歩いて外へ出るのだが、ここは3階から見ていると、立派な料亭の庭の広さが感じられて、それが麟太郎と小吉を隔てる距離のようで、ここもまた美しく悲しい絵のようだった。
小吉の甥の庄之助(勘太郎)は、自分の馴染みの遊女に貢ぐ金を叔父に無心するとはなんて身勝手な、と最初腹が立ったが、そういうことが平気で言える間柄であるということは、この2人の仲のよさを物語っていて(いつもツルんでいそう)、それはそれで微笑ましく思えるようになった。
萬次郎さんの「威張るのも禄高なら、蔑まれるのも扶持高」という台詞の説得力。威張るしか能のない役人どもをやりこめるその気迫と大きさに、萬次郎さんカッコいいshineと私の胸は高鳴った(何度も引き合いに出して申し訳ないが、「マジックアワー」のあのショボい会計係と同一人物とはとても思えない)。
橘太郎さんのファンになったのは192月博多座の「彦市ばなし」からだが、リアルかつ漫画チックな世話係はサイコウ。
出演者みんなが、生き生きと動いており、江戸の空気を醸し出していた。

ところで、麟太郎と阿茶が乗物で江戸城へ向かうとき、花道で麟太郎は乗物の窓を開けて最後の別れを父親と交わしたから間違いなく乗っていた(子供だから軽いし)けれど、萬次郎さんも乗っていたのかなあ。よく駕籠って、乗っているふりをするだけだったりするじゃない。萬次郎さんが乗物から抜けるところが見えるかなとオペラグラスで覗いていたけれどeye、わからなかった。
乗物は麟太郎のほうが立派に見えた。以前に「珠玉の輿」展を見たとき、男の乗物のほうが女より質素だと思ったが、大きさも阿茶のほうはやや小ぶりで、あれに綺麗に乗り込むのはむずかしそう。萬次郎さんは上手に乗っていたけど、もし乗物のまま引っ込んだのだったら、窮屈だっただろうな。

「六歌仙容彩」
うまい人の踊りは楽しい。とくに「文屋康秀」「喜撰」が洒脱で楽しかった。邪道かもしれないけれど、文屋では官女たちとの絡み、喜撰では所化たちの踊りが私のお気に入り。今回は舞台中央が見えなかったから、小吉クン(勝じゃないよ、坂東ね。はは、言わずもがな)中心に見ていた。もう~っ、小吉クン可愛くって踊りも上手。あたしゃ、すっかり孫を見守るババ気分smile
お梶の勘三郎さん、後姿がとても綺麗で、今さらながら見惚れた。三津五郎さんとの息はさすがぴったりで、色っぽい雰囲気が楽しかった。

しかし、今日もsleepyの人たちがけっこうまわりにいましたなぁ(ひとさまのことは決して言えない私。やっぱり業平でダウン)。後で聞いた話によると、かなり目立つところで大イビキを書いていた人もいたとかbearing そういえば、先日の「五右衛門」でも意外と周囲の人たちがよくお寝みで驚いたうえ、南禅寺の團十郎vs 海老蔵の重要な場面でどこからか高らかなイビキが聞こえ、あたりに気まずい空気が漂ったものでした。私も気をつけようっと。

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