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2009年8月30日 (日)

「ルーヴルの馬」:馬と芸術

827日 映画「ルーヴルの馬」(DNP
6回ミュージアムラボは「1800年前、エジプトに生きた女性たちの肖像」であるが、今日は展示はパスで土曜シネマ「ルーヴルの馬」のみを鑑賞。
土曜シネマは「ルーヴル美術館の秘密」(これは6月に一般映画館で見た)「ルーヴルの怪人」(ソフィー・マルソー主演のB級あるいはC級映画らしい)「クラス・ルーヴル」(DNPで見た)「影、そして指先~修復への視線」(見逃した。修復師のことを描いた映画だから、見たかった)に続く5本目の作品である。
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頭の馬がオジサン(ルーヴルの人?)を乗せてガラスのピラミッドのまわりを優雅に歩く場面から映画は始まる。ルーヴル所蔵の馬に関連する作品から60点を紹介しながら馬の歴史、馬と人間の関係、芸術における馬のあり方などを解き明かしていく。作品についてはここでは書ききれないので、作品とは関係なく、自分のメモのうち解読可能ないくつかを簡単に書き留めておく。
馬の歴史は意外に浅く、羊が家畜化されたのがBC1万年であるのに対し馬の家畜化はBC4000年ごろであったそうだ。最初に成功したのはトルコの北。古代オリエント美術に馬を飼いならしたところを表現したと思われる彫刻がある。馬の脚が人間の肩にのっているのだが、その脚を曲げているところに人間の支配が意味されているのだとか。馬は当初、物を引かせたりするものであり、乗馬するようになったのは1000年ほどたってからのことだったという。
馬は王など身分の高い人の持ち物で、豪華な馬具がつくられ、BC1300年ごろには馬の墓まであった。
オリエントで馬がよく芸術に表現されているに対し、古代エジプト芸術に馬はほとんど登場しない。エジプトでは移動手段は舟かロバであり、シリアなどの侵略から馬が芸術にも登場したが、全体としてエジプトに馬は馴染まなかったようである。ラムゼス2世の指輪には2頭の馬が彫られているが、これは最後まで忠実であった2頭の馬のおかげで戦いに勝ったことから、勝利の象徴として彫らせたものであり、例外的なことである。
庶民の生活に馬が入ってくるのはギリシアが初めてである。土器などの幾何学模様の時代は終わり、擬人的な動物が描かれるようになった。ギリシア語で馬は「アロゴ」と言う。話せない者という意味であり、馬に話してほしいという願望が現れた言葉である。ギリシア芸術の馬はほとんどが軍馬である。ギリシア時代、高位の人は馬を闊歩させるか、後足で立ち上がらせ、その支配力を示すのが典型であった。騎士階級の身分の高さは古代ローマへと引き継がれる。
ローマ芸術はギリシア芸術がなければ成り立たなかっただろうといわれるほど大きな影響を受けている。正確じゃないけれど、「ギリシアは芸術で野蛮人(ローマ)を征服した」というような言葉を誰かが言ったとか。ローマ時代は火葬から土葬にかわり、石棺の芸術が発達した。
中世、馬は神のために戦う騎士を乗せるものであり、ルネッサンス時代には宗教から離れ現実の馬となった。解剖学的な絵画が描かれるようになり、たとえばピサネロは馬の口の中や歯まで描き、馬の年齢がわかるほどであった。
ルイ14世時代には騎馬像は支配の象徴であったが、騎馬像をつくるのは大変なことであり、全国に置くわけにはいかなかった。そこで大きな宮殿などに何体かを置いたのである。
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世紀、馬は軍事色が薄れ、財政と王家の政治力の象徴となる。しかし馬上から見下ろす時代は終わり、馬は王の後ろに描かれたりしている。王も1人の貴族であるという考え方が現れているのだ。
馬の自由な姿を描いたのはオランダの画家たちである。自然の姿、動物としての馬が描かれた。
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世紀、芸術性よりも解剖学的な観点から、ビュフォン、フラゴナールなどが馬の躍動的な姿を描いた。競馬発祥の地イギリスでは馬に固有の名前が与えられ、系図までつくられた。富裕層はこぞって馬の絵を描かせた。
ナポレオン1世は騎士道の復活に馬を利用した。カルーゼルの凱旋門にナポレオンと馬の像があるが、はじめナポレオンはローマ皇帝のような姿であったらしい。さすがにやり過ぎで滑稽だと思ったとか言っていたような気がするけれど、定かではない。面白い話なのに、メモしきれなくて残念。
で、この後メモは諦めたので、ここでレポは終わり。中途半端になってしまったが、馬と芸術の歴史とがわかる、かなり興味深い内容の映画であった。ガラガラでもったいなかった。
<上映時間>1時間(13301430

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