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2009年8月 9日 (日)

納涼歌舞伎第二部

88日 八月納涼大歌舞伎初日第二部(歌舞伎座)
第一部に引き続き、第二部も観劇した。
09080905kasanegafuti 「真景累ケ淵 豊志賀の死」
怖かったです。夏にエアコンはいらない、怪談があればと思います。歌舞伎座のエアコンと怪談の怖さで、上着がほしくなります(もっとも、私はとても怖がりだから)。どなたかが「勘三郎はもっとしつっこくて怖かったわよね。でもこのくらいがいいわね」と話しているのが聞こえたが、私にはこれで十分。
顔に腫れ物ができてしまった豊志賀(福助)の新吉(勘太郎)に対する甘えや嫉妬がおかしみを誘うと同時に、恐怖も呼び起こす。新吉がうわっと飛び上がると、こちらも思わず声をあげてしまい、新吉と一緒になって怖さを味わうのだ。ラストは、予想通していた通りになったにもかかわらず、絶叫してしまったshock
勘三郎さんが噺家・さん蝶で登場。特別出演みたいな感じだったけれど、新吉が留守の間の豊志賀の様子を語るところなど本当に落語を聞いているような気分になった。
新吉に思いを寄せるお久(梅枝)が可憐で愛らしく、いざとなると積極的なのが面白い。2人で駆け落ちしそうな雰囲気だったが、その後どうなったのだろう。
怪談はあまりネタバレするとつまらないので、この辺で。
09080906hunabenkei 「船弁慶」
苦手中の苦手、でも絶対克服したい苦手。今回はかなり頑張ったと思う(見るたび、徐々に頑張っているつもり)。弁慶が名乗りをあげた後の長唄なんかちゃんと歌詞も聞き取っていたのに、いつの間にか危なくなってきた。で、静の舞はやっぱりちょっと沈んでしまった(この部分が鬼門なのだ)。というわけで、この演目についての感想はいつもにも増して稚拙な表現しかできず、ご容赦。
勘三郎さんの静は、これまでで一番能面っぽくなかった。福助さんの義経はおっとりしながらきりっとしたものも感じさせ、また静の舞をじっと見つめる表情に愛と悲しさが溢れていて、感動した。今までの義経の中で一番好きかも。
橋之助さんの弁慶は、力に満ちていたけれど、顔がちょっと意地悪に見えた(私の偏見です、ごめんなさい)。
家臣の中では亀井六郎の松也クンと伊勢三郎の新悟クンが台詞がよかった。片岡八郎の巳之助クンは声がひっくり返ってしまったのが残念。駿河次郎の隼人クンはまだまだ。もっともっと勉強してほしい。
舟長の三津五郎さんがカッコいい(最近、すっかり三津五郎ファン)。櫂を持つ手の返しがとてもきれいだった。高麗蔵さんも動きがきれいなのだが、手があまり返っていなかったように見えた。亀蔵さんはちょっと慌てる場面があったかな。
知盛からは悲しみとか怒りを感じたものだが、今回は私、何を見ていたんだろう、あまりそういうものを受け取れなかった。

知盛の幕外の引っ込みのとき、「大中村」という掛け声が聞こえた(あまり注意していなかったのだけど、そう聞こえた)。そして、さあこれから、と勘三郎さんも太鼓方も笛方も、そして客も息を詰めた緊張の一瞬、「たっぷり!!」と又声がかかり、なんとそれで客席に笑いが起きてしまったshock しかしみなさん顔色ひとつ変えず、見事な引っ込みを見せてくれたのはさすがだ。
そうそう、「船弁慶」の幕があいたら、田中傳次郎さんと傳左衛門さんの姿があったの!! あれ、このお2人は亀治郎の会じゃなかったの? ひょっとして掛け持ち?  それとも歌舞伎座がまだ始まらない初日だけの特別出演? 掛け持ちだとして亀ちゃんのほうは昼夜あって、そうできる時間なの? 計算してみようかと思ったが、時間も数字も苦手だから面倒くさい。今日亀治郎の会に行ってみればわかることだ。
<上演時間>「累ケ淵」65分(15001605)、幕間25分、「船弁慶」65分(16301735
第三部の開演が1800。ってことは、入れ替えに30分もないんだ。歌舞伎座ってすごい。

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コメント

昨夜、歌舞伎座第三部をカンゲキしてまいりました。なんと20分で入れ替え!役者さんや裏方さんはさぞ大変だろうと思ったら、「お国と五平」のセットはサッパリとしていて、しかも場面転換一切ナシ。「なるほどなぁ〜」と妙に納得してしまいましたsmile

カンゲキの最中に地震がきたのですが、ギシギシ音をたてて揺れる歌舞伎座!恐怖でした〜shock(怪談と相乗効果sign02)ロビーに逃げる人も何人かいる中、それでも全く動じずに芝居を続ける役者さん達に感動してしまいましたheart02
あ!私も「船弁慶」苦手です…sweat01

投稿: 林檎 | 2009年8月10日 (月) 21時30分

林檎様
お、林檎様も昨日歌舞伎座で地震にあわれたのですね。幸い震源が深かったのでMが大きい割に大したことなくすんだようですが、浅い震源だったり直下型だったりしたら、どうなっていたんでしょうshock 耐震性のことなど考えると、歌舞伎座建替えもやむを得ないのか、と自分を裏切って建替え容認派になってしまいそうですweep
役者さんはどうしてあんなに泰然としていられるのでしょうね。

大道具さんの仕事は実に見事に素早いですからね~。20分での入れ替えに大変なのはお客のほうかもしれませんね。

「船弁慶」、苦手仲間がいらっしゃって心強いです。でも、なんとか克服せねばと努力はしているんですよcoldsweats02

投稿: SwingingFujisan | 2009年8月11日 (火) 00時12分

SwingingFujisanさま☆
こんばんは~♪
(SwingingFujisanさまと同じく)一部、二部続けて、今日納涼に行ってまいりました。

天保遊侠録の扇雀さん、綺麗で色っぽかったですね~。そして、萬次郎さんの阿茶の局、素晴らしかったですね~♪
六歌仙容彩はレポのおかげでしっかり味わいつつ、楽しめました!ありがとうございます!
真景累ヶ淵、私も勘太郎くんと一緒になって怖かったです~><最後うわ~って叫んでしまった…
船弁慶は私もだんだんに克服します~ふふ♪

投稿: 七子 | 2009年8月15日 (土) 21時48分

七子様
あら、私も今日、一部のみ再見してきました。ニアミスでしたのねhappy01
扇雀さんは時々苦手なのですが、八重は素敵でした。「いい女」でした。
萬次郎さん、よかったでしょう。今日も胸がアツくなりました。
三津五郎さんの踊りも五役すべて見事でしたね。楽しかったですよね。

うふふふふ、累ケ淵の最後、あれは怖いですよねぇ~shock 私、それを予見していたのに、やっぱり驚きの恐怖にはまりました。勘太郎クンも毎日、恐怖に襲われて大変ですねwink

一部から三部を全部見て、案外一部、二部がよかったなと思っています。
「船弁慶」、お互いに<苦手>の冠をはずせるようになりましょうね。

投稿: SwingingFujisan | 2009年8月15日 (土) 22時31分

SwingingFujisan様
 私も昨日一部・二部見てきました。
 萬次郎の阿茶の局が一幕を浚っていましたね。前も書きましたが、この優、いつのまにこんなに上手になったのでしょうか。上演記録では、この役は以前、田之助がやっていました。田之助得意の訳知りの中年女性の役回りがどんどん萬次郎に回ってくるとしたら、楽しみですね。
 Fujisanさんご贔屓の梅枝のお久、可憐で結構でした。喜撰の所化にも出ていましたが女形風の踊りがご愛嬌でした。ただ、修行中とはいえ、貴重な真女形候補にこのような役は振ってほしくないというのが本音です。
 三津五郎の六歌仙、勘三郎の船弁慶は期待どおりの出来栄え、平成の名舞踊といっていい出来栄えでしたね。特に、三津五郎の文屋の「浅間」のくだりは絶品でした。(船弁慶の前シテが眠たくなるのは、お能に近い作り方の舞踊だからですかね。お能は本当に、眠くなりますから。)

投稿: レオン・パパ | 2009年8月16日 (日) 09時29分

レオン・パパ様
昨日はレオン・パパ様ともニアミスでしたのね!!
萬次郎さんは私が見るようになってからは大体いい感じでいらしたので(でも、やっぱり見るたび上手になっているという気はします)、以前のことはわかりませんが、素顔とのギャップが私にはツボでたまりません(^^)。
私はむしろ、田之助さんの全盛期を知らないので、想像がつかず、その頃の田之助さんの阿茶を見てみたいと思いました。
梅枝クンが所化にも出てきたのは単純に嬉しかったのですが、そういうものですか…coldsweats02
レオン・パパ様もお能は眠くなられますか。ちょっと安心いたしました。

投稿: SwingingFujisan | 2009年8月16日 (日) 11時19分

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