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2009年9月 3日 (木)

たっぷりな九月昼の部初日・2

92日 九月大歌舞伎初日昼の部(歌舞伎座)
09090304omaturi 「お祭り」
こちらは「名残惜木挽の賑」の副題がついた華やかな踊り。
幕があくと、舞台に大きなセリの穴があいている。やがてせり上がってきた鳶頭5人と手古舞2人。鳶頭は照吉、信吉、染吉、松吉、勝吉。それぞれ歌昇、錦之助、染五郎、松緑、松江。染吉、松吉はともかく、歌昇さんも錦之助さんも本名から取った名前(光照、信二郎)だね。松江さんもそうかもしれないけれど、残念ながら本名は知らない。
そういえば、今年の演舞場初春公演でも右近さん以外は本名から取った名前になっていた。鳶頭が複数のときはそういうふうにしているのかしら。
ま、それはどうでもいいことで。
清元が新内流しみたいな置手拭をしていて、粋さが行き届いている。
芸者おえいの芝翫さんが登場すると、さすがに舞台がしまる。貫禄たっぷり、粋で若々しい。「神谷町っ」の大向こうが盛んに飛んでいたが、私としては「おえい姐さんっ」と思わず声をかけたくなるようだった。
おえい姐さんを中心に7人が舞台に並び、「今日は木挽町の祭り」「歌舞伎座が建替えになる」「年に1度は汗を流したあの舞台に立てないのは寂しいねえ」などと一言ずつ口にして、「歌舞伎座の再興を祝して手締めを」となった。客も一緒に手を締め、再び舞い踊る。
踊り終えた芝翫さんが若い鳶頭たちの踊りを、調子を取りながら見ている。これも粋な姿だ。歌昇・芝雀コンビ…あら、さっきのくどきソデにしの2人じゃない。
染五郎さんと松緑さんが獅子舞を見せる。贅沢。辰巳さんと京純さんが左右から同時に獅子の飛び越え。お見事っ。辰巳さんのトンボは久しぶりに見た気がする。
箸休め的に楽しんだ。

09090305kouchiyama 「河内山」
去年の秀山祭でもかかった演目で、このときは吉右衛門さんが河内山。で、1年たっての兄弟競演。
いつもそこから始まる「質見世」が今回はなく、いきなり「松江邸」から始まったせいか、広間で浪路が松江出雲守に責められる場面は初めて見たような気がしてしまった。いや、ほんと、この場面、どういうわけかあまり記憶にない。したがって初見のような感覚で、「魚屋宗五郎」を思い出した。でも磯部の殿様よりこっちの殿様のほうがタチが悪いな。梅玉さんは癇性な役も意外と似合う。
家老高木小左衛門の段四郎さんに存在感があって、とてもよかった。宮崎数馬の門之助さん、珍しくセリフが入っていなかったような(ほんのちょっとだけだけど)。
河内山の正体がバレて、騙りのわけを話そうと玄関におもむろに座るとき、「待ってました!!」「たっぷり!!」「待ってました!!」と大向こうがかかった。幸四郎さん、気持ちよさそうに語り始め、最後の「馬鹿め」の高笑いも痛快であった。
<上演時間>「竜馬」60分(11:00~12:00)、幕間30分、「桔梗・饗応の場」21分(12:30~12:51)、幕間5分、「桔梗・馬盥の場、連歌の場」83分(12:56~14:19)、幕間15分、「お祭り」18分(14:34~14:52)、幕間10分、「河内山」63分(15:02~16:05)

長丁場です。たくさん見られるのは嬉しいけれど、ちょっと長すぎる気もする。3階席、お尻が痛くなります。
おまけ:そういえば、幕間に山川静夫さんをお見かけしました。以前もそういうことがあり、山川さんは3階でご覧になるのね、と思ったのでした。

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歌舞伎ミーハー観劇記」カテゴリの記事

コメント

初日を御覧になったのですね。私は今日、7月の「勘右衞門の会」以来の辰巳さんを見に行きます。
私も、山川静夫さんを3階でお見かけしたことあります。
大向こうをかけるそうですよ。

投稿: とこ | 2009年9月 4日 (金) 08時54分

とこ様
まあ、勘右衛門の会をご覧になったのですか。私は日程的に無理で行かれませんでしたが、「達陀」を見たかったですわ~。「達陀」はまだテレビで、それもちょこっとしか見たことがないんですもの。
辰巳さんのトンボは久しぶりに見てもきれいでした。
山川さんのそばの席に一度座ってみたいものです。大向こうをかけられるなら、そばで聞いてみたいし。元アナウンサーですから、いいお声でかけられるのでしょうね(この間は意識していなかったし、わかりませんでした)。
今日は、たっぷりの昼の部をお楽しみくださいね。

投稿: SwingingFujisan | 2009年9月 4日 (金) 10時18分

こんにちわ☆山川さんは学生時代から食費を削って歌舞伎座に通って大向こうをかけていたそうですね。それで大向こうの会にスカウトされたとか。。。私はまだ一度もお見かけしたことがないので、是非お会いしたいなぁ。それから歌舞チャンでお馴染みの鈴木治彦さんも!
たまぁ〜に、演舞場なんかだと全く大向こうがかからない時があって、あれほど淋しい舞台はないです。役者さんも「来る!」と思ったところでこないと「カクッ」となりそうですよねcoldsweats01やはり大向こうあっての歌舞伎!SwingingFujisan様ならご存じかしら?グループ魂の大向こうを使った曲。中村屋さんの時はあの曲を思い出して「にやり」としてしまう時がありますcatface

投稿: 林檎 | 2009年9月 4日 (金) 12時55分

またまた、お邪魔いたします。

山川さんは皆さんのおっしゃるように大向こうのK会にはいっていらして、劇評も書いていらっしゃるようでそんな関係もあって、大体初日にいらしているようです。←ある大向こうさんから伺いました。

幕間に3階のイスにこしかけて、お仲間と楽しくお話しているのを何回かお見かけいたしました。wink

投稿: maroon6 | 2009年9月 4日 (金) 21時08分

林檎様
山川さんの歌舞伎愛がひしひしと伝わってくるエピソードですね。
鈴木治彦さんも1~2度お見かけしたことがあります。
有名な方を拝見すると、失礼を承知でついついじっと見てしまいますゎ。
ここぞというところで大向こうがかからなかったりすると、こちらまでガクっときませんか。歌舞伎を見ているときは、時々男に生まれたかったと思うことがあります。大向こう、かけてみたいんですもの。
グループ魂は名前は聞いたことがありますが、詳しいことはは知りませんでした。ユーチューブで弔辞と結婚式のスピーチを見て笑い転げました。

投稿: SwingingFujisan | 2009年9月 4日 (金) 22時41分

maroon6様
ありがとうございます。
初日に3階に行くと、山川さんをお見かけすることができる可能性が高いわけですね。
幕間の3階ロビー(?)の椅子は、大向こうさんが集まっていらして楽しいですよね。私もたまに片隅に腰掛けて、耳ダンボ(死語?)にすることがあります。盗み聞きするつもりはまったくないのですが、そうでなくても耳に入ってくるお話が興味深いんですもの。ついお話に割り込みたくなる気持ちを抑えたりしてsmile

投稿: SwingingFujisan | 2009年9月 4日 (金) 22時49分

はい!私も大向こうをかけるのが夢なのですが、というか思わずかけたくなる時があるのですが、女性がかけるのはどうなんだろう?(極たまにしかいらっしゃらないので)とか、タイミングが本当に合っているのか?とか思って勇気が出ないんですよ〜bearingほんと、男性だったら絶対かけてたのになぁ。。。
グループ魂、やはり大爆笑でしたか!バカにしてるのか?リスペクトしてるからやっているのか?不快に思う方もおられるかもしれませんが、役者同士だからちゃんとリスペクトしてやっているのではないかと思ってるのですが。。。

投稿: 林檎 | 2009年9月 6日 (日) 10時53分

林檎様
ですよね~。自分が男だったら、きっと思わず声が出てしまいそうな気がします。勇気がないのは、やっぱり女だからかな。タイミングは、初めはプロの大向こうさんのマネをして、芝居を壊さずに…う~ん、やっぱり難しいですねcoldsweats01

グループ魂は絶対、リスペクトでしょう。ほんと、世の中面白いことがたくさんあるんですね。

投稿: SwingingFujisan | 2009年9月 6日 (日) 11時25分

SwingingFujisan様
本日、昼の部見てきました。感想を少し。
Fujisanさんがおっしゃるように、「馬盥」がなかなかおもしろかったですね。吉右衛門の光秀が後半に行くほど素晴らしく、この狂言を表現するときによく用いられる「青白い炎が燃えさかるがごとき光秀」でした。富十郎もセリフが入っていて、緊迫感のある応酬でした。義太夫が入らないのであまり眠くなりませんでした。
あとの狂言は、幸四郎の河内山が、周りもよく、安定した出来でした。音羽屋系の黙阿弥物は疑問が残る幸四郎ですが、成田屋系のこの役は吉右衛門と比較しても遜色はないと思いました。
あと、何故か今日の前半は大向こうが来ていなかったので、頑張ってに声をかけました。(私は、上手くはないのですが、昔、森さんという、関係者の中では有名だった方に、初歩を教えてもらった事があるのです。)ストレス解消にはなりました。(他の人のストレスにならないようには気をつけています。・・・・)

投稿: レオン・パパ | 2009年9月12日 (土) 18時36分

レオン・パパ様
おおおっ、大向こうを掛けられたのですか!! それはスゴいっ!! しかも、手ほどきを受けられたことがあるとは。
声が掛からない芝居は寂しいものですから、役者さんもお喜びだったでしょう。男性はいいですねえ。私も生涯で一度は掛けてみたいと思っているのですが…。
昼の部は初日だけの予定なのですが、「馬盥」を幕見で見たくなってきました。吉右衛門さんの時代物には、後になってそう思わせる何かがあるような気がします。
幸四郎さんについてはおっしゃるとおりだと思います。痛快でした。

投稿: SwingingFujisan | 2009年9月12日 (土) 18時49分

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