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2009年10月13日 (火)

松也・巳之助トークイベント:魅力的な素顔の若手役者

1012日 尾上松也・坂東巳之助トークイベント(アップルストア3F
09101301talk
そんなわけで(「怪我の功名?」)、
2列目に陣取り、2人の出番を待つ。事前に写真を撮っている人がいて、「みんなで撮れば怖くない」と私もカメラを出しかけたが、何となく遠慮してしまった。ところが、しばらくすると主宰者から「写真はOKです」というアナウンスが入るgood でも、私はフラッシュは遠慮したので、後で見たらちょっと粗いかな。画像処理で明るくしてみたけれど、よく撮れたのはほんのわずか。フラッシュ使えばよかったかな。
さて、松也クンは黒縁のメガネ、巳之助クンはニット帽で登場。松也クンは道で会ってもわからないかも。巳之助クンは一見ロンブー淳系。2人のフリートークかと思ったら、MCがいてインタビュー形式だった。一部ご紹介します。
まずは自己紹介
松也5歳で初舞台、今年でちょうど20年、立役・女方両方勉強させてもらっています。
巳之助6歳で初舞台、今年でちょうど14年(あ、ちょうどでもなんでもねえや)、初舞台は蘭平の繁蔵と靱猿の子猿でした。来年127日の坂東会で「靱猿」をやるが、今度は猿から奴に出世です。
初舞台の時の気持ち
松也:遊びに行っている感じ。子役は大人と違って替わりができないので楽屋で大事にしてもらえる。何をしても怒られない(あ、両親には怒られましたけど)。みんなにちやほやされて楽しかった。
巳之助:楽屋はおもちゃだらけだった。揚幕のチャリーンという音を聞くとそのたび「ふ~っ」と言っていたらしい。自分では記憶がないが回りにそう言われる。
成長してからの苦労
松也:日々自分との戦いである。先輩の話をよく聞いて、芝居をよく見ることが大事。何をしても許される時代は終わったことを認識しなくてはならない。大人になってからが仕事である。普段大人と接することが多いので、老けてみられる(巳之助:そうですねsmile)。実際、上の人のほうが同世代より話しやすい。どこの劇場でもついこの間まで一番下で「若い若い」と言われていたが、ふと気づくともっと若い子が自分の楽屋に集まったりしている。彼らを見ていると「若いなあ」と思う。
舞台で江戸の世界に触れるメリット
松也:小さい頃から学ばせてもらってありがたい。iPodで色々な音楽を聞くが、邦楽を聞くと体のなかから湧き出る興奮がある。歌舞伎の世界で生きているというよりはDNAによるものではないかと思う。
巳之助:(さっきから何も喋っていないけど、と言う松也クンに)「いやあ、きれいな人が多いなあと思って」
ってね、実はMCさんが松也クンに振ることが多くて、巳之助クンの話す間がなかったのだ。巳之助クンの話も聞きたいのにbearing

持参の写真を見ながら
ここでスクリーンに2人がもってきた写真が映し出された。まずは松也クンの小野春風が出来上がるまで(舞台化粧)。髪をヘアバンドで止めた横顔は意外と男っぽくて、ちょっと青木崇高クンに似ている。最初に塗る下地はびんつけ油で、白粉を塗ったときに指の跡が残るので必ず掌でのばす。羽二重は立役の場合丸羽二重(頭皮のようなものだそうだ)を使う。羽二重を締める(?)には餃子の皮のようにする(要するにプリーツを寄せる)。餃子みたいだからといって水は使わない。油がついているので自然にくっつくのだそうだ(巳之助:きれいに焼けるというわけではありません)。
顔は、鼻を高く見せるよう鼻筋に白を入れ(いわゆるハイライト)、首から白粉を塗っていく。肌の色が見えてしまうと興醒めなので注意しているとのこと。塗り終わったら睫毛についた白粉を落とすが、やり方は人によって違う。松也クンはタオルにツバをつけて取るそうだ。それから目張りを入れる。
春風の場合、化粧に30分、衣裳に10分かかるそうだが、着るのに30分もかかる衣裳もあるという。化粧は役によってすべて違うため、化粧の仕方もそれぞれ覚えなくてはならない。白粉やドーランの色も先輩に聞いたりしながら自分で作る(これ、梅之さんも前に書いていた)。
と、ここまでは松也クン中心のトークだったが、いよいよ巳之助クンの番。巳之助クンのもってきた写真は4枚だけ。うち2枚は自室の写真(「ボケていてすみません」。はい、たしかにピンボケcoldsweats01)で、まるでミニスタジオみたい。ドラムセットに他にも楽器、そしてアンプがいくつか、Macのパソコン(2人ともMac userってことで、このイベントが企画されたのかな)。なんと巳之助クンはprotoolsというソフトを使って自分で作曲演奏録音してしまうんだそうだsign03 ドラムもギターもベースも全部自分でやる。で、写真のうち1枚は矢印の入った横向きの棒グラフみたいな画像が写っているのだが、これは演奏中のパソコン画面なんだとか。もう1枚は音のバランスを整えている画面。
松也:先月、歌舞伎座出演中の若手で、深夜、なんと三津五郎さんのお宅に押しかけた。機材をいじっている巳之助クンがとてもかっこよかった。
そして、巳之助クンがこのイベントのために作ったという曲が流れた。ドラムを叩く巳之助クン、ギターやベースを弾く巳之助クンを想像しながら楽しく聞いた。楽譜は全然読めないという巳之助クンだが、それだけ音感が優れているのだろう。
Q&A
松也クンのやってみたい役:立役なら「め組の喧嘩」の富士松、女方ならおかる。
巳之助クンの大山公演でのエピソード:916日は20歳の誕生日birthday 多くの人に祝ってもらった。能舞台の後ろが何もなくて、自然が背景になっていることに感動した。ちなみに、20歳は歌舞伎の世界では赤ちゃんだそう(だよねえ~wink)。
最後に松也クンと三津五郎さんのHPの紹介があり、11月演舞場と松也クンの「挑む」が「こういうのがあります」程度に触れられた(巳之助:演舞場のポスター、初めて見た。知らなかった)。

松也クンは自分でも老けて見られるというだけあって終始落ち着いたオニイサン(でも私には24歳の若さ相応に見えた。お肌はつるんつるんだし…しっかり洗顔が秘訣らしい)。巳之助クンはあまり喋らなかったけれど、とても頭のいい子だと思った。2人とも爽やかそのものの好青年で、松也クンは元々好きだったけれど、巳之助クンにもすっかり魅せられてしまった。巳之助クンからもう少し色々な話を引き出せたらよかったけれど(やってみたい役は巳之助クンにもききたかった)、1時間弱、素顔の2人に触ることができて、ますます歌舞伎が好きになった気がした。

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歌舞伎ミーハー日記」カテゴリの記事

コメント

レポ、ありがとうございます! 伺いたかったのですが、出掛けられず居たところ、SwingingFujisan様のレポで楽しませていただきました! お二人の素顔に迫るトークイベントだったようですね~。
巳之助丈は、「たのきゅう」のとき、ドラム担当でしたよね(笑)? あのお舞台では、舞台同様、音楽もご自身で楽しまれている様子が印象的でした。新しい歌舞伎座では、彼らの世代がどんどんご活躍なのでしょうね~。成長過程を見守れるということは、歌舞伎ファン冥利に尽きますね。

投稿: はなみずき | 2009年10月13日 (火) 21時10分

はなみずき様
コメント、ありがとうございます。
1時間弱のトークでしたが、お二人の真面目な人柄がよく伝わってきました。こうやって素顔に触れると、ますますその役者さんを好きになってしまいます。
巳之助クンが「たのきゅう」でドラム担当だったということ、よく覚えていらっしゃいますね!! 私は慌てて筋書きを引っ張り出しました。はい、確かに太鼓を叩いていらっしゃいますhappy01 お顔も楽しそう。楽器をおやりになると伺って、納得です。
「たのきゅう」では小吉クンがデビューでしたね。楽しかった舞台が思い出されてきました。
円熟の芸、若い成長期の芸、幼な子の初舞台、そのすべてを見ることができる歌舞伎は最高ですね。そして、こうして歌舞伎ファンの皆様とお喋りできるのも嬉しい!!

投稿: SwingingFujisan | 2009年10月13日 (火) 22時22分

こんばんは〜。昨日は日比谷〜有楽町〜丸の内あたりをグルグルしていたので、少し足を延ばそうかと思ったのですが、タイミングが合いませんでした。詳しいレポありがとうございます!

巳之助さんの「たのきゅう」ドラマー、三津五郎さんとのやり取り、すごく印象的でした。松也さんは「児雷也」ギャルがインパクト強かったです。これからが本当に楽しみな、お二人ですね。

投稿: aki | 2009年10月13日 (火) 22時28分

詳しいレポありがとうございます。
脳内再生して楽しんでおりますwink
巳之助君が「たのきゅう」でドラム担当だった舞台写真、買いましたよ。楽しそうにやっていましたね。
巳之助君って、けっこうお茶目さんのようですよ。松也さんの「写真館」に、楽屋での写真が載っています。
私としては巳之助君にも、もう少し話して欲しかったです。

投稿: とこ | 2009年10月13日 (火) 22時44分

aki様
こんばんわ。
お近くにいらしたのに、それは残念でした。昨日はKen’sさんがお休みで、歌舞伎座夜の部までにたっぷり時間があったのに、私も残念な思いをしました。
「たのきゅう」のこと、色々思い出したら、可笑しさも甦ってきて、1人で笑っております。
松也クンのギャルは見事でしたねえ!! 私、本当のギャルかと思ったくらい。実にうまく特徴を捉えていたし、きれいだったし、衝撃的でした。あれで松也ファンになったのかも。

投稿: SwingingFujisan | 2009年10月13日 (火) 23時18分

とこ様
巳之助クンがお茶目なのは、昨日のトークで、松也クンの話の合間にポツリと入れるコメントというか一言でもわかりますsmile 松也写真館に出ていた変顔には吹き出してしまいました。今月は仲良し4人組のうち3人が「毛抜」に出演なんですね(巳之助vs萬太郎の場面については萬太郎クンのブログで触れられていました)。
「たのきゅう」でドラム担当だったこと、皆さんちゃんと覚えていらっしゃるのですね。忘れていたのは私だけか…coldsweats02 再演してくれないかなあ。今度はちゃんと意識して見るのに。
あ~、若いっていいなあ。

投稿: SwingingFujisan | 2009年10月13日 (火) 23時27分

こんばんは!

あらら~、わたしも昨日は用もないのに皇居とか銀座とか歌舞伎座周辺をうろついていたのに・・・残念!!
でもでも詳しいレポありがとうございます!自分がそこにいたような気分ですよ♪
その代わりといってはナンですが、昨日の古畑任三郎(再)に
「八十助」さんがご出演されており、その若さを堪能いたしました。
今ももちろんステキですが、若いころは若いころでまたステキでしたよ。
仮面ノリダーのおやっさん(古っ!)の頭に鈍器を振り下ろしてましたけど。。。

連休明けの今日、職場の最寄り駅で改札を出たところ、
11月演舞場のポスターがバ~ンと貼り出されていました。
連休明けでどんよりしていたところだったのでかなりテンションあがりました↑↑

投稿: あねご | 2009年10月14日 (水) 00時05分

こんばんわ。
あらあ、あねご様もお近くにいらしたのですか。トークイベントにいらっしゃれなかったのは残念ですが、面白い偶然ですね!!
古畑任三郎、三津五郎さんの回は、今でもところどころ目に浮かぶほどよく覚えておりますよ。当時まだ八十助さんだったんですねえ。そのことはすっかり失念しておりました。
そうか、相手はおやっさんだったんでしたっけね。
ここのところ古畑の再放送をやっているので、DVDに保存しようかなと思ったのですが、CM抜いたりがけっこう面倒なのでやめました。ビデオには入っているし(見る手段がないけれどcoldsweats02)。
演舞場のポスターが貼られましたか。駅に華やかな空気が流れたでしょう。歌舞伎好きの人には嬉しい光景ですよね。昨日のトークで、歌舞伎の稽古期間は短いので、個人的に翌月分は今月のうちに稽古しておくと言っていました。巳之助クンももう来月のお稽古に入っているかもしれませんね。

投稿: SwingingFujisan | 2009年10月14日 (水) 00時28分

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