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2009年11月29日 (日)

「挑む」を見て

1127日 「挑む」昼の部(前進座劇場)
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24歳の尾上松也を座長として、市川左字郎30歳、尾上音一郎23歳、澤村國矢31歳による初の自主公演「挑む」は、いわゆる御曹司ではない若い役者さんたちのまさに挑みであり、彼らが自分たちの実力を発揮する場を得る、そういう点で非常に意味のある公演だったと思う。
まず、スーツ姿の國矢さんと左字郎さん(左字郎さんはノーネクタイ)による演目解説があった。「松の羽衣」は國矢さん、「太刀盗人」は左字郎さん。
「松の羽衣」は能「羽衣」をもとにした歌舞伎舞踊で、能よりも舞の部分が深いのだとか。「太刀盗人」では、面白いときは遠慮せずに笑うようにとのこと。
左字郎さんが、大向こうにも挑戦してと言った途端、「たかしまやっ!」の声。会場がなごんだ。松也さんと音一郎さんは音羽屋、國矢さんは紀伊国屋、自分は高島屋であると、各出演者の屋号を紹介したら、早速今度は「きのくにやっ!」。國矢さんが「覚えにくければデパートと本屋と覚えてくださいsmile」。かけるタイミングはいろいろあるが、役者が舞台に出てきた時と引っ込む時ならまず間違いはないと左字郎さんが言ってくれたが、やはり素人がかけるには勇気が必要だもの、そうそうはかからなかった。私も、こういう時がチャンスかなとは思うものの、「挑む」ことはできなかったcoldsweats02

「松の羽衣」:天女は松也、漁師伯竜は音一郎。今回の出演者の中で、お顔は知っているが失礼ながら一番馴染みのないのが音一郎さんで、どんな舞いを見せてくれるのだろうと楽しみにしていた。凛々しいお顔は伯竜にぴったり。舞踊指導は青楓さんだということで、松也、音一郎ともに舞いは端正(青楓さん本業の舞踊は見たことがないけれど、きっと端正なんだと思う)。また基本に忠実な(と思う)丁寧な舞いだった。能をもとにしているだけあって、前日かなり寝不足の私は時々かくっときてしまったが、きっちりとした舞いは美しく、途中松也クンの天女からはとまどいとうか悲しみというか、そんなものが感じられた。

「太刀盗人」:こちらも指導の松緑さんの色が濃く現れていたと思う。演目自体がとても面白いので、左字郎さんの指示(?)通り、可笑しいところでは遠慮なく笑わせてもらった(ほとんど全体に可笑しいのだ)が、松也クンの「すっぱの九郎兵衛」は、ヒゲの剃り跡も青々した剽軽な化粧がちょっと身についていない感じなのと、松緑さんのイメージが強いせいか身長も高すぎるような気がした。でも、剽軽な役の実力はついこの間までの「盟三五大切」内びん虎蔵で見せていたし、本人と役の見た目のギャップもひとつの笑いの要素として楽しめた。松也クンが「羽衣」と「太刀盗人」を選んだのは、ギャップを楽しんでほしいという意図からだったそうだが、当たりflair 左字郎さんの「田舎者の万兵衛」はお人よしですっとぼけた表情が面白かったが、左字郎さんって案外(とは失礼)都会的な雰囲気があるんじゃないかと思った。2人のズレた連れ舞いは楽しかった。私は左字郎さんの踊りが大好き。
ビックリしたのは國矢さんの目代。芸達者なことは重々承知だけれど、老け役が実によく合っていて違和感ない。のびのびしたおじいちゃん演技でぐっと舞台がしまった。終演後の抽選会で松也クンにさかんに「おじいちゃん、おじいちゃん」と言われていたが、そう言われてもまったく不思議はないほど「おじいちゃん」であった。音一郎さんは目代の従者。一見目立たない役のようではあるが、間合いの難しい役どころだろう。音一郎さんはここを上手にコントロールしていたと思う。
「太刀盗人」も基本に忠実な丁寧な演技のように見受けられ、美しさを大切にしていることが窺えて好感がもてた。楽しかった。
なお、「羽衣」の音楽は録音だったと思うが、「太刀盗人」の長唄は生演奏。

アフタートークショー:これは看板に偽りあり、ですなcoldsweats01 4人が口上を述べ、その後に抽選会があっただけ。口上は、皆さん主に謝意を述べられた。明日(28日)から松也・國矢の2人は歌舞伎座12月公演の稽古、左字郎・音一郎の2人は朝イチの新幹線で京都へ、だそうだ(by左字郎)。松也クンからは、ここまでの道のりは大変だった(手作り感があったのも好もしかった)が、今後はこのメンバーを中心に定期的に公演を行うつもりだという決意が語られた。第1回で緊張度も高かっただろうし、まだまだ工夫の余地はあろうが、第2回以降も応援しますぞ~dash
抽選会では泥棒の扮装のまま松也クンがマイクをもって仕切る。左字郎さんや音一郎さんがクジを引いている間、松也クンが國矢さんに「老けましたね、急に」とからかい、前述したようにさかんに「おじいちゃんおじいちゃんheart04」と國矢いじりをしていたのが、2人の親しさを物語るようで楽しかった。残念ながらクジには当たらなかった~bearing
ロビーで松也クンのお母様がにこやかにしていらしたのが印象的でした。
<上演時間>「松の羽衣」35分(14:30~15:05)、幕間20分、「太刀盗人」150分(15:25~16:15)、アフタートークショー18分(16:17~16:35)

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