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2009年12月 3日 (木)

12月大歌舞伎初日昼の部・2

122日 十二月大歌舞伎初日昼の部(歌舞伎座)
09120303sanbaso 前後するが、最初の演目は「操り三番叟」
鶴松クンの千歳は、とくに動きを止めたときの形がきれいだと思った。翁の獅童さんはもう少し格のようなものがほしいかも。
三番叟は勘太郎さん。体のやわらかさとバランスがいがよく、メリハリもある。ただ、もうちょっと操られている感じがするともっといいと思う。後見の松也クンは、糸の扱いはよいが、まだ三番叟の動きに合わせて足踏みすることに注意が集中しているというところだろうか。日を追うごとによくなっていくことは間違いないと確信する。この踊りは好きだから、幕見でもう一度見たい気もあるが、朝早く家を出るのはなぁ…。
「野崎村」
09120304nozakimura 看病疲れが出たせいか、かなり意識を失った。
それでもラストは泣けた。福助さん(お光)が表情をかなり抑えていて変に顔が歪まなかったのがよかったし、久松(橋之助)を見送る姿が聖母のように見えてちょっと感動した。それだけに、ためにためて「ととさん」と久作(彌十郎)に縋りつく姿が痛ましかった。それに、何しろ葵太夫の語りがめちゃくちゃいいのですゎsign03
久作はある意味儲け役だろうが、彌十郎さんよかった。孝太郎さん(お染)は、あまり綺麗ではなかったが、可愛らしかった。橋之助さんのこういう役は、私にはよくわからない。ご贔屓秀調さん(お常)は何もかも弁えた大店のおかみさんの雰囲気がある。
お常とお染が乗るときに舟が揺れるのがリアルな感じがしたのに、両花道を使っていないため、駕籠の動きに合わせて舟の進みが遅い(というか、船頭が漕いでいるのに進まない)ことにちょっと違和感を覚えた。
それにしても人間国宝5人が演じた平成17年の「野崎村」はすごかったな。私はこれを見て芝翫さんの娘役に抵抗感がまったくなくなったのだから。
余談1毎日、大根、どれだけ切るんだろう。あの大根、あとで味噌汁にでもするのだろうか。日替わりでいろんな千切り大根メニューが振舞われるんだろうか。
余談2駕籠かきが「暑い暑い」と言って汗を拭き褌一丁になるが、この時期って梅が咲き始めたくらいじゃなかった? 橋之助さんが重そうなので、なんだか可笑しくなってしまった。
「身替座禅」
09120305migawari 山蔭右京(勘三郎)の最初の出が上品で、なんともよかった。ほろ酔い加減で帰ってきてからも、崩しすぎることなく色気と品があった。何度も見た「身替座禅」だが、上演記録を見ると意外にも勘三郎さんの右京は二度目(そうだったかなあ)。それも二度とも三津五郎さんの玉の井。玉の井は獅童、愛之助、亀三郎といった若い役者さんたちの時にはとても深い愛情を感じたが、オジサマ役者さんたちはどうだっただろうか(段四郎さんなんか、可愛かったような記憶がある)。三津五郎さんからは嫉妬深さとか妻の誇りが傷つけられたような感じを受けた。衾を被って夫の浮気話を聞かされている身にしてみれば、そうだろう、と納得。
ここでのもう一つの楽しみは巳之助クンの千枝。新悟クンの小枝とともにとてもきれいだった(新悟クンもずいぶんきれいになったものだ)。声は愛らしい新悟クンに対し、巳之助クンは深みがあり(太いとか低いというのとは違う)、もう少し年齢がいったらほどよいバランスになるのではないかと思った。踊りは巳之助クンに一日の長ありか。
何度見ても、面白い演目である。
<上演時間>「操三番叟」25分(11001125)、幕間15分、「野崎村」70分(11401250)、幕間30分、「身替座禅」57分(13201417)、幕間20分、「大江戸」100分(14371617

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コメント

勘三郎さんの右京、さすが!という感じの面白さ♪三津五郎さんの玉の井もイイ感じにブサちゃんで嫉妬する姿はちょっと可愛らしくていいコンビ。でも、段四郎さんの玉の井がいかにも「恐妻」という迫力があってすごいおかしかった覚えがあります。同じ立役でもゴツイ人の方がオカシイですよね。
腰元二人は若い分艶やかで、巳之助クンがとっても可愛らしくて、振袖の扱いや座り姿もキレイ。小さいころから坂東流としての踊りもやっていそうだからそういった事も影響するのかなぁ?いつ見ても楽しくって私も大好きです。男女っていつの時代も変わらないのよねsmile

三番叟はコミカルながらとっても難しそうな踊りですよね~。いや、コミカルに踊るのが難しいのかな?松也くんの足踏みとちょっと合わないこともあったし、一ヶ月踊ってきっともっと良くなっていくでしょうねgood

投稿: 林檎 | 2009年12月 4日 (金) 20時44分

林檎様
「身替座禅」は8月の亀治郎の会で亀治郎×亀三郎を見たばかりなのですが(「ばかり」でもないか…)、玉の井は役者さんの個性によってずいぶん違いがありますよね。でも共通しているのは、右京さんを好きで好きでたまらない愛情だと思います。立役のごっつい人の中でも、段四郎さんは見た目確かに怖かったです。ただそれに比して妻としての可愛らしさがあったような…smile そういえば、仁左様は右京と玉の井の両方をやっているんですよね。仁左様の玉の井は背も大きいので迫力があったように記憶しています。ちょっと浮気したい右京さんの気持ちもわからないではないbleah
操り三番叟も何度見ても楽しい踊りです。踊る方はいかにも操られているように見せるのが難しいし、リズムなども大変でしょうが、後見ともども絶対進化していきますよね~。千穐楽が楽しみです(^^)

投稿: SwingingFujisan | 2009年12月 4日 (金) 21時11分

今年最後の歌舞伎から帰ってきた勢いでこちらにもお邪魔いたします。

「操り三番叟」、勘太郎さんの見事さはもちろんですが、松也くんの凛々しさにやられました!今の歌舞伎座ではもう見られないけれど、そう遠くないうちにまた見てみたいと思いました。

「野崎村」、う~ん、やっぱりこういうのは苦手です。ときどき沈没してたかも。ただ、最後のところはやっぱりじぃんときました。両花道だと、また感じ方も違ったのでしょうか。

そして一番楽しみにしていた「身替座禅」。いいんだけど、おもしろいんだけど、私としては今ひとつでした。多分無意識のうちに(いやかなり意識的かも)狂言の(しかも万作師の)「花子」と比較してしまうのですよ。もっと素直に楽しめばいいのになぁと自分で自分につっこみつつ、見ておりました。
でもエンディングは、こちらのほうが好きかも(^-^)

今年の歌舞伎の見納めは27日の顔見世中継だわ、のからつぎでした。

投稿: からつぎ | 2009年12月24日 (木) 18時39分

からつぎ様
こちらにもコメントを下さって、ありがとうございます!!
「操り三番叟」の松也クン、そんなによかったのですか。千穐楽絶対遅刻しないで行かなくては!! 初日がイマイチだったので、とってもとっても楽しみです。
「野崎村」のような演目は、きっときちんと見れば面白いのでしょうが、上方の男女のもつれごとが苦手なのもあって、私もついつい沈没してしまいがちです。おまけに、今回はちょっとミスキャストのような気もしました。

狂言の「花子」は見たことがありません。万作・萬斎さんの狂言を見てみたいと思いながら、なかなか機会がなくて(機会を作らない、というべきかしら)。ですので、そういう比較はできませんが、私も少なくとも初日はスゴくよかったという感想はもちませんでした(期待はずれというわけではなくて、でも期待したのとはちょっと違ったかな、という感じ)。狂言のほうも一度は見たいものです。

劇場公演は26日で終わりでも、27日のTVがあるのでしたね。私もそれが今年の歌舞伎納めになりますわ。

投稿: SwingingFujisan | 2009年12月24日 (木) 23時39分

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