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2009年12月27日 (日)

十二月昼の部再見(千穐楽)

1226日 十二月大歌舞伎千穐楽昼の部(歌舞伎座)
09122701sensyuraku
再見なので簡単に。

「操り三番叟」
獅童さんが大きく、鶴松クンが上品で、なかなかいい踊りだと思った。
初日は勘太郎さんと合わせるのに必死だった印象の後見・松也クンがさすがに進歩していて、表情や仕草に余裕がみられた。そのため、後見が人形を操っているという感じを十分受けた。
勘太郎さんの踊りは、足が流れるように動いたかと思うときりっきりっとリズミカルに飛び、見ごたえがあった。
「野崎村」
久松の登場から、ほとんど沈没していました。孝太郎さんがあんまりきれいじゃないし(可憐さはあるのだけど、美しくない。お染の鬘が似合わないのかも)、橋之助さんも久松のイメージじゃないし、福助さんは初々しい田舎娘には見えなかったし(やっぱり福助さんは垢抜けたイメージなのよね。それと、何回も言うようだが、口を大きく曲げるのは美しさを損なうからやめてほしい。初日聖女に見えたのが、今日はそうでもなかった)、話自体もちょっと…だし。ただ、ラストの「ととさ~ん」の悲しい絶叫は胸に響いた。
彌十郎さんは情愛にあふれ、秀調さんは大店のおかみとしてふさわしいものがあった。
「身替座禅」
勘三郎さん独特のやわらかく上品な色気がたまらない。ヘンに作りすぎないのがよいと思った。三津五郎さんも独特の怖さがある。が~っと怖いのではなく、じわじわとくる怖さ。新悟・巳之助の2人は花のように美しく、とくに巳之助クンの姿だけなく舞いの美しさには目が釘付けになった。

「大江戸りびんぐでっど」
09122702haken 全体的な感想は初日と変わらない。でも記憶がだいぶ飛んでいるらしく、こんな場面あったっけ、こんな展開だったっけと、けっこう新鮮な気持ちで楽しめた。ただ、今回は近くで見たため、ぞんびたちの風貌はダメだと思った。とくに山左衛門さんの金兵衛は強烈で苦手sad
染五郎さんはうかれ坊主様ご指摘のように時々声がかすれる難があるけれど(「身替座禅」だったか、「鼠小僧」だったか、これだったか、あれちょっとおかしいな、と思ったことがあった)、カッコいい。七之助さんのお葉は前半のちょっとしたたかさを表に出したときのほうが好きかも。
勘三郎さんの出番がこんなにあったっけと、驚いた。初日はちょっとしか出ていない印象だったのだ。ただ、やっぱりインパクトはそれほど強くない。
勘太郎さんのM・ジャクソンダンスが素敵だった。上半身が逞しく、肩が盛り上がっているところなど、着物を着ていてはわからないが、鍛えられた体の美しさを見た。
小山三さんには今日もとりわけ大きな拍手が湧いた。
初日見逃した猿弥さんを今日はちゃんとチェック。いっつも何か食べていたのがグロテスクで面白かった(だって、食べていたものが猫だったりshock 人の下半身だったりshock 豚の頭だったり)。紙屑屋久六の雰囲気もちゃんとあった。
感心したのは鶴松クンの若様。恐怖のあまりお漏らしをした後の演技が秀逸だった。袴の中が濡れて気持ち悪そうに身をよじったり、くさやの火鉢を触ってみて熱いのを確かめ股火鉢をしたり。このとき舞台では三津五郎さんがらみのメインの芝居が展開されていたのだけど、鶴松クンのリアルな演技から私は目が離せなかった。
三津五郎さんのトゥス、
ETや「らくだ」のパロディなども笑わせてもらった(もうひとつ、若い人にはわかるのかなぁというちょっと古めの映画だかドラマだかのパロディがあったけど、なんだか忘れてしまった。けっこう笑いがきていたところをみると、若い人も知っていたのかも)。
こういう新作ではダイナミックな群舞が楽しい。亀蔵さんが意外にも(とは失礼かな)リズミックで素敵な踊りを見せてくれた。七之助さんはそういう踊りでも女性らしい柔らかさがあって、心配りを感じた。
不評どころかかなりの酷評もあったそうだけれど、あのカーテンコールが歌舞伎座の客の気持ちでしょう。
ところで、途中、上の写真のようなものが飛んできて、ビックリした。第一、そういうものを撒いていることを忘れていたし、最近手ぬぐいにも当たらないから、まったく予想外のことに本当に驚いた。ラッキーscissors
で、上の写真を開くとこういう文字(↓)が。
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コメント

屍かします。大笑いしました。初演の素晴らしい思い出になりますね!羨ましい〜happy02結局私は再見できなかったけど、このレポで反芻する事ができました。楽にはやはり芝居として進化していたのかな?そして猿弥さんをしっかり確認できたようで良かったですshine
野崎村の感想にはとても同感です。女形でも立役でも実際その役者さんが持っている美しさ、品、可愛らしさ、色気、格等はどうしても気になってしまいます。それを越えて美しく見せるのが芸なのだろうと思うのですが…
ビックリするほど化ける女性も多いわけですしsmile化粧法や、口の動きも鏡を見れば自分がどんな顔つきになっているのか分かる事ですからね。福助さんを嫌いなわけではないし、「りびんぐでっど」なんてぴったりハマって演目によってはとっても楽しい時もあるので、もったいないなぁと思ってしまいます。

投稿: 林檎 | 2009年12月29日 (火) 20時46分

林檎様
大笑いしていただけて、嬉しい!!です。
おかげさまで、さよなら公演の楽しい記念になりました。
猿弥さん、シュールでしたっsmile
新作として賛否両論呼んだということでこの作品の価値は十分あったのではないかと思いました。

不思議なことに、鼠小僧の福助さんにはそういうことは感じなかったんですけれど…。きれいであればあるほど、くずれた表情は見たくないものです。感情を表すのにも美しくあってほしいと願います。
ところで、全然違う話なのですが、福助さんというと、「歌舞伎役者 中村歌留多」という数年前の2時間サスペンスを今でも思い出します。シリーズ化されるかと思って楽しみにしていたんですけど、そういう話はないみたいですね。

投稿: SwingingFujisan | 2009年12月29日 (火) 22時00分

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