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2010年1月24日 (日)

浅草歌舞伎第一部・2

123日 浅草歌舞伎第一部(浅草公会堂)
後記する上演時間をご覧いただければわかると思うが、ここの間の25分に食事とはちょっと早いし、「御浜御殿」が終わってからの食事はちょっと遅い。結局お昼は抜いてしまいました。
「御浜御殿」
最初に見た梅玉 vs 翫雀にいたく感動して、その後2回の仁左様 vs 染五郎で感動を新たにした「御浜御殿」。期待が大きかっただけに、すこしはずされた気がした。とくに御座の場、綱豊と助右衛門が肚の探り合いをするあたりまでは双方あまり深みが感じられず、訴えかけてくるものがなく、やや退屈を覚えた。しかし綱豊が、内蔵助が江戸に下った理由を問い詰める頃から緊迫感が伝わってきて、「あなた様のお心は痛みはしませぬか」のセリフ(綱豊がわざと身を持ち崩しているのではないかと綱豊にツッコむ場面)、また助右衛門が閾を越えた瞬間には涙が出た。
綱豊には大きさと苦悩と殿様らしい癇性なところと鷹揚な愛嬌が必要だと思うのだが、愛之助さんにはその苦悩がやや不足していたような気がする。それは若さ故かもしれない。形は仁左様によく似ていて、とてもいいのだから、その辺が滲み出てくるようになると、仁左様に並ぶ綱豊になると大いに期待する。
一方の助右衛門も、亀治郎さんの若さが一部では邪魔をし、一部では生きていたと思う。助右衛門は亀治郎さんのニンではないような先入観があったが、それは私の認識不足で、若さがストレートに迸る場面には強く心を動かされた。
七之助さんの喜世は、化粧が合わないのか意外と綺麗じゃなかったが、これまでの喜世の中で一番わかりやすいような気がした。いいのか悪いのかよくわからないが、自分というものをしっかりもった女性のように見えた(これまでの喜世は、うまく摑めないでいたのだ)。
亀ちゃんは、「草摺」で朝比奈に引き止められ、「御浜御殿」で喜世に引き止められ、そこは思わずニヤリとしてしまった。
亀鶴さんの江島がしっとりと位の高さを見せてよかった。亀鶴さんって実に芸の幅が広いなあと改めて感心した。江島に絡む段之さんが、必要以上に江島を睨みつけて笑いを取る。段之さんって時々そういうことするよね。
役者の年季というものをちょっと考えさせられた芝居であった。
「忍夜恋曲者」
スッポンのない舞台での滝夜叉の登場は見事だった。どこからどうやってでてくるのだろうとじっと目を凝らして見ていたが、面明かりに導かれるように、いつの間にか下手にす~っと姿を現したから驚いた。それから花道七三に進み、そこで一踊り。
この七之助さんはとてもきれいだった。全体の流れもよくわかった。ただ、こういう表情も大切な踊りになると、3階から双眼鏡で覗くのと双眼鏡なしで全体に目をやるのとで見方がどっちつかずになってしまい(おまけに手すりがあるから、身を乗り出さなければ全然舞台が見えない。後ろに遠慮しつつだから…)、残念ながらさしたる感想が書けない。せっかくの中村屋兄弟の踊り、近くで見るべきであったか。でも屋台崩しはやっぱり上からよね。
追記:イヤホンで、「滝夜叉は成駒屋の芸。自分がやるとなったら、祖父の芝翫も叔父の福助も目の色を変えていた」と七之助さんが言っていた。プログラムにもそのことが書いてある。

<上演時間>「ご挨拶」5分(11001105)、「草摺」20分(11051125)、幕間25分、「御浜御殿」105分(11501335)、幕間25分、「将門」50分(14001450

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コメント

3階の最前列だったのでしょうか? 私は観た事がないのですが、以前、3階の最前列で観た家族が、「ゼッタイ見にくい」と言っていて、それが我が家の口伝となっております(苦笑)。見る位置(見える位置?)によって、お芝居もかなり違った印象になる…という経験、よっく分かります!(「位置」だけでなく、「環境」もあったりしますが…。)

たしかに、「若さ」がプラスになることだけではないお芝居もあるのですねぇ。いま、浅草メンバーのお芝居を拝見して、いつか歌舞伎座の(もう、「新」歌舞伎座になるのでしょうけれど)本興行で拝見するときの楽しさも、歌舞伎ファン冥利のひとつですね!

投稿: はなみずき | 2010年1月25日 (月) 06時40分

はなみずき様
コメントありがとうございます!!
最前列でした。去年3階後方席を取って、意外と見やすいことに意を強くし、今年は最前列を取った(発売日に3階を選んだら最前列が当たった)のですが、ご家族のおっしゃるとおり「ゼッタイ見にくい」と思いました。私、座高は決して低いほうではないのですが…coldsweats01
歌舞伎座も演舞場も国立も手すりが気になることがたまにあるのですが、浅草は「手すりが透明だったらまだいいのに」という感じでした。2階はどうなんでしょうね。来年は2階にもトライしてみようかしら。

通常、お芝居を見ているうちにいつの間にかその世界に入り込んでいるのですが、位置や環境や体調(自分が寝ちゃう場合もありますからcoldsweats02)が不十分だと、芝居の世界の入口を入れそうで入れない、あるいは入ったり出たりで集中できず、もやもや感が残りますよね。一度しか見ないお芝居はとくに、そういう点を大事ににしたいなと思いました。

ええ、浅草メンバーが将来「新」歌舞伎座で大きなお役を演じられるとき、「あの時に比べて、ぐんと伸びたねえ」などと喜びを感じるのが楽しみですわ。

投稿: SwingingFujisan | 2010年1月25日 (月) 08時05分

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