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2010年1月17日 (日)

新春浅草歌舞伎第二部

116日 浅草歌舞伎第二部(浅草公会堂)
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浅草は来週一部二部通しでそれぞれ1回ずつのみ見るつもりだった。それが、勘太郎さんの袖萩があまりに好評なのでガマンができず、数日前に急遽「行こう!!」と決めてお年玉は誰?と見たら、おおラッキー、亀ちゃんじゃん。いそいそとWeb松竹へ。チケットは一等席のみで、それもなんと前方花道そばが! 迷わずぽちっ。今年はケチって一部も二部も3階で見るんだから2度見るのにはいい席でよかったわと思ったら、あら、第二部は1階前方を取っていたのでした(すっかり忘れていたcoldsweats01)。
「お年玉ご挨拶:亀治郎」
浅草歌舞伎は今年で30年目になるという。そういえば、去年買い集めた「花道」が今年は30号のはず(まだ買っていない)。「奥州安達原、通しのうち3段目をご覧に入れますが、3段目をもってして全部をわかるのはむずかしいのでちょっと説明します。複雑なので、喋っているうちに自分もわからなくなりそう。そういうときはプログラムを見て…」。とてもメモしきれる内容ではないので省略するが、「貞任、宗任は父の仇討ちをするために別々に行動…今で言うテロ活動ですね」などと、時々「今で言う」「現代語に訳しますと」と、表現を噛み砕いくというか、アイロニックな表現になるというか。それがごもっともな感じで、とても面白い。
延々説明したあと、「幕が開きますと、私が喋ったここから始まります」と高らかに言うから客席は大笑い。「一言で言うと、阿部一族のホームドラマ。早替りで男女を演じ分けるのが見どころ」。「芝居は生もの、舞台と客席が一体となって熱い熱い舞台にしましょう」。「ケータイだけは必ず切って。昼の部の「御浜御殿」という静かな話で、2度ほど鳴ったことがあるので」(きびだんご様がいらっしゃった時のことかな)。
亀ちゃん、ちょっと声が風邪気味のように感じたけれど大丈夫かな(→「悪太郎」で安心)。
「奥州安達原」
これまで見た袖萩は多分、福助さんと亀治郎さんだと記憶しているが、勘太郎さんの袖萩は2人に比べてとても古風な感じがした。いい悪いの問題じゃなくて、そういう個性だということ(若手で古風さのある役者さんは貴重な存在じゃない?梅枝クンとか)。出だしの声がやや掠れていて、その掠れ具合が勘三郎さんにそっくり!! 子役ちゃんの好演も相俟ってかなり泣かされたが、勘太郎さんの役としては袖萩よりも貞任になってからのほうが胸に応えた。大きくて荒々しくて、「おきみ、お前のことは不憫に思うし、第一可愛くってしょうがない。だけどとうちゃんにはやらねばならぬことがあるんだ。頼む、堪えてくれ。ああ、でもとうちゃんも、お前を置いて行かねばならぬなんて泣きたいよ~。ああ、どうしたらいいんだ」という人間らしい悩みがひしひしと伝わってきて、ここでも泣かされた。赤旗をぱっと広げるところは、今日はうまくいっていた(次回は私の頭上あたりを撫でそうだな、という席だから楽しみ)。
愛之助さんの宗任も好きだ。ラブリンは絶対こういう役が合う、と私は思っている。
七之助さんの義家は<らしさ>があって、男女蔵さんの直方にも貞任に通じる悩み、父親の愛(「娘も孫もかわいい。本当はどれだけ心配していたか。この手で抱きしめたい。それができぬ辛さよ…」)を感じ、泣かされた。
今日の子役ちゃんは、宮永歩海ちゃん。花道の登場から愛らしく、とくに癪を起こした母親に自分の着物を着せ掛ける場面のいじらしさ、ボロボロ泣いてしまったゎ。

「悪太郎」
とにかく面白かった。亀ちゃんの茶目っ気、亀鶴さんの真面目で軽妙な当惑、仲のいい2人の呼吸がぴったりで、本当に楽しめた。酔っ払いのくどさ、ふらつき、げっぷ、それに対する「困った御仁につかまっちゃったな」という智蓮坊の当惑ぶりは、現実にもありそうで、気の毒やらおかしいやら。「南無阿弥陀仏」と何度も呼ばれて(本当は呼ばれたわけじゃない、ただ智蓮坊が念仏を唱えていただけ)そのたび「おお」と応える悪太郎の声や表情の変化も面白かった。
亀ちゃんが意外と線太で、声も野太く(ご挨拶で声がちょっと掠れて風邪でもひいたんじゃないかと心配したが、まったく杞憂に終わった)、これまでは亀治郎は女方に限るという私の中にあった先入観を見事にひっくり返してくれた。もしかしたら、歌舞伎以外の舞台などで培った成果か。
思い切って2度見ることにしてよかったわscissors
<上演時間>お年玉ご挨拶5分(15001505)、「奥州安達原」90分(15051705)、幕間25分、「悪太郎」50分(17301820
おまけ:イヤホンの質問コーナー。聞こえたところだけ(トイレ行列中は聞こえないのです)。
★あなたにとって浅草メンバー一番の悪太郎は誰?
亀治郎:う~ん、誰だろう。大酒のみでイタズラで憎めない悪太郎は勘太郎さんかな。
男女蔵:本人です(これ即答)。時間ギリギリに入ってみんなをハラハラさせたり。勘太郎:悪い人はいない。強いて言えばボク。理由は言えません。
七之助:みんな(これも即答)。一番はいない。みんな悪太郎でみんな言い人。
亀鶴:みんな悪太郎じゃないんですかね。酔うとこんなになってしまうんですかね。
愛之助:う~ん、誰ですかね。勘太郎さんじゃないですか。この中でお酒が一番強いから。
★女方のスイッチが入るのはいつ?
亀治郎:化粧をしている時とか、衣裳を着けている時とか、色々な方がいらっしゃいますが、ボクは出の瞬間。揚幕のチャリンという音だったり。
(それぞれの口調は正確ではありません)

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コメント

わぉ! 16日の第二部だったのですね!! ご一緒だったようです♪(気付きませんで失礼しました。) しかも、今ちょっと記事の用意をしていて、似たような写真を撮っていることに気付きました…。カブってしまいますが、どうかご容赦のほど…m(_ _)m。

亀治郎丈のご挨拶、ほんっと、感動でした。この亀丈のトークだけでもリピートしたいくらいでしたっ。

お君ちゃん、健気で可愛いですよね…。雪の降るなか、自分の着物を脱いで、親にかけてあげる…なんて。できないなぁ~(親不孝なはなみずき…)。

亀治郎丈の「これまで」を聞き、舞台を拝見して…、「このあと」が観たくなりました(笑)!

投稿: はなみずき | 2010年1月17日 (日) 19時50分

私も亀ちゃんの「ご挨拶」の日で、しっかり説明してもらいましたよー。
携帯はきっと私が見た日のことですね!! アチャーでしたもん。二人の対決のピークよりは少しずれてたけど、それでも一番いいところですからねぇcrying
たまたま最近、文楽三味線の方とお話しする機会があって、巡業で、すごくいい場面(忠臣蔵の判官切腹のあたり。義太夫が入らない三味線だけのところ)で、床の近くのオバチャンが携帯を鳴らしたんですって。ゆっくりスイッチを切って、ついでにバッグの中を整理したりしてるんで、「上から撥を投げたくなりました」とのことでしたよ。ほんと皆さん平然と演技を続けてらっしゃいますけど、内心を思うとねぇ・・・。

投稿: きびだんご | 2010年1月17日 (日) 22時39分

はなみずき様
はなみずき様も第二部だったのですね。昼間「滝の白糸」の記事を拝読して、一部、二部のどちらだったのかしら、と思っておりました。私も全然気づきませず、すみません。
写真のカブり、お気になさらずに。目に付いたものが一緒だったということが嬉しいくらいですもの。
カメトークに、亀治郎さんの頭の良さ、サービス精神を感じ取り、ちょうどスケジュールの開いていた日に亀ちゃんに当たったこと、いい席があいていたこと、感謝です。
お君ちゃんがお母さんをいたわるのは、それだけおかあさんがお君ちゃんに愛情を注いでいたからなんでしょうね。思い出してもウルウルします。

私も「このあと」が見たいです!!

投稿: SwingingFujisan | 2010年1月17日 (日) 23時58分

きびだんご様
亀ちゃんは、ご自分も亀治郎の会で演じていますから、説明にも力が入ったでしょうね。若い人が多い浅草歌舞伎では、いいアイディアですよね(若くなくても面白く聞けましたしsmile)。

携帯はどれだけ注意を受けてもなくならないんですね。切腹の場面といったら、歌舞伎だって出入り禁止になるくらいの緊迫した場面。鳴らしておいて悠然としているなんて、おまけにバッグの整理とは、考えられない!! 撥を投げたくなる気持ち、よっくわかります。そういう気持ちを表すことなく、舞台の上で何事もなかったかのように演奏や演技を続けられる出演者のみなさんってすごいと思います。私だったら、きっと動揺を見せてしまいますから。観客としてだって、自分が鳴らしたみたいにドキドキしてしまいますもの。

投稿: SwingingFujisan | 2010年1月18日 (月) 00時10分

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