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2010年1月27日 (水)

伊達の十役千穐楽

126日 伊達の十役千穐楽(新橋演舞場)
千穐楽ということは、口上で海老蔵さんがちょっと触れただけで、特別どうこういうことはなかったように思う。
前回も書いたことだが、早替りはただ見てくれが変わればいいというものではない。あっという間に次々と10人もの人間になる、それを見事にやってのけた海老蔵という役者の凄さに、あらためて感じ入った。
今日は上から見ていたため、吹替えと入れ替わったところがよくわかったが、だからといって興がそがれることは全然ない。なぜって、ほとんど顔を見せない吹替えの役者さんがしっかり海老蔵さんの役を捉え、形もとても美しかったからだ。決して筋書きに名前の出ないこの役者さんたちの存在がなかったら、「伊達の十役」は存在しないのである。そして、裏でフル回転しているであろうスタッフさんたちのことにも思いをいたし、猿弥さんの休演というハプニングはあったものの、それを乗り越えて無事に千穐楽の舞台が終わったことに、心からの拍手を送った。
猿弥さんの鬼貫の代役、右近さんの悪役ぶり――二枚目もいいけれど、これからも悪役をやってほしい。大喜利での僧侶は、鶴松を殺した罪滅ぼしか(な~んて)。春猿さんの毅然とした美しさ、笑也さん本来の赤姫の楚々とした透明感のある美しさ、笑三郎さんの格式高い栄御前、ひたすら忠臣をつとめる弘太郎さん、老獪だが勝元にやりこめられて気まずい表情の寿猿さん(「五重塔」以来、手の震えが気になるが、大丈夫かしら)、急遽の代役を違和感なくこなした猿四郎さん、そして存在感ある悪役の欣弥さん。澤瀉屋さんの実力も遺憾なく発揮され、嬉しかった。門之助さんの沖の井も好きだし、獅童さんの民部之助も線の太さが生きていたと思う。
海老蔵さんの政岡が前回よりずっとよかった。前回はその迫力に圧倒される感じであったが、男が入っているのはまあ入っていたにしても、毅然とした気丈さと母の嘆き悲しみが強く伝わってきた。
小林麻央に似ているかどうか――頼兼は似ていたかも。口上のパネルで「あら」、舞台に登場しても、「あ、似てるかも」と思った。
前回摑み損ねた与右衛門は、高い上ずったような声のときはやはりうまく摑めなかったが(そういう声は苦手なのだ)、声が低くなるとその良さがわかるような気がした。つまらぬことを言うと、鎌をおなかに挟んで歩くのにはハラハラしてしまったcoldsweats01 危ないよ~。
仁木弾正の空中闊歩は素敵な不気味さを堪能したし(前回スッポンから流れていた煙が今回はなかったような…やっぱり喉に悪いのかな)、細川勝元のユーモラスな部分も持ち合わせた実にかっこいい正義には「惚れてまうやろ~」だし(Wエンジン風に。Wエンジンは勘太郎さんのお友達だそうで、結婚式にも招待されたといっていた)、それこそ汗びっしょりの押し戻しも目出度くて満足。荒事の格好をすると、顔も含めて團十郎さんに似ているなぁと思う。
ミーハー海老ファンにはたまらない5時間でした(写真はガマンした。その代わり舞台写真入り筋書きを購入)。

おまけ:唐沢寿明さんと伊藤英明さんが並んで観劇していた。唐沢さんはびっくりするほど背が高く、顔が本当にちっちゃい。伊藤さんは、人柄があたたかそうで、2人ともかっこよかった。大喜利の前の幕間で気づいた私は、時々双眼鏡を2人にも向けちゃいましたわ。仁科明子さんもいらしているという噂を聞いたけれど、こちらは発見できず。

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