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2010年3月21日 (日)

今さらですが、3月第一部再見

315日 御名残三月大歌舞伎第一部(歌舞伎座)
今さら15日の感想なんてという気もなくはないが、やはり見たものに対しては自分の記録を残しておきたいので。
「加茂堤」
梅玉さんのやわらかさがいかにも桜丸な感じで好きだ。御所車のまわりにいた仕丁を追い払って「いっぱい食らいおったわ」というセリフの若々しいこと。いそいそとお膳立てをする軽々しさも、先の悲劇を考えない若さの表れか。
斎世親王と苅屋姫に刺激されて八重に迫る場面は初日よりあっさりしていたような気がした。この場面での牛の鳴き声、初日に聞き逃したので今回は意識してバッチリ聞いた。「道明寺」の東天紅といい、動物の鳴き声は重要な意味をもちながらのどかな雰囲気を醸し出すものだなあと思った。
時様が牛を引こうとする姿に客席から微笑ましい笑いが寄せられた。こういう場面も含めて全体に大らかさ、のどかさが感じられて、後の展開にはかかわりなく古代ロマンへの思いが掻き立てられた。
「楼門五三桐」
なぜか、「絶景かな」の一言で笑いが起きた。すぐに収まったが、あまりにも有名なセリフを聞いたから思わず笑っちゃったということなのだろうか。
吉右衛門さんの存在があまりに大きくて、歌六・歌昇さんが小さく見えた。菊五郎さんの久吉がとても素敵でドキドキしてしまった。国立のこの場面を思い出すと、久吉の立ち位置がよくなかったような気がする。菊五郎さんの久吉は、この場にしっくりくる位置に立っている。柄杓に小柄が刺さった瞬間、客席が沸くのは毎度のこと。私も未だに「おお~」と小さく唸ってしまう。
「女暫」
玉三郎さんの声の甲高さが初日気になったが、今日はずいぶん低くしたように聞こえた。その分音としては聞きやすくなったが、発声が広がるようで(たとえは「い」が「え」に近いような)、言葉としては聞きづらい部分があったのも否めない。初日もそういうところはあったけれど、三階で聞くとそれが目立つような気がした。巴はむずかしい役だ。玉様自身も初日のほうが気持ちよさそうに演じていたように思う。
我當さんの範頼がいい。こういう役はまずは大きさが大事だけれど、私はそこにプラスして明るさ(と言っては語弊があるかしら、開放的な悪と言ったほうがいいかしら)を求める。工藤祐経にしても、暗く沈みこむようなのは好きでない。そういう意味でも我當さんの範頼は好きだ。
松緑さんと菊ちゃんが華やかさを添え(2人の絡みも面白かった)、吉右衛門さんが締めたというところで、私の今月の第一部は終わり。
おまけ:「楼門五三桐」の後の幕間、初日は35分取っていたが、今日は30分になっていた。従って終演時刻も5分繰り上げ。いつから短縮されたのだろう。

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コメント

たびたびこんにちは♪
幕間は6日の時点で30分になっておりました~SwingingFujisanさまのレポで予習していったので、ご報告しようと思いつつ、忘れてました。ごめんなさいませ。
それにしても、幕間ばっかり長い第一部と幕間がほとんどない第二部、ちょっとバランス悪い気がいたしました…第一部、第二部と通しで見ましたので。

投稿: 七子 | 2010年3月22日 (月) 11時32分

七子様
こちらにもありがとうございます。
幕間はかなり早い時期に短縮されたのですね。
第一部は「楼門五三桐」の舞台づくりに時間がかかるのかもしれませんね。一方の第二部は食事の時間を考えなくてよいし、1回だけということで15分になったのでしょうが、一部・二部通すとよけいにバランスの悪さが感じられるのはわかる気がします。
でも第一部は、久しぶりに「のんびり」観劇した、ように思いますsmile

投稿: SwingingFujisan | 2010年3月22日 (月) 18時38分

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