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2010年3月26日 (金)

だから千穐楽はやめられない:「染模様恩愛御書」

326日 「染模様恩愛御書」千穐楽(日生劇場)
10032601somesensyuraku 図書が放った火矢のせいで炎に包まれる細川館。家宝の御朱印状を無事に持ち出すため、まっしぐらに宝蔵へ向かった、はずの友右衛門。花道を注目していたら、後ろのほうから歓声がear
おお、なんと2階上手通路突端にぶすぶす燃える友さまのお姿があるではないかheart04
すかさず講談師、「そこはまだ一の蔵」。宝蔵はどこだ?と探す友右衛門、「二の蔵、三の蔵の先」と講談師から聞くと2階後方へ走り去る。「友右衛門は細川家につとめてまだが浅いから」大きな細川館で迷うのだと講談師。
さて、宝蔵目指す友さまが次に姿を見せたのは、1階上手通路。XC席(3列目)とA席(4列目)の間の通路で立ち止まってさらに宝蔵を探す。私はXB席で、やや上手寄りだったので正直、花道寄りがよかったのにと残念に思っていたが、なんのなんの、ぶすぶす燃える染さまを間近に見ることができて大正解lovely
友右衛門はそのまま通路を下手側へ向かい、そこから花道によじ登ろうとする。しかし体力を消耗している友右衛門、なかなか上がれない。花道際の女性客の手を借りてやっとこ花道へ(いいな、いいなhappy02 やっぱり花道寄りがよかったなcoldsweats01)。
これまでは、この場面では講談師が上手上方で火事の実況中継?をしており、「観客のみなさんも炎に気をつけて」とか何とか言っていたのだけど、今日は上に上がらず、「炎に気をつけて」もなし。
やっと宝蔵に辿り着いた友右衛門、ターザン→階段落ちで舞台に転がった瞬間、大量の火の粉(銀紙)が友さま目掛けて降り注ぐ。思わず大歓声があがる。

サービス精神たっぷりの千穐楽、カーテンコールは2回(? 幕が2回開いた。以下、記憶が違っていたらご容赦。違っているとしても展開されたことの順番程度だと思うけれど…)。
上から大量の銀紙が落ちてくるものだから、舞台には掃除しやすいように大きな銀紙みたいなものが敷いてある。錦吾さんがつるっと滑りそうになった。すると、講談師の旭堂南左衛門さんが滑りそうになってみせ、猿弥さんも染五郎さんもそれに続く(カーテンコールに登場したのは、染五郎、愛之助、錦吾、吉弥、門之助、猿弥、春猿、旭堂南左衛門の面々だったと思う)。
愛之助さんと染五郎さんに観客から花束が贈られる。猿弥さんが「オレには?」という感じで手を広げる。やがて客席ではスタンディングオベーションが。私ももちろん立った。愛之助さんと染五郎さんは花束を抱えて花道へ。途端、愛之助さんの前でシューッっと煙が噴出した。愛之助さんのビックリした笑顔がかわいいheart04 興奮が続く中、幕がおりる。だけど、観客がそれで満足するわけがない。

幕が再び開き、誰もいない舞台にふたたび出演者が集まる。あら、猿弥さんだけいないわ、と思ったら最後に登場して、そのまま屋台にのぼり、真ん中で大きく手を振りアピールする。猿弥さんが他の出演者と合流しても拍手は鳴り止まず。
突然シュ~ッっと音がして左右の壁から客席に花びらが吹き出してきた。桜に見えたが、それは光の加減だったらしく、実際は紫色の花びらだった。かきつばたを象徴したものだろうか。見事な演出だ。

わいわい騒いでいる観客を手で制して、染五郎さんがご挨拶。「6日から始まったこの芝居も無事に千穐楽を迎えることができてありがとうございます」「来月も歌舞伎をよろしく。日生では滝沢歌舞伎をやるが、我々は歌舞伎座、演舞場、金比羅に出ています」。染五郎さんの顔に、はだけた胸に光る汗がステキだった。
出演者が手を振る中、今度は本当に幕が下りた。火の粉や花びらを集めるべく、客が舞台に近寄る。日生のオネエサンが「舞台にはお触れにならないようお願いいたします」と制する。私は自分の席のまわりの火の粉と花びらを収集してきた(いつも集めっぱなしでなんだかわからなくなってしまうから、今度から小さなチャック付きビニール袋に入れて、日と場所を書いて保存しよう)。
幕の内側からは拍手が聞こえてきた。出演者やスタッフさんたちだろうか。
この拍手を聞いて、あ~「染模様」も終わりか…と実感が湧いてきた。寂しい。

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コメント

SwingingFujisanさま、こんばんは。いやぁ、楽しかったですねぇ♪初日はどうなることかと思いましたが・・・本当に楽しい1ヵ月でしたっ!今日は特別でしたね。楽しかったぁ☆でも終わってしまったのかと思うと、とてつもなく寂しくなります。また再演を期待してしまいます。

投稿: aki | 2010年3月26日 (金) 20時38分

aki様
こんばんは。
お芝居は生きている、ってほんとですね。
とっても楽しくて、感動的で、やっぱり千穐楽の前にもう一度1階の前のほうで見ればよかったと今後悔しています。
次は演舞場で、そして最終的には歌舞伎座で上演されるように進化していってもらいたいと思います。

投稿: SwingingFujisan | 2010年3月26日 (金) 23時10分

キャーっ大サービスじゃないですか!羨ましい〜

ひたむきな姿、光る汗、謙虚な感謝の気持ち。やはり歌舞伎役者はカッコいいheart04

投稿: 林檎 | 2010年3月26日 (金) 23時46分

嬉しい大サービスですよね。
1階ではよく通路を使ったりしますが、2階に現れたのには驚きました。あまりそういうサービスの恩恵に与ることのない2階のお客に対する染五郎さんの心遣いにも感動しました。
ほんと、かっこいいですheart04

投稿: SwingingFujisan | 2010年3月27日 (土) 01時21分

SwingingFujisanさま
以前からヒソカに(笑)お邪魔していたのですが、コメントさせて
いただくのは初めてです。スキップと申します。
「染愛」千穐楽のレポ、とても楽しく読ませていただきました。
今頃のコメントで申し訳ありません。
大阪松竹座の千穐楽では、友右衛門さんが3階にまで現れた
ので、今回はどうだったのかなぁ、と思っていたら、やっぱり(笑)。
あの時はカーテンコールで友右衛門さんと数馬さんが
キスシーン(のポーズ)を披露してくれて客席は大絶叫だったと
聞いていますが、今回はさすがにそれはやらなかったみたいですね。

他の歌舞伎やお芝居のレポも楽しみに読ませていただいています。
またお邪魔させてくださいね。
今後ともよろしくお願いいたします。

投稿: スキップ | 2010年4月 4日 (日) 06時19分

スキップ様
コメント、ありがとうございます!! また、ヒソカにいらしていただいてありがとうございます(^^) 
大阪の千穐楽ではそんなサービスもあったのですね。東京と大阪の観客の反応の違いを考慮したのでしょうね。しかし、染五郎さんは初日から千穐楽まで突っ走りましたね。その体力・精神力には感動しました。全力でお芝居に取り組む、それが客を楽しませる最大のポイントかもしれませんね。
そしてミーハー的観客としては、千穐楽のカーテンコールは芝居を見る上での大きな楽しみです。通常の歌舞伎公演でさえ、時々期待してしまいます(今回のように、お芝居そのものが一部千穐楽バージョンになったりすることもありますね)。

コメントはいついただいても嬉しく存じます。これからも色々お喋りさせてくださいませね。

投稿: SwingingFujisan | 2010年4月 4日 (日) 09時25分

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