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2010年4月 6日 (火)

4月歌舞伎座第三部

44日 御名残四月大歌舞伎第三部(歌舞伎座)
8
月の3部制と同じつもりで、3月も4月も二部と三部の通しにしたが、面白かったのは面白かったなりに、かなり疲れた。お尻も痛くなったし。千穐楽は席が悪いので、今しっかり見ておかねば、と体調が悪いのに頑張ったせいもあるかもしれない。
「実録先代萩」
初めて見たが、子役に重きが置かれるこの芝居をなぜ最後のさよなら公演にもってきたのだろうか。将来の歌舞伎を担う子役として千之助ちゃんと宜生ちゃんが選ばれたのだろうか。そういう目できびしく見るなら、千之助ちゃんは若君としての風格もあり芝居がとても上手だけれど、宜生ちゃんは一本調子で今ひとつな気がした。ただ、うまくしたもので、臣下の立場にある宜生ちゃんは、その一本調子が逆に忠誠心を表しているような感じもする。子別れの物語でもあるから、宜生ちゃんの役は泣く場面が多いのだが、なぜか宜生ちゃんが泣くたびに客席に笑いが起こる。この笑いの意味はよくわからなかった。千之助ちゃんには大いに感心した。これは将来が楽しみである。
大人の役者さんについてはごめんなさい、よくわからない。集中心を欠きました。もっとちゃんと見ればよかった。
「助六」
海老蔵さんの丁寧な口上で、この「助六」という演目について詳しく説明がされる。1月の「伊達の十役」の口上を思い出した。
豪勢で大仰で、めちゃくちゃ楽しかった。たった一つのことをやるのにどれだけ時間をかけるのか、とツッコムのも楽しいし、悪口の言い合いも楽しいし、豪華な出演者がそれぞれ楽しそうにしているのを見るのも楽しい。
玉三郎さんはきれいで気風がよく、「助六」をあまり知らない私でさえ揚巻は玉三郎を措いてないだろうと言えるほど。左團次さんの意休はさすがに慣れた役で、これも左團次さんを措いて意休はないだろう。
團十郎さんはこれぞ助六役者だ。下駄でどかどかどかとやってくるその大きさが好き、大らかなのが好き、稚気たっぷりなのが好き。今日の席は花道真上の二階席だったので、花道での見せ場は表情が見えなかったのだけど、全体像が摑めたからいいや。
仁左様のくわんぺら門兵衛はかっこよくて渋くて立派すぎない? 役どころとしてはモテないはずなのに、こりゃ絶対モテるでしょう。それに助六にうどんをかぶせられて頭を割られたと勘違いして大騒ぎするようには見えない。素敵過ぎます(個人的には素敵な仁左様で嬉しいけれどbleah)。

菊五郎さんがやわらかくおっとりしていて、團十郎さんといいコンビだ。来月の團菊が見られるかどうかわからないけれど、さよなら公演で「三人吉三」と2演目見られるのだからありがたい。
勘三郎さんの通人は本領発揮。團十郎さんを見て「あれ、たしか1月に押し戻されたような」。「成田屋の團さん、病気全快おめでとう」「孝俊も落ち着いたし」。菊五郎さんには「遅ればせながらしのぶちゃん、おめでとう」。「しのぶれど、色に出にけり(48年ぶり)世界のしのぶ それに引き換えこのあたしはからくれないに股くぐる」(本当は35年ぶりなので、私の聞き間違いかも)。って、うまいよねぇ。この間、團十郎さんと菊五郎さんは下手側を向いており、私の席からは表情が見えない。どんな顔していたのかなぁ。
勘三郎さんはその後も、「股くぐる羽目になるなら吉原じゃなくて木挽町に行けばよかった。今月はさよなら公演やっていて、券がとりにくいんだって」「さよなら、さよなら、さよなら、さよならってずいぶんねばったねえ」というようなお喋りで客席を沸かせる。渾身の親獅子、楷書の戸浪、勘三郎さんじゃなくちゃできないアドリブで客を喜ばせる通人、今月は勘三郎さん三態を楽しめる。
他にも、三津五郎さんの福山かつぎ、歌六さんの朝顔仙平、市蔵・亀蔵の田舎侍等々、書き切れない。若い傾城の松也・梅枝・巳之助・新悟・菊史郎も華を添える(松也クンと新悟クンがでか~い)。
こんなに豪華で楽しいのに、終演時刻が945(この日は5分延びた)ということで、9時ごろやむを得ず席を立つ人もいて、気の毒だった。
10030601katobusi おまけ:河東節*、本日の出演者の中に「なかにし礼」さんの名前があった。写真は初日に「本日の出演者」と書かれた木札全体を撮ったからいい気になっていたが、ふと「本日の出演者」ということは日替わりだと気づき、慌てて人波の中、今日の分を撮った。
<上演時間>「先代萩」60分(18201920)、幕間25分、「助六」120分(19452145
*
河東節について、自分の記憶のために:江戸浄瑠璃、河東節は歌舞伎では「助六」、それも成田屋の「助六由縁江戸桜」の時だけ演奏される。成田屋贔屓の素人(男性は文化人、女性はその夫人たちが多い)が演奏するため、顔を見せず、御簾内にいる。これが奥床しい粋である。
「助六」の上演が決まると、市川家から十寸見会に「お願いします」と出演依頼が入り、出演者には特別に「助六名取」が許される。名取の名は男性が「十寸見(ますみ)○○」、女性は「山彦○○」が多いそうだ。
10030602katobusi_2

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コメント

「実録」は皆さんおっしゃっていますがなぜここにという疑問符がつきますね。
孫との共演であればこれなら伽羅先代萩の床下なしの「御殿」だけの上演でもよかったのでは。
その他の役者さんもそのまま出演できますし・・・
わたくしも「実録」は観ているのが辛かったです。
28日は助六だけにしてしまおうか・・・とも考えています。

投稿: うかれ坊主 | 2010年4月10日 (土) 11時45分

うかれ坊主様
「実録」は初めて見るし、そういう演目があるのも知らなかったので、見る前は楽しみにしていたのですが、実際に見たら、ちょっと…でした。
やはり、そうお感じになる方が多いのですね。
私ももう一度見るのは辛いかなとは思うのですが、千穐楽は二部からの通しだし、あらためて見たら考えが変わるかしらという気もして、迷いながらも結局のところ二度見そうですcoldsweats01

投稿: SwingingFujisan | 2010年4月10日 (土) 17時35分

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