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2010年4月18日 (日)

歌舞伎座の提灯

昨日のNHK「小さな旅」は先日当ブログでもお知らせした「歌舞伎座界わい」。

歌舞伎座の提灯が全部あわせて500を超えるって知らなかった。第一、毎度目にしていながら、数のことまで考えたことはなかったもの。数にも驚いたが、この提灯をたった1人の職人さんが作っているというのにも驚いた(もっとも、日本の伝統職人の世界ではよくあることかもしれない)。その職人は上野三郎さん、69歳。フリーハンドで描く絵柄(鳳凰の紋は提灯の真ん中より下に描くんだって。そうすれば、見上げた時にちょうど真ん中に見える。なるほど)もそうだが、私が職人の技として感動したのは、墨すりのこと。墨には棒が2本取り付けられている。壺に水を入れ、棒を動かして壺の底でするのだ。これを12時間続けるのだそうだ。淡々と語る上野さんだが、私など「こんなこと1時間も2時間もやってられるか」と投げ出したくなるような単純作業を黙々と続ける姿を想像したら胸が熱くなった。
上野さんは心臓に病気を抱えており(去年の暮れに倒れ、今はペースメーカーが入っている)、3年後再び提灯を作ることができるかどうかについて不安を覚えている。人間は気力が大事だと思う。職人さんは休むより働いていたいのだと思う。気力を保つには働き続けることが必要なんじゃないだろうか。上野さん自身も、3年間休むことで自分の気力が衰えることを心配しているんじゃないだろうか。自分は劇場を守る歯車で、その歯車が一つでも壊れたらいけないと頑張ってきた上野さん。3年後にもその歯車が欠けていないことを祈る。
上野さんは「提灯は見て忘れてもらえるのが一番いい」と言う。まさに、これまでの私はそうだった。これからもそうかもしれない。でも、どこかで提灯を見る目が違ってくるのは間違いないだろう。

歌舞伎座の建物って、町の中で見ると、より愛情が湧いてくる。しかし何事にも始まりと終わりがあると割り切り、又愛していくことのできる新しい歌舞伎座の完成を待とう。

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