ラブ歌舞伎座・番外編:歌舞伎座は太陽
6月になって、歌舞伎公演が少ないこともあるが、どうにも「歌舞伎」にノリきれない。
5月の演舞場、はじめは海老蔵の「助六」を何度でも見たかった。少なくとも3度は見よう。しかしいざ蓋をあけてみると、素晴らしい内容で興奮したにもかかわらず、昼夜とも当初に購入した2回ずつしか行かなかった。
国立劇場の「鳴神」、大変面白かった。久しぶりに歌舞伎を堪能したし、もう一度見てもいいと思った。そうは思うけれど、一歩が出ない。
コクーンの「佐倉義民傳」には感動した。だけど、もう一度見たいという気にはなれなかった。話がつらすぎるから、と思っていたが、どうやらそれだけではなさそうだ。
よくよく考えてみると、歌舞伎座がないせいだ、と気づいた。すべての歌舞伎公演は歌舞伎座があってこそ、だったのだ(松竹座は東京にないこともあって、ちょっと別かも)。
歌舞伎座は太陽なのだ。
海老蔵さんのロンドン公演が大好評のうちに終わったようだ。8月には演舞場で凱旋公演が行われる。この公演にはノレるだろうか。今はまだ、昼夜(3部制という情報をいただいたので、あるいは各部)1回ずつの観劇しか予定していない。
歌舞伎関係の情報に対するアンテナもなかなか働かなくなってきた。
こんなことではいかん、となるべく自分を奮い立たせているのだけど
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コメント
こんにちはー。私もここにきて「乗れない自分」をすごく感じてます。今月来月も悲惨なスケジュール。
さよなら公演でかなりお金使っちゃったしな、というのも実際にあります(歌舞伎座の3階がないのはほんとに痛い)。そして、それ以上に、豪華な顔触れでたっぷり見ちゃった余韻を、思いの外引きずってるような気がします。これは見た直後よりも、時間がたってからの方がズシンと来てるみたい。
でもいいかげん頭を切り替えなきゃねー。
ところで携帯からコメントしてますが、名前をうっかり打ちそこなうと「かびだんご」になっちゃう

投稿: きびだんご | 2010年6月17日 (木) 13時41分
きびだんご様
携帯からのコメント、ありがとうございます!!
5月の演舞場や今月のコクーンはまだ歌舞伎座があるうちに取ったから勢いは衰えていなかったんですよね。歌舞伎座がなくなったら、あっちで、こっちで、歌舞伎を見よう!!って。それがこんなに盛り上がらなくてどうしよう…歌舞伎を見ているときは間違いなく楽しいんですけどね。
余韻の重さは確かに時間がたってからのほうがきています。なかなか頭も気持ちも切り替わりませんわ~。
かびだんご、には吹き出してしまいました。これからの季節、かびだんごにはご注意を
投稿: SwingingFujisan | 2010年6月17日 (木) 13時54分
あぁ~なんとなく分かるような気がします。
歌舞伎座の独特の客席の雰囲気もありますし、桟敷席から幕見までバラエティに富んでいるので、それぞれのライフスタイルに合わせてや、その月の公演やご贔屓の役者さんの演目に合わせて席を選ぶことができますし。その日の気分で、ちょこっと見てきちゃおうとか。演舞場は、そういう選択の幅がものすごく狭い感じ。まぁ
のひもが固くなっていいといえばいいのですけど、ちょっと寂しいですね。
今日、たまたま歌舞伎座の前を通ってきましたが、正面もかなり覆いがかかってきていました。全部覆われてしまうのも時間の問題のようです。
投稿: kirigirisu | 2010年6月17日 (木) 18時36分
kirigirisu様
コメントありがとうございます。
そうなんですよね、歌舞伎座の包容力が演舞場にはないし、歌舞伎座を中心として歌舞伎ライフがまわっていたようなそういう中心性もないんです。もっとも演舞場には元々そういう役目は負わされていないのだから、それを言っては酷なのかもしれませんね。
好きなときに幕見ができるという安心感のあるホームグラウンドがないのは寂しいものですね。
今月は全然銀座に行っていません。歌舞伎座は今どんな状態にあるのかしらと考えていましたが、正面にも覆いが被せられてきているのですね。解体工事が済むまでがちょっとつらい期間かな。
投稿: SwingingFujisan | 2010年6月17日 (木) 22時49分
分かります〜!
「歌舞伎座に行く」という、あの空間に行く事自体も楽しみの1つでした。歌舞伎はもちろん面白いし好きな気持ちに変わりはないのですが、歌舞伎座への愛も思った以上に大きかったようです…
でも来月は公演も多いし、見に行っちゃいますけどね

投稿: 林檎 | 2010年6月18日 (金) 12時21分
林檎様
こちらにもありがとうございます。
来月は巡業演舞場以外はまだ、歌舞伎座のない歌舞伎に対する気持ちの勢いが残っているうちに取ったチケットですが、この先どうなるのか、自分でも不安です(正直、ここまでしぼむとは思いませんでした)。今は幸い、ワールドカップのおかげで寂しさを紛らわせています。
気持ちが徐々にしぼんだ分、徐々にまた膨らませていくよう、前向きにならなくては!!
投稿: SwingingFujisan | 2010年6月18日 (金) 15時22分
歌舞伎座が太陽とは、全くよくおっしゃってくださいました!
他でいろいろ歌舞伎公演があっても、何かこう、自分の内側から熱気が溜まってこないというか、芝居を観る心にすきま風が吹いているような心持ちです。なぜなんでしょう、理屈では説明できないですね。文字通り、みなさん心身で感じていることですね。
ところで、たまたま私は歌舞伎座の近くに勤めていますので、毎日そばを通りますが、最近は、解体のドリルの音が耐えられなくて、地下鉄を違う出口から出ていました。で、友人が数日前から、歌舞伎座から不思議な「匂い」がする、というので、数日ぶりにそばを通ったら、歌舞伎座の中から確かになんともいえない「匂い」がするのです。友人は、「昭和の居間の匂い」というのですが、何か動物臭のような感じもし、これは、歌舞伎座の怪人の無言の雄たけびかも、と思ってしまいました。
そして、昨日、正面の上部、屋根の下のおなじみの「ほうおう」の金の飾りが、なぜかとてもきれいにピカピカと光っていました。これまでは、雨風で、すっかりくすんだ色になっていたのに...もしかしたら、いよいよ解体の前に、きれいに拭き清めていただいたのではないかと思いました。そうだとすると、工事関係者の心遣いに感謝です。やはり、あれこれと今になっても、歌舞伎座恋し、ですね。こんなにみんなに愛されている建物もそんなにないでしょうね。歌舞伎座を愛している人たちの声を聞くだけでも、とても幸せな気持ちになります。
投稿: よこ奴 | 2010年6月19日 (土) 00時35分
よこ奴様
歌舞伎座の様子を教えてくださってありがとうございます。毎日、歌舞伎座が少しずつ壊されていくのを間近でお感じになるのは本当におつらいでしょう。
先月演舞場の千穐楽以来、歌舞伎座を全然見ていませんが、よこ奴様から様子を伺って、歌舞伎座に会いに行きたくなりました。
歌舞伎座の匂い--面白いですね。おっしゃるように歌舞伎座にはきっと怪人がいて、最後の名残を惜しんで雄たけびをあげているのかもしれませんね。なんか切ない気持ちです。
ほうおうの金が磨かれていたというのは嬉しいお話ですね!! 建物を解体される方たちは、壊すことの意味を一番よく知っていると思います。だからこそ建物に敬意をもって工事をされるのでしょうね。
歌舞伎にまた心底情熱を注げるのはいつのことでしょう。太陽が隠れている間でも何とか早く気持ちを盛り上げて、3年後につなげていきたい…と思います。
投稿: SwingingFujisan | 2010年6月19日 (土) 03時08分