« やった!! | トップページ | 「鳴神」:本編 »

2010年6月15日 (火)

「鳴神」:「歌舞伎のみかた」編

614日 歌舞伎鑑賞教室「鳴神」(国立劇場大劇場)
高校生が多いのは当然だが、外国人の客もずいぶん目立った。歌舞伎座がないため、安く見られるこちらに集中したのだろう(「鳴神」は外国人にもわかりやすそうで、いいんじゃないかな)。劇場のおねえさんたちが、さかんにカメラや携帯に目を光らせ、注意を促していた。
「歌舞伎のみかた」
まあ、賑やかな女子高生たちの囀り。開演時間になって劇場が闇に包まれるとその声は一つにまとまって一段と高くなる。若いなぁ(自分もそうだった、と昔を懐かしんでいる)。
★オープニング
幕があき、いつものようにセリを上下させながら盆がまわる。このオープニングは上から見るとダイナミックで好きだ。1階で見ている高校生たちに、そのダイナミックさがわかったかしら。
舞台が平らになって落ち着くと、澤村宗之助さんが登場し、セリ、盆、スッポン、花道についてざっと説明する。宗之助さんが花道を歩き、廻りの高校生に愛敬を振りまいて「はい、このように親近感が湧きます」happy01
★楽器で表す自然現象
この後、黒御簾の中から舞台に出された大太鼓と小鼓が舞台で演奏された。大太鼓は風が鬱蒼とした木々を揺らしている様、水(滝と雨)の音を表現し、小鼓がこだまを表す(まさに「こだま」という名の演奏)。「鳴神」の中で使われる音である。
そしてこれも定番、女子高生の代表2人が舞台に上がり、大太鼓で滝と雨の音を実演した。
滝は細いバチ2本で皮の振動を抑えながら太いバチで叩くのだが、抑え方が不十分だと音が割れてしまう。もっと難しいのは雨の音。細いバチ2本で小刻みに叩くのはそう簡単にはできない。
この雨の音のさなかに雷鳴が轟いた。雷車という、車輪がたくさんついた木の箱を床の上に滑らせて音を出しているのだ(これは、以前伝統文化情報館の展示で見たことがある)。
★荒事
そうこうしているうちに、悪七兵衛景清を探す軍兵6人がわらわらとやってきて、宗之助さんと女子高生にちょっと絡んでいると件の景清が堂々と登場。角材をもって軍兵と立ち回りを披露する。軍兵を蹴散らした景清が舞台に残り、宗之助さんが隈取、鬘、衣裳、六方について一言ずつ説明。これもみんな「鳴神」のための予備知識である。最後は景清さんが実際に六方で花道を引っ込んだ。景清は坂東三津之助さん。堂々としたいい景清であった。
景清を見送り舞台を下がろうとしていた裃後見を宗之助さんが呼びとめ、役目を説明する。「要するにアシスタントです。芝居に出てきてもあまり気にしないように」ってcoldsweats01 裃後見は片岡千寿郎さん。

★ツケを合わせる
宗之助さんが見得の手本を示し、女子高生にもやらせる。「どんな顔をしたらいいの?」と訊く女子高生に「好きな顔して」coldsweats01 最初は恥ずかしそうだった彼女たちだが、なかなか堂に入った見得を見せてくれた。
見得に合わせてツケが入ったことから、今度はツケの練習。宗之助さんの男走り、女走りに合わせて1人ずつツケを入れる。これも加減が難しそうであった。
★女の子が女方に
そこへ、雲の絶間姫の腰元・滝野(片岡松之亟)と三芳(片岡嶋之亟)が姫を探しにやってくる。そこで、そのまま女方の練習が始まった。両の膝をぴったりくっつけて、右足をちょっと曲げ、肩甲骨をぐっと締めてなで肩にする。このなで肩の作り方がとても難しいようで、女子高生たちは苦労していた。あまりサマにならないまま内掛けを着せられ、女方の仕草で川を渡る練習が始まった(これも「鳴神」で雲の絶間姫が実際にやってみせる場面がある)。
和やかな大笑いのうちに女子高生たちの出番は終わった。2人とも女方の格好が難しかったと感想を述べ、宗之助さんに「女の子なのに」と突っ込まれていた。女の子たちは素直に「役者さんのほうが女らしかった」と認めていた。
★陰陽師
まだまだ、「歌舞伎のみかた」は続く。今度は陰陽師を探すお百姓さんが5人出てきた。ここでも宗之助さんとの絡みがあり、ややあって安倍清行(片岡仁三郎)がスッポンから現れると、「鳴神」の背景を芝居仕立てで説明した。

若い歌舞伎初心者向けということを意識した「みかた」であったが、色々詰め込みすぎてポイントがぼけた感がなくもない。説明も早口で、これが後の「鳴神」で使われている手法であるということがみんなわかったのかな、とちょっと心配になった(余計な心配かな)。それでも、「みかた」は毎回色々工夫が凝らされていて、初心者でなくても楽しめるから、毎回、私はけっこう楽しみにしているんである。

|
|

« やった!! | トップページ | 「鳴神」:本編 »

歌舞伎ミーハー観劇記」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1083822/35265834

この記事へのトラックバック一覧です: 「鳴神」:「歌舞伎のみかた」編:

« やった!! | トップページ | 「鳴神」:本編 »