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2010年7月 9日 (金)

「身替座禅」:鑑賞篇

77日 歌舞伎鑑賞教室「身替座禅」(国立劇場大劇場)
「歌舞伎のみかた」には後編があるのだけど、公演の順番どおり、本編にいきましょう。
場内は開演時間が迫っても、高校生たちのおしゃべりでまあ賑やか賑やか。片シャギリが流れてきても、そのトーンは全然下がらない。こういうところから芝居に入っていくのにもったいない。
錦之助さんの山蔭右京は行儀のよい楷書の演技であり、それでは面白さ半減ではないかと心配したが、どうしてどうして、品よく色気があり、やわらかさもほどよく、また体が堂々と大きくて立派なのに恐妻家であるギャップが可笑しかった。ただ、惜しむらくは少々愛敬に欠けるきらいがある。日を追えばそういうものも滲み出るようになるかもしれない。私はもう見に行く機会はないかもしれないが、期待しよう。
玉の井はなんと彦三郎さん。配役を知ったとき、彦三郎さんの玉の井というか女方なんて想像もできなかった。ところが、まずセリフは聞き取りやすくてよい。彦三郎さんは立役だと声が籠もりがちで聞き取りにくいことがあるが、女方だと声が高くなるからなのか、とても聞きやすかった。怒ったときの迫力はかなりのものでした。でも、そんなに怖くはなかった。
太郎冠者の亀三郎さん(おお、ここにいらっしゃいましたか。1日に蒲田に巡業を見にいらしていたので、今月はお休みかしらと思ってしまった)、右京と玉の井の板ばさみになって弱りきるところがちょっと情けなくて楽しかった。どっちにも責められたらやっぱりまずは目の前にいる人の言うことをきく、という処世術が面白い(そりゃあ、殺すぞと脅されたら…)。
千枝・壱太郎、小枝・隼人の2人。初々しくて愛らしい中にも、右京を諫めたり慰めたりとしっかりしたところを見せていた。隼人クンの成長にびっくり。実は少なからず心配していたのだ。それがセリフもずいぶんよくなったし、女方が似合うようになった(去年の5月、「鬼平」での娘役はちょっとかわいそうだったもの)。
「身替座禅」はとてもわかりやすい演目なので、高校生にも外国人にもちょうどよかったと思う。何度も笑いが起こり、とくに玉の井にバレて衾を被りながら逃げ回る右京の姿にはみんな大笑い。外国人は太郎冠者にもずいぶん笑っていた。
ところで、「今日、錦之助という人の歌舞伎見てきたよ」と高校生が親に報告するとして、初代錦之助を知っている親なんてほとんどいないだろうなあと何となくそんなことを思った。初代を知っているのはきっと彼らの祖父母世代だろう。

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