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2010年7月31日 (土)

二度目も楽しかった巡業中央コース

730日 松竹大歌舞伎巡業中央コース(北とぴあさくらホール)
初日の1日以来約1カ月ぶりに東京(23区内ということで)に戻ってきた中央コース巡業チーム。豪華な座組といい、演目といい、やっぱり今月の歌舞伎はこの巡業が一番だったなあと見終わって思った。舞台が狭いので、その分、役者さんとの距離が近くなったような気がした。
感想は二度目なので簡単に。
「廓三番叟」
時蔵・梅枝の美しさに思わずため息が出る。梅枝クンは初日、開きかけの蕾のようだという印象をもったが、1カ月たったら蕾のようではありながら若々しい色気が溢れていてびっくりした。
その梅枝クンに対して時様には熟した貫禄みたいなものを感じた。端正な舞――私が時様を好きなのは、一つにはこの端正さ故かもしれない、と思ったりもした。
萬太郎クンは初日に比べずいぶん踊りがこなれてきていた。童顔なのがちょっと損かも。萬太郎クン、ちょっと身長が伸びた?
「一條大蔵卿」
暑くて長い巡業だったけれど、幕開き、菊十郎さんのお元気そうな姿を見て嬉しくなった。
菊之助さんには緊迫感があり(スパイみたいなものだもの)、松緑さんには若い一途さがあった。時様には<人間>常磐を、菊五郎さんには上品な阿呆と正気の時の大きさを感じた(ほんと、菊五郎さんの大きさっていうのは目に見えるものだけでなく、空気として感じる)。團蔵さん、秀調さんの脇の固さが芝居をさらに締める。
茶亭 与一の音之助さんが「いかにも」な感じで印象に残った。この役は辰巳さんとのダブルキャストらしいんだけど、初日も音之助さんだったような気がする。辰巳さんを見られなかったのは残念。

「棒しばり」
きっと菊ちゃんの次郎冠者と辰巳さんの与一は一緒の組み合わせだったに違いない。昨日の越谷、やっぱり行けばよかった。巡業はTV放送がないだろうし、菊ちゃんの次郎冠者なんて、この先いつ見られることか…。
でも、もちろん芝居はたっぷり楽しめた。團蔵さんが「一條大蔵卿」では悪役の本領を発揮し、こちらではもう一つの本領である剽軽さで魅せる。まさに、こういう狂言での<主人>そのものだと思った。踊りも初日に比べて軽やかになっていた。
太郎冠者、次郎冠者の酔いっぷりはステキ。菊ちゃんが楽しそうで楽しそうで、こちらは最初から最後までニコニコ顔。松緑さんの棒術がきびきびして楽しい。次郎冠者が大杯を酒樽に入れて酒を汲もうとすると、客席がざわめいた。「なるほど、よく考えたっ」という感嘆のざわめきかと思ったが、大杯に見立てた蔓桶の蓋は、どう考えたって蔓桶に入るわけがなく、「あれじゃ汲めないわよ」という声が聞こえてきたから、そう心配した人が多かったのかも。松緑さんが足で大杯を傾けるたびに、客席から笑いが起こる。
2
人それぞれの舞も連れ舞も、本当に楽しかった。
辰巳さんの与一は見られなかったが、ここでは後見として活躍。途中、松緑さんの片方の手の紐を解いて縛り直していたが、きつかったのかしら。扇の曲投げがあるから、縛り方には神経を使うのかもしれない。
いい気分で帰ってくることができた。
おまけ:ちょっと早く着いたので、北とぴあの裏に回ってみた。あわよくば、どなたか役者さんに出会えないかな、なんてねcoldsweats01 若いスタッフさんや、もしかしたらお弟子さんたちが何人か外でくつろいでいた。ドアの傍には浴衣とかTシャツなどが干してあり、ああ巡業だなあという気分になった。じろじろ見ては悪いので、さっと通り過ぎる私coldsweats02

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歌舞伎ミーハー観劇記」カテゴリの記事

コメント

ああ、もう7月も終わり。そして中央コースも、本日、厚木にて千穐楽ですねー。
私は4日に八王子に出かけましたが、もはや遠い遠い昔のようです。厚木に行こうかな・・・と思ったこともあったのに・・・あ~、やっぱり行けばよかったかな、と、SwingingFujisanさまのレポを読みながら後悔しきりです。でも、こうして拝読してるだけで、いろいろ思い出したりもして、ニコニコです。
私が見た時、棒しばりの次郎冠者は菊ちゃん、そして茶屋の亭主は辰巳さんでした。
巡業は客席の反応もまた楽しくて、なんか素直な気持ちになれるような気がします。私は最前列の少し横だったから、実は廓三番叟の時、後見の方が陰で曲に合わせて踊りの手をやってらっしゃるのなんかも少し見えたんでした。

投稿: きびだんご | 2010年7月31日 (土) 09時28分

おはようございます。早速の書き込み、流石です。
「一條大蔵卿」の茶亭 与一は松・次郎冠者の時は辰巳さん、菊・次郎冠者の時は音之助さんで「棒しばり」後見が辰巳さん。松・太郎冠者の後見は松男さんとなっていたようです。
私は偶然ですが、両方見られて良かったですhappy01

投稿: とこ | 2010年7月31日 (土) 09時32分

こんにちは、いつも楽しく拝見してます。
私も行きましたー!やはりニ度目です。
ホントに満足満足。
菊ちゃんと菊五郎さん観たさでしたが、あー楽しかったです。
でも次回は、後見さんやWキャストもちゃんと見極めて楽しむくらい
周りも観ないとと反省。
太郎冠者と次郎冠者のWキャストばかりに気を取られてました。
2階席からオペラグラス使ってるとスポットが偏りますね。

投稿: on | 2010年7月31日 (土) 09時41分

きびだんご様
コメントありがとうございます。
ね~、私も初日に見たのがはるか昔のような気がしていました。ダブルキャストの一方しか見られませんでしたが、それでも2回楽しい思いが出来たのは幸せでした。本当は千穐楽が北とぴあだったらよかったのに、なんて自分勝手なことを考えていますcoldsweats01
巡業は客席の反応が楽しい--ええ、ええ、私もそう思います。こちらも変に構えることなく、心の底から素直に楽しめます。

後見の方の動き、興味深いですね。なんか、そういうのもいいなあとちょっとぐっときました。

投稿: SwingingFujisan | 2010年7月31日 (土) 10時24分

とこ様
おはようございます。コメントありがとうございます。そして昨日はありがとうございました。
鉄は熱いうちに打て!(ちょっと違う?)--感動が熱いうちに書いておきたかったのですhappy01
やはり、ダブルキャストの組み合わせはそうなっていたのですね~。とこ様は両方ご覧になれて--それも偶然--、よかったですね!! 私の場合、逃した魚は大きい!(これは違わない?)

投稿: SwingingFujisan | 2010年7月31日 (土) 10時30分

on様
こんにちは。コメントありがとうございます。
on様も昨日いらしていたのですね!!
この巡業は、どの演目も明るく楽しめるのでよかったですね。私は、未だに菊ちゃんの嬉しそうな酔い顔が目の前にちらついて、1人にやにやしております。
「棒しばり」で太郎も次郎も演じるというのは、大変なことだと思います。でも観る側にとっては嬉しい企画。ほかのコンビでもWで見てみたいもの、と思いました。
茶亭のWキャスト、私もほとんど注意がいっておらず、「しまった」と後悔しています。
オペラグラスを使うとスポットが偏る--確かに。そこが2階席、3階席で見る難しさですね(^^)

投稿: SwingingFujisan | 2010年7月31日 (土) 10時37分

「棒しばり」のとき、隣にお子さんを二人連れた方が座ってきたんですが、幼稚園らしきぼうやも拍子をとって楽しんでいましたよ。(「棒縛り」だけ観に来たのかも。それもでもいいくらいよかったですね。)

投稿: urasimaru | 2010年7月31日 (土) 19時34分

Swinging Fujisanさま
私も昨日の北とぴあに行きました。立川にも行ったので、棒しばりはWキャスト見ることができ、偶然とは言え、ラッキーでした。
菊之助くんは本当にほろ酔い加減に見え、何よりも楽しそうなのが印象的でした。このWキャストって、よくあることなのでしょうか?ファンにとっては嬉しいアイディアだと思いました。

投稿: Mickey | 2010年7月31日 (土) 20時40分

urasimaru様
コメントありがとうございます。
「棒しばり」は老若男女だれでも楽しめますよね。そんな小さいお子さんも歌舞伎を楽しく見てくれたんだと思うと嬉しいです。私も昼の部、「棒しばり」だけ見ようかななんて考えたりもしたのですが、結局叶いませんでした。とかく不自由な姿勢で酒を飲もうとする技術に目がいきがちですが、太郎と次郎の「不自由だからこそ、酒がうまい」という雰囲気がいいですよね。

投稿: SwingingFujisan | 2010年7月31日 (土) 22時19分

Mickey様
コメントありがとうございます。
Mickey様も昨日いらしたのですか!! 同じ舞台を見た方が何人もいらっしゃって嬉しいです。
Wキャストは初めてかどうかは存じませんが、かなり珍しいことだと思います。棒に縛り付けられるのと、後ろ手に縛られるのとでは動き方がずいぶん違うでしょうから、役者さんは大変ですよね。それを昼夜で交替してやるのですものね。貴重な舞台だったと思います。
Wキャストは巡業ならでは、かもしれませんね。

投稿: SwingingFujisan | 2010年7月31日 (土) 22時27分

今日、厚木の千穐楽観てきました~♪ 無事、千穐楽の幕が閉まりましたよ。音羽屋さんの舞台で7月を締めくくることができて、ハッピーでした。

>萬太郎クン、ちょっと身長が伸びた?

SwinigngFujisan様っpaper(ハイタッチ)! 実は、私も今日、同じことを思ったのですよ!! でも、もうたしかハタチですし、初日に比べて前のほうで観ているので大きく見えるのかしら…?なんて思っていたところだったのです。目の錯覚だとしても、同じことを思った方がいらして、しかもそれがSwingingFujisan様で、なんだか嬉しゅうございます~。でもたしかに、色んな意味で初日より大きくなられたのでしょう!

気が付けばもう8月になりますのですね。さぁ8月? もう8月? バテないように、劇場通い、頑張りましょう(笑)。

投稿: はなみずき | 2010年7月31日 (土) 22時35分

はなみずき様
paper
やはり、萬太郎クンの成長にお気づきになられましたか。はなみずき様が同じようにお感じになられたなんて、私もとっても嬉しいです!! きっと、目の錯覚ではないと思いますよ(^^) 巡業というのは若い役者さんを成長させますから、萬太郎クンもおっしゃるように色々な意味で大きくなったのでしょうね。

はなみずき様が大好きな音羽屋さんの巡業千穐楽で7月を終わられて、すご~くよかったなあと思っています。
8月は盛り沢山の月ですね、ほんとバテないように頑張りましょう。
ご自身のレポより先にコメントを下さってありがとうございます!!

投稿: SwingingFujisan | 2010年8月 1日 (日) 07時34分

SwingingFujisan様
 今晩は。本当に7月は音羽屋の巡業が一番でしたね。
 ところで、10月演舞場の演目が公表されていますね。三津五郎父子の「連獅子」(いつか、三津五郎が鏡獅子を踊ってくれることを願っています)と、松嶋屋一門の「盛綱陣屋」が期待大です。「どんつく」も豪華メンバーですが、三津五郎が籠まりの曲芸を上手くできるか楽しみです。また、魁春が立女形格で遇されているのが目につきますね。故 歌右衛門が泉下で喜んでいるでしょう。

投稿: レオン・パパ | 2010年8月 1日 (日) 18時47分

レオン・パパ様
情報、ありがとうございます!! 全然気がつきませんでした。
豪華な出演者ですね。演舞場の舞台が狭く感じられそう。
魁春さんは、私は目の動きなどに歌右衛門さんに似たところを感じるのですが、どうでしょうか。子供の頃はお稽古で怒られるのがイヤで家出したこともあるという意外な面をもつ魁春さんのことを歌右衛門さんも心配していらしたでしょうね。
情報、記事でご紹介させていただきました。

音羽屋の巡業があって本当によかったと思った7月でした(^^)

投稿: SwingingFujisan | 2010年8月 1日 (日) 20時16分

お久しぶりでございます。
他の方のコメントに反応してコメントしております。すみません…
urasimaru様が話題にされた小さいお子様は松緑さんのお子様お二人でございますよ。拍子をとられていたのは前日に大役を果たした大河君かと存じます。
奥様と3人で『棒しばり』を観にいらっしゃるということで、番頭さんがわざわざ一番後ろのお席をご用意されてたようなのですが、北とぴあでは未就学児連れだと親子室なる所で鑑賞する決まりらしく、奥様が劇場の方にそう言われて戸惑われてらっしゃるのを見ました。
番頭さんと劇場の方とで話し合われた結果、予定通り一番後ろのお席でご覧になられたようですが「お静かにお願いします」と劇場の方が奥様に念を押されてました。
確かに問題や苦情があっての決まり事なのも理解できますが、ご家族なのに?!と吃驚したのも事実です。
個人的には、お子様方がお客様の反応も伝わる、少しでも近いお席でご覧になれて良かったと思いました。

投稿: M | 2010年8月 2日 (月) 06時16分

M様
コメント、ありがとうございます!!
まあ、松緑さんのお子様だったのですか!
おそらく、劇場の方は、「どうしてあの子だけ座席で見られるの」という苦情や、お子様が騒がれるのを恐れたのでしょうが、大河君は初お目見えもすませた役者さんの卵でもあり、舞台を直に見てお客様の反応を肌で感じ取ることが役者としての成長に必要な気がします。おっしゃるとおり、そういう席でご覧になれてよかったとですね。
決まりをどこまで適用するかという問題は難しいですね(この件に関しても賛否両論あるかもしれませんね)。また静かであるべき場で子供が騒ぐのは私も腹立たしく思います。でも他のお子さんにも、座席で静かに楽しむ--拍子を取るなんてステキな反応だと思います--という観劇マナーを身につけさせてもいいのではないかしら(大人でもマナーの悪い人はいますからね)。まあ、ぎゃあぎゃあ泣かれたりしたら困りますけれど…。

投稿: SwingingFujisan | 2010年8月 2日 (月) 10時10分

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