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2010年9月15日 (水)

「ようこそアムステルダム国立美術館へ」1:ちょっぴり興奮篇

914日 映画「ようこそアムステルダム国立美術館へ」(ユーロスペース)
国立アムステルダム美術館の改装ドキュメント映画と言おうか。美術なんて大してわかっちゃいないくせに、こういう映画好きなのよね。以前にも「ルーヴル美術館の秘密」というルーヴル改装ドキュメントを見たが、それとは全く趣を異にする映画だった(ルーヴルのレポは→ココ)。
真っ暗な画面中央に小さな穴が開き、光が差し込んでくる。その穴はどんどん大きくなり、向こう側が見えてくる。ドリルで美術館のコンクリート壁が壊されているのであった。
2004
年、国立アムステルダム美術館の改装工事が始まった。館長ドナルド・デ・レーヴが解体の進む館内を案内して歩く。大規模改装である。映画は、館長、2人の改装プロジェクト・リーダー(館長は改装のリーダーではない)、2人の建築家、各学芸員、警備員、市民代表などの意見や動きを追う。

とても印象的だったのはアジア館担当の学芸員メンノ・フィツキ。もちろんどの学芸員も熱心なんだろうが、アジア人の私としては彼がとくに熱心に見えた。彼は新しいアジア館にぜひ日本の美術品を展示したいと考えている。これまでアジア美術は美術品としてではなく歴史的・民族人類学的な視点から扱われてきたが、美的価値のあるものとして展示したい。そして館長を説得して、島根県岩屋寺にあった金剛力士像を買い入れることに成功する(館長自ら金剛力士像を訪ねるシーンがあったが、新幹線の駅構内を歩く館長のデカいことshock 背の高いオランダ人の中でも大きい館長は、まさに雲を衝く巨人、リリパット国のガリバーであるcoldsweats01)。
その金剛力士像が美術館に到着する。大きな木の箱を待ちきれないように、しかしそっと開けるメンノ。像はミイラのように白い布や梱包材などで厳重にくるまれている。まず足指が現れる。5本の指を愛おしそうに撫でるメンノ。童顔のメンノは少年のように目をきらきら輝かせて、全身が姿を現すのを待っている。そしてついに…メンノの嬉しそうな誇らしげな表情。日本人としては、嬉しい限りである。
メンノは語る。「40年後に孫を連れてきたとき、『おじいちゃんが作ったんだよ』と言う。すごいことだ」。
もう一つ面白かったのは、歴史部門の展示だったか、一番のポイントとなる場所にどの絵をもってくるかという選択。ある提督の一家の肖像画が候補として挙がる。その理由が「美術品としての価値がまったくない」ことなんである。しかしこの肖像画は戦闘場面を表すでもなく、歴史的な意味が疑問視されてお蔵入りとなる(何千枚?何万枚?という絵画が保存されている倉庫から出されて再び日の目を見る日は来るのだろうか。まさにお蔵入りかも)。こういうシビアな選択は実に興味深い。
また、絵画の修復作業などもわくわくする。
長くなるので第2部へ続く。

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