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2010年10月29日 (金)

子供のイタズラ、大人のイタズラ:大人のイタズラ編「ミックマック」

1026日 映画「ミックマック」(恵比寿ガーデンシネマ1
早々とチケットを買ったのに、行こうと予定した日には必ず何か突発的に別の用事が入り、いつ終わってしまうかと心配しながらやっと見ることができた。公開から1カ月半以上もたち、平日でもあることからガラガラかと思ったら、意外に観客がいて、「ミックマック」人気にちょっと驚いた。

こちらは大人のイタズラである。監督のジャン=ピエール・ジュネは「アメリ」の監督。「アメリ」はきわめてフランス人らしい映画なのだと、当時私の知るフランス人はみんなそう言っていた。私はなぜ「アメリ」が大騒ぎされるのか全然理解できなかったが、この「ミックマック」は非常に面白かった。
発砲事件のとんだとばっちりを受け、頭に弾丸が入ったままで生きていくことになった男バジル(ダニー・ブーン)。弾丸を取り出したら植物人間になる。担当医師によりコイントスで弾丸を取り出すか否か決められたその結果がバジルを救うことになった。そのシュールさcoldsweats01

事件の後、仕事も住む所も失ったバジルは空腹のままふらふらと町を彷徨う。とある教会の前で行われている慈善事業の炊き出しに心惹かれるが、プライドなのか、もっと他に必要としている人がいるだろうという優しさなのか、背を向ける。バジルはぬーぼーとした大男で、見た目はいかにも冴えないのだが、こういう小さなシーンでバジルの人間性を考えさせるのが映画としてうまいなと思う。
バジルはその後カフェで変なオジサンに声をかけられる。そのオジサンが何十年も監獄にいて最後はギロチンにかけられたが首の皮を傷つけただけで済んだため恩赦でシャバに戻れたという、何となくフランスっぽい人物。
彼に連れて行かれた先は廃品の山の中に作られた隠れ家、そこではそれぞれ一芸に秀でたユニークな人間が7人で共同生活を営んでいた。言ってみれば変人集団である。1人1人については触れないが、個性豊か、心優しい愛すべき変人たちである。
バジルの頭の中に残る銃弾を製造販売した会社のビルと、バジルの父の命を奪った地雷の製造販売会社が向かい合わせに建っていることを知った彼らは、2つの会社に「スパイ大作戦」や「特攻野郎Aチーム」並み(smile?)の様々なイタズラを仕掛け、死の商人を懲らしめることにする。
一種の反戦映画であろうが、廃品と知恵を駆使し笑いを呼ぶ作戦は声高にメッセージを叫ぶよりよほど痛快である。

パリのフランス人は他人に冷たいような印象があったが、この7人+1人は社会からはみ出した連中であり、そこには大家族のぬくもりがある。そしてちょっと冴えないバジルと軟体女(冷蔵庫の野菜室にももぐりこめる)との優しい恋愛というおまけもついている。
「アメリ」のイタズラはストーカーみたいと思ってしまった私だが、「ミックマック」は本当に楽しめたし、未だに土日は混雑するという人気もわかると思った(恵比寿では1119日まで)。
なお、この映画の撮影は「エディット・ピアフ~愛の讃歌~」でセザール賞の撮影賞を受賞した日本人・永田鉄男氏である。
<上映時間>105分(私が見た回は予告込みで14001600

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