« 座頭としての貫禄:第2回「挑む」① | トップページ | 「0号室の客」①:開演前 »

2010年11月28日 (日)

実力派の踊り:第2回「挑む」②

1126日 「挑む vol.2~歌舞伎役者の華麗な舞」昼の部(玉川区民会館)
「鶴亀」
舞台がすごく近い。長唄がこんなに近くにいるなんて、とびっくりするくらい。
松五郎さんは男らしくきびきびと舞い、隆松クンは小柄だが踊りにのびのびとした大きさがあり、徳松さん(お顔が岡本信人に似てない?)には女方らしい柔らかさが感じられ、3人のバランスがよいと思った。松五郎さんと隆松さんは途中で引っ込み、鞨鼓をつけて又出てきた。素踊りではあったが、下手にはちゃんと五色の揚幕も設えられていたし(舞台が狭いので臆病口はなし)、背景には松の木も描かれていた。この3人の踊りが見られたのは嬉しかった。

この後、又松也クンが出てきて(休憩時間ではない)、スポンサーのAGFから3名の方にコーヒーギフトを進呈するというので抽選が行われ、音一郎さんのアシストでギフトが渡された。いいなあ、当たった人。でも、私たちもお土産にコーヒードリンクを頂いたのだったわ。
松也クンが歌舞伎豆知識とか言って「歌舞伎には声が掛かることがありまして」と口にすると、すかさず「ぉとわやっ!」。「二人椀久」の國矢さんは紀伊国屋、左字郎さんは高島屋だから、本屋とデパートと覚えて(去年も同じこと言ったよ(^^))声を掛けてあげてください。音一郎さんが「やってみますか」とけしかけ、ではということで音一郎さんが見得を切る。あちこちからバラバラと甲高い「おとわやっ」の声が(女性が多いからね)。声は揃わなかったが、音一郎さんの見得はさすがカッコよかった。
以下、松也クンのお喋り。
「棒しばりは踊りがうまい人がしばられてどれくらい踊れるかという難しいもので、最初練習したときには後悔したほど」
「ラジオのDJをやっているということでベシャリはOKだろうと今こうして出されている」
「テレビのバラエティにも出演している(ROCK YOUのこと)。お花もいただいている」
「挑むは今後も続けたい。今日は平日だが、来年以降は土日ということも考えたい」

「二人椀久」
國矢さんの狂おしさ、左字郎さんの切なさ、踊りのうまい2人だから安心して見ていられる。左字郎さんが女方?とちょっと驚いたが、スリムになった左字郎さんの松山はとても美しく幻想的だった。左字郎さんは今後、女方もイケるんじゃないかしら。
この演目は私は苦手なのだが、左字郎さんの説明どおり、音楽はかなりのアップテンポになり、それに応じて踊りも驚くほど激しくなり、見ごたえがあった。また照明も全体にほのぐらい中、次々に色が変り、幻想性を高めていた。
「棒しばり」
團蔵さんの指導によるそうだが、松五郎さんの大名にはたしかに團蔵さんの影響がみられるように思った。真面目そうな松五郎さんがちょっと剽軽に見えて楽しい。
舞台が狭いので棒の扱いが大変そうだったが、松也クンの棒さばきはなかなかのものであった。太郎冠者(音一郎)の手を後ろ手に縛るのにはちょっと手間がかかって、間に合うかしらとハラハラしたが、後見の隆松クン、頑張った。
松也クンも音一郎さんも(あらっ、松也クンのほうが年上?)酔いの演技がうまく、酒の匂いがしてきそうなほど。連れ舞いは迫力があって楽しかった。扇投げもうまくいって拍手喝采。幕が降りたあとも拍手はなりやまず、カーテンコールには松也クンと音一郎さんの2人が顔を見せた。
実にいいコンビで、今日1日だけの公演なんてもったいないとつくづく思った。

様々な場で感じることだが、実力がありながら役に恵まれない役者さんはたくさんいる。それが歌舞伎の世界なのだろうが、だからこそこういう公演が大事なのだ。平日の昼間にしてはそこそこよくお客が入っていたこと、出演者に熱い拍手を送っていたことが嬉しかった。
なお、プログラムは去年と同じ蛇腹折りだが、去年の5山に対し今年は10山と、つまりページ数が倍になった(去年のプログラムはココ参照)。作品解説では「鶴亀」の全歌詞(現代語訳付き)のほか、それぞれの演目の用語解説があり、4人のアツい座談会と内容も充実している。それに、今回は写真がとってもいいの。大事にします。
<上演時間:手元時計にてなので正確ではないかも>挨拶、「鶴亀」28分(14301458)、「二人椀久」37分(15151552)、幕間約20分、「棒しばり」42分(16101652

|

« 座頭としての貫禄:第2回「挑む」① | トップページ | 「0号室の客」①:開演前 »

歌舞伎ミーハー観劇記」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1083822/37868882

この記事へのトラックバック一覧です: 実力派の踊り:第2回「挑む」②:

« 座頭としての貫禄:第2回「挑む」① | トップページ | 「0号室の客」①:開演前 »