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2010年11月26日 (金)

黙阿弥のアウトローはかっこよく悲しい:河内山と直侍

1125日 顔見世大歌舞伎千穐楽昼の部(新橋演舞場)
3
階席は暑かったsweat01
まず、めで鯛焼きで軽く腹ごしらえ。1時間後には又軽くお昼を食べるんだけど、座席にまで漂ってくる餡の香りに耐えられなかったんだものdelicious
「天衣紛上野初花」
初っ端の市之丞門弟と丑松たちの争い。見物人の春希クン、かっわい~い。そういう争いを見守る雰囲気もだいぶ出るようになったものだ、と親戚のオバサン感覚で目を細める私。そして美形の京由クン、両手を握り締め、どうなることかと固唾をのんでいる様子、一件落着でほっとした様子が見て取れて、ついつい2人にファインダーを合わせてしまう。
左字郎さんは松也クンによるとダイエットに成功したそうだが、リバウンドもこず、本当にスリムになった(教わりたいぞsmile)。しかし筋肉はしっかりしていて、立回りなんかもするからか、とくに脚の筋肉は素晴らしかった(どこ見てんだ、私coldsweats01)。
さて、ミーハーはひとまず置いて。
娘おふじ(腰元・浪路)の一件は「魚屋宗五郎」に通じるものがあって、ああこちらは無事に助かってよかったと思う。ところで、上州屋親戚筋の和泉屋清兵衛さんって、いつも懐に100両もの大金を忍ばせているの? 河内山に100両請求されたときに、ぱっと出すのがずっと気になっていたのだ(ナンセンスつっこみでごめんcoldsweats02)。
二幕目大口楼廻し部屋の場、屏風の陰で横になっている直次郎。芝のぶちゃんだったか菊三呂さんだったかが屏風を片付けると、やおら起き出す直次郎。なんと気だるく美しく色っぽい。ゾクっときた(ここで直次郎という人物が決まると私は思う)。
芝のぶちゃんも美しく、三千歳に対する優しさに輝いている。菊三呂さんと2人、「金子さんの座敷はあたしたちでうまくやっとくから、2人で仲良くしてね」という感じが溢れている。
菊五郎さんと時さまのコンビネーションはやっぱり最高。直さんのヒモぶりを三千歳が可愛く思っている、また直次郎も三千歳に惚れている。金子に対する三千歳のイヤ顔・嫌味。直次郎が紋付を着て金子の座敷を訪ねてきたときの三千歳の得意げで嬉しそうな顔。100両の金を直次郎がきっぱりと金子に返すときの三千歳の誇らしげな顔。後の悲劇を知るこちらには三千歳の気持ちが悲しいけれど、こんな幸せな一瞬もあったのよね。
四幕目入谷村蕎麦屋の場。「菊十郎っ」「音吉っ」と声がかかる。そういえば、昼の部の終わった後、菊十郎さんが楽屋口から出ていらっしゃるところに偶然居合わせ、思わず声をかけてしまったのでした。前回も昼の部の後、同じ場面に出くわしたのだけど、その時は声をかけるには距離があって、ただ姿を眺めていただけの私。素顔の菊十郎さんも江戸っ子の雰囲気を漂わせるイナセなオジサマだった。

蕎麦屋さん、奥さんがせっかくネギを切ったのに店じまいとは…その後、直次郎と丈賀が来たからよかった。直次郎ったら、股火鉢でほっと暖を取るくらい冷え切っているのに、あんな大雪の中裾端折りしちゃって、素足とはイナセだねえ。丈賀の出は3階からは見えないが、チャリンの音とほぼ同時に「紀伊国屋っ」と大向こうがかかったのでわかった。この雰囲気、「ああ、芝居みているなあconfident」としみじみ思う。
丑松は仲間を裏切るわけだが、それなりに葛藤もあったのだろう。ということは少し理解できた。
直次郎に再会した三千歳、言いたいことがたくさんあったのに、何を言いたいかわからなくなっちゃったとは、なんて可愛いんでしょう。一緒になれると思ってどんなにか嬉しかっただろうに、それが別れになったとは。「もうこの世じゃ会われねえ」の直次郎の言葉から泣けてきた。
段四郎さんの背中に妹を心配する様子が見えて、これにもうるうるきた。段四郎さん、セリフを言っている横顔が浮世絵の歌舞伎役者っぽくて、しばし見とれた。

萬次郎さんは河内山の妾らしく度胸がすわっていて、悲しさもあって、いい女だなあと思った。

黙阿弥のアウトローはかっこよくて、悲しいね。

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コメント

私も三千歳のらぶらぶな姿が見られてうれしかったです。
あのお二人のしっくり感、女房役者って言うのはこういうことなのかしら、って思います。

投稿: urasimaru | 2010年11月27日 (土) 10時23分

urasimaru様
「女房役者」--うん、そうだそうだ、と膝を打ちました。
「狎れ」というのは悪い意味のようですが、いい意味での狎れ(節度のある狎れ--っていうのも変ですね)が実にしっくりきますね。

投稿: SwingingFujisan | 2010年11月27日 (土) 10時48分

やはり黙阿弥はいいですよね〜。江戸の生活が垣間見えるところもワクワクします。私も江戸時代に生まれたかったわshine

投稿: 林檎 | 2010年11月27日 (土) 14時17分

林檎様
たくさんコメントをくださってありがとうございます!!
江戸の町は様々な意味で非常にレベルが高かったようですから、その時代に生まれないまでもちょっとタイムスリップして覗いてみたいなあと思います。
又、江戸博にでも行ってみようかな(^^)

投稿: SwingingFujisan | 2010年11月27日 (土) 15時00分

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